映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

ジョギリ・ショック! 映画『サランドラ』ネタバレあらすじと感想

サランドラ

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:7/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:8/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1977年製作/アメリカ/上映時間90分
原題:The Hills Have Eyes

監督・脚本・編集:ウェス・クレイブン

製作:ピーター・ロック

撮影:エリック・サーリネン

音楽:ドン・ピーク

出演:スーザン・レイニア、ロバート・ヒューストン、マーティン・スピアー、バージニア・ビンセント、ジェイナス・ブライス、ディー・ウォーレス、ラス・グリーブ、マイケル・ベリーマン

あらすじ

トレーラーで旅していたボブとその家族は道を間違え荒野で迷子に。さらに車が故障。立ち往生するボブたちは助けを求めに歩み始めるが、そこには恐ろしい人食い一家が住んでいて...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

老人フレッドは郊外でガソリンスタンドを営んでいた。客は来ないし食料もない。彼はここを引き払って別の場所に移動することを考えている。
そんなとき孫娘のルビーが食料を交換してくれと現れた。彼女は盗みを働いており、軍の駐屯地にも手を付けている。そのせいで老人の店には度々警察が出入りしていた。

話をしていると人が来た。警察だと思った老人はルビーを部屋に隠す。相手は給油しに来た客だった。彼らは大家族でトレイラーハウスを牽引しながら移動している(一家の主ボブ、ボブの妻エセル、夫妻の娘リン、ブレンダ、夫妻の息子ボビー、リンの旦那ダグ、リンとダグの赤ん坊、飼い犬ビューティー、ビースト)。銀鉱を目指すと聞いたフレッドは、あそこには近寄らない方がいいと忠告。軍の試験場になっているし、そもそも鉱山は廃坑になっている。


ルビーの兄マーキュリーがルビーを探してやって来た。ルビーはフレッドが逃げようとしていると密告。

 

一家は忠告を無視して鉱山を目指した。


フレッドはルビーが居なくなったことに気付き逃げようとすると車が爆発。移動が出来なくなる。

家族の乗るトレーラーを何者かが監視していた。


一家がフレッドのことをバカにしていると空軍の戦闘機が近くを飛んだ。運転していた父親ボブは早くここから抜け出そうと加速。ウサギを轢きそうになって事故を起こした。
車のシャフトが折れて修理は絶望的。ボブは歩いてガソリンスタンドに助けを求めることにした。ダグは北に向かい軍の基地を探す。
ボビーと女性陣は車に残った。飼い犬のビューティーがなにかに反応して飛び出してしまったのでボビーが追いかける。険しい岩山の頂上でビューティーは何者かに殺されていた。驚いて逃げたボビーは転倒して気絶。


夜になり女性らは無線を試みる。すると監視していた男の鼻息が聞こえた。
ブレンダが飼い犬ビーストを連れてボビーの捜索に向かった。彼は何も言わず帰っていく。


ボブがガソリンスタンドに到着。フレッドが自殺を試みていた。彼は昔話を始める。フレッドと妻マーサの間に化け物のような子供ジュピターが生まれてしまった。10歳の頃にはすでに父親の背丈を越えており、ニワトリの首を千切っていた。ある日、フレッドが町に向かうと家は全焼。マーサが黒こげになっていた。フレッドはジュピターを荒野に置き去りにした。これで死ぬだろうと考えていたのだが、彼は物好きの女性と繁殖を始める。今ではそうして生まれた子供達が暴れまわっているという。
話を終えると同時、ジュピターが現れた。フレッドを外につまみ出すと刺殺。

ボブは逃げ出したが、心臓病を患っている彼は長く走れない。すぐにジュピターに捕まった。

 

トレイラーにダグが帰ってくる。彼は人と会えなかったがゴミを拾ってきた。

ルビーはフレッドと逃げようとした罪で母親に鎖で繋がれている。

ジュピターに捉えられたボブは拷問を受けていた。

 

ダグとリンはボビーの制止を振り切って車に向かう。情事にふける車の外ではジュピターの息子プルートがガソリンを盗んでいた。
ビーストの泣き声を聞いてボビーが外に飛び出す。しかしそれはビーストのものでなく、ジュピターの息子マーズが発したものだった。異変に気づいたボビーがトレイラーに戻るとドアが開かない。プルートが侵入していた。
ボビーは行為に及んでいるダグから鍵を貰う。ダグがプライベートはないのかと嫌みを言ったがボビーはビューティーが殺されたことを告げる。
そのころプルートはトレイラーの中で食料や武器になりそうなものを物色していた。彼はブレンダに好意を寄せている。準備を整えるとジュピターに今だと無線を送った。

同時、遠くの方で何かが爆発し、ボブの悲鳴が響いた。リン、ボビー、ダグ、エセルはボブの元に向かう。ボブは縄で縛られて燃やされていた。

トレイラーでプルートがブレンダを強姦。それをマーズが横取りした。

燃えるボブを見てエセルはおかしくなる。ダグの指示に従い、エセルとリンは毛布と水を取りにトレイラーへ戻った。そしてマーズと鉢合わせる。マーズは2人に発砲。銃声に気づいたダグとボビーが急いで戻ったがリンは亡くなっていた。エセルはかろうじて生きている。ジュピター一家はダグとリンの赤ん坊を奪って逃走。
トレーラーの監視をしていたマーキュリーはビーストに襲われて死んだ。


ジュピターの息子らは赤ん坊を連れて家に帰った。一家は大喜び。だが、マーキュリーが帰っていないことに気が付いた。

 

トレーラーはバッテリーが切れて大騒ぎ。そんなときにドアから物音がした。正体はビーストでマーキュリーの無線機を運んできた。

 

ジュピター一家はボブの死体を食べている。ジュピターはマーキュリーの復讐を誓った。ルビーが後ろの方で赤ん坊を抱えて泣いている。

 

朝になり、ダグはビーストを連れて外に出た。エセルが遂に事切れる。
ボビーが空軍との通信を試みる。ようやく繋がったと思うと相手はプルートで、空軍に成り済ました彼に武器の個数等を喋ってしまった。
プルートとジュピターがトレーラーに向かっている。ダグはジュピター一家の拠点に着いていた。

プルートが1人になったタイミングで後を尾けていたビーストが襲いかかった。ビーストは足に噛みつき、プルートが叫び声をあげる。聞き付けたジュピターが引き返し、プルートを助けた。ビーストは走って逃げていく。怒ったジュピターは拠点にいるマーズに赤ん坊を殺せと指示。この無線を盗み聞いていたダグは急いで救出に向かう。赤ん坊はルビーが持っていて、彼女はダグに返してくれた。

 

ボビーとブレンダはエセルの死体を囮にトラップを設置。

再び1人になったプルートの喉元にビーストが噛みつき、殺害。

ジュピターがやって来てトラップに引っ掛かるが、ロープが外れて作戦は失敗。
その後、ボビーとブレンダはトレーラーにガスを充満させ、ドアを開けると爆発する罠をはった。企み通り爆発は起きたがジュピターはピンピンしていた。ボビーに襲いかかるジュピターの背中にブレンダが斧を振りかざす。ボビーも拳銃で撃ち、ジュピターを殺した。

 

ダグは赤ん坊をルビーに隠して貰い、マーズと戦闘。危うく殺られそうになったがルビーがガラガラヘビをマーズに噛ませて形勢逆転。ダグはマーズの持っていたナイフを拾ってとどめを刺した。

感想

何度見ても色あせぬ傑作。僕はリメイクのヒルズ・ハブ・アイズの方を先に観てたんだけど、どっちにも違う良さがある。単純な比較の話になるけどこっちの方がラストが淡泊な印象。復讐感が薄い。リメイクでは犬の活躍も無かった。こっちでは飼い犬のビーストが一番活躍していて驚く。

本作はジュピター一家のカニバリズムや強姦シーンに嫌悪感を抱くわけだけど、ボブ一家の険悪な雰囲気の方が個人的に嫌。ボブとエセルが喧嘩したり、ボビーの発言権が弱かったり。仲良し家族って訳じゃなくてそこら辺の家族って感じでリアルに思える。ジュピター一家という共通の敵に対処するために手を取り合う過程がいい。

ラストは確かにあっけないが良い終わり方だと思う。これ以上続いても蛇足でしょう。

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グロいしキッタねぇゾンビ 映画『シー・オブ・ザ・デッド』ネタバレあらすじと感想

シー・オブ・ザ・デッド

コメディ度:2/10

グロ度:5/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:5/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2013年製作/ブラジル/上映時間96分
原題:Mar Negro
配給:キュリオスコープ

監督・脚本・撮影・編集:ロドリゴ・アラガオン

音楽:ジョアン・マクダウェル

出演:マークス・コンカ、ティアゴ・フェリ、キカ・デ・オリベイラ、キャロル・アラガオン

あらすじ

海に面した小さな村。漁師として働くぺロアはある日、大きな魚とも半漁人ともとれる生物を捕獲。油断して近づくと腕を噛まれてしまった。それから村では奇妙なことが起こり始め...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

小さな漁船に男性2人(船長のペロアと通称くたびれ馬)が乗っていた。今回は不漁で燃料代も稼げていない。網を引き上げてもまともな魚はちっとも捕れなかった。
網が突然強く引かれる。かかっていたのは巨大な魚?半魚人?だった。死んでいると思って近づいたペロアが腕を噛まれてしまう。くたびれ馬が引き剥がし海に落とす。
2人は大急ぎでその場から逃げた。

 

森の中を何者からか逃げていた男性アウビノは血みどろの死体を発見。傍らに落ちていた本を読んでいると死体が起き上がった。

それと同時に目を覚ます。

その本は実際に机の上に置いてあり、意中の相手を射止める方法のページが開かれていた。
アウビノの雇い主オットーが部屋まで起こしに来る。オットーはバーを営んでいた。

 

冒頭の漁船が陸地に到着。傷の手当てをしていると船のオーナーが現れた。ペロアは傷をアカエイの棘に刺されたと誤魔化す。

帰宅したペロアを家族が出迎えた。妻インジアラは治療として焼いたレモンを傷口に押し付けると縫合。

 

オットーのバーにくたびれ馬がやって来た。彼は漁で獲れたアカエイをオットーに売る。
続いてインジアラが肉を買いに来た。アウビノは彼女に恋心を寄せている様子。このときアウビノはアカエイの処理を任されていたが、少し目を離した隙にエイが脱走。
肉を持って帰ろうとしたインジアラがエイの血で転倒。アウビノが起こしてあげた。そのときエイが現れて肉をかっさらって行く。2人はそれに気づいていない。
インジアラが肉がないと騒いでいると、アウビノは店から肉を盗み出してきた。見返りに髪の毛が欲しいと言う。子供の人形を作るためだという理由に納得したが、くたびれ馬の邪魔が入った。
インジアラは帰ってしまい、アウビノは盗み損。オットーにエイが消えたと報告。

 

帰宅したインジアラは肉を炒めて昼食を作る。しかし、ペロアの様子が変だった。かっぴらいた目で食べ物を口一杯に頬張っている。
洗濯物を干しているとインジアラの友人シウマラがやって来た。彼女は、今夜クラブのパーティーがあって従業員を募集していることを伝えに来てくれた。インジアラは最初「娼館で働くなんて」と断っていたが高い賃金につられて一緒に働くことに。

 

アウビノが部屋にこもっていると、オットーがクラブにでも遊びにいってこいと金を握らせてくれた。


夜になりマダム・ウルスラが挨拶してスルルクラブがオープン。インジアラとシウマラは話のとおり裏方で料理を作る。

 

ペロアの家では姉弟が絵本を読んで仲良くしていた。そこにペロアの叫び声が響く。傷口の縫合が外れてしまい、自分では直せないからと姉弟に頼んだ。弟が傷口に触れた瞬間、そこがまるで口のように閉まり指が千切られた。ペロアは姉に薬草を取りに行けと命令。

 

クラブにゲストのイシドラ・フェルナンデスが到着。彼女は歌姫でマダムの憧れだった。

 

オットーの店に客がやって来る。彼は古本を集めてるらしく、本はないかと尋ねた。オットーはここら辺で本を読むやつなんて居ないと答えたが、アウビノが頭をよぎる。彼はアウビノのことを告げたが今は不在。客は部屋に侵入しようとした。それをオットーは止めようとしたのだが、客に殺されてしまった。

 

クラブに到着したアウビノは早速娼婦に声をかけられ、部屋へと誘導される。しかし途中の厨房でインジアラの姿を見た彼は咄嗟に逃げ出してしまう。その結果、娼婦に女を恐がるゲイの烙印を押され、クラブ中で虐められて逃走。


厨房では料理長のヨランダが魚をつまみ食い。


ペロアの娘は森で薬草を摘んでいた。途中で儀式のようなものを目撃。帰宅した娘はゾンビと化したペロアが弟を食べているのを目撃。家から飛び出したが、外で儀式をしていた連中もゾンビとなっていた。

 

クラブにフェレイラ議員が来た。彼は店の売り上げを30%寄越せ、女を呼べと露骨にたかる。議員は早速プレイ開始。娼婦が魚料理を持ってきたが彼は食べず、他の娼婦が食べた。
ステージにイシドラが登壇。曲が始まろうとしたときに銃声が響いた。撃ったのは外にいたガードマンでペロアが襲いかかったらしい。それを皮切りに魚を食べた人々が次々とゾンビ化。一瞬のうちにクラブは地獄と化した。ゾンビは黒い血を吐いて人に噛みつく。武器を持つ人々はゾンビらと戦ったが、頭を落としても体だけで襲いかかる。


生存者らは議員のプレイルームへと逃げ込んだ。マダム・ウルスラはせっかくのオープンが台無しになってぶちギレ。押し入れからガトリングガンを取り出すとゾンビらに突っ込んで行った。この際、イシドラのボディーガードだったオソを誤って射殺。
ウルスラが道を開いて生存者らをクラブから脱出させた。遅れてイシドラがやって来たが彼女はオソの敵討ちだとウルスラを刺殺。


議員の秘書が車に乗り、議員を置いていった。議員はゾンビに襲われる。車の中にはゾンビ化したニワトリが乗っていた。


インジアラがゾンビから逃げる娘を発見。イシドラ、くたびれ馬と共に救出を試みる。

 

アウビノはそのころ自室で頭髪を切っていた。そこに先ほどオットーを殺した男が現れ、本を寄越せと詰め寄る。アウビノは大人しくシプリアンの書を渡した。するとどこからか頭にアカエイを生やしたゾンビが現れて男を襲う。
アウビノがバーに逃げ込むと同時、クラブからの生存者が入ってきた。アカエイのゾンビをくたびれ馬と共に殺しているとゾンビが扉を破って侵入。彼らは斧やマチェーテでそれに応戦。

途中でくたびれ馬が誤ってインジアラの首に斧を振ってしまう。アウビノはそれに気付きくたびれ馬を殺した。
インジアラの娘と協力して彼女の死体をアウビノの部屋に運び込む。イシドラは置いていかれた。
インジアラが死んでしまいアウビノは悲しんだ。呼吸を整えると娘を殴り倒す。彼は彼女を生け贄にしてシプリアンの書にのっとり、インジアラを甦らせようと企んでいた。
呪文を唱えると悪魔が現れた。しかし、そのタイミングでアウビノがゾンビに襲われる。さらに娘が逃げ出してしまった。悪魔は空気を読んで帰っていく。
ゾンビを倒し、続きをしようと振り返ったアウビノは娘が居ないことに気づく。インジアラを裸にし、ドラム缶に入れて魔方陣を書いた。そして絶対にインジアラを甦らせると誓うと荷物をまとめて外に出た。

 

逃げ出した娘は海に出たが、そこにもゾンビはいた。
その中に弟のゾンビを見つけた彼女は思わず声を出してしまう。ゾンビらに追われているとクジラのゾンビが現れた。クジラゾンビは陸上で寝返りを打ち、ゾンビらを潰してしまう。娘はそれを避けて崖の上に登り助かった。

感想

舞台、作風、焼いたレモンに既視感があるなと思ったら「デス・マングローヴ ゾンビ沼」の監督で納得。断然こっちの方が良いな。デス・マングローヴ ゾンビ沼の記https://sottou-hurann.hatenablog.com/entry/2020/06/28/130000

前作から画面のキタなさやグロテスクな造形と良いところが引き継がれ、意味の分らないシーンや苛つくシーンがカットされた上位互換のような作品。主人公が気弱なのもちょっと被る。さらに悪魔、アカエイゾンビ、クジラゾンビにガトリングガンと次々出てくる変な奴らに興奮しっぱなしだった。後半は...。

