映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

連続殺人犯の日常 映画『ヘンリー』ネタバレあらすじと感想

ヘンリー

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:7/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:8/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1986年製作/アメリカ/上映時間83分
原題:Henry: Portrait of a Serial Killer
配給:ケイブルホーグ

監督:ジョン・マクノートン

製作:ジョン・マクノートン、リサ・デドモンド、スティーブン・A・ジョーンズ

製作総指揮:ワリード・B・アリ、マリク・B・アリ

脚本:リチャード・ファイア、ジョン・マクノートン

撮影:チャーリー・リーバーマン

音楽:ロバート・マクノートン、ケニー・ヘイル

編集:エレナ・マガニーニ

出演:マイケル・ルーカー、トム・トウルズ、トレーシー・アーノルド、カム・ヘスキン

あらすじ

ヘンリーは服役中に知り合ったオーティスと共同生活しながら、定職に就かず自由な生活を送っていた。ただ彼が他人と違うのは日常的に殺人を行っていたこと。ある日、オーティスの妹ベッキーが彼らの生活に加わり、オーティスとヘンリーの関係に問題が生じる...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

全裸の女性遺体が野原に横たわる。


舞台は切り替わりどこかのカフェ。ヘンリーは会計を済ませて店から出ていった。


バーで老夫婦が頭から血を流して倒れている。


ヘンリーは車を走らせる。


ホテルの一室、バスルームに女性の死体。顔には割れたガラス瓶が突き刺さっている。


ヘンリーはタバコをふかした。


どこかの湖畔、服のはだけた女性が浮いている。


ヘンリーは駐車場に入ると、1人の女性に目を付け彼女の車を追いかけた。彼女は家に到着。旦那が出迎えるのを見たヘンリーは悔しそうに引き返した。帰る道中、ギターを抱えた女性ヒッチハイカーを乗せる。

 

空港のベンチにベッキーが座る。兄オーティスは彼女を迎えに来た。彼女はリーロイという男性と結婚したが別居、娘を母に預けて自身は金を稼ぐため、都会に住むオーティスを頼った。オーティスはヘンリーと暮らしている。

オーティスとベッキーが居間で話しているとヘンリーが帰ってきた。彼はベッキーの同居を快諾すると、ヒッチハイカーから奪ったギターを拾ったと偽ってオーティスにプレゼント。こうして、ヘンリー、オーティス、ベッキーの3人の同居生活が始まる。

 

ひょんなことから駆虫薬の噴霧器を手にしたヘンリーは、それを持って害虫駆除の仕事を請け負う振りをし、モールで目をつけた女性宅を訪問すると殺害。遺体にはコードで首を絞められた痕跡があり、いくつもの根性焼きの跡が残っていた。

 

オーティスは出所後、ガソリンスタンドで働いていた。保護観察官との面会も行なっており、すっかり更正した様子。

 

ある日、ベッキーはオーティスにヘンリーとの出会いを聞いた。オーティスは刑務所だったと答える。ヘンリーの前科を聞きたがるベッキーにオーティスは「母親と愛人をバットで殴り殺した」と話す。絶対に俺から聞いたというなと念を押した。

 

夕食後、オーティスは所用で家を空けた。2人きりになったヘンリーとベッキーは、彼女の提案でトランプをし始める。その際、彼女は彼の兄弟の話を聞いた。
ヘンリーには骨格異常で成長できず、幼くして死んだ弟がいた。
その話を聞いたベッキーは、自分が13歳の時に父親から性的虐待を受けたことを告げ、父から逃げるために結婚したと告白。
ベッキーはヘンリーに、過去の罪について尋ねた。ヘンリーは母親殺しを認める。彼の父はトラック運転手をしていたが両足がなくなってしまった。だからそれからは母が売春して生計を立てていたのだがやり方が悪かった。父親がいてもお構いなしに男性を連れ込み、行為をヘンリーに見せつける。幼いヘンリーに女装させて客とそれをみて笑うのが茶飯事だった。だから彼はナイフで刺し殺したと言った。
互いの内心を打ち明けた2人は意気投合。
但し、一点だけ不可解なことがあった。母親の殺害方法を、オーティスからは「バットで殴った」とベッキーは聞いていた。ヘンリーは最初「刺した」と言うが、直後「14歳の誕生日の夜、撃ち殺した」と告白。
彼はまるで殺しかたを覚えていないように発言がコロコロ変わる。

 

ベッキーは、美容院のシャンプー係の仕事に就いた。ベッキーはそれをヘンリーとオーティスに報告し、ふたりも祝福。

新しいTシャツを購入したとベッキーが言うと、オーティスはシャツを着てみろと言った。ベッキーはふたりに後ろを向くように告げ、着替えてみせるがオーティスがベッキーに無理やりキスした。それを見たヘンリーは激怒。

ヘンリーとオーティスが険悪になったため、ベッキーは外へ飲みに行くよう勧める。2人は、言われた通りにした。


出かけたヘンリーとオーティスは売春婦2人と交渉し、車中へと連れ込んだ。茂みに車を停めて行為に及んでいるとヘンリーが躊躇いなく女性を殺害。驚くオーティスを横目に、ヘンリーはオーティスの相手も殺す。
ショックを受けるオーティスをヘンリーはたいそう気に掛けた。オーティスは以前、意味あって人を殺して捕まっていた。ヘンリーはそれとおんなじだと言う。ヘンリーの説得があってオーティスは折り合いを付けた。

 