本作の嫌な点は序盤のつまらなさ。初めの魚が捕れたところは面白かったんだけどそこからクラブでゾンビが現れるまでがずっと退屈。ペロアのパート以外全然ゾンビに関係ないから何観てるんだっけってなる。登場人物が結構多くて次々場面が変わるのもいまいちだったな。前作に比べると大分マシなんだけど。

僕はゾンビ映画で一番大事なのはゾンビの造形だと思ってるから本作が結構気に入っている。なぜこんなにも特殊メイクが優れているのだろうか。

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人身売買失敗 映画『スーパーナチュラル 監禁少女』ネタバレあらすじと感想

スーパーナチュラル 監禁少女

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:1/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2016年製作/86分

原題:SEIZURE

監督・編集:ジェイミー・シンバル、ライアン・サイモンズ

脚本:ライアン・サイモンズ

撮影:Coz Greenop

音楽:ベン・パーソンズ、ジャック・プーア

出演:ジミー・アレン、リンゼイ・ベネット=トンプソン、クリス・ブラックウッド、ジェラーデン・バースウィック、ロキシー・バグラー

あらすじ

人身売買の現場で謎の銃撃事件が発生。その場に居合わせた場所を用意していただけの小悪党らは、銃声を聞いて駆けつけた警察から逃げるため取引相手のセーフルームに向かったが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

”ルーマニアでは神聖な印を持つ女児はさらされて呪いをかけられ殺された。生け贄を捧げればライバルに勝てると信じられていた。”


ルーマニア

魔女みたいな容姿の老婆が何かを唱えている。浴槽には白い液体が張られており、少女が三角座りで座っていた。老婆は湯に血のようなものを垂らしている。
そこに2人の若者がやって来るともう待てないと言い、少女を布に包んで連れ出した。老婆は拳銃で射殺される。


少女は車に乗せられ、イングランドまで運ばれた。なにやら少女を巡って取引がされているよう。
取引の最中にトラブルが起きたのだろうか銃声が鳴り、場所の提供者が見に行くと悪そうな連中が額に穴を空けて倒れていた。
現場に残されていたのは昏睡状態の少女と人身売買する際に被害者をヤク浸けにする役割を持っていた女医。程なくして警察のサイレンが鳴り出す。
土地の提供者ら3人(リーダーのジム、荒くれ者のデイブ、ジムの養子で気の弱いペトラ)は女医の指示に従い雇い主エディのセーフハウスへと向かった。そこで門番と出くわし、事情を説明して少女の印を見せる。そのとき裏手のドアが急に閉まった。門番は買い手が来るからそれまでここで待てという。
女医は自分の腕に注射を打った。鏡に少女に似た霊が映る。
3人はこれからどうするかを話していた。ジムはとにかく門番の指示に従うこと、少女に近づかないことを決める。
夜になり、下っ端のペトラが見張りをしていたが途中で眠ってしまう。夢の中で少女に帰りましょうと言われた。目を覚ますと門番が助けを求めて手を伸ばしている。彼の首筋には噛み傷がついていた。
女医は最後の一本の鎮静剤を門番に打ち込んだ。薬がなくなったので買いにいかなくてはいけない。
ペトラと少女を置いて女医、ジム、デイブの3人は買い出しに向かった。
女医は車の中で昔経験した取引の話をした。少女が突然暴れだし、女医の首筋を噛もうとしたという。


ペトラは留守中にジムが隠した取引の金を見つけた。札をバッグに詰めていると女性の叫び声が聞こえる。少女はトイレに行きたがっていた。人のいいペトラは彼女を解放すると用を足させた。


車はドラッグストアに着き、女医が買い出しに出る。ジムも食料を買いに出た。


ペトラは少女と談笑していたが、自分の甘さに気づいて彼女に手錠をかけた。すると少女は彼女が現れると警告し始める。
叫び声を聞いて門番の元に向かうと彼の横に別の女が立っていた。ペトラは森に走り出した。途中で少女の手錠の鍵を持ってきてしまったことに気付き家に戻る。すると車が帰ってきた。
とりあえず金を詰めたバッグを捨てて戻り、適当なことをいってその場をかわした。
門番が死んでいることで一行は大騒ぎ。死体を森に捨てる。
少女の叫び声がこだまして全員で彼女の元に向かう。デイブが突き飛ばされて横腹を負傷。
ジムは金がなくなっているとペトラを責めた。ペトラは咄嗟に女医のせいだとジムに発破をかける。
その後ペトラは少女の元に行き、今夜絶対に助け出すと約束。


その晩、ジムとペトラは車に乗っていたが、突然ジムが姿を消した。不審に思ったペトラが車を降りると納屋には森に捨てたはずの門番の死体が。家の中を進むと蝋燭に囲まれてデイブが死んでいた。額には銃で撃たれた跡がある。さらに先ではジムがナイフを持って女医を殺していた。その後、彼はペトラに銃口を向け、ペトラは夢から覚めた。


車内で目覚めた彼は少女の救出を始める。泥酔して眠っているジムの胸ポケットから手錠の鍵を抜き取ると、少女を解放した。
そこにデイブがやって来てペトラを責めた。ここでもペトラはデイブを言いくるめ、女医を殺して金を見つけて見せると言い放つ。
ペトラは女医を連れて森に向かうと殺す機会を伺っていた。
ジムも家の周辺で金を捜索しているとペトラの隠したバッグを発見。家に戻るとデイブがあまりの痛さで喚いていた。
森では少女の霊が現れており、女医はそいつを追った。やがてトンネルにたどり着き、ペトラはその中でこの人身売買の目的を知ることとなる。PCの中にあった動画で少女は凌辱の果てに殺されていた。女医がペトラを殺そうとした瞬間、霊が現れると彼女を殺した。
家に逃げ戻ったペトラは軒先に隠していたバッグが見つかったことを知る。それと同時、ジムに頭を殴られて気絶した。

目を覚ましたペトラは縛られて転がされていた。少女を逃がせという彼にジムは熱した砂糖水をかけるという拷問を行う。そしてポリ袋を被して窒息させた。

そのころデイブは少女を犯そうとしていた。少女を手にかけようとした瞬間、背後から霊が現れて彼の首筋を噛みちぎった。
悲鳴に呼ばれてジムがやって来る。彼はデイブを射殺すると少女を殴って気絶させた。

ジムはペトラを殺そうとナイフを構えた。そのとき気絶していた少女が目を覚まして、手錠に繋がれた鎖でジムの首を締め上げた。
少女とペトラは車で脱出を試みるもエンジンがかからず。
2人は森に逃げ込む。そこにまだ生きていたジムが襲いかかった。ジムは霊に引き寄せられてトンネルに向かう。彼はそこで霊に切り裂かれて死んだ。

 

無事整備された道に出たペトラと少女は走行中の車を止めて乗せてもらおうとした。しかし、その車はこの取引の買い手が乗ったものだった。ペトラは射殺され、少女は後部座席に乗せられる。少女の目がミラー越しに赤く光った。

感想

久しぶりに外れを引いた。本作はあまりにもヒドい。ただ現に僕は最後まで見終えている。やめようと思ったタイミングはいくらでもあったけど。

一応幽霊が出て人を襲う作品なのだが、その方法があまりにも物理。噛みついたり、ひっかいたり、ナイフ使ったり。少女にも乗り移ってるって解釈で良いのかなあれは。心霊的な演出はちょっと扉が勝手に閉まる程度。

良かった点をひねり出すと最後にジムがペトラにやった拷問かな。熱した砂糖水をかけられて手がケロイド状になるシーンは良く出来ていた。ポリ袋で窒息させるシーンも。でも窒息のシーンは演技とかじゃなくてマジでやってる可能性あるな。低予算の作品で急にリアルな出血シーンとかあると本物を疑っちゃうよね。

スーパーナチュラル 監禁少女(字幕版)

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  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: Prime Video
 

ゾンビが向かった先は... 映画『コリン LOVE OF THE DEAD』ネタバレあらすじと感想

コリン LOVE OF THE DEAD

コメディ度:3/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:4/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2008年製作/イギリス/上映時間97分
原題:Colin
配給:エデン

監督・脚本・製作・撮影・編集:マーク・プライス

製作総指揮:ジャスティン・ヘイルス

音楽:ジャック・エルフィック、ダン・ウィーク

特殊メイク:ミシェル・ウェップ

視覚効果:リー・クロコーム、ジャスティン・ヘイルス

出演:アラスター・カートン、デイジー・アイトケンス、リアンヌ・ペイメン

あらすじ

死者が蘇り、世紀末と化したロンドン。青年コリンは腕を噛まれてゾンビとなった。彼はかすかに残る記憶を頼りに街を徘徊するが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

 

コリンが血濡れたシャツを着て家に帰ってきた。彼は焦った様子で「ダミアン」と何度も呼ぶ。しかし、返事はなく諦めた様子で手と握っていたトンカチを洗った。外からは銃声と車の警報音が響いている。
コリンの袖口から血が流れ出た。シャツを脱ぐと大きな噛み跡が露になる。傷口を洗っているとゾンビが一体現れ、男の首に噛みついた。そのゾンビはダミアンだった。彼は台所にあった調理道具でダミアンを倒す。


コリンは服を着替えて自室で呆けた。しばらく経ち、彼は部屋から出る。鏡面には青白い顔が写っていた。彼は外に出ようとドアノブを弄ったがゾンビになったせいで知能が低下しており、一晩かけても開けられなかった。途中で足を滑らせて転び、後ろにあった窓からようやく外出。


町にはゾンビが溢れている。コリンも人肉を食べようとしたが他のゾンビに威嚇されて撤退。徘徊していると自殺者だろうか、空から1人の人間が落ちてきた。まだ息があったが、コリンはためらいなくそいつを食した。


歩いていると2人のゾンビが人間を食している場面に遭遇。コリンは2人にバレないようこっそりと耳をちぎって去っていく。人間はイヤホンを付けており、コリンはイヤホンとミュージックプレイヤーを手にして曲を聞いた。
マンションの上から2人の若者が男の様子を見ている。彼らはコリンからスニーカーを奪おうと企んでいた。若者らは羽交い締めにし、スニーカーを脱がせようと奮闘。そこにリンダという女性が現れてそれを止める。しかしその際、リンダは噛まれてしまった。リンダはコリンの姉らしいが、彼女の恋人はリンダを引き離した。


コリンはまたも歩き出す。彼は一件の家に入っていった。

軒先の死体が持っていたビデオカメラにズームインしたかと思うと、家の中で大量のゾンビに襲われている若者の映像が始まった。タイトルは”おぞましきゾンビの記録”。
映像が終わり、コリンの話に戻る。彼は家から逃げ出した1人の女性を追った。彼女は迫り来るゾンビを倒し、別の家に侵入。コリンも裏口から偶然侵入に成功。その家には1人の老人がおり、「ここは安全だ、安心して」と言い残すと戸締まりに向かった。
老人は彼女を部屋に残すと鍵をかけて閉じ込める。実は部屋には3人のゾンビがおり、老人はそいつらに人を食わせるのを娯楽としていた。3人のゾンビは老人の虐待で目を潰されている。
しばらく経つと老人が部屋を開け、女性を出すと首を絞めた。コリンはその横を気まずそうに抜けていく。


家から出たコリンが歩いていると、今度は3人程の若者に拉致された。彼は水を張ったバスタブに顔を突っ込まされた。若者らはその様子を観察している。それが終わると暴れないようにバスルームのカーテンレールに吊るされた。
部屋にはリンダがいた。彼女は弟であるコリンを正気に戻そうと試みている。写真を見せても効果なし。彼女は「実家でママを見ればきっと思い出すわ」と恋人に頼み込んだ。
コリンは麻袋を頭に被せられ、実家まで運ばれた。しかし、母親の姿を見ても効果はない。リンダは深く悲しんだ。恋人はリンダがコリンに噛まれたことを母親に暴露。喧嘩となったがすぐに仲直りし、3人で包容。コリンはガラス越しにもの悲しい顔をしながらそれを見ていた。

翌日、リンダが死んで母の泣き声がコリンのいる部屋にも響いた。
リンダの恋人がやって来てコリンを殴る。その隙にリンダの仲間が、リンダの死体を部屋に運び込んだ。
彼らは母親を連れて別の場所に移動することを決めた。母親が窓ガラスに新聞で目張りする。


コリンが部屋の中を歩き回っているとリンダがゾンビとなって甦った。彼女はドアノブを捻り外に出る。彼もそれに続いた。

外では武装した生存者がゾンビ狩りをしていた。手作りの爆弾やパチンコ、鈍器を駆使して次々とゾンビを倒す。コリンも爆発に巻き込まれ、顔の左半分を失った。そしてトンカチで顔を殴られて意識を失う。
生存者らも何人かが噛まれた。彼らはくじ引きを引き、外れを引いた人が噛まれた人を殺す。揉めに揉めたがなんとか作業を終えた。


コリンが目を覚ました。彼は歩き出してある一件の家にたどり着く。
そして記憶が呼び起こされた。

そこは彼女の家で、彼はいつものように遊びに来ていた。彼女はその日、玄関の鍵を開けっ放しにしており、バスルームに不審な女が入ってきたという。2人はおそるおそるドアを開け、ダンベルで殴り殺したが彼女が頬を噛まれてしまった。彼女は私を甦らさせないでと頼み、コリンに首を絞めて殺してもらう。しかし彼女は甦ってしまい、コリンの腕に噛みつく。コリンはトンカチを掴むと彼女の頭に振り下ろした。そして家に帰り冒頭に戻る。


彼女の家に帰ったコリンは亡骸の横で佇んでいた。

感想

たった6000円で作られたという本作はその通り随所に安っぽさが現れている。途中でゾンビが布きれを食べているシーンがあるのだが、あれはもしかしたら人間の腸を模した演出だったのかも知れない。それ程チープな出来なのだ。

しかし、数々の賞を受賞し、日本においても劇場公開された本作には安っぽさを上回るストーリーの良さがある。様々な作品が出回っている今だからこそ本作のストーリーだったり、ゾンビが主役という設定は目新しさもないが、当時は斬新だったのだろう。

コリンが恋人の家を目指すという大まかな流れが評価されているのは納得なのだが、個人的には無駄の多い作品に思える。なんか全体的に尺稼ぎじゃないかと思うくだりが多いのだ。コリンがおもちゃのブロックを拾ったり、音楽プレイヤーを手にするシーンや靴を盗られそうになるシーンは退屈に思えた。後は小道具を写すだけのシーンもやけに多い。

途中でビデオカメラが収めたであろう映像が流れるのだが、5分ほどの尺で内容があまりにもない。ただ家の中で襲われている様子だけ。しかも手持ちカメラで撮られていた設定なのに視点は次々変わるし、本作全編に言えることだが手ぶれがひどくて画面酔いしそう。

最後のシーンは確かに感動的な絵になっているけど彼女が馬鹿すぎないかと。戸締まりを怠ってゾンビに噛まれたのは自業自得過ぎる。コリンに殺して貰うシーンとか多分感動ポイントなんだろうけど「コイツ、戸締まり忘れて噛まれたんだよな」と思ってしまい笑ってしまった。

主役がゾンビの映画

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斬新なバトロワ 映画『フューリーズ 復讐の女神』ネタバレあらすじと感想

フューリーズ 復讐の女神

コメディ度:2/10

グロ度:7/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:8/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2019年製作/82分/オーストラリア
原題:The Furies
配給:フルモテルモ

監督・脚本:トニー・ダキノ

撮影:ギャリー・リチャーズ

音楽:キルステン・アクセルホルム、ケネス・ランプ

編集:エイドリアン・ロスティロラ

出演:エアリー・ドッズ、リンダ・ゴー、テイラー・ファーガソン

あらすじ

ケイラは友人マディとともに何者かに拉致された。黒い箱の中で目を覚ましたケイラは、森の中で恐ろしいものを目にする。同じ状況の生存者と合流するが、彼女らは何かから逃げているようで...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

女性が森の中を逃げ惑う。追っているのは醜い仮面を被って大きな鎌を持った男。女性がやられかけたとき、仮面を着けた別の男が現れて男を殺した。そして女性を抱えてどこかに去っていく。

 

場面が変わりどこかのトンネル。大学生のケイラとマディは壁に落書きしていた。マディがケイラにスプレーを渡すがケイラはそれを拒む。これをきっかけに喧嘩勃発。2人は互いに逆方向へと帰った。ケイラが歩いているとマディの叫び声が聞こえた。心配したケイラが後を追うと何者かに捕らえられてしまう。


どこかで何らかの処置が行われた描写のあと、ケイラは黒い箱の中で目を覚ました。場所はオープニングの森の中。マディを探して大声で叫んでいると、アリスとシーナと名乗る2人が現れてケイラの口を塞いだ。何やら誰かに追われているようで彼女らは場所がばれると注意した。

ケイラは持病の発作で数分間気絶。その間際、斧を持った人間の視界が見えた。気絶している間、シーナは人を探しにいき、アリスがケイラに付いて見張っていた。目を覚ましたケイラはアリスとここに来る前に何をしていたか話ながら進む。アリスは車泥棒をしていたそう。やがてケイラは他の黒い箱を見つけて近づいた。箱の表面には野獣6と書かれている。
その近くに斧を持った仮面の大男が現れ、2人は咄嗟に隠れた。アリスが木の棒を反対方向に投げ、奴の気を引く。逃げようかどうしようかというときにケイラは再び気絶。その時にも同じく斧を持った男の視点に移り変わった。アリスはこのままでは2人ともやられると思い走り出した。
やがて追い付かれた彼女は斧で顔を削がれると死亡。


ケイラは目を覚まし、さっきの記憶を頼りにアリスの死体に向かった。そして死体を確認するとがむしゃらに逃げる。
森を抜け、木が一本も生えていないような荒野にたどり着いた。そのまま走り続けているとある地点にピンのようなものが立っており、そこから超音波が発された。それを聞いたケイラはた倒れ、急いでその場から戻った。背後から助けてくれと女性の声が聞こえる。彼女は先程の斧を持った男に追われていた。男はケイラに小さく手を振ると、斧を投げた。女性の背中にザックリと刺さる。止めを刺そうとしたとき、後ろから鎌を持った別の男が現れた。仮面の男2人は揉み合いになり、その隙にケイラは女サリーを救出。仮面同士の戦いは鎌を持った方が制し、斧の男は地に伏した。
ケイラは森に戻るとサリーを木陰に隠し、他の生存者を探しに向かった。しかし、サリーは簡単に鎌を持った仮面に見つかってしまう。サリーは両腕をもぎ取られた。
悲鳴を聞いて立ち止まったケイラの背後にも鉈を持った仮面が近づいていた。ケイラは瞬時に足元にあった木片を拾うと、それを武器に仮面と戦う。そして鉈を奪って止めを刺そうとしたとたん、仮面の頭が破裂。ケイラは急いでサリーの元に向かったが死んでいた。
ケイラは彷徨う途中で家の密集した地帯を見つけた。そこで地図の書かれた案内看板を目にする。
彼女は一件の家に入った。鏡で違和感のある左目を見ていると、背後から人の気配を感じる。振り向き様に鉈を振ったが、相手は生存者の女性だった。女性の首元に命中して彼女は死亡。
騒ぎを聞き付けてシーナともう1人の女性がやって来る。ケイラは再び発作で気絶した。シーナは鉈を奪うと女性を残して外に出る。ケイラにはまたも仮面のものと見られる映像が浮かび上がったが、そいつは金鉱に隠れるマディを助けていた。
目覚めたケイラを女性ローズは恐れていた。殺してしまった女性の名前はジャッキー。シーナは何も告げずに逃げてしまったそう。
ケイラはジャッキーの死体を見てあることを思い付く。自分は左目に何かされたはず、彼女はジャッキーの死体から左目をスプーンで抉り出した。すると眼球の奥に電子部品が確認できた。それとともに手術の様子がぼんやりと思い出される。


その様子を謎の男がディスプレイで見ていた。


シーナが小屋に戻ってくる。ケイラは2人に眼球を通して何者かに見られていることを説明した。付近に仮面が近づいていると察した3人は急いで身を隠す。
しかしローズのすすり泣く声で居場所がばれ、シーナとケイラの2人で鎌を持った仮面に襲いかかった。すると仮面はそそくさと帰っていく。
ケイラはなぜ帰っていったのか考え、1つの仮説を唱えた。それは男女ワンペアで互いに助け合うというもの。生存者も仮面も黒い箱で目覚めており、生存者の箱には美女と書かれ、仮面の箱には野獣と書かれていた。さらにそれぞれにナンバーが振られてる。サリーが死ぬのと同時に鉈を持った野獣が死んだことから野獣はパートナーの美女を守らなくては死んでしまうのではないか。
それを聞いたシーナは2人を殺そうとし、察したケイラはローズを連れて逃げ出した。ケイラは気絶中に見たマディのいる金鉱に向かおうとする。
途中で鎌の野獣に遭遇するが、ケイラは殺害。それを見ていたナイフを持った野獣を威嚇して撃退した。
シーナがマディを殺そうと案内看板で金鉱を探しているのを見たケイラは、それを止めようと飛び出た。問答している間に隠れていたローズがナイフを持った野獣に捕らえられる。シーナの後ろに斧を持った野獣が現れ、彼女の頭を真っ二つに割った。それと同時、ナイフの野獣の頭が破裂。
仕事を終えたケイラの野獣が握手を求めると、ケイラは持っていた斧で彼を殺した。それを遠目から眺める野獣が1人。
ローズは自分を置いていったことに激怒した。彼女を連れて金鉱に向かい、マディと合流。この際、ローズは嫉妬心からケイラが人を殺したことをバラした。揉めていると新たな野獣が現れる。その時、ケイラは発作で気絶した。ローズはなんのためらいもなくマディの首をシーナの野獣が持っていたナイフで切り、マディとその野獣を殺した。
目を覚ましたケイラにローズは、ケイラを守ってあげたと誇らしげ。ケイラが激怒するとローズは発狂しナイフを落として、どこかに去っていった。
ケイラはナイフを拾うと森を抜けた荒野へと向かい、超音波を発するピンの元に到着。彼女は左目を抉って超音波を回避して脱出に成功。
フィールドに残されたローズはいもしない敵に怯えていた。その様子を男がディスプレイで眺めている。

 

場面が移り変わり、裕福そうな男がVRでその映像を楽しんでいたが、同じ映像ばかりで飽き飽きした様子。
そこにケイラが現れて男を拘束。拷問して他の会員の名前を聞き出した。彼女にはマディの幻覚が見えている。ケイラは情報を得るとナイフを取り出して男に近づいた。

感想

ありきたりなバトルロワイヤルものかと思いきやそこそこひねりのある設定。ゲームのルールは観客を楽しませようと最大限練られていることが分る。野獣の武器は固定なのだろうか。斧、鎌、鉈はよさげだが、農具のフォークは外れ感が否めない。美女側は拉致されて連れてこられたのが分るが、野獣側の素性が分らなかった。規約違反した元会員にしては自分が死ぬかも知れないのにやけに乗り気だ。野獣側の視点でも一作撮って欲しい。

良かった点は残酷な描写。腕をちぎったり、頭を真っ二つにしたりと過激なものが多いが、その描写が絶妙なバランスで過剰でない。グロすぎるシーンは一周回ってコミカルに映るが、本作はぎりぎりの瀬戸際でリアリティが勝る。野獣の見た目もなかなかクール。

ただ登場人物に愛着がもてなかった。ローズにヘイトが集まるのはもちろんだが、ケイラに関しても自己中心的に映る。発作の設定も山場を作るための装置にしか見えなかったし。なんか全員癖が強くて好きになれなかったな。

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バトロワ系映画といえば

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女性の苛烈な復讐劇 映画『監禁/レディ・ベンジェンス』ネタバレあらすじと感想

監禁/レディ・ベンジェンス

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:2/10

リアリティ:8/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2015年製作/アメリカ/上映時間79分
原題:Bound to Vengeance
配給:ブロードメディア・スタジオ

監督:JM・クラビオト

脚本:キース・ジョーネス、ロック・シャインク

製作:ダニエル・ポサダ、ロドルフォ・マルケス、アレックス・ガルシア

製作総指揮:ロック・シャインク、アレクシス・フリドマン

撮影:バイロン・ワーナー

美術:アドリアーナ・セラーノ

音楽:サイモン・ボスウェル

編集:ホルヘ・マカヤ

出演:ティナ・イブレフ、リチャード・タイソン、ビアンカ・マリノフスキ

あらすじ

拉致・監禁された女性イブは、ある日犯人の隙をついて逃げ出すことに成功。自分以外にも多くの女性が別の場所に監禁されていることを知った彼女は、犯人に案内させながら女性を救出しに向かう。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

カップルが将来の子供に向けてビデオレターを撮っている。彼氏ロニーがカメラを持ち、彼女イブを写した。

 

男が大型バンに乗って荒野を走る。やがて一件の家に着くと料理を始めた。完成したものをお盆に乗せると、バラを添えて厳重にロックされた地下室に運ぶ。

地下室にはイブが横たわっていた。彼女は布団の下に隠していたレンガを取り出すと男性の頭を何度も殴打。自分が繋がれていた鎖で男性を繋ぎ、鍵を奪って逃げ出した。外に出た彼女は周囲に民家がないことに絶望。車に乗ったが、車の鍵がないことに気付いて家に戻る。
途中で電話を見つけたが不通。物置で拳銃と自分のSNSのコピー、他の被害者のポラロイド写真を見つける。シャワーを浴びて服を着替えた。
イブは男に尋問を始めた。ポラロイドには名前と番号が振られており、鍵にも同じ番号が振られていた。男が監禁していたのはイブだけではない。彼は俺を殺すと他の4人の女も死ぬことになるぞと脅した。
イブは風呂場のポールで拘束具を作成(逃げようとすると強く絞まるもの)。男の首にかけると車に乗せ、別の女性の場所に案内させる。


1件目、ニーナの監禁部屋に到着。男はニーナを解放させるのに反対した。彼女はひどく錯乱しており、解放されると同時走り出して躓くと先にあった柵に刺さって死んでしまった。男はあんな部屋でも彼女にとってはマシだったと言った。


2件目、ローラの監禁部屋に到着。ローラは頭と腕に拘束具をはめられており、イブは男に外すよう指示。ローラはなぜ来たのと不満げな顔。男は彼女に、「お前の座を狙おうとしている」と耳打ちした。解放されたローラはイブに飛びかかり揉み合いに。ローラが武器を振り上げたことから、イブは仕方なく彼女を射殺した。次いで男の足を撃つと木材でタコ殴りに。
男は「これ以上やっても無駄だ。俺を警察につき出せば終わりだろう」と言った。イブはそれなら殺すと銃を構える。男は独白を始めた。「俺はお前を苦しめたか。犯してもないし手も触れていない。ロニーが望んだ」と言う。イブは驚いた。男は続けた「お前が消えてロニーは探し回った。しかし、あるときもっと重大なものを見つけた。次の女リーのあとに見せる」と。


3件目、リーの監禁部屋に到着。男の手足を縛って車に残し、イブが単身で乗り込んだ。リーは怯えた様子で”奴らが来る”と縮こまっている。しばらくすると二人組の男がやって来た。彼らの目的はリーの強姦。イブは彼らと鉢合わせた瞬間に発砲し、2人を倒してリーを救出した。その様子を見ていた1人の男が逃げ出す。車に戻ったイブは男に次の女性カトリーナの場所を聞き出すが、リーが「そいつは私を監禁した男だ」と殺そうとする。なんとかその場をなだめ、イブはロニーについて尋ねた。サウス101に行けと言う。


サウス101に到着。4番のドアを開ければ全てが分かると男は言った。施設に入るとそこは監獄のように長く、廊下にいくつもの部屋があった。4番の部屋には沢山の女性が。そのうちの1人が「ある男に連れてこられた。買われると外に出られる」と発した。
ここにいる女性らの救出と通報をリーに任せるとイブは次の女性を助けるため車に戻った。
車に男の姿がなく脱走されたと思った矢先、大男に捕らえられた。イブが目を覚ますと車内で、男に拘束されている。大男がイブの足を撃とうとした瞬間、役割を終えたリーがやって来て奴を殺した。
イブは男から次の住所を尋ねた。ブラウン1404に向かって車を走らせる。リーは警察の対応をするためにサウス101に残った。
男の携帯から音が鳴る。内容は男の妻からで”フィル、帰りにシリアルを買ってきて”という家庭的な内容だった。


ブラウン1404に到着。リビングのソファでロニーが寝ていた。イブは彼に拳銃を向けた。ここはイブの知っているロニーの家ではない。彼女は不審に思っていた。
すると別の部屋から女性のうめき声が聞こえる。さらに横に置かれていたファイルには別の女性とのツーショット写真が。
イブはロニーに隣の部屋の扉を開けさせた。中には女性が監禁されており、イブはロニーを射殺した。
車の中の男が手の拘束をほどき、隠していた鍵を使って脱走を試みる。しかし、エンジンがかからず出てきたイブが銃で威嚇した。

サウス101に警察がやって来て女性らが救出される様子と今までに死んだ男性らの映像が映される。

イブは最後の住所に向かった。そこは男の家で、彼女は男を玄関に転がすと呼び鈴を鳴らして去っていった。
イブは妹と共に監禁されていたが、彼女は栄養失調で死んでいた。それを思い返したイブは男の家に戻る。家には男の他に妻と娘がいる。

感想

イブは最初の段階で警察に男を突き出せば良かったのではと思ってしまった。彼女はただの一般女性で、戦いに長けているとは思えない。もちろん救出活動においても素人。復讐ものとしてイブに無双させたかったのは分るが、男性らがあまりにも丸腰で手応えがない。

ロニーが同じく監禁に手を染めていることは早期から匂わされていたため意外性は無かった。ロニーが組織に入ったきっかけはフィルと彼の証言が一致していることから事実なのだろう。ロニーは行方不明になったイブの捜索に懸命になりすぎて職を失った。捜索の最中に彼は女性を拉致・監禁する組織の存在に気付き、どういった経緯を経たのか組織で働くことに。となると彼は、イブが捕まったことを知りつつも助けようとはしなかったことになる。組織の待遇が良かったのかな。

本作の見所はやはりバイオレンス描写。ことある毎にイブに殴られてボロボロになっていくフィンの姿が面白い。あとは監禁されていた女性の部屋を一室ずつ回るというストーリー。次の女性はどんな人かとワクワクした。

鑑賞して何か得られるとは思わないけど暇つぶしには十分なると思う。

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永遠の命を授ける装置 映画『クロノス』ネタバレあらすじと感想

クロノス

コメディ度:2/10

グロ度:1/10

感動:3/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:7/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1992年製作/メキシコ/上映時間92分
原題:Cronos
配給:オンリー・ハーツ

監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ

製作:アーサー・ゴーソン、ベルサ・ナバロ

撮影:ギレルモ・ナバロ

音楽:ジャビア・アルバレズ

編集:ラウル・ダバロス

出演:フェデリコ・ルッピ、ロン・パールマン、クラウディオ・ブルック、マルガリータ・イザベル

あらすじ

生ける機械”クロノス”を偶然にも手にした老人は、訳もまからぬまま命を狙われる身となる。クロノスとは一体何なのか...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

1536年、錬金術師のウベルト・フルカネリは宗教裁判から逃れるためメキシコへ。彼は永遠の命を得るためのデバイス、”クロノス”を作った。
1937年、建物の崩壊に巻き込まれたウベルトが見つかる。彼の肌は大理石の様だった。政府は秘密裏に彼のことを調べた。家と家財道具は競売にかけられたが、クロノスの存在は抹消された。

グリス一家が朝食をとっている。老父のヘスス、その妻のメルセデス、孫娘のアウロラ。ヘススはアウロラを連れて、自らの経営する古美術店に向かった。

開店してまもなく怪しげな男性がやって来た。彼は彫刻を探している様でいくつかのものを見ると帰っていった。ヘススはアウロラとパズルを楽しんでいたが、ゴキブリが現れて中断。出所を探ると、とある彫像だとわかった。彼が彫像を詳しく調べると台座から金色の物体”クロノス”が現れた。
さっきの不審な男は外で誰かに電話をかけている。話し相手はどこかの工場長で、話を聞いた彼は隠し部屋にいる叔父に伝えに行った。その部屋には同じ天使像がたくさん。叔父は古い本を読んで、とある像を探し求めていた。
叔父の指示を受けた工場長アンヘルは早速、古美術店に買いに行く。彼はヘスス、アウロラと談笑しながら像を買って帰った。

ヘススは彼が帰ったあと隠していたクロノスを触ってみた。ゼンマイを巻くと動きだし、ヘススの左手を掴んで血を吸い始める。驚いた彼は引き剥がし、アウロラに「それに触るな」と忠告。
2人はメルセデスのやっているダンス教室に向かった。ガラスで怪我をしたと嘘をつき、治療をしてもう。

ヘススはその晩、傷口が痒くて堪らなくなった。そして何を思ったのかクロノスを手に取ると再び同じ場所に刺させる。彼は気持ち良さそうな顔をしており、その姿をアウロラが見ていた。