家のテレビが映らなくなったので、オーティスとヘンリーは買い物に。
盗品を扱う倉庫へ行った2人は、カラーテレビを希望するが店主がふっかける。さらに店主からビデオカメラを勧められたものの高くて手が出ない。何も買わずに出ようとすると店主がこんなに説明させて何も買わないのかとヘンリーを煽った。
大人しく帰ろうとしたヘンリーはこの発言に気分を害し、店主の腹部に電源プラグを突き刺す。オーティスはコードで店主の首を締めた。2人はとどめにテレビを頭にかぶせ、感電死させる。スッキリとしたオーティスは大興奮。

 

カラーテレビもビデオカメラも持ち帰り、オーティスはベッキーを撮影。撮影しながらオーティスは、ヘンリーとベッキーにキスさせた。2人がカメラの前でキスすると、もっと長くと煽り始める。ヘンリーは気を悪くし撮影を止めた。

 

後日オーティスが高校生にドラッグを売った際、彼の太ももに触れた。その瞬間、高校生はオーティスの顔を殴り、逃げ出してしまう。

家に帰ったオーティスは高校生を絶対に殺すと激昂していた。ヘンリーはそんなオーティスに銃を与える。しかし、高校生を殺すと足が付くと忠告し、別の人間を殺すことを薦めた。
人を殺しに行こうとオーティスを車に乗せたヘンリーは、車道で立往生している振りを装って親切な若者を引き寄せた。そうしてオーティスに銃殺させる。彼は3発発砲してすっきりした。
ヘンリーはオーティスに毎回手口を変えることで、連続殺人犯でないように見せかけることができると教える。銃を使う場合は同じものを使わずにその都度変えることを助言した。
さらに場所を変えるのも重要だという。彼は近いうちにオーティスの家を出ることを告げ、一緒に来ないかと誘ったが保護観察官がついている彼は躊躇った。

 

以来、ヘンリーとオーティスは2人組で殺人を犯し、その様子を撮影する趣味にはまっていった。オーティスが殺人を喜んで行なっている一方、ヘンリーは作業のように行なっている。あるときは屋敷に押し込み、旦那を拘束して奥さんを弄んだ。それを目撃した息子をも殺害。

 

ベッキーは電話で夫のリーロイが殺人の罪で刑務所に入ったことを知る。彼女は娘と会いたいと思い始め、一緒に来ないかとヘンリーを誘った。ヘンリーは曖昧に答えたあと、彼女を食事に誘う。


帰宅すると、オーティスが酔って寝ている。
それを見たベッキーはヘンリーに迫った。いざ始まるといったタイミングでオーティスが起床。2人の様子を見ていた。

それに気づいたヘンリーは冷静になるため、買い物に行ってくると言って出ていってしまった。

 

戻ってくるとオーティスがベッキーに襲いかかっていた。

ヘンリーは即座にオーティスに組掛かる。2人は揉み合いになり、オーティスが有利になった。それを見たベッキーがオーティスの右目に櫛を突き刺す。ヘンリーはその櫛を手に取り、オーティスの腹部を何度も刺した。

初めて人を殺して混乱するベッキーにヘンリーは考えさせろと一瞥。

ヘンリーはバスルームでオーティスの遺体をばらばらに切断すると黒い袋に入れた。そしてそれを車で運び、橋の真ん中から川に投げ捨てる。


ベッキーを連れて町から逃げることに。行き先はヘンリーの姉がやっている牧場。
途中ヘンリーとベッキーはモーテルに泊まる。

 

翌朝、ヘンリーはひとりでモーテルを出てきた。

田舎道で車を止めたヘンリーはトランクからベッキーのスーツケースを取り出すとそれを置いて去っていく。

スーツケースには、血痕が付いていた。

感想

実在した連続殺人犯ヘンリー・リー・ルーカスの日常を描いた作品。彼は幼少期から母親に虐待を受けており、それが原因で歪んだ価値観を持つようになったのだが、本作においてその要素は大きく削られている。それによりヘンリーに対する同情が湧くのを抑えているように感じた。ヘンリー・リー・ルーカス - Wikipedia

ヘンリーが何を考えているのか分らない。ベッキーを殺すのはもちろんだが、他の殺人においても動機がまるで無いかのよう。ただ獲物探しをしているシーンから見るに彼は美人を殺したいようだ。

それに殺しを楽しんでいる様子もうかがえる。倉庫の店主を殺す際はわざわざテレビを頭に被せて感電死させているうえ、一家を襲ったシーンではヘンリーの物とおぼしき笑い声が入っていた。確かに日常的に殺人を行っているが、彼にとっても特別な行いという意識はあったのではないだろうか。

序盤こそヘンリーの異端さに目が行くが、オーティスの前で殺人を犯してからは2人のブロマンスじみた展開が始まる。師弟関係の様な奇妙な構図。因みに実在の2人は肉体関係のあるカップルだったらしい。

他の映画ならここら辺で警察の邪魔が入るだろうが本作でそういった展開は見られない。僕はたとえどんな悪人が主人公の作品でも、主人公に肩入れして鑑賞するので、本作を大変気に入った。欲望のままに突き進む2人の悪行は不謹慎だが痛快に思える。

作中でヘンリーは母親を撲殺した、刺殺した、銃殺したと話す度に別のことを言っていたが、あれはどういう意味だったのだろうか。話したことを覚えていないのか、殺し方を本当に忘れているのか。

僕はあえて毎回嘘を言っていたのだと思う。彼の矛盾した発言は他にもある。ベッキーを連れて町を出たあと、姉の営んでいる牧場を目指すと言っていた。しかし、彼は以前家族について聞かれた際に、弟がいたとだけ話している。これは明らかにおかしい。さらに実在のヘンリーには虚言癖があったらしく、それを踏まえて考えるに彼の嘘だったというのが妥当。一般的な考えだが、本当に大切な人に対してそんな嘘はつかないのではないだろうか。だとするとヘンリーは最初からベッキーを殺す気だったのではと勘ぐってしまう。