翌朝、ヘススは少し若返っていた。アウロラが見当たらないので、1人古美術店に向かうと何者かに店が荒らされていた。机の上に”アンヘル・デ・ラ・グァルディア、24時間営業”書かれたカードが置いてあった。
彼はその場所に箱を持って向かう。そこは町外れの工場だった。待ち構えていたアンヘルから叔父の元に案内される。叔父はある古い本を見せてクロノスの説明をした。「クロノスは永遠の命を授けるが、間違った使い方をすると大変なことになる」それを聞いたグリスはなにも知らないふり。やがて叔父はヘススの持ってきた箱に目を付けてそれを奪った。ヘススは抵抗もせず帰っていく。箱の中身はただの南京錠だった。


ヘススは家についてそうそうクロノスを求めた。しかし、しまっていた場所にクロノスは無く、アウロラが隠したに違いないと彼女を探した。アウロラは昨夜の光景に怯え、自分の基地に隠れていた。彼は彼女を説得してクロノスを返してもらった。
ヘススはバスルームで左胸にクロノスを刺した。傷口からはねばねばとしたものが垂れている。しかしすぐに傷口が塞がると、跡も残らなかった。

その晩は年越しのカウントダウンパーティー。夫妻とアウロラで参加したのだが、2人が盛り上がってしまいアウロラは置いてきぼり。途中でヘススは鼻血を流した参加者を目にし、後を追った。そして彼はトイレの床に垂れた血液を美味しそうに舐めとった。そこを隠れて参加していたアンヘルが拉致。崖の上で尋問していたのだが、誤って殴り殺してしまう。アンヘルはヘススの死体を車にのせると事故に見せかけるため崖から落とした。落ちる直前、ヘススは目を覚ましたのだが時すでに遅く落下。彼は死の直前までアウロラのことを思っていた。


アンヘルは叔父に呼び出された。叔父はヘススの心臓をきちんと傷つけたかと尋ねる。
ヘススの葬儀にアンヘルは向かい、確実に死んだことを確認。
しかし、火葬の寸前ヘススは生き返って逃げ出していた。空の棺桶が燃やされているとも知らずアンヘルは大喜び。
逃げたヘススはアウロラに匿ってもらった。彼は日差しを浴びると皮膚がやけてしまう。メルセデスに「アウロラを頼む。私にはやり残したことがある。もし帰れたらどんな姿の私でも受け入れてくれ」と手紙を書いた。


手紙をアウロラに託すとヘススは工場に忍び込んだ。だが、アウロラもこっそりとあとをつけていた。気付いたヘススは彼女を返すわけにもいかず、2人は叔父の部屋に侵入して本を探す。すると叔父が目を覚ました。気付かれないようにアンヘルを呼び出す。ヘススは起き上がった叔父に「体は腐っていく、どこが永遠の命だ」と文句を言ったが、彼は剥いてみろと答えた。皮膚を剥くと中から大理石のような肌が現れる。叔父は続けて人の血を飲めと言った。彼はクロノスを渡せば生き残るための方法を教えると交換条件を持ち出した。しかしヘススがクロノスを取り出すと同時、叔父は隠していた短刀で彼の腹を刺した。馬乗りになり心臓を刺そうとしたとき、アウロラが背後から近づいて叔父の頭を杖で殴って助け出す。アウロラに逃げるよう告げたあと、ヘススは倒れている叔父の血を啜った。
エレベーターが動き出したので2人は隠れる。やって来たアンヘルは叔父が死んで全ては自分の物だと大喜び。まだ生きていた叔父の首を彼はへし折った。ヘススがアンヘルを杖でぶん殴って逃げ出す。2人は屋上に追いやられた。アウロラを梯子で逃がすとヘススはアンヘルと揉み合いになり落下。
倒れるヘススの胸にアウロラはクロノスを刺した。起き上がったヘススはクロノスを破壊。彼は自分の皮膚を全て剥がした。

アウロラもメルセデスもその姿を受け入れ、ヘススは家に帰った。

感想

ギレルモ・デル・トロ監督の長編デビュー作なのだが、すでに監督の世界観が出来上がっている。監督自身が特殊メイクの出身ということもあり、彼の作品にはクオリティの高いユニークなモンスターが多く出てくるが本作も同様。クロノスの中に閉じ込められている昆虫は一瞬しか登場しないが実在するかのような存在感を放っていた。

ストーリーは永遠の命を与えるデバイス、クロノスを2人の老人が奪い合うといったシンプルなものだが、クロノスを筆頭にその使い方を示した本、古美術店の商品などファンタジー感漂うアンティークな小物が見ていて楽しい。また、その物語に華を添えるアウロラの存在が愛おしく感じる。

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女性を監視するだけの簡単なおしごと 映画『監視者 のぞき穴』ネタバレあらすじと感想

監視者 のぞき穴

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:5/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:7/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2015年製作/オーストラリア/上映時間86分

原題:Observance

監督:ジョセフ・シムズ=デネット

脚本:ジョセフ・シムズ=デネット、ジョシュ・ザミット

撮影:ロドリゴ・ビダル・ドーソン

音楽:エイドリアン・セルゴビッチ、ハイドン・ウォーカー

編集:チャールズ・アイボリー

出演:ステファニー・キング、リンゼイ・ファリス、クリスチャン・ウィリス、ベネディクト・ハーディ、トム・オサリバン

あらすじ

パーカーは雇われて一人の女性を監視していた。監視を続けて1日に1回電話で様子を伝えるだけで大金が貰える割の良い仕事だったが、徐々にその様子はおかしくなっていく。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

モノクロで海に面した岩場の様子が映される。崖の様に切り立った岩場には裸足の足が。

男パーカーが女性をストーキングしている。彼女が家に帰るとパーカーは電話線を弄って盗聴を開始。そして彼は指示された通り128オーバールック通りの一室に潜伏を始めた。

1日目。パーカーは窓から向かいの建物に住むターゲットの女性を盗撮していた。雇用主から電話がかかり、様子を聞かれた。彼は毎日同じ時間に電話をかけるという。
用意された部屋は壁一面に新聞が張られ、ペンキ缶が置いてある。暗くなったので明かりを点けた。彼は寝具を用意して眠りにつく。モノクロの海が映り、フジツボ、虫と不快なイメージが切り替わる夢を見た。


2日目。ターゲットの部屋はカーテンが閉められていたので盗撮ができない。彼女はキャスゲート研究所という場所に電話をかけた。パーカーはそれを盗聴する。ブレット・ブキャナン博士に体調不良で休むことを伝えた。
パーカーはネットでキャスゲート研究所を検索すると、載っていた電話番号に電話をかけた。そして女性について聞こうとしたが電話を切られる。
義理の弟チャーリーが部屋に差し入れを持ってきた。彼とはこの仕事のことと喧嘩中の婚約者レイチェルについて話した。どうやらパーカーはこれが初めての監視ではないらしい。期間は数日とのこと。チャーリーは去り際に請求書を渡した。ルーカス小児病院からのもので額は1100万円。パーカーの子供だろうか、死亡したとも書かれている。

チャーリーが帰った後、パーカーは何者かにブレットと父親ジョージのことを調べてくれと電話で依頼。出来上がった資料を通りまで持ってきてくれと頼んだ。

その晩、女性はドレスを着込んでおり、部屋には同じく礼服を着た男性が。2人は揉めている様子で男性が手をあげた。カメラに気づいたのかパーカーとばっちり目が合う。
パーカーは依頼主に話をさせろと電話で雇用主に頼んだが断られた。彼はキャスゲート研究所について調べた結果を伝えるが、女だけに集中しろと注意される。
女性が外に出たのでパーカーも急いで外に出た。しかし彼女は外出を取り止めて部屋に戻る。セットした髪を解くと着替えのためかカーテンを閉めた。
パーカーは良い機会だと夕食を用意する。キッチンの窓硝子に張られた目張りが外れていたので修繕。足元に置かれたペットボトルにはヒルのような生き物が泳いでいた。次いでシャワーを浴びると突然高温になって背中を火傷する。

パーカーはその晩も奇妙な夢を見た。岩場に彼と小さな少年が居るのだが、少年は目と口から血を流していた。


3日目。撮った画像を確認しているとターゲットの女性ではない女の人影を見つけた。それについて考えていると、雇用主から電話がかかる。監視の日数を増やして欲しいとのことで、金につられた彼は承諾。
女性が電話を始めた。どうやら相手は友人らしく、他愛ない会話をしている。「シャワーに行くわ」と電話を切ったのでパーカーは大胆な行動に出た。彼女の家に侵入すると隠しマイクを設置。そこに電話がかかり危うく姿を見られそうになったが脱出した。
その晩、またも男性と喧嘩していたが音割れがひどく内容は分からない。しばらくすると男は帰っていった。
パーカーは仕事が延長になったので誕生日会には行けないとチャーリーに留守電を残す。
ブレットについての資料を受け取りに外へ出た。通りには一台の車が停まっていて、中には老人が乗っている。彼はブキャナン一家について興味深いことを教えてくれた。ブレットの父は昔、伴侶を亡くしていた。一家の留守中に管理人ウェルター・ムーアの手によって絞殺されたらしい。その後、捕まった管理人は自殺した。未発表の資料だから扱いに気をつけろと警告を受ける。
その晩も彼は夢を見た。殺されたブレットの母と性交するもの。


4日目。Tシャツを脱ぐと火傷あとがくっついていて痛みを伴った。いつも首にかけていたペンダントが無いことに気づく。マットレスを裏返して探すと中には腐ったネズミの死骸が。ビニール袋に入れて捨てに行くと女性の部屋にいた男性と接触。彼はパーカーに「帰ってくれ。君には分からない」と話しかけて去っていった。
部屋に戻ったパーカーは、電話で雇用主に相談するも監視を続けるよう言われた。依頼主は彼でないとも。
彼は再び謎の女性が映る画像を見て、あれは反射した自分ちの台所の窓だと気づく。そしてカメラをビデオモードにし、台所の新聞をはがした。その後映像を確認すると、剥がしたはずなのに窓はそのまま。そして異音がしたので別室に移動した。ベッドルームにあった黒いヘドロの詰まった瓶が落ちたらしい。そちらに向かうと今度はキッチンから音がする。キッチンの窓でがっつりターゲットと目があってしまった。彼はとにかく眠った。

夢なのか現実なのか、床に散らばった瓶の中身は黒いヘドロと眼球。彼は眼球を足で踏みつける。


5日目。雇用主からの電話に対してなにも問題ないと答える。パーカーの右手にはヘドロが。手を洗おうと向かった洗面台で彼は口から大量のヘドロを吐き出した。食あたりかと思った彼は冷蔵庫の中身を全てゴミ袋に詰めた。
パーカーは録音ファイルを確認。チャーリーに風邪薬を買ってきてくれと留守電を残す。音声のなかに「見るのをやめて」という囁きが入っていてパーカーは驚愕。急いで雇用主に電話をかけたが出ない。
いつの間にか寝てしまい息子の夢を見た。息子は前回と同様に目、口、耳から黒い液体を流している。一言「あれがいる」と発したところで目を覚ました。


6日目。レイチェルに留守電をいれた。今度の金は病院に入れると。
パーカーはシャワーを浴びながら手首を切った。その瞬間血だらけの女性が鏡に映り、驚いた彼は転倒。チャーリーと岩場で釣りをしている様子が映る。やがてチャーリーは死んだ様に倒れて動かなくなった。「奴らの標的はあの女だ」といつのまにかそばに立っていたムーアが言う。続けて「奴らのせいで俺は切られた」と発した。

目を覚ましたパーカーは冷蔵庫の中身を詰めたごみ袋を捨てに行った。近くのごみ捨て場からハエの羽音がするので扉を開けると中には獣の死体が。そしてパーカーの無くしたペンダントが吊るされていた。
彼は急いで部屋に戻り、雇用主に電話で辞めると宣言。雇用主は止めようとしたが、パーカーが「本当の目的は何だ」と聞くと電話を切った。
部屋の扉が何者かに叩かれる。ドアを開けると顔の崩れた女性が立っていてこっちに向かって来た。パーカーは別の部屋に逃げ込み、扉を閉めてやり過ごした。
電話の着信音が鳴り響き、彼はおそるおそる部屋を出る。荷物をまとめて玄関のドアを開けると海の岩場に繋がっていた。仕方なく部屋に戻り受話器を取ると、相手はターゲットの女性だった。彼女が何を言っていたのかは分からないが、ピーターはいいえと答える。
女性の部屋の外で男性が泣きながら電話をしていた。「彼女は納得しない。なぜ彼女なんだ」と相手と揉めている様子。
彼は電話を終えると彼女の部屋に入り、「テニール、なぜまだここにいるんだ。ここから離れよう」と声をかける。女性はそれを拒み、「ブレット、やめて」と言う。どうやらさっきの電話相手は父親らしい。彼女はブレットを追い出した。
向かいに潜伏するパーカーの撮影に気付き、窓を見ると下で倒れているブレットが目に入った。
彼女は警察の取り調べを受ける。彼に会いたいと訴えたが、警察はブレットの親に止められていると彼女を制止。


7日目。目を覚ましたテニールは買い物に出掛ける。ふと、パーカーの家のドアをノックしたが彼は出ない。買い物から帰るとパーカーの部屋の新聞が剥がれていてカメラがあらわとなっていた。文句を言うため、再びノックするが鍵が開いていたので侵入。パーカーは奥の部屋で熊の頭部の前に立ち、壁を黒く塗っていた。驚いたテニールは逃げ出そうとするが玄関のドアが開かない。彼女は仕方なくパーカーに話しかけようとしたが、彼は彼女を見るなり襲いかかって撲殺した。そして颯爽と扉を開けて外に出ていく。
死体の手にはペンダントが握られていた。
部屋から出たパーカーは電車に乗り込む。彼の腕時計に血液が一滴垂れ落ちた。

感想

じめっとしたホラー映画でなかなかの良作なのではないだろうか。不快感を出すためのグロテスクな演出やスッキリとしない終わり方が気に入らない方もいるとは思うけど僕は好きだった。

結局依頼主は誰だったのか、その目的が何だったのかといった事の答えは提示されず、さらに細々とした謎も多く残る作品で見終わった後のモヤモヤもまた心地よい。こういうことに違いないと答えを提示することは誰にも出来ないが、自分なりの考えを書いていく。

まず、なぜテニールが狙われていたのか。これはブレットと結婚を考えていたからとしか考えられない。彼の母親の事件とも重なるのでこれは間違いないだろう。ただ結婚後に殺された母とテニールでは関係性に大きく違いがあるのは否めない。

ブレットの母を殺した管理人のムーアは、パーカーが浴室で気絶した際に見た夢の中で何かを監視しているようだった。彼も母の監視を請け負っていたのかも知れない。話の流れから考えても、ムーアの役割をパーカーがやらされていると考えるのが妥当だろう。

問題は両者が一体誰に依頼されたのかだ。ムーアに関しては考察の余地がないが、考えられるのはブレットの父が命じた可能性。ただそれより前の情報が無いので彼が始めたことなのか、代々行われてきたものなのかは分らない。

パーカーは誰に依頼されたのか。単純に考えるとブレットの父ではないだろうか。ブレットは電話で父と揉めている様子だったし、テニールを逃げさせようとしていた。彼は父の計画を知っていて、ここにいると危険であると知っていたから彼女と逃げようとした。憶測に憶測を重ねるようだが、家の女性を殺すことはブキャナン一家の儀式だったのではと考えられる。ブレットは父との電話で「彼女は納得しない。なぜ彼女なんだ」と言っていた。これは結婚後に殺された母とテニールの妻と彼女という関係性の違いについて言っているのではないか。

正直パーカーの身に起きたことについては考えようがない。彼は監視を始めてから徐々におかしなものを見るようになった。その原因はもしかしたらチャーリーの持ってきた食料にあるかも知れない。チャーリーもまた、ブレットの父に依頼されて何らかの薬品や魔術の掛かった食料を運ばされていた可能性がある。そう思った一番の理由はチャーリーが音信不通になったことだが、他にも請求書の件もある。パーカーとその妻レイチェルとの子にかかった治療費だが、額は1000万を越えておりとても返しきれる額ではない。さらにパーカーはレイチェルへの留守電で「今度の金はきちんと病院に払う」とも言っていた。今まで払ってこなかったのだから義弟のチャーリーから見てやっかいな存在だったのではないか。

ペンダントや瓶に入ったヘドロと眼球、熊の死体に関しては深い意味は無いのではと思う。もしかしたら呪術的なアイテムの可能性はあるが。

長々と書いたけど要約はこうだ。何らかの理由でブレットの恋人を殺害する必要があったブレットの父は、犯人役としてパーカーを用意。さらにパーカーに異常をきたすため、彼の義弟であるチャーリーを使って細工のある食料を食べさせた。最終的にブレットの抵抗空しく、テニールは策略通りパーカーに殺害された。

あくまで僕が思った考察だから他の人は別の解釈をするかも知れない。本作は説明が少ない分、様々な捉え方が出来ると思う。それを楽しめるかどうかで評価が変わりそうだなと思った。

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 虚実分らなくなる映画

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100年の時を経て、怪物が蘇る 映画『ブラッディ・タイム ドラキュラの頭蓋骨』ネタバレあらすじと感想

ブラッディ・タイム ドラキュラの頭蓋骨

コメディ度:8/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2016年製作/アメリカ/上映時間80分

原題:I Had a Bloody Good Time at House Harker

監督・編集:クレイトン・コグスウェル

脚本:ジェイコブ・ギブンズ

音楽:ティム・スローン

撮影:マックス・マーゴリン

出演:ノエル・キャロル、ジェイコブ・ギブンズ、デレク・ハウゲン、ミーガン・オニール、ホイットニー・ムーア、アーラン・ゴッドハーブ、ネイサン・ローチ

あらすじ

人間をヴァンパイアに変える能力を持つ頭蓋骨を何十年も守り続けていたハーカー家。しかし伝承は薄れて人々はそんな事を忘れており、一家でさえも信じていない始末。そんな中、本物のヴァンパイアが復活して...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ドラキュラは死んだ。彼を葬ったジョナサンと妻のミーナは息子を連れ、アメリカに身を隠した。だがそのハーカー家を追うある存在があった。

1912年、薪割りをする息子の前に生首を持ったヴァンパイアが現れる。彼はドラキュラ伯爵の力を引き継いでいた。

 

ここで場面は現実世界に。これまでの映像は現在のハーカー一家が行っていた劇だった。

 

父が身を呈して息子を守り絶命。彼はヴァンパイアの体を全身燃やせと命じたが、息子は言い付けを守らずに頭蓋骨をとっておいた。

 

この劇は州の監視員に見せるためのもの。ハーカー家は実際にヴァンパイアの言い伝えが残る家系で、郡から歴史的価値のある家の修繕費500万円が出されていたが一家の男どもはその金を使ってヴァンパイア劇場を作り上げた。もちろん監査員からはお叱りを受ける。

この家に暮らしている家族は売れない役者ジェリー、鉛筆が友達のチャーリー、妹に恋するネッド、唯一まともな妹のペイジ。ペイジは保安官のウェインと婚約しており、たまにしか家に来ない。

ネッドは商店でアルバイトをしていたがクビに。それを見かねた兄弟はその晩、バーに連れて行った。彼は一家に伝わるヴァンパイアの頭蓋骨を見世物にしようと提案したが、チャーリーに止められる。チャーリーは1990年、ヴァンパイアの頭蓋骨で遊んで痛い目を観た記憶があった。バーでジェリーの出演した映画の予告が流れる。あまりにださい映像に店は沸き上がりジェリーがからかわれた。彼らは居心地が悪くなり店から出ていく。

家に着くと玄関が開いており泥棒が入っていた。彼は銃を向けて3人を椅子に座らせるとステージにあがってふざけ始める。そのときヴァンパイアの頭蓋骨に彼の血が付着し、ルーマニアでヴァンパイアが復活。泥棒は劇の仕掛けの誤作動で死亡した。彼らは死体を処分する羽目になる。血を掃除するために起動させた掃除機が死体の首筋に吸い付き、死体の血液を全て抜いた。

隣家に住むウェルターがやって来た。彼の妻メイビスはハーカー家を嫌っており、常に監視している。ウェルターは様子を見てこいと命じられたが、適当な世間話をして帰って行った。

3人は死体を布でくるむと、橋の上からものすごく浅い川に落とした。死体は数時間後、川で立ちションしていた警察に見つかる。

一仕事終えた兄弟はペイジの働くカフェで朝食を食べた。そこにいた学生にチャーリーがバカにされ、一行は店を出る。

死体の検視が行われたが、ウェインは周りに言いふらさないよう検視監に強く言った。しかし、検視監はバーで全てを話してしまう。噂はすぐに広がり、ヴァンパイアと言えばハーカー家だと群衆が詰め寄せる。彼らはてっきり殺人がばれたと思い彼らを帰らせてしまった。

隣家のメイビスが銃を向けてハーカー家に押し入ったが、年のせいか突然死。すると旦那のウェルターはこの死をお金に変えようと3人を焚き付けた。ヴァンパイアの仕業に見せかけるため、メイビスの首筋にドリルで穴を空ける。

ウェルターの指示通り、メイビスの死体を庭先に置いて彼が通報。そして服を汚した3人がやって来て報道陣に私たちヴァンパイアを倒したと言う。しかし報道陣もバカではなく、ヴァンパイアの存在なんて信じなかった。ジェリーは問い詰められ、今度証拠を見せると口走ってしまう。

翌日ウェルターも交えた作戦会議。ヴァンパイアの頭蓋骨を公表しようかと考えたがチャーリーが隠してしまった。ジェリーは名案を思いつく。ヴァンパイア役の人を雇って劇をすることに。

この頃ルーマニアのヴァンパイアはシカゴに到着。

ハーカー一家はヴァンパイアハンターの服を着て舞台の準備を整えた。雇った役者もヴァンパイアに扮して屋敷に向かっている。

ショーは大盛況で何人もの観客が集まった。中にはヴァンパイアに関する小説を書いてヒットした作家も。ペイジは兄の無責任さに嫌気がさして荷物をまとめ始めた。

 

ヴァンパイアの役者が道中、本物と接触。役者は惨殺されてしまう。

 

3人が家のことで悩んでいるとヴァンパイアが現れた。彼らは役者だと思っていたので地下室に連れ込む。ヴァンパイアは地下室にあった頭蓋骨を吸収し、力を得ると会場にいた人々を次々とヴァンパイアに変えた。

男らがようやく異変に気づく。家のなかはヴァンパイアに溢れていたが、すべてのドアには十字架がかけられており、奴らは外に出られない。放っておいて朝になれば日の光で死ぬだろうとバーに行こうとしたが、ペイジがいることを思い出した。彼女はヘッドホンを付けていて騒ぎに気づいていない。

勇敢な婚約者ウェインは助けに向かったがヴァンパイア化。

ネッド、チャーリー、ジェリー、ウェルターは各々武器をもって奴らに立ち向かった。木の杭を刺して倒すのだが、ヴァンパイアは死ぬときに破裂する。途中でウェルターが犠牲となった。

3人はペイジの部屋にたどり着いたが、彼女はすでに自力でヴァンパイア達を倒していた。

元凶のヴァンパイアにネッドが噛まれてヴァンパイア化。さらにヴァンパイアは念力を使ってジェリーを追いやった。チャーリーは勇気を振り絞り、後ろから友達の鉛筆を刺して奴を倒した。

ボスを倒したことでネッドが元に戻る。さらにウェインとウェルターも無事だった。彼らはヴァンパイアになってから致命傷を受けていなかったが、他の住民達は体中に杭を打たれていたので単純に死亡。

感想

前情報無しで見て冒頭のシーンが単純に出来よくて当たり引いたと思ったんだけど、まさかの劇中劇。コメディ映画とは知らなんだ。最初っから脊椎付き生首が出てきたから期待したんだけどね。まさかそこが残酷描写のピークとは。ホラー映画だと思ってたから面食らったけどコメディとしてはそこそこ面白いのでないだろうか。

一応家族愛がテーマなんだろうけどまあうっすい。ヴァンパイアが出るまでは普通のコメディだからコメントしにくいな。ヴァンパイアとの戦闘はユニークで良かったけど。

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半径15mに近づくと... 映画『(r)adius ラディウス』ネタバレあらすじと感想

(r)adius ラディウス

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2017年製作/カナダ/上映時間93分
原題:Radius
配給:アットエンタテインメント

監督・脚本:キャロライン・ラブレシュ、スティーブ・レナード

製作:アン=マリー・ゲリナス

撮影:サイモン・ビルヌーブ

音楽:ブノワ・シャレスト

編集:スティーブ・レナード

出演:ディエゴ・クラテンホフ、シャーロット・サリバン

あらすじ

交通事故にあい、記憶を失って目覚めたリアムは助けを求めるために近くの町に向かう。しかし町は死体ばかりで、ようやく見つけた生存者も彼が近寄った途端に死んでしまった。やがてリアムは自分の半径15メートル以内に立ち入った者が即死することに気付く。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

交通事故を起こした男性は記憶をなくして目覚めた。彼は助けを求めようと、通りがかった車を止めようとするが車は大きく逸れて停車。運転していた女性は目が白濁した状態で死んでおり、男は驚いた。

女性の携帯電話で通報した彼は名前を聞かれて初めて記憶をなくしていると気づき、通報の途中で電話を切る。そこで自分の持ち物を探ってみると、「リアム・ハートウェル」という名前だと判明。頭上からカラスの死体が落ちてきて、リアムは再度驚いた。

助けを求めて近くのダイナーに向かうと、店主や客たち10人弱が死んでいた。先ほどの女性と同じく白濁した目をしている。何らかのガスかウィルスが漏れているのではないかと疑ったリアムは、袖を破り口を覆って移動を開始。

 

リアムは地図を頼りに見覚えのある民家へ行ってみた。窓を壊して侵入するとそこはリアムの家だった。留守電の応答メッセージからそれを確信、さらに自分が園芸業に勤しんでいた事も判明。ニュースではダイナーの大量死が話題に。原因は分らず検視結果待ちだとのこと。

外で農作業をする男性を見かけたリアムは、外は危険だと家の中から声をかける。農作業中の男性にリアムの声は聞こえない。ガスが漏れているかも知れないので窓を開けたくない彼は、「外にいたら危険」という文字を書いて示したが、文字を見ようと男性が近づいて倒れてしまう。それを見たリアムは恐怖した。空気感染の類ではないと気付いた彼は翌日、おそるおそる外へ出た。外で騒ぐカラスに近寄ると、一定の距離でカラスが死に始めた。そこでカラスとの距離を測ると約15m。リアムは自分に近づいたから人や動物が死んだと気づいて愕然とした。

ニュースでも空気感染は否定され、何らかの伝染病かテロかと話題になっている。

男女の警官がリアム宅を訪問。彼は自分に警官たちが接近しないよう、距離を取りながら隠れた。警官はカラスが白濁した目で死んでいるのを見つけたが、無線で呼ばれて撤収。その後居眠りしたリアムは、断片的な事故の夢を見る。

夜中、ある女性がリアム宅を訪問した。リアムは彼女を殺してはいけないと物置から様子をうかがう。彼女はリアムに気づくと声をかけた。彼女も彼と同じく記憶喪失になっていたが、事故の時にリアムと一緒にいたということを思い出したので訪問したらしい。物置越しに話したリアムは、彼女が15m以内に入っているのに死んでいないことに気付く。リアムは物置から出て女性と対峙。付近に犬がいたのだが、その犬も死んでいないので驚いた。彼女は名前すらも分らないそうで、自らをジェーン・ドウと名乗る。

ジェーンは事故の後、病院で手当てを受けており、CTスキャンで記憶喪失と診断されていた。彼女は自分とリアムの関係性を知りたがって半ば強引に家に入った。中を見て回りながら2人は覚えていることの情報交換をする。すると唐突に「スミスバーグ・オークデール橋」という看板の前でジェーンと一緒にいた記憶が蘇ったリアムは、それをジェーンに聞いてみた。彼女は覚えていなかったが、何か手がかりが見つかるかもと翌日訪れることに。

 

翌日、対向車とすれ違うが異常はない。リアムはジェーンに自分が近寄ることで人が死ぬことを伏せていた。

スミスバーグ・オークデール橋に着いたが思い出すことは何もない。次に2人は事故現場に行ってみた。現場の近くには半径15mほどで円形な黒いこげ痕のようなものがあった。黒焦げになった植物を見るにこれは燃やされて出来たわけでは無さそう。

事故のとき雨とともに雷があったことを、リアムは思い出した。ジェーンもその瞬間の映像が脳裏に蘇る。ジェーンが死なないことで大丈夫だと確信したリアムは、思い切って秘密を打ち明けた。テレビやラジオで話題になっている大量死の原因が、自分ではないかとジェーンに話す。「俺が近づいたら人が死ぬ。でももう異変はなくなった」と告げたが、ジェーンはもし私が死んだらどうするんだとヒステリックに陥る。ジェーンがリアムと距離を取り始めた時、周辺をパトロールしていた女性警官が見咎めてリアムに話しかけた。ジェーンが一定のところまで離れた時、リアムに近づいていた警官が倒れる。リアムは驚くジェーンに、君は死なないと説得し、同行を頼んだ。

家の近くまで戻ったリアムは、ジェーンを使ってある実験を試みる。ヤギをリアムの近くに置いた状態で、ジェーンにリアムから距離を取るよう指示。すると、リアムとジェーンの距離が15m離れるとヤギが死んだ。殺す力を持っているのはリアムで、ジェーンがそれを抑える役目だと2人は気付く。

リアムは自分の身に何が起きているのかを知りたがり、反対するジェーンを説得して病院へ。3日前に交通事故に遭ったこと、記憶がなくて混乱していたため病院へ来るのが遅れたことを話して違和感なく診察を受ける。ジェーンをそばに置いた状態で、CTスキャンを撮ってもらった。

検査結果を待つ間、女性警官の死が報じられてリアムは容疑者として報道された。女性警官が死んだとき彼女は幼い息子と通話中で、息子がリアムの名前を呼んでいたと証言したことから疑いがかけられた。CTスキャンの検査結果は問題なし。

病院に集まっていた警官から2人は逃げ出す。エレベーターに乗り込もうとした時、ジェーンは掲示してあった行方不明のビラを見て、思わず立ち止まってしまう。自分の顔写真が載っている行方不明者のビラを見たことを思い出した。そのせいでジェーンはエレベーターに乗りそびれ、エレベーターの乗客を危険にさらすことに。リアムは次の階で乗客全員を降ろした。ジェーンは急いで階段を降り、リアムと合流。

車で逃亡したリアムとジェーンは、ひとけのない私有地へ行くと小休止。私は失踪者だとジェーンは先ほど思い出したことをリアムに告げる。2人は車内で眠りに就いた。

 

ラジオで続報が流れた。逃亡時にリアムが女性と一緒で、その女性の名はローズ・デアウッドという既婚者。サムという名の旦那がいる。

夫の名はサムというだと聞いたジェーンは、彼に会えば何か分かるかもしれないと思った。リアムは最初同行を躊躇い、この人気の無い場所に居続けようとしたが、ジェーンが「夫との不仲が失踪原因かもしれない」とリアムを説得。

経営者とニュースで聞いたので電話帳で住所を探して向かった。夫のサムと会うと、ジェーンの顔を見て「ローズ」と駆け寄ってきた。車に乗るようサムに頼んで人気のないところへ移動した後に、リアムがこれまでの事情を説明した。もちろんサムは信じず、ジェーンとの仲を疑う。そこでリアムは車外に出て、自らが近寄ることで鳥が死ぬのをサムに見せた。サムは信じるしかない。

サムはリアムとジェーンに、仕事場を隠れ家として提供。ジェーンはサムに原因解明してくれる研究者への仲介を頼む。

仕事場には失踪者のチラシがあった。その顔写真が自分そっくりなのに名前が異なっていたのでサムを問い詰めたが、サムはすぐに否定。顔写真はジェーンの双子の姉リリー・グレイソンのものだった。1年前に職場を出たあと行方不明となり、現在も見つかっていないそう。双子の姉がいなくなり、ジェーンは血眼になって探した。チラシを作って配り歩くようになり、それがサムとジェーンの夫婦仲を悪くした原因だという。

それを聞いた瞬間、ジェーンは思い出した。事故の夜、ジェーンは姉のリリーを探し疲れ、自殺を考えてスミスバーグ・オークデール橋の上に立っていた。その時にジェーンを見かけたリアムが話しかけ、彼女は自殺をやめる。ジェーンの事情を探ることなく、リアムが送ってやると言ってくれたので、ジェーンは彼の車に乗り込んだ。

リアムはサムに地図を見せてくれるよう頼むと、人のいない場所を探し始める。地図を見るとかすかに記憶に残る場所があった。リアムはそこへ行きたがったが、サムは作業場に留まるよう説得。