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ゾンビパウダー求めてハイチに降り立つ 映画『ゾンビ伝説』ネタバレあらすじと感想

ゾンビ伝説

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:2/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1988年製作/アメリカ/上映時間98分
原題:The Serpent and the Rainbow

監督:ウェス・クレイブン

製作総指揮:ロブ・コーエン、キース・バリッシュ

脚本:リチャード・マクスウェル、アダム・ロッドマン

原作:ウェード・デイビス

音楽:ブラッド・フィーデル

撮影:ジョン・リンドリー

編集:グレン・ファー

出演:ビル・プルマン、キャシー・タイソン、ゼイクス・モカエ、ポール・ウィンフィールド、ブレント・ジェニングス

あらすじ

学者のデニスは製薬会社から依頼を受け、ゾンビを作り出す方法を求めハイチを訪れる。秘密警察が闊歩する中、デニスはやっとのことで人をゾンビに変える薬を手に入れたのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

この話は実話から着想を得ている。


1978年ハイチ。職人が棺桶を赤く塗っていると、銃を持った数人の男がやって来て奪い去っていった。棺桶は船に乗せられてどこかに運ばれる。
その晩、病院の前に骸骨姿の彼らが現れると、先ほどの棺桶に火を着けて放置。
病院ではクリストフが臨終した。医者は目の下に針を刺し、反応がないことから死亡を確認。
後日クリストフは埋葬された。彼の妹は何度も彼の名を呼び掛ける。棺桶の中でクリストフの遺体は涙を一粒溢していた。

 

1985年アマゾン。ヘリコプターに乗って、デニスがアマゾン一の霊媒師に会いに来た。霊媒師に渡された飲み物を飲むと彼は卒倒。ジャガーと戯れ、地面から生えた手によって地下に引きずり込まれる夢(幻覚?)を見た。
目を覚ました彼は森で倒れており、村に戻っても人気がない。ヘリに戻るとパイロットが座っていたが死んでおり、顔にはムシが這っている。
彼はとにかく遠くに逃げた。夢に出てきたジャガーの後を追うと村を発見。ジャガーは彼の守護精霊。

 

製薬会社のスクンバッカー教授に呼ばれてボストンに帰国したデニス。

スクンバッカーと製薬会社の会長はゾンビ化現象について話し始めた。ハイチでクリストフと言う男がが死んでから甦ったという。彼らはこの現象が未知の麻酔によるものだと考えていた。そして2人はデニスにゾンビを作り出す秘薬を持ってきて欲しいと依頼。

 

ハイチに降り立ったデニスは情報提供者のデュシャン医師と接触。彼女は自らの勤める病院に案内した。ハイチの治安はとても悪く、看護師の数も足りていないため病院はせわしない。

彼女はマルガリートという女性を紹介した。マルガリートは15年前に病死して埋められた記録があり、デュシャン曰くゾンビだそう。彼女の手はズタズタで傷が治らない様子。英語で話しかけても反応がなかったが、アマゾンで得た言語で話しかけると驚愕したような表情を浮かべた。

 

病院を後にし、ブードゥー教の神官でナイトクラブ経営者のルシエンに話しを聞きに行った。だが彼はクリストフのことを聞いても答えない。クラブに秘密警察のボスであるペイトロウがやってきた。彼は黒魔術を使う恥さらし、彼に注意しろとルシエンが言う。
ペイトロウは席に着くとコップをスプーンでリズミカルに叩きだした。するとダンサーが急に暴れ始める。ルシエンがダンサーに布を被せることで事態は収束。ペイトロウはその様子をにやにやと見つめていた。

 

翌朝、クリストフの村へ。村人はみんなクリストフに関して沈黙を貫いたが、彼の妹だけは墓地にいると教えてくれた。

その晩、デニスとデュシャンは墓地で彼を探す。デニスはゾンビの存在を信じておらず、デュシャンが病院の資金を集めるために流したデマだと考えている。しかし、クリストフが姿を見せた。彼は顔色こそ悪いものの英語を話す。

彼は死後、ボコールという霊界の番人にムチ打ちにされ、魂を抜かれた。その後、他人の夢の中に送り込まれて苦痛を与えられたという。

死人が生き返るはずが無い。2人は彼が死んだと思わされているのではと考えた。次の被害者を生まないようにと何が起きたのか聞いた。彼は皮膚から吸収される謎の粉のせいだと答えた。

 

翌朝、ホテルに帰ったデニスだったが部屋が荒らされているのに気づく。さらに廊下から刃物を持った人影が近寄って来ており、彼は即座にベランダから飛び降りて逃げ出した。
その後、デュシャンと共に結婚式の最中だったルシエンを問い詰めに行った。彼からパウダーを作っている人間について尋ねる。

彼らはルシエンの情報を元に酒場に赴き、モーツァルトと接触。粉などないと言う男だったがルシエンの名を出すと態度は急変。店の奥に連れていくとパウダーを見せ、500ドルで売り付けた。しかし、デニスはパウダーを信用せず疑う。するとモーツァルトは子羊を持ってきてパウダーを食わせた。子羊はすぐに死んだ。その際、デニスはこっそりと子羊の蹄に傷をつけ、金を払うのはゾンビになるのを見てからだと店を出た。

 

ホテルに戻れない彼は巡礼に紛れることに。多くの住民たちがロウソクを片手に山を登る。その晩、巡礼者らは森で野宿。デニスは白装束姿のゾンビの口から蛇が飛び出て彼の顔に噛みつく悪夢を見て飛び起きた。
翌朝到着したのはハイチの大聖堂。小さな滝のある美しい場所だった。デニスとデュシャンはそこの裏にある洞窟で愛し合った。