ジェーンはサムが自分にまつわる事柄をノートに書き出しているのを見て感激。その様子を見たサムはようやく本当に記憶喪失なのだと分った。

サムは2人に逃げろと言い出す。サムは中座した時に警察へ通報していたのだが、ニュースで報じられるテロリストではないと確信して気持ちが変わった。2人は逃げようとしたが、警官に捕まり引き離されそうになる。リアムもジェーンも必死で「引き離さないで」と訴えるが、距離が開いてしまった。その瞬間、警官と集まっていた野次馬は一斉に倒れて死亡。奥へ避難させられていたサムが駆け寄り、2人の手錠を解いた。

サムは説明のためここに残ると言い、リアムとジェーンは目星を付けた場所へ移動。途中の雑貨店で食料の買い込みをしたリアムとジェーンはニュースで「NASAが発表した宇宙からの光線」という映像を見て、これこそが原因だと確信した。

 

リアムが思い出した小屋に2人は到着。周囲に人家が一切ない、簡易的な寝泊まりができる木造の小屋だった。

リアムはもし対処法が見つからなかったらどうしようと頭を抱え、ひとりで散歩にでかける。

小屋の暖炉を使おうとしたジェーンは暖炉の中に隠されたノートを発見。

ノートには失踪者のチラシがスクラップされていた。さらにチラシと共に、殺害方法が詳しく記されている。姉のチラシもあり、最後のページに書かれていたのはジェーンの名だった。

その頃、リアムは近くの湖にボートを見つけて乗り込み、ボートの中にブルーシートのリングを見つけた。それを手に取った彼は自分が女性を捕らえては殺害し、湖に遺棄する連続殺人鬼だったと思い出す。

橋でリアムがジェーンに話しかけたのは殺害するためだった。リアムが車の運転中、ジェーンに注射を打とうとしたが彼女が暴れて事故に。雨の降る車外で交通事故の後に対峙した2人は宇宙から射す球形の雷光を受け、その影響で能力が開花した。

リアムは自分が殺人鬼だったという事実に辿り着き、ショックを受ける。

湖岸まで戻ると背後に銃を持ったジェーンが立ち、リリーの居場所を訪ねた。連れてきてと言われても彼女は既に死んでおり、湖の底に沈んでいる。これまで一緒に過ごしていたので、ジェーンには姉を殺害したリアムを殺すことができなくなっていた。

小屋に戻ると、男性4人に銃で脅された。彼らはふもとの雑貨店でリアムを目撃し、後を追っていた正義マン。リアムはテロリストだとして、男たちに羽交い絞めにされた。しかしジェーンとの距離が開いたので、男たちは一斉に死亡。

目の前で父親が死ぬのを見て動転した息子が、死ぬ直前に発砲。その銃弾がジェーンの腹部に当たり、彼女は重傷を負う。リアムは車に乗せて病院へ駆け付けた。

 

病院へ行って看護師たちに見せると、ジェーンはすぐにストレッチャーへ乗せられて手術室に連れて行かれる。

リアムはそれを見送ると、こめかみを銃で撃って拳銃自殺した。

ジェーンは銃声を聞いて何とも言えない表情を浮かべる。

 

感想

設定が斬新で面白かっただけに鑑賞時のハードルが上がり、それ以外の点に関して良いものとは思えなかった。

導入がとてもスムーズで、リアムが能力に気付くまでの過程には感心した。前情報で知っていたのはここまでだったので、このまま人から隠れて過ごす映画かと思いきやジェーンがやってきた。勝手な話だがこの時点でちょっとヤだ。彼女が近くにいると能力が抑えられるって設定は面白いと思うけど。

ジェーンは出会い頭から自己中心的で協力するのが当たり前みたいな態度で接してくるので良く映らない。終盤まで好きになれなかったし、感情がリアムに味方してしまう。すぐ感情的になるのも嫌だね。

全編通して2人とも説明不足な気がするんだよね。例えばサムはジェーンの記憶を思い出させるために色々話すけど、ジェーンはサムに何も教えないから不信感が増すとか。警官に引き離されるときも一緒にいさせてしか言わなかったり、たとえ信じて貰えないにしても離したら死ぬとかは伝えるべきだと思う。まあ引き離されたおかげで(?)見せ場である大量死亡シーンに繋がるんだけど。

リアムの正体は今まで散々匂わせるシーンがあったから以外でも何でも無かった。途中NASAの映像とかもあったからとんでもないオチを期待してたんだけど(宇宙人とか他の能力者とか)。リアムが記憶を失って良い人になっちゃてたから、ラストはスッキリしないね。ただリアムの能力は未知な筈なのに、死んだら解決するって考えはどうなんだろうか。死体になっても半径15mにいる生物が死ぬ可能性はあるよね。考え足らずか無責任か。

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急に能力に目覚める映画

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  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: Blu-ray
 
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  • 発売日: 2016/06/24
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  • 発売日: 2008/07/23
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チリ大震災で脱獄した男の話 映画『デストロイ8.8』ネタバレあらすじと感想

デストロイ8.8

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:2/10

リアリティ:8/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:4/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2011年製作/チリ/上映時間82

原題:El ano del tigre

英題:The Year of the Tiger

監督・編集:セバスチャン・レリオ

脚本:ゴンサロ・マサ

製作:パブロ・ラライン、ファン・デ・ディオス・ラライン

撮影:M.I. Littin-Menz

音楽:クリストバル・カルバハル

出演:ルイス・ドゥボ、セルヒオ・エルナンデス、ビビアナ・エレラ

あらすじ

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

20102月のチリ地震で実際に起きた話に基づく物語。

 

マヌエルという男が刑務所に服役していた。ある日、妻のマルセラが面会にやって来て、娘のタチアナが最近どうしているなどの話をした。その後2人は茂みに隠れて性交。それを終えると彼女は帰った。

その晩、マヌエルが寝ていると突然刑務所が揺れ始める。それは大きな地震で、彼をはじめとした囚人は飛び起き、刑務所が崩れるかもしれないとパニックに陥った。そして大勢で力を合わせて牢を破壊し、彼らは解き放たれた。地震のおかげで脱獄に成功したマヌエルは必死で走り出し、気が付けば朝となっている。

 

彼は自宅にたどり着いたが家は海の近くに立っており、津波のせいで倒壊。妻子の姿も見当たらず、妻の鞄を抱えて途方に暮れた。

途中で車が通りかかり、マヌエルは荷台に乗せてもらう。

荷台から降りた彼は再び歩き始め、一軒の家に入った。それは彼の母親の家で、奥に入ったマヌエルは母親の死体を発見。彼は椅子で窓硝子を割る憂さ晴らしを始める。冷静になったマヌエルは母親の遺体をそこら辺の布で包み、外に穴を掘って埋めた。遺体を包むのに使っていた布を体にかけ、マヌエルは眠りにつく。

 

朝になりマヌエルは寒さで目を覚ます。彼は川辺で上着を手に入れた。その時、獣が唸るような声が辺りに響いた。声のする方へ向かい、川に踏み入ったマヌエルは檻の中に閉じ込められているトラを見つける。彼は檻の入り口を破壊し、トラを逃がそうとした。トラは唸り声を上げるだけで動こうとしない。彼はトラを出すことを諦めて歩き続けた。

津波で流されたマットレスを手に入れ、そこそこ綺麗な状態の他人の家に向かう。すると先ほどのトラがうろついていたため、彼は家の影に隠れた。トラをやり過ごしたマヌエルはマットレスを引きずって歩き、その上で眠りについた。

人々がマヌエル、グロリア、カルメンなどと名前を呼んでいる。彼らは脱獄囚を探している様子で、見つからないように身体を隠した。ここにいては見つかってしまうと、再び歩き始めたマヌエルは倒れ伏しているトラを見つける。トラの体には銃弾の痕があった。

 

歩き続けたマヌエルは、農場にたどり着いた。干してあったデントコーンにかじりついていると、農夫に銃を向けられる。マヌエルは彼に、空腹だったから食べてしまったと謝罪した。老人は何があったのか尋ねる。マヌエルは津波が来て大勢死んだことを告げ、南の方にいる親族に会いに行く途中だったと話した。納得した老人は食べ物が欲しいなら働けと言い渡した。マヌエルはガレキの撤去の手伝いを始めとして、様々な仕事をやらされ、その間まともな食事にありつけた。

2人は食事中に地震が起きたときの状況を語り合った。マヌエルは囚人だったことを明かしていないので、自宅にいる時に地震が発生して家族は津波で流されたと嘘をつく。テレビのニュースで地震と津波により多くの人が亡くなったと知らされた。テレビのバッテリーが切れたため、農夫は家族の話をし始める。マヌエルもまた妻子のことを語った。しかし農夫から家族が死んだという現実を突きつけられ、マヌエルは不機嫌に。

さらに農夫は昨晩、トラを撃ち殺したことを自慢げに話した。

農夫は酒を飲んで酔っ払う。妻と子供に暴力を振るっていた彼は神様が家族を引き離したのは自業自得だとし、「苦しい試練を終わらせて俺を殺してくれ」などと言い始めた。

マヌエルは眠りについた老人を床に寝かせる。彼は外に出て鋭利なガラス片を拾った。マヌエルはそれを持って農夫の元へと向かうと、眠る彼の腹に深く突き刺した。そして農夫のブーツを奪い、農場を後にする。

 

歩き続けたマヌエルはやがて崩壊した街にたどり着いた。街中を目的なく進んでいたマヌエルは教会の人だかりに気付く。そこでは牧師が演説を行っており、聞き終えたマヌエルは再度街を歩き回った。

 

軍隊が救出作業のため、街中を見回っている。それを見たマヌエルは、転がっていた子供用の自転車を手に取ると何度も壁に打ち付ける奇行に走る。彼は異常者として軍隊に取り押さえられ、護送車に乗せられた。

感想

本当に被災地で撮影してるのかなってくらい街の崩壊具合がリアル。チリ大震災をモチーフにした作品は他にもイーライ・ロス監督の アフターショック Blu-rayがあるけれど両者に言えるのはこんな作品、日本では作れないだろうなって。実在する震災を元にしたスリラーなんて絶対に叩かれる。

本作の主人公マヌエルは何で刑務所にいたのか明かされていないから、中盤までは家族思いの善人に見える。それが農夫を躊躇いなく殺してしまうから観ていてショッキングだった。もちろん殺す理由は描かれているけれど。農夫に会うまで一人旅であまり言葉を発さないから内心が分らないというのも大きい。

ラストで自ら再び牢屋に戻ったのは色々な感情が織り混ざった結果と思われる。一番はトラが銃殺されたことではないだろうか。マヌエルには檻に入れられたトラと牢屋に入れられていた自分が重なって見えた。こうして自己投影したトラが殺されたのはまるで自分もこうなると示された気になったのでは。あとは妻子が死んだことを知りたくなかったことも考えられる。他にも考えられる理由があるかも知れないが、僕は少なくとも農夫を殺した罪悪感ではないと考えている。

デストロイ8.8[DVD]

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  • 発売日: 2014/01/20
  • メディア: DVD
 

アフリカゾンビ襲来 映画『ラスト・オブ・ザ・デッド』ネタバレあらすじと感想

ラスト・オブ・ザ・デッド

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2016年製作/南アフリカ/上映時間75分
原題:Last Ones Out

監督・脚本・編集:ハワード・ファビー

製作:ハワード・ファビー、グレッグ・クリーク

撮影:ティミー・ヘニー

音楽:ゼス・マシカ

出演:グレッグ・クリーク、クリスティア・ビサー、Tshamano SebeVukile Zuma

あらすじ

アフリカ南部でゾンビパンデミックが発生。迅速な対応によりアフリカ全域で避難が行われたが、地方は見捨てられた。地方の病院に取り残された人々は脱出を試みる。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

アフリカ南部、男性が何かに追われて草原を走っていた。町に着くと彼は住民に、奴らが来ると忠告した。

 

2015年末、アフリカで未知のウィルスが蔓延。数時間で全域が避難したが地方に救助は現れなかった。

 

3日前、南部州立病院。患者ヘンリーが病床で目覚める。彼は今朝に虫垂炎の手術が行われるはずだったが、手術が行われた痕跡はない。病院には医者が一人しかおらず、何らかの問題が起きて後回しにされた様子。ヘンリーの彼女ローリンが見舞いに来る。ヘンリーの施術が終わってないことに苛立った。

問題の患者は未知の病に罹っていた。発汗がひどく、瞳孔が開いている。医者のサネットはその症状から隣町で発見された新種のウイルスではと見当をつけ、看護師のシセコを情報収集に向かわせた。

 

ヘンリーの手術準備が整う。彼が麻酔で眠らされると同時、別室に寝かされていた問題の患者が暴れだした。


ヘンリーが目を覚ましたとき、病院内には悲鳴がこだま。彼は麻酔の影響で起き上がれず、ただ怯えながらシーツに隠れるしかない。

 

8時間後、ヘンリーは血だらけになった医者サネットに助けられた。彼女はまだ不自由な彼を車イスに乗せて歩きだす。ヘンリーは電話させてくれと頼んだ。

ナースセンターに運ばれた彼はローリンに電話。彼女によると町全体が封鎖されており、護送車で空港に運ばれるそう。病院から最寄りの空港はハーベルにある。彼は麻酔が解けたため立ち上がった。

センター内にナースコールが鳴り響く。サネットは助けに向かった。押したのは咽頭ガンで入院中の高齢者パトリック。彼を救出している最中、ゾンビと遭遇。ものすごい勢いで2人は追われた。途中でヘンリーと合流し、一室に避難。

閉じ籠っていると反対側の扉が開き、隣町から帰ってきたシセコとツレのヴィンセントが助けに来た。

彼らの用意した車に乗って避難するがパトリックが出遅れる。彼はゾンビに噛まれてしまう。シセコの息子アヤンダを助けるため、車でジャルビを目指しているとヘンリーの虫垂炎が悪化。適当な家に入って臨時の手術をすることに。ビリヤード台の上に寝かされた彼は割れたガラスビンで切開される。手術の途中、一体のゾンビが家を襲った。彼らは急いで車に戻る。

 

草原の真ん中でガス欠。歩きでジャルビを目指そうとするシセコにヘンリーはハーベルに向かう方がいいと言う。護送車は空港のあるハーベルを目指しているので、護送車のルートを見つけるべきだと説得。一行はハーベルに向かって歩きだした。

 

2日後、彼らは未だに草原を歩き続けていた。途中の小川で休憩をとる。
サネットと歩きながら談笑していたヘンリーだったが、差別的な発言をして険悪な空気に。ヘンリーは小便するフリをして彼女ローリンに電話をかけた。彼女はヘンリーを待たずに出発するつもりらしい。
3人はヘンリーの小便を待っていたが、彼の帰りがあまりに遅いのでヴィンセントが様子を見に行く。ヘンリーはゾンビに襲われており、ちょうど彼に助けられた。逃げている最中に電話を落としてしまうが、彼らは岩の影に隠れて難を逃れた。
サネットが電話を拾ってシセコと共にハーベル郊外に到着。ローリンから着信があり、ヘンリーが1人で飛行機に乗ろうとしていたことが発覚。
合流したあとその事を詰められたヘンリーはヴィンセントを人質にとり、電話を奪って逃走。しかし、ヴィンセントからの不意打ちを受けて捕まった。
シセコはヘンリーに「避難場所までお前を連れていくが、食料と水を供給しろ」と言い渡した。
その晩、火を起こして夜営していたが1体のゾンビが寝込みを襲う。誰も噛まれはしなかったがシセコが重症を負ってしまった。さらにヴィンセントの目にゾンビの体液が入る。

一行は歩きだし、ハーベルに到着。救助隊を待ちながら眠りについた。翌朝、救助隊の車両が通りかかって目を覚ます。シセコは死んでいた。サネットとヴィンセントが死を悲しむ中、ヘンリーはすまないと言って救助車に向かう。救助車に乗っていたローリンとなにやら口論している様子。
彼は救助車から発煙筒とGPSを貰って帰って来た。翌朝、デュアゾンに救助ヘリが来るそう。彼は改心し、アヤンダを探すことに。

 

ジャルビ居住区。アヤンダは生きており、ゾンビから身を隠して生活している。
3人がジャルビに到着。3体のゾンビと遭遇するもアヤンダを助け出すことに成功。彼にシセコの死を伝えた。
デュアゾンまで徒歩半日、彼らは歩きだした。
デュアゾン難民キャンプに到着。そこは人が誰も居ないどころか廃墟のよう。彼らはそのうちの1つの建物に籠城することを決意し、板で出入り口を塞ぐ。一段落し、サネットはヘンリーの肩に首を預けて眠りについた。するとヴィンセントがゾンビ化し、3人に襲いかかる。ヘンリーがヴィンセントと揉み合い、腹部を負傷。なんとか屋上に逃げ出したが、ヴィンセントが咆哮をあげて周囲のゾンビを集め始める。
ヘンリーはサネットとアヤンダを救うため、自ら囮となる道を選んだ。サネットに発煙筒とGPSを渡し、自身は地上に降りてゾンビ共を引き寄せる。ヘンリーが一室に逃げ込んだとき、ヘリの音が鳴り響いた。そこにサネットがやって来る。2人は逃げるでもなく互いに抱き寄せた。