彼らが町に戻った頃、ハイチの情勢は大きく変わっていた。デモが過激化し、そこら中に秘密警察が溢れている。デュシャンと車に乗っていたデニスだったが、彼だけ下ろされると署に連行された。署ではペイトロウから尋問を受ける。ペイトロウはデニスがアメリカのスパイだと睨んでおり目的を尋ね、多少脅してから解放。

 

翌朝、デニスとデュシャンは酒場に向かう。モーツァルトが見せたヤギには傷が付いていない。彼は粉が偽物だと気づき店を出た。モーツァルトは観念し、本物を作るから協力しろと言った。
その晩、彼らは墓荒らしに向かった。パウダーには新鮮な人骨が必要らしい。掘り起こした死体は彼が巡礼中に夢で見た白装束の女性だった。

 

デュシャンとデニスが家に戻ると秘密警察が待ち構えていた。デニスは拉致され、ペイトロウに拷問された。股間に釘を打たれる。
それ以上の事はされずに解放され、デュシャンの家の前に転がされた。彼はデュシャンの家で数日間の療養。諦めて帰るわけにもいかずモーツァルトに作り方を教わりにいく。

パウダーの素材は複雑で多様。新鮮な人骨、ヒキガエルの毒、毒性を増すためのとある海虫、フグ、あらゆる毒草や鉱物を焼いて粉末にして魔術をかける。作業は三日三晩続いた。そしてそれを遺体と共に埋める。

モーツァルトはデニスに、拷問を受けてまでなぜ製法を知りたがるんだと聞いた。今までは許せない奴がいると嘘をついていたが、今回は新たな麻酔薬の開発のためだと正直に答える。すると彼は自分の名前が世界に知られると思い喜んだ。

24時間後にまた来いと言われ、デニスはデュシャンの家に戻った。デュシャンと寝ていると、棺桶に入れられてペイトロウに埋められる悪夢を見て飛び起きる。横にいるデュシャンに話しかけるが、そこに彼女はおらず、首を切られたクリストフの妹が死体となって転がっていた。それに気づいて声をあげた瞬間、壁を蹴破って秘密警察が押し寄せる。彼は殺人事件の犯人に仕立てられてしまった。

再び署内の地下室に連行されたデニスは殺されるのを覚悟している。ペイトロウはその部屋で自慢げに今まで殺してきた魔術師達の魂が閉じ込められた壺を見せた。一通り話した後、何故かデニスは釈放されることに。ペイトロウは去り際、「今日は棺桶に入れられて埋められる夢を見ただろう。俺もそこにいたんだ。君が瞼を瞑る度、俺は目の前に現れる。」と脅した。
デニスは銃を突き付けられながら旅客機に詰め込まれる。飛行機のなかにはモーツァルトがおり、絶対に俺の名を広めろと言って粉を渡してくれた。

 

帰国したデニスは粉を分析にかける。ヒヒを使って実験したところ、腕に粉を塗ってから20分で死亡。しかし、脳の知覚や思考を司る箇所はその間も生きていた。そして12時間後に元通りになる。


ある日デニスは製薬会社の会長の家に成功を祝して招かれていた。デニスにはもやもやとした感情が残る。その頃ハイチでは儀式が行われていた。
会食の最中、彼はスープから朽ちた手が伸びる幻覚を見た。次いで会長の妻が乾杯の際にワイングラスを噛み砕いたと思いきや、ナイフを持ってデニスに襲いかかる。どこにいても逃げられないと分かった彼は再びハイチに飛んだ。

 

飛行機から降りてすぐに秘密警察に取り押さえられたが、彼らはルシエンの仲間で偽装しながら助け出してくれたのだった。
ルシエンによると、デュシャンは無事だそうだがモーツァルトが危ないらしい。デニスはルシエンのアジトで奴らの攻撃から身を守る装飾をしてもらった。これからの戦いはこの世では無く、魂での戦いだという。

その頃モーツァルトはペイトロウの指示のもと斬首されていた。ペイトロウがモーツァルトの血を飲み干す。それと同時、ルシエンが血を吐いて倒れた。口からはサソリが這い出て来る。そこに突如として1人の男が現れるとデニスの顔に粉を吹き掛けた。

デニスは病院に運ばれて医師から死亡宣告を受ける。彼には端から見て死んでいるものの意識があった。そこにペイトロウがやって来ると強引に身柄を引き取る。

ペイトロウはデニスに、「今夜デュシャンを斬首する」と言いながら棺桶にクモを入れ、墓地に埋めた。
しばらく経ち、デニスは生き返って悲鳴をあげる。それを聞き付けたクリストフが助けてくれた。

 

その頃、テレビで政権交代のニュースが流れて町中でデモが発生。秘密警察の地位が危うくなっている。

デニスは署に潜入し、デュシャンを助け出そうとした。署に入ると同時、ペイトロウに次々幻覚を見せられた。拷問椅子に追いかけられ、死んだはずのルシエンが首に掴みかかる。

何とか地下室に到達するも、さっきまで死んでいたデニスでは魔術の強化を受けたペイトロウに適わない。

ペイトロウの注意がデニスに向いた隙を突いて、デュシャンはルシエンの魂が閉じ込められた壺を破壊。壺から出た魂はデニスに乗り移った。デニスはこれによりパワーを得て、ペイトロウと互角以上に戦えるようになる。そして他の壺を破壊した。壺から出た魂は1つの大きな炎となってペイトロウを燃やし尽くす。2人は彼を倒したので、脱出しようとした。

途中で拷問部屋にある因縁の椅子を破壊しようとしていると、ペイトロウの霊が現れた。お前も地獄に道連れだとペイトロウが言うが、明らかに弱体化しておりデニスは彼をあっさり倒す。そして拷問椅子に座らせ、自分がやられたように股間に釘を打ち込んだ。ペイトロウは叫びながら地中に消えていく。
2人は署から脱出した。

感想

実話から着想を得たなんて言ってるけど本当にごくわずかだと思った。もちろんゾンビはクラシックゾンビなうえ、どちらかと言えばゾンビでは無くブードゥー呪術を取り扱ったような感じ。クラシックゾンビを題材にした映画ではゾンビが添え物になっていることが多くあったけど、本作はそれらに比べてもとっちらかった印象を受ける。

気になった点はまず最初の方、アマゾンでの話が説明不足に思える。アヤワスカを飲んでトリップしたかと思うと村人もパイロットも消えた。主人公が絶体絶命のピンチに陥って、面白くなりそうだと思ったら急に話がボストンへ。繋げ方が残念すぎた。

あと全体的にブードゥー教、特にペイトロウとの魔術が強力過ぎると感じたな。ゾンビの設定が現実的というかエセ科学で説明づけられている分、人を操ったり夢の中に侵入する魔術は浮いている気がする。特に製薬会社会長の嫁さんを乗っ取るのはやり過ぎ。そんなん出来たら何でもやれるじゃん。さらに終盤では魂が集まってペイトロウを燃やしたりと物体として現れ始めちゃうからなんか萎えた。

一番はペイトロウの目的が分らないこと。彼ほどの能力者なら誰を殺すのだって容易に思えるし、わざわざ他人を泳がせる理由が知れない。悪役として魅力が感じられなかった。

良かった点はゾンビについてそれっぽく説明していること。ゾンビの製法に着眼しているのでゾンビパウダーを作るシーンにはそれなりに詳しく描かれていた。パウダーを使う作品は数あれど、作る作品は珍しいのでは無いだろうか。パウダーで仮死状態になっているときに意識があると言う設定も気に入った。

本作を観てて既視感があるなと思ったんだけど「レイダース/失われたアーク」だな。構成が似ているように思えた。主人公が向こう見ずな学者、良い関係になる協力者女性、上手くいきそうになると入る邪魔、そして最後は超常現象。もちろん面白さやテンポの良さに圧倒的な差があるけどね。だとすると本作はアドベンチャー映画かな。ドキュメンタリーと巷で言われているけどそんな筈はない。

ゾンビ伝説 (字幕版)

ゾンビ伝説 (字幕版)

  • 発売日: 2014/02/01
  • メディア: Prime Video
 

コトブキヤ HORROR美少女フィギュアとは何か 写真を交えたレビュー

 2020年5月頃、ある商品が話題となりました。それがコチラ

コトブキヤのホラー美少女シリーズ新作のペニーワイズです!

近年”IT”がヒットした甲斐あってペニーワイズ美少女化にネットは騒然! エグい容姿からこの改変には様々な意見が飛び交いました。

 

...先述の通りホラー美少女はシリーズです。そう、ペニーワイズの前にも9人ものホラーアイコン達が美少女化されています。

この記事では今までの作品を振り返ると共に、僕の所持するフィギュアを使って魅力をお伝えします。

目次

 そもそもホラー美少女って何なの?

コトブキヤから発売されている、山下しゅんや氏がデザインを手がけるBISHOUJOシリーズのジャンルの1つです。BISHOUJOシリーズにはホラー映画のみならず、ゲーム、コミック作品のキャラクターも含まれます。

これまでのラインナップ

2014年09月発売 フレディ・クルーガー(フレディVSジェイソン)当時価格:6,762円

 2014年10月発売 ジェイソン・ボーヒーズ(13日の金曜日)当時価格:6,762円

 2016年10月発売 エドワード・シザーハンズ(シザーハンズ)当時価格:9,900円

2017年04月発売 チャッキー(チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁) 当時価格:7,027円

2017年05月発売 ティファニー(チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁)当時価格:7,027円

2018年09月発売 アッシュ・ウィリアムズ(死霊のはらわた2) 当時価格:9,900円

2019年02月発売 ピンヘッド(ヘルレイザー3)当時価格:10,276円

2019年04月発売 マイケル・マイヤーズ(ハロウィン)当時価格:8,412円

2020年06月発売 ビートルジュース(ビートルジュース) 当時価格:13,200円

 

なんか統一感無いような...?シザーハンズはホラーなのか?ティファニーは元から女の子だし...。

...でも可愛いからヨシ!

 

Amazonの方を見ていただけた方なら分ると思いますが物によってはえげつないほどのプレミア価格が付いています。まあ、Amazonは足下見て高値を付けますから...。

でもメルカリやヤフオクでもAmazon程ではないにしろ価格が高騰している印象です。

 

これらのうち少なくともフレディ、ジェイソン、マイケルに関しては偽物の商品も見られましたので購入時にはご注意ください。

 

今後のラインナップ

2020年10月発売 ペニーワイズ(IT イット それが見えたら、終わり。)

2020年11月発売 レザーフェイス(悪魔のいけにえ)

2021年01月発売 レザーフェイス(悪魔のいけにえ)CHAINSAW DANCE ver.

 

ペニーワイズの次はレザーフェイスが発売されるそうです。

レザーフェイスはCHAINSAW DANCE verと通常版の2通りだそうで、シリーズ初ですね(一応過去に発売されたアッシュ・ウィリアムズには血が多く塗装された”GROOVY ver.”がありますが国内150個限定生産)。

今後はどんなキャラクターが美少女化するのか期待が膨らみますね!

レビュー

私が現在持っているホラー美少女達はこちらです!