 

救出されたのはアヤンダ1人。上空を飛ぶヘリの中で彼は、シセコの形見であるブレスレットを握りしめた。

感想

低予算なのがひしひしと伝わる。クライマックス以外でゾンビは基本単独行動。そこそこ広大なジャルビ居住地においても数体のゾンビしか遭遇しない。ラストは大量に出てくるが暗がりで顔がよく見えなかった。多分全編通してまともにメイクの施されたゾンビは10体もいないのではないだろうか。

もちろんお金が掛かるような残酷シーンもとても少ない。安く抑えられるからかシセコ、ヘンリーが負うケガはどっちも壁から伸びる鋭利な物体に背中や腹が刺さるというもの。パトリックがやられるシーンは直接的な描写がなく、カメラは目撃者の表情だけを写していた。本来なら見せ場となるようなシーンがことごとく外されているので見終わった後の印象が薄い。なんか走って逃げてたなって印象。

良かった点は最低限ゾンビ映画と言えるようなクオリティーに達していたこと。ただこれはそれなりにゾンビ映画を観てきた人間の一意見に過ぎない。というのも本作はゾンビが本当に恐ろしいモノだと誇示するシーンが予算の都合上存在しない。ゆえに他作品を観てきた者はゾンビの恐ろしさについて無意識のうちに頭の中で補完されるが、これが初見となると何が怖いのか分らないのではないだろうか。説明不足な点は否めないが、脳内でゾンビを補いながら鑑賞すると話はそれなりにまともなので楽しめる。

最後にサネットが来るシーンは何だったのか。ヘンリーを助けに来たのか、己もまたアヤンダを守るため犠牲となったのか分らない。この映画、救助車のローリンとの会話もそうだけど解釈を分かれさせるためか、重要そうな会話シーンを音で打ち消したりするんだよね。それは気に入らなかったな。

本作が気に入った方は同じくアフリカを舞台にしたゾンビ大陸 アフリカン [DVD]とか好きそう。

現代っ子ゾンビサバイバル 映画『#生きている』ネタバレあらすじと感想

#生きている

コメディ度:2/10

グロ度:4/10

感動:2/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

f:id:sottou_hurann:20200910235412j:plain

2020年製作/韓国/上映時間96分

原題:#살아있다
監督:チョ・イルヒョン

脚本:マット・ネイラー
出演:ユ・アイン、パク・シネ

あらすじ

韓国で謎のウイルス感染が発生。感染した人々はゾンビ化して暴走、生者を探して彷徨うことになる。現代っ子のオ・ジュヌはマンションの部屋に閉じこもり、必死のサバイバルが始まる。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

実家暮らしのオ・ジュヌは目を覚まして洗顔すると早速PCを起動。WEBカメラを点けてオンラインゲームを始めるが、チャットの様子がおかしい。異変に気づいた彼がそそのかされるままテレビを見ると、放送が切れてしまった。
外から異音がするので窓を見る。人々が逃げ惑い、次々と事故が起きている状況。


誰かが玄関のドアを叩いた。何が起きたのか分かっていない彼は扉を開けてしまう。ものすごい形相で押し入った隣人を帰そうとするが、トイレを貸してくれというので許可。その間、ジュヌはテレビで謎の感染症が流行していることを把握。感染者は暴れだし、食人行動を始めるらしい。さらに噛まれたり傷つけられると感染が広がるとのこと。
トイレから出てきた隣人は感染しており、変容しつつある彼をジュヌは包丁で脅しながら外に追いやった。彼は玄関の鏡で自分がゾンビとなってしまったことを知り、自ら外へと出ていく。外に出た彼はより大きなゾンビに倒されてどこかに連れられていった。
ジュヌは食料をかき集めて机に並べる。少ししかないことを知って脱出の必要性に気づいた。

 

翌朝目覚めたジュヌはテレビとSNSで情報集め。多くの人がやっているようにハッシュタグを付けて助けて欲しいと投稿。
自身のアパートの他の部屋に生存者は居ないのかとカメラの付いたドローンを飛ばすが、途中で充電が切れて失ってしまった。大人しくオンラインゲームに勤しむが程なくしてネットが使えなくなる。
窓に銃弾が当たった。外で女性警官がゾンビと戦っている。彼女の弾は尽き、奴らにやられてしまった。
その様子を見ていると背後から轟音が鳴る。玄関は施錠のうえ冷蔵庫を置いて塞いでいたのだが、巨体のゾンビがそれをこじ開けて侵入していた。ジュヌはベランダから飛び降りる降りをして柵に掴まり、ゾンビを落下させた。彼は遺書のビデオレターを録る。

 

7日目。父親のコレクションするウイスキーに手を付けた。窓を紙とビニールで目隠し。テレビを観ているとラーメンのCMが流れた。彼は触発されて最後のカップ麺を食べてしまう。さらに水道が止まった。
ジュヌは再び動画を撮った。そこで母親がラジオを好きだったのを思いだし、ラジオならFMの周波数だけで聞けるとイヤホンを探すが家にあるのは無線ばかり。


15日目。酒に酔った彼は家族との日々を思い出して涙する。
そんなとき家族から録音のメッセージが届いた。「私たちは父さんの会社にいて無事よ」と言ったあと、襲いかかられたであろう断末魔が響いた。激昂した彼は家のあらゆる物を破壊し、ゴルフクラブを持って勢いで外に飛び出してしまう。始めこそ良かったものの、次第にゾンビが集まってきて彼は部屋に何とか戻った。


20日目。橋の向こうの地区で爆発が起き、電気が止まってしまった。彼はまたもビデオを録ると、充電コードを使って首をつった。すると窓の外からレーザーポインタの光が刺した。彼は自殺を取り止める。光を照らしていたのは向かいの建物に住むキャンプ好きの女性。彼女は翌朝の7時にまた話そうとジェスチャーした。


翌朝、ジュヌは寝坊。11時に窓を開けると彼女が見ていた。お互いにスマホの画面を見せ合って名前を教え合う。彼女の名前はキム・ユビン。そしてまた翌日の約束をした。

 

翌日、ユビンは腹を空かせたジュヌに食料をくれることに。彼女は硬球にロープを結んで投げたが、肩が弱くて途中で落下。ジュヌはドローンでロープを運ぶ案を思い付く。彼は早速飛ばしてラーメンとカロリーバー、水を分けてもらった。
消防士のゾンビが彼女の落とした硬球に付いたロープを登り始める。ロープの反対に括られていた机が引き寄せられて彼女に直撃。気絶してしまう。ジュヌはビールびんを投げる、ドローンを飛ばすなどといった方法で気を反らして時間を稼いだ。その隙にユビンが目覚め、消防士のゾンビを落下させた。

ジュヌは隣人の部屋に物資を漁りに行った。彼はそこで食料とトランシーバーを入手。ゾンビに襲われるが何とか逃げ出し、早速ユビンにロープで送った。

 

翌朝、ユビンから無線がかかってきた。彼らは他愛もない会話を始めた。外から雨音がしたので外を見たが雨は降っていない。ゾンビたちが大移動をしていた。ユビンが音を立ててしまい、奴らが部屋の前に集まる。ジュヌがユビンの隣室に電話をかけ、気を逸らした。
ユビンはジュヌ側の建物を見て8階が無人であることを知っていた。2人はそこを目指すことに。ユビンはロープを使って窓から地上に降りる。手斧を持ってゾンビたちと戦いながら逃げるが、数が多くて殺されかけた。そこをジュヌが救出。途中で警官が落とした拳銃を拾う。

2人はエレベーターで8階に登ったがゾンビが襲ってくる。途中で生存者の男が部屋に入れてくれた。
彼は食事を与え、良くしてくれる。さらに救助隊が来るとも言ってくれた。しかし、ユビンは部屋にある家族写真を見て、彼がこの家の家主でないことに気づく。それと同時に強烈な眠気に襲われた。隣にいたジュヌはすでに眠っている。
ユビンは男に子供部屋へ運ばれた。そこには男のゾンビ化した妻がおり、彼は妻を飢えさせないように食べさせようしていた。
目を覚ましたジュヌが拳銃で男を脅す。男はお前は生かすから見なかったことにしてくれと懇願。やがて部屋からユビンの声がしなくなり、男は確認に向かった。ユビンは生きており、妻が男に飛び付く。噛まれた男は何も抵抗しなかった。ユビンは男と妻を撃ち殺す。

その後、彼女はジュヌに拳銃を渡し、殺してくれと頼んだ。銃を構えながら葛藤しているとヘリコプターの音が。2人は屋上を目指して走ったが、そこにヘリコプターの姿はない。ゾンビが迫り、いよいよかと思った瞬間、ヘリコプターが下から浮上。兵士が機関銃でゾンビを掃射し、2人は助け出された。

ヘリコプター内で一息付いていると電波が復旧、家族からジュヌへのメッセージが届く。

感想

新感染以来のまともそうな韓国産ゾンビ映画が来たと思い鑑賞。ゾンビのクオリティーの高さは満足だが、それ以外があまり納得出来なかった。

本作はタイトルにハッシュタグが付いているように、現代の技術を使ってサバイバルするのがウリだと思ったのだがあまりハイテク感は感じない。これは意外に感じたし残念だった。活用されていたのはSNSでの救助要請とドローンくらい。そのドローンもあまり活躍していなかった様な...。

スマホでFMラジオを聞こうとして有線イヤホンを探すが無線のものしか見つからないシーンや、主人公と共に行動するようになるユビンが真逆な存在でテクノロジーを使わずにキャンプグッズを駆使して生き延びていたのを見るに監督はテクノロジーへの依存に警鐘を鳴らしたかったのかも知れない。まあSNSのおかげで主人公らは助かるんだけど。

結局ゾンビと対峙すればゴルフクラブと斧で戦い、他のゾンビ映画と違いは無い。しかし、本作のゾンビはやたらと食いつくまでが遅い。全然噛みつかないで、もみ合いになっているシーンが多く見られた。何か意味があってのことかも知れないが個人的には危機感が薄まるし、何よりテンポが悪いので好きになれなかった。

登場人物の行動に納得のいかないシーンが多くあり、全体的に突っつきどころが多い作品に思える。あと終盤のゾンビ化した妻を飼育する旦那のくだりはまるまる不要だった。

蔦が身体を包み込む 映画『パラサイト・バイティング 食人草』ネタバレあらすじと感想

パラサイト・バイティング 食人草

コメディ度:2/10

グロ度:4/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2008年製作/アメリカ/上映時間91分
原題:The Ruins

監督:カーター・スミス

脚本:スコット・B・スミス

原作:スコット・スミス

製作:スチュアート・コーンフェルド、ジェレミー・クレイマー、クリス・ベンダー

製作総指揮:ベン・スティラー、トリッシュ・ホフマン、ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム

撮影:ダリウス・コンジ

音楽:グレーム・レベル

編集:ジェフ・ベタンコート

出演:ジョナサン・タッカー、ジェナ・マローン、ショーン・アシュモア、ローラ・ラムジー、ジョー・アンダーソン

あらすじ

メキシコのリゾート地へバカンスにやってきた2組のアメリカ人カップル。現地で知り合った青年らに誘われてマヤ遺跡の探検に出かけるが、それは恐怖の始まりだった...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

汚れてやつれた女性が暗い穴の底のような所で怯え、助けを求めている。彼女は携帯のボタンを何度も押すが反応は無い。すると周囲の暗闇から人の笑い声がして、何者かに闇の中へと引きずり込まれた。

 

メキシコのリゾートホテルでバカンス中だったアメリカ人カップルの二組、医学生のジェフとエイミー、ステイシーとエリックは、ひょんなことで知り合ったドイツ人のマティアスに誘われ、地図に載っていないマヤの遺跡に行く事になった。参加するのは彼らの他に、マティアスの友人ディミトリと別動隊で行くディミトリの友人のギリシャ人2人。すでにマティアスの弟ハインリヒは考古学者の彼女と向かっている。

 

彼らはその晩、海辺のパーティーで浮かれてジェフは悪酔いしたエイミーを気に掛けながらも先に帰った。酔ったエイミーはマティアスに近づくが、ステイシーがそれを制止。

翌朝エイミーはひどい二日酔いだったが、ジェフに説得され同行する事に。マティアスは別動隊のギリシャ人たちに地図を書き写し、浜辺に寝転ぶ彼らの頭の下に挟み込んだ。

彼ら4人とマティアス、ディミトリはバスで近くの町に出たが、ハインリヒと連絡がつかない。やむなく現地のタクシーで向かった。

 

タクシーが着いたのはジャングルの中で携帯電話は圏外。使えるのはマティアスが持っている衛星電話だけ。マティアスがハインリヒの車を見つけた。

6人が小川で休憩した際、遠い岩場から見つめるマヤ人に気づき、スペイン語で呼びかけたが無反応。途中で道がなくなりマティアスは悩むが、地図の通りの草むらをかき分けると、道を隠すようにカモフラージュされているだけだと発覚。ついに遺跡にたどり着いた。それは拓けた場所に建つツタに覆われた台形の大きな遺跡で、頂上にはハインリヒの物と思しき黄色いテントが見える。

彼らは写真を撮ったりして浮かれるが、そこに険しい顔をしたマヤ人たちが馬でやってきて、いきなり彼らを怒鳴り始める。しかし彼らの言葉はスペイン語でもなく、誰も理解できなかった。エミリーはマティアスに注意されてもやめずに写真撮影を続けていたが、遺跡に向かって後ずさるうちにマヤ人らが何かに気づいて激怒。ディミトリはエミリーからカメラを取り上げて彼らに渡そうとしたが、いきなり矢と銃で撃たれ死亡。パニックになった一行は逃げるように階段状になっている遺跡の外壁を登った。

 

頂上には黄と青の2張りの一人用テントがあり、あとは滑車とライトが付いた発掘機材のような物が立っていた。テントには誰もおらず、マティアスはハインリヒを探した。マティアスの衛星電話はディミトリが持っていたため、下に置きっぱなし。そうこうしているうちにマヤ人たちが続々集まり、野営をして見張るつもりのよう。

彼らは逃げるのを諦め、別動隊で来るギリシャ人たちを待つことに。その時、遺跡内部へと続く穴の中から携帯の着信音が聞こえてきた。

マティアスは、弟の衛星携帯に間違いないと言い、身体にロープを巻いて穴の底に降りていったが千切れて落下。惨い音が響いた。しかしうめき声が聞こえるので死んでいない様子。ジェフとエリックがロープの巻き上げを担当し、女性らに降りるよう頼んだ結果、ステイシーが行く事に。

ステイシーは何とか穴の底に着くが、ロープの長さが足りずに飛び降りて落ちていたガラス片で膝を切ってしまう。マティアスの命に別状は無いようだったが、背骨を損傷したようで体が全く動かせない。両膝は変な方向に曲がっていた。

穴の壁はびっしりとツタに覆われ、辺りからは凄まじい異臭がする。

 

一方頂上では、ジェフとエリックがテントを裂いてロープを継ぎ足し、担架を作ってマティアスを吊り上げて救出しようと準備を始める。しかしエイミーは無茶だと騒ぐばかりで、マヤ人を説得して助けてもらうと叫ぶと遺跡を降り始めてしまう。彼女はジェフが必死で止めようとする中、下手なスペイン語で説得を試みるが状況は変わらず。苛ついた彼女はツタをもぎ取って男たちに向かって投げつけた。

ツタはマヤ人の子供に当たり、子供は泣き出した。周囲の大人が彼に銃を向け、躊躇いなく発砲。2人はその様子を見て慌てて遺跡を駆け上がった。

マヤ人たちは自分らがツタに触れた事を怒っているらしいと気づく。穴の底で再び携帯が鳴りだした。ステイシーが辺りを探すも光量が足らず見当たらない。

 

間もなく担架が出来てエマティアスは助け出された。彼らはテントや荷物の中から鎮静剤と毛布を探してマティアスに与え、手回しの発電機で穴のライトを点ける。その際エイミーはハインリヒのリュックから車のキーを見つけた。夜になり男性2人が交代で見張りに立つことに。

 