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左からジェイソン・ボーヒーズ、フレディ・クルーガー、エドワード・シザーハンズ、マイケル・マイヤーズ、アッシュ・ウィリアムズの5体です。

購入順はシザーハンズ、フレディ、ジェイソン、アッシュ、マイケル。購入順にレビューしていきます。

 

エドワード・シザーハンズ

このフィギュアがきっかけでホラー美少女シリーズを買い始めました。雰囲気や造形が僕のドストライクだったんですよね。

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この悲しげな表情に一目惚れしました。もう販売終了しちゃってたからヤフオクで未開封品を20,000円で買ったのを覚えています。

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全体はこんな感じ。

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横から見ても可愛いってフィギュアなのに凄いですよね。

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背中や二の腕、ももの赤らみが生々しくて堪らない。ホラー美少女シリーズはセクシーな衣装が多くてそっちに目が行きがちだけどこのフィギュアもなかなかに扇情的。

 

フレディ・クルーガー

続いて購入したのはフレディ。こちらはセカンドエディションです。ファーストエディションと違う点は後で記載します。

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元のロリコンおじさんとは正反対の見た目。本来ならフレディに襲われる側では?

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あごのラインが美しい。

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この網タイツの上に乗ったお肉が最高。因みにタイツは糸で編まれています。

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腰のパッチには”FREDDY VS JASON”の文字。

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このフィギュアの見所はこの構図。スラリと伸びた足とはみ出したケツ肉が見る者を刺激。

 

ジェイソン・ボーヒーズ

こちらはファーストエディション。後半でセカンドエディションとの違いに触れます。

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フレディとは打って変わって逞しい女性に。6つに割れた腹筋と鍛えられた太腿が魅力的。

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都合の良い場所に入ったダメージ。

シリーズ全てに言えるのですが生地の素材感が凄いです。

 

ファーストエディションとセカンドエディションの違いはパッケージと台座です。

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左はファーストエディションのジェイソン、右はセカンドエディションのフレディの台座です。

フィギュアの足裏にはマグネットが埋め込まれており、台座の鉄にくっついて自立します。なお、ジェイソンは台座が無くてもかろうじて自立しますが、フレディは倒れました。

ファーストエディションの方はプラスチックのパーツに鉄の板が張られていて、見た目が少し安っぽいです。また、セカンドエディションで全面が鉄製になったことによって多少ですが配置の範囲が広がりました。

 

アッシュ・ウィリアムズ

アッシュはむしろホラーと戦う側では? なんか彼の好きそうな女の子になっちゃいました。

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一番凶悪そうな顔つき。パイスラッシュが破壊力強いですが実際のアッシュの服装だからセーフ。

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トレンドマークのチェーンソーとショットガン。チェーンソーはめてるって事はこの娘も右手と戦ったんですかね。

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足下にはゾンビと死者の書。この鎖は動かせます。

 

マイケル・マイヤーズ

虚ろ気な表情と返り血がキュート。

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このフィギュアの魅力的な箇所は脇です。今のラインナップで脇が堪能できるのはこのフィギュアだけなんですよね。

 


いかがだったでしょうか。この通り、ホラー美少女フィギュアは話題性だけの商品ではありません。完成度が高く、魅力的な作品です。この記事で少しでもホラー美少女フィギュアに興味を持って頂ければ幸いです。

ゾンビ地獄 映画『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』ネタバレあらすじと感想

ヘル・オブ・ザ・リビングデッド

コメディ度:2/10

グロ度:4/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1981年製作/イタリア・スペイン合作/上映時間96分

原題:HELL OF THE LIVING DEAD

監督:ヴィンセント・ドーン

脚本:クラウディオ・フラガッソ、J・M・カルニス

製作総指揮:セルジオ・コルトーナ

撮影:ジョン・カブレラ

音楽:ゴブリン

出演:ロバート・オニール、マルグリット・イヴリン・ニュートン、フランク・ガーフィールド、セラン・カレイ

あらすじ

パプアニューギニアの奥地に建設された化学工場でバイオハザード発生。流出されたガスを浴びた従業員らが次々とゾンビになった。

政府から特殊部隊が派遣。彼らは偶然居合わせたTVクルーと行動を共にし、工場を目指すことに。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

パプアニューギニアの奥地に位置する化学工場”ホープセンター”の管制塔ではせわしなく従業員らが働いていた。
2人の男性従業員が異常がないか設備の点検をしている。ある場所で計器が吹っ切れ、物質の漏れを確認。さらに無菌室なのにネズミの死体を発見した。ネズミを拾い上げるとそれは生きており、男の防護服に入り込むと噛みついて流血させた。管制塔でも異常を確認。現場を仕切っていたバレッタ教授はスイート・デス計画の失敗を宣言し、応援を求めた。
教授と研究者らがプラントに向かったときにはすでに従業員がゾンビと化しており、現場にはガスが充満。

 

 

アメリカ領事館でテロが発生。犯人が人質をとって立て籠っている。警官らが建物を取り囲んだ。4人組の特殊部隊ロンドン中尉、ヴィンセント、オズボーン、サントロはこれが終わればパプアニューギニアでバケーションだと意気込んでいる。彼らは建物内の潜入に成功し、1人、また1人とテロリストを殺していった。主犯は死の間際、お前らも食われて死ぬと言い残す。

 

4人組は次の現場に移動。そこはパプアニューギニアの奥地なのだが司令官との連絡が絶たれ孤立無援。

 

夫妻とその息子、テレビリポーターのリアとカメラマンのマックスを乗せた車が廃村に到着。息子は原住民に噛まれて容体が悪化している。TVクルーらは水を求めて車から降りた。

夫妻の奥さんが外の空気を吸いたいと車を降りる。彼女が教会で神父に話かけると、ゾンビとなった神父が襲いかかった。

TVクルーらが水場を発見。水を汲んでいると水中から皮膚の溶けたゾンビが飛び出す。2人はその場から逃げ出した。

 

特殊部隊が廃村を発見。彼らが到着するとすぐにTVクルーらが助けを求めて駆けつけてきた。トラックの中でゾンビと化した息子が父親のはらわたを食べている。彼らは息子やゾンビを殺す際に頭が弱点だと気づく。

 

特殊部隊はクルー2人を乗せて次の村へ。そこは原住民が住んでおり、遠くから聞こえてくる楽器の音色には攻撃性が感じられた。そこで昔、部族の集落で1年間暮らした経験をもつリアが名乗りをあげる。彼女は1時間経ったら来てくれ、銃は使うなと言い残した。彼女は服を脱ぐと顔に特殊な装飾を施し、村に潜入した。彼女はそこで頭蓋骨、動物の解体、子供の葬儀を目にする。彼女は村に受け入れられ、仮面をプレゼントされた。
1時間後、彼女と村人たちは特殊部隊とマックスを迎え入れた。マックスおはウジの湧く遺体を食べる原住民をカメラに写す。
その晩、祭りが催されて彼らは歓迎された。
しかし、そこに大量のゾンビが現れて事態は急変。原住民たちが次々と犠牲になった。

 

特殊部隊と記者は無事車に乗って脱出。
途中、特殊部隊の乗っていたジープが故障。クルーの持っていた車に乗ることに。特殊部隊らは座席を確保するために記者のフィルムを捨てるように指示。彼らは拒否し、一悶着起こる。その後フィルムがどうなったのかは不明。

 

ホープセンターを目指して車を進ませる。特殊部隊の2人が水を求めて森に入るとそこはゾンビがウジャウジャ。彼らは車に戻って引き返そうとするが、カメラマンのマックスが映像を撮るために飛び出してしまう。彼らは仕方なくゾンビと応戦。オズボーンに臆病者と煽られたサントロはゾンビらの中に入って遊び始める。

 

ラジオから政府会議のニュースが流れた。怪物に変わる2時間よりも前に死体を燃やす必要があるとのこと。ゾンビはパプアニューギニア全土に広がっている様子。

 

一行は豪邸を発見。オズボーンは地下をロンドンは2階を探索。ヴィンセントとサントロで他の部屋を探索する。

ロンドンが老婦人の遺体を発見。その腹から子猫が飛び出して来たと思うと、ゾンビとなって襲いかかる。
地下室のオズボーンはクローゼットにあった衣装を着て踊り始めた。そこに何体ものゾンビが現れ、彼は食われてしまう。悲鳴を聞き付けたビンセント、サントロ、マックスが駆けつけ、ゾンビどもを倒すが埒があかず撤退。
ロンドンは老婦人の頭を撃ち抜いて殺し、ひとりはぐれて襲われていたリアを救出。押し寄せるゾンビ共を松明を持ったサントロが1人で請け負い、仲間を車まで逃がした。その後、彼はゾンビ共をまいて車に戻る。

 

車が河川に到着。ボートに乗り換えてホープセンターにたどり着いた。しかし何をすれば良いかの指示は受けておらず、彼らは取り敢えず探索することに。
エレベーターの内部には大量のゾンビと化した従業員が。不意を突かれてマックスが噛まれる。次いでサントロがエレベーターに引きずり込まれた。

外に逃げ出したロンドンが噛まれる。彼は自らビンセント、リアとの別行動を言い出す。ロンドンはバレッタ教授の部屋に忍び込み、機密情報の載った書類を焼却。

リアがホープセンターの目的を悟った。人を共食いさせることで人口爆発を止めようとしていたという。
その後リアとビンセントはゾンビに襲われる。リアは舌を抜かれ、口に手を突っ込まれて目玉が飛び出した。

 

死人が甦ったというニュースをバーでカップルが見ている。2人はしょうもないと言いながら店を出ていった。その後、公園に10体ほどのゾンビが現れ彼らは襲われる。

感想

この作品は全体的に気が抜けていて、シュールで突っ込みどころが多い。最大の理由はゾンビが弱いことだろうな。ゾンビに囲まれた、どうしようってなっても間を縫って走れば逃げれてしまう。ゆえにやられるときは大体不意打ち。

ただそれと同じくらいロンドンとビンセントも弱い。頭が弱点だって何度言われても頭を狙わず、なぜか腹ばかりを撃つ。頭部破壊するシーンを撮るとお金が掛かるからだろうね。

そして頻繁に挟まれるネイチャードキュメンタリーから拝借した様な野生動物の映像。鳥が飛んでいるだけとか群れてる様子だとかパプアニューギニア感を出したいのだろうけどあまりに多いし浮いている。特にキツネ(?)が狩りをしている映像はやけに長かった。

終盤ホープセンターに着いてからの10分ほどは物語を締めるための必死さに目が行く。リアが唐突にスイート・デス計画の目的を悟り、ここまでに登場人物を生かしすぎたせいで死亡ラッシュが始まる。とにかく雑。

最後のカップルのくだりは必要だったのだろうか。蛇足感が否めない。リアがむごたらしく死ぬシーンで終わっていれば綺麗だったのに。

ここまで悪い点ばかりを挙げているようだが、実際はこれらの要素が僕の様な人間を楽しませている。全然観ていられるレベルだし、どこか親しみを覚えて逆にいい。人が作った温かみとでも言うのかな。

単純に良かったところはゾンビや死体の造形。数あるゾンビ映画の中でもトップクラスだと思う。そして惜しみなく写すのが良いね。あとは現地人の村かな。村のシーンは特に力が入っていて雰囲気にリアリティがある。ウジの湧いた遺体を食べてるシーンや子供の葬儀は作品が変わったのかと思うくらいクオリティが高い。

ゾンビ映画が好きな人はぜひ観て欲しい。逆に入門として観るのはオススメ出来ないな。

女心は難しい 映画『バッド・ガール』ネタバレあらすじと感想

バッド・ガール

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2012年製作/アメリカ/上映時間93分
原題:Girls Against Boys