翌朝、ツタには不気味な赤い花が咲き、ジェフはツタの中に腕時計と朽ちた死体を見つける。また、テントで寝ていたステイシーの傷にツタが入り込み、外で担架に固定されていたマティアスの下半身もツタで覆われていた。一同はパニックになり、必死になってツタを剥がした。

その時再び、穴の底の携帯が鳴りだす。ジェフはエイミーとステイシーに松明を持たせ、穴の底を探索するように指示した。2人は怯えながら着信音を頼りに奥へと進んでいく。

2人はようやく人らしきものを見つけて声を掛けたが、それは干からびた女性の遺体。その手には携帯電話が握られていたが壊れている。しかし着信音は止まない。実はこの音を出していたのはツタの花だった。それに気付くと同時、ツタはまるで動物のように動きだし、2人に襲いかかる。何とかぎりぎりのところで脱出に成功。

エリックはマヤ人の目を盗んで何とか逃げだそうと提案するが、ジェフはアメリカ人が4人も失踪すれば誰かしら助けに来ると現状維持を押し通す。

 

翌朝、4人は残りの食料を一口ずつ食べたが、マティアスは水を含むのがやっとの状態。ステイシーはツタが体内に残って動いてると訴えている。

ジェフはマティアスの足を切らなければ敗血症で死ぬと言い出し、エリックやエミリーと対立。それを聞いていたマティアス本人が両足切断を望んで処置を行うことに。ジェフはエリックに押さえつけさせ、まず骨を砕くために石を叩きつける。次にナイフで足を切り落とすと、熱したフライパンで傷口を焼いた。その横でツタが動き出し、マティアスのそばに転がる切断された足を持ち去って行く。4人はただ愕然とその様子を見ていた。

その夜のステイシーは、テントにこもって携帯を開け閉めしては泣くばかり。懸命に励ましていたエリックは諦めて外に出た。外にはエミリーがおり、彼は泣いている彼女を慰めるため抱き寄せる。しかし、テントで横になっていたステイシーは泣き声をあえぎ声と勘違いし、寄り添う2人を見て浮気をしたと思い込む。3人が揉めているのに気付いたジェフが駆けつけた。エミリーがマティアスと浮気したと聞いて彼の方を見た瞬間、マティアスがツタに襲われている事に気づき駆け寄る。ツタは身動きできないマティアスの口や鼻から体内に這い込んでいて、懸命に引きずり出したものの絶命。

ステイシーは、ツタが体の中にいると叫んでナイフを取り上げ、自分の体を切ろうとしたがエリックが止めに入った。

すると周囲にあったツタの花が一斉に震えて彼女の声マネを始める。ツタが体の中にいる。ツタが体の中にいる。一同は耳を塞いだ。

 

翌朝エミリーは、マティアスとは何も無かったと言い出し、そんな事を言っている場合かとジェフに諭された。

テントから出てきたエリックが2人を呼ぶ。ステイシーの体の中には本当にツタが入り込んでおり、腰や腿の皮膚の下で線虫の様に蠢いていた。ジェフは焼いたナイフで彼女の太腿と腰を切開し、ツタの切れ端を掴み出した。それでも彼女はまだ頭の中にいる気がすると訴えたが、ジェフはもういないとなだめた。

しかしその晩、3人はステイシーが酒を飲んだとき、彼女の額の下で動くツタを見てしまった。3人とも目を逸らしたがエミリーは察する。

 その後4人はテントで眠り、ステイシーだけが起き上がった。彼女はよろよろと表に出るとナイフを手にする。その瞬間、花が「切らないと」と囁き始めた。

3人はステイシーのうめき声で目覚め、外で自らの顔や身体を切り刻んでいる彼女を止めようと近づく。しかし彼女は切るのを止めず、手を差し伸べたジェフは振り向きざま手の平を切られた。その後エリックは同じムーブで胸を刺され、息絶える。そしてエリックの遺体はツタに引きずられ始めた。

ステイシーはエイミーの腕に抱かれながら、殺してと懇願。ジェフはエリックの胸に突き刺さったナイフを抜き、2人にゆっくりと近づく。

 

ジェフが囮となってエミリーを逃がす作戦を決行することにした。エミリーにステイシーの血を塗りつけ、車のキーを渡し、後ろを振り向かずに全力で走れと言い聞かせる。間もなくジェフは血だらけでぐったりしたエミリーを抱えて遺跡を降り、彼女を地べたに降ろすとキスをした。マヤ人も多少は心打たれている様子。

そして彼女からゆっくりと遠ざかりながら、自分の半生をマヤ人らに英語で語りかけた。彼の動きに合わせ、マヤ人はぞろぞろとついて歩いて武器で威嚇する。ジェフがエイミーと叫んだ瞬間、男たちはジェフに弓矢を放ち、エイミーは起き上がって森に走り出した。

エイミーはすぐ追われ始めた。

数本の矢に射抜かれたジェフは、自分を見下ろすマヤ人のリーダーを見つめる。ツタがゆっくりと彼に這い寄っていた。リーダーはツタがジェフに触れる寸前に彼を射殺。

その銃声を聞いたエイミーは一瞬立ち止まるが、弾や矢が飛んでくるのですぐに走り出した。彼女はハインリヒのジープに辿り着き、なんとか追手をまくことに成功。

 

ディミトリの仲間のギリシャ人2人が、遺跡を発見。大声でディミトリを呼びながら近づいて行く。

感想

思ってたのと違う。食人草なんてタイトルなのにツタが実際に人を食べるようなシーンは無い。一応ツタが体に入り込むシーンはあるのだが、これは食べていると言えるのだろうか。僕が期待していた、体が溶かされるといったシーンは見受けられない。

もっと現実的というか、ツタの生態が徐々に明らかになるような作品を想定していた。実際はホラー映画の幽霊が植物に置き換わったようなもので、植物である必要性は感じられなかった。植物が振動して声真似するのはさすがにやり過ぎ。

植物よりも銃を持ったマヤ人の方が怖くなってしまっている。序盤は植物が危険であることを知らないのだからマヤ人の方を恐れるのは分る。ただ本作は逃げられない理由を全てマヤ人に投げているので、ラスボスが常にマヤ人のまま。

遺跡の設定も生かせているとは思えない。内部にいる時間がやけに短く、これも想像と異なっていた点。まさかほとんどの時間をただ上で過ごすだけとは。

あと生き残りの人選が嫌。一番役立たずでトラブルメーカーなエイミーが生き残ったので胸糞悪い。浮気するわ、軽率な行動でディミトリ死なせるわ、これといって活躍しないわでろくな奴じゃ無い。

ここまで長々と悪い点を挙げてきたが良い点もある。グロテスクなシーンをしっかりと写していたので好感が持てた。マティアスの両足切断はなかなかの見応え。あとはステイシーが自分の体を切りつけるとこ。射殺シーンもわざわざカメラが死体に寄ってて良い感じ。

コメディの要素は薄いんだけど、意図してない面白さがちょくちょくある。マティアスの両足が引き込まれていくのはシュールだったし、ステイシーの額の下で動くツタを見て見ぬふりするシーンは間がお笑いのそれ。何よりエリックが死ぬシーン。直前に止めに入ったジェフが手のひらを切りつけられ、同じように止めに入ったエリックが胸を刺される。テンポ良く天丼芸みたいな光景が広がった。

わざわざ買ってまで観る程の作品では無いが、借りて観るなら普通にありって感じ。

パラサイト・バイティング(字幕版)

パラサイト・バイティング(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: Prime Video
 

人攫い男の目的とは 映画『トールマン』ネタバレあらすじと感想

トールマン

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:3/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2012年製作/アメリカ、カナダ、フランス合作/上映時間106分
原題:The Tall Man
配給:キングレコード

監督・脚本:パスカル・ロジェ

撮影:カマル・ダーカウイ

音楽:トッド・ブライアントン

編集:セバスティアン・プランジェール

出演:ジェシカ・ビール、ジョデル・フェルランド、ウィリアム・B・デイビス、サマンサ・フェリス、コリーン・ホイーラー、ガーウィン・サンフォード、ジャネット・ライト、イブ・ハーロウ、ジョン・マン、ティーチ・グラント、フェーン・ダウニー

あらすじ

6年前に鉱山が閉鎖され、急速に寂れた町コールド・ロック。そこでは次々と幼い子どもたちが行方不明になっており、人々はトールマンの仕業だと恐れていた。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

アメリカでは毎年80万人の子供が失踪するが、その多くは数日中に発見される。しかし1000人ほどの子供は、跡形もなく消え去るのだ。

コールド・ロックの坑道から、捜査官のドッドは保安官と共に出てくる。何も見つからず、この坑道を封鎖するように指示した。

治療中のジュリアの元に赴き、ドッドは子供が見当たらないことを告げる。

 

コールド・ロックという町は6年前に鉱山が閉鎖されたことにより、仕事がなくなって徐々に荒んでいった。

 

トレイシーは娘のキャロルが腹痛を訴えたことから、町の診療所に駆け込んだ。看護師のジュリアが飛び出してきてキャロルの容態を見ると妊娠している事が発覚。トレイシーは娘の妊娠を知らなかった。

設備が無いもののジュリアの助けのおかげでキャロルは子供を出産。
トレイシーはスティーブンに孕まされたと考え、キャロルと赤ん坊をシアトルの姉の家に預けることにした。

 

この町では恐ろしい事件が起こっていた。突然、幼い子供が何人も失踪している。犯人は分かっておらず、人々は”トールマン”と呼ばれる怪物のせいだと噂した。

 

トリッシュのカフェには日夜張り込みをしているドッドが、何度もブラックコーヒーを飲みに来ていた。ジュリアがコーヒーを飲みに店に入ると窓にはジョンソン夫人が立っている。彼女も子供を失った親の一人で、精神を病んでしまっていた。ジュリアは彼女にコーヒーを渡してあげる。

 

トレイシーにはもう1人、ジェニーという名の娘がいた。彼女は言葉を喋ることが出来ず、筆談でコミュニケーションをとる。ジェニーはトールマンを見たとジュリアに知らせた。

 

ジュリアの家にはデビッドという男の子がいた。ジュリアの外出中はクリスティーンが面倒を見る。ジュリアの夫は生前、医師として町の人々から尊敬されていた。彼のことを思い出してしまったジュリアはクリスティーンから勧められるままに強い酒を飲んで眠りにつく。

ジュリアはガラスが割れる音で目を覚ました。階段を降りていくと、クリスティーンが拘束されて血を流している。黒い服を着た人影がデビッドを連れ去っており、その姿を見たジュリアは必死に後を追いかけた。犯人の運転するトラックの後ろに飛び乗るが、段差の振動によってジュリアは落下。様子を見に来た犯人に気づいたジュリアは車の下に隠れる。

助手席にいるデビッドを連れて逃げようとするが、同乗していた大型犬が襲いかかる。彼女は近くにあった石で殴り、犬を倒したが犯人に捕まってしまった。彼女は手を拘束され、荷台に載せられる。

しかしジュリアは拘束を自力で解くと、運転している犯人の首を絞めた。車は横転し、犯人はデビッドを連れて歩いていった。

気絶から目覚めたジュリアは足跡を辿って森の中に入るが、道路で倒れ込んでしまう。

パトロールしていたドッドが見かけて、ジュリアをカフェに運び込んだ。店主のトリッシュはジュリアに着替えとタオルを用意。ジュリアは顔を洗って着替えを済ますが、外で保安官やダグラスが何か話しているのを目にする。店の奥に失踪した子供の写真を見つけた。そこにはデビッドの写真もあり、ジュリアは逃げ出した。
なかなか戻ってこないのでダグラスが向かうと、裏口の扉が開いている。逃げたと判断した町の人々は武装してジュリアを探しに向かった。

 

保安官の乗ったパトカーはボロボロな建物に到着。ジュリアはパトカーの後部座席に隠れていた。彼女は保安官のいないうちに外へ降り、建物の内部に侵入。中にはデビッドがいた。彼を追いかけているとジュリアは黒い服の男に殴られ、拘束されてしまう。

黒い服の男の正体はジョンソン夫人だった。実はデビッドは彼女の息子なのだが、ジュリアは彼を洗脳して自分が母だと思わせていた。現在デビッドの洗脳は解けており、ジュリアを恐れている。

そう語るジョンソン夫人は先日、ジュリアの家に息子がいることを目撃。誰も相手にしてくれなかったが、トリッシュだけは信じてくれた。トリッシュは店にいた町の人々にジュリアが怪しいと拡散してくれたそう。ジョンソン夫人は他の子供達はどこだとジュリアに問いかける。

こっそりと拘束を解いたジュリアはジョンソン夫人を殴り、逃げるデビッドを追いかけた。そこにジェニーが現れ、デビッドを捕まえると3人は車に乗り込む。

 

自宅に戻ってきたジュリアはデビッドを地下室に連れて行く。ジェニーはずっとジュリアのことを監視して、彼女の行いを知っており、トールマンに会わせて欲しいと懇願。

ジュリアは仕方なくトールマンにジェニーの住所と名前を教えた。そして人々や警察が来ることから、ジェニーに帰るように言い渡す。ジュリアは逃げずにここに残ることにした。

 

集まってきた町の人々から怒りの言葉が投げかけられる。ドッドや警官らに連れられ、ジュリアはパトカーに乗せらた。クリスティーンは首を吊って死んでいた。発進したパトカーに大きな石が投げつけられ、ジュリアに直撃。

ドッドと保安官は地下室に向かった。地下室は坑道につながっており、捜索するにも広すぎる。

 

冒頭に戻り、ドッドは坑道の封鎖を指示。石がぶつかって出来た傷を治療中のジュリアに他の子供たちはどこに行ったのと問いかける。しかし彼女は口を割らない。

 

ドッドはジュリアから情報を聞き出すため、ジョンソン夫人に頼った。ジュリアは悪循環を断ち切るためだという。「現在の体制は終わっており、政治家に呼びかけても世界は変わらない」と濁したような答えを返す。

子供たちはどこなのかとジョンソン夫人に聞かれたジュリアは、森の中、坑道の中、どこにでもと答えた。

 

ジェニーの家ではスティーブンがキャロルを連れ戻せと暴れていた。トレイシーと激しい喧嘩をしており、止めに入ったジェニーも突き飛ばされる。彼女は嫌になり外に出た。すると黒い服の男が現れて彼女を誘拐。後部座席の下に隠れるように指示され、おとなしく従った。

 

数カ月後、トレイシーの家にドッドがやってくる。ドッドはジェニーが失踪ではなく家出だろうと言い、必ず見つけると約束した。家にはスティーブンとキャロル、2人の子供がいる。

 

誘拐されたジェニーはベラと名前を変えて、裕福な女性に引き取られた。ジェニーの引き渡しをした、いわゆるトールマンは死んだはずのジュリアの夫であった。彼は世界各地で貧困層の子供達を誘拐し、洗脳しては立派な人間に育つように裕福な親を与えていた。

ジェニーは言語障害も治り、何不自由なく生活させて貰っている。彼女はジュリアの活動を見抜いて、自らこの道を選んだ。他の子供とは違い、ジュリアには本当の母親の記憶が残っている。

ベラが町を歩いていると、公園で同じく新たな人生を歩み始めたデヴィッドを見かけた。

過去の暮らしや母親を捨てたベラはこの行いが正しかったのかと日々、自身に問いかけていた。

感想

 ”マーターズ”でカルト的な人気を博す、パスカル・ロジェ監督・脚本作品。マーターズに見られたような前後半の豹変ぶりは本作でも健在。ただ前作が並のホラーからえげつないトーチャーポルノに切り替わったのに対し、本作はホラーから社会問題を取り扱うメッセージ性の強い作品に豹変。

前知識無く過激な映像を求めて鑑賞した人にとって物足りないのではないだろうか。だが訴えかけてくるメッセージの衝撃は前作と同等かそれ以上で、鑑賞後にもじんわりと尾を引く。

図らずも僕は先日”ヘンリー”を鑑賞して記事を書いていたが、主人公のヘンリーは劣悪な家庭環境が生み出した化け物だ。他にも様々な作品において家庭環境が劣悪でまともに育てなかった人を取り上げる作品は多い。

逆にそういった状況下で、何とかまともな人間に育てようとする親を描いた作品も多く存在する。本作はこのよく使われがちな問題を新しい角度から取り上げた点が斬新で、さらに説教くさくないのがいい。

期待していたグロテスクさは無かったが、登場人物が持つ倫理観の危うさは期待通りで、僕は観て良かったと思っている。

トールマン [DVD]

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  • 発売日: 2018/08/08
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トールマン(字幕)

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  • 発売日: 2017/03/24
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