監督・脚本:オースティン・チック

製作:クレイ・フローレン、エイミー・シア

撮影:キャット・ウェスターガード

音楽:ネイサン・ラーソン

出演:ダニエル・パナベイカー、ニコール・ラリベルテ、リーアム・エイケン、マイケル・スタール=デビッド、アンドリュー・ハワード、ウィル・ブリル

あらすじ

別居中の既婚男性と付き合っていたシェイはある日突然別れを告げられる。空っぽになった彼女はバイト先の同僚ルーに相談し、彼女の提案でクラブへと向かった。良い関係になった男性の家に行くがシェイは行為を拒んだ。すると男性の態度は豹変し....。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

赤毛の女性ルーがベッドで警察官といちゃついている。彼女は警察官をベッドに寝かせ、目隠しをして手錠をかけた。そうしてプレーに見せかけて動きを封じた彼女はベルトに装着された拳銃に手を伸ばす。

 

大学にて、女子大生シェイは友人のカレンからパーティーに行こうと誘われたが、彼氏テリーと出かけるからと断った。テリーは既婚者だが別居中。

夜になり、シェイが化粧をしているとテリーが訪ねてきた。出かける準備万端の彼女に彼は、妻とやり直したいからもう会えないと告げる。彼女は知らなかったのだが彼には娘がいた。ショックを受けるシェイにテリーは、君は美人だからすぐに恋人ができると慰めてその場を後にした。

 

翌朝、市場を歩くシェイがテリーと奥さん、娘を目撃。その後をついていき、自宅を突き止めた。テリーが玄関のドアを閉めるタイミングで尾行が気付かれる。

 

その晩、シェイはバイト先のバーに足を運び、バーテンの仕事をこなす。しかし、テリーの事を思い出して限界が来てしまい、同僚に許可をもらって休憩室に戻った。休憩室で泣くシェイを同僚のルーが慰めた。ルーはシェイを連れてクラブに向かう。

2人はクラブで騒ぎ、浴びるように酒を飲んだ。シェイは振られた事を忘れようと次々男達といちゃついた。ルーはそれを訝しげに見ている。

 

2人は最終的にエリック、サイモン、ダンカンの3人組に誘われて家に行った。

1人でビールを飲んでいたシェイの元にサイモンが近づき、2人はキスを交わした。その様子をルーが見ている。シェイはバスルームに籠もって1人で休んでいた。なかなか出てこないシェイを心配したサイモンが扉をノック。

シェイは家に帰りたいと言い、サイモンがタクシーを停めて送ることに。タクシーが去った後、ルーがシェイを止めようとしたのか外に飛び出した。

 

家に上がらせてというサイモンに、シェイは彼氏がいる嘘をついて拒む。サイモンは電話番号を教えてくれと言うが、シェイは拒否。キスだけでもと迫るサイモンにシェイは帰ってと言い放つ。

するとサイモンは怒ってシェイに襲いかかった。シェイは自宅の前で暴行される。

ボロボロになったシェイは母に電話するが繋がらない。友人カレンも同様。

 

シェイはテリーの家を訪ねた。彼女は話がしたいと言うが、妻子に関係がバレるわけにはいかないテリーは断わる。結局テリーは家族にバレないように外に出て用事を尋ねるが、彼女はもういいと言って話すのをやめた。

テリーはシェイを自宅に送り届けた。シェイはテリーに抱きつく。テリーはキスして行為を続けようとしたが、シェイは拒絶した。テリーにはシェイの気持ちが分らず、取りあえず謝ってその場を後にした。

 

シェイはルーに電話して一緒に警察署に向かった。彼女は暴行の件について書類に記入。シェイが別室に呼ばれて話を聞かれている間、ルーは警察官からの視線を感じて私とヤリたいのかと誘惑。

画面は冒頭のシ-ンに戻る。ルーは警察官とベッドの上でキス。彼女は拳銃を手に取って警察官に向けた。殺さないでと懇願する警察官の肛門に銃を突きつけ、ルーが発砲。警察官は死亡した。

 

ルーはシェイに正義を果たそうと持ち掛ける。エリックとダンカンにサイモンの家を聞いて彼を痛めつけようという話。

2人はエリックとダンカンの家に着いた。ルーはサイモンの住所を尋ねるが、ダンカンは知らないと返した。エリックなら知っているかもしれないと言う。サイモンから話を聞いていたダンカンは昨夜の続きをしようとしているのかと笑った。その瞬間、ルーが発砲し、ダンカンの胸に風穴が開いた。

それを見てシェイは嘔吐。落ち着いたシェイは銃を手に取り、2人はエリックを待つことに。おなかの減った2人はそこにあったコーンフレークを食べ始めた。

エリックが帰って来た。ルーはサイモンから住所を教えてもらう。その後エリックは拳銃を見つけ、ダンカンが死んでいるのに気付いた。同時、ルーはダンカンを射殺。

 

2人はサイモンの家に向かった。工場で作業中のサイモンをレンチで殴って気絶させ、手足を拘束。水をかけられて目覚めたサイモンはほどいてくれと叫んだ。解放したら告発しないと言うサイモンを、シェイは電気のこぎりで殴打。ルーはテープを口に貼り、電気のこぎりでサイモンの両足を切断。

ルーは手のロープを切り、サイモンを逃がそうとしたが両足を失ったサイモンは歩けない。彼はブタどもめと悪態をつき、シェイに射殺された。

 

続いて2人はテリーを尾行。テリーの車に乗り込み、ルーは銃を突きつけてシェイが郊外へ走らせた。このときシェイは彼の娘と目が合う。

郊外に着くと、テリーを車の外へ引きずり出した。銃を向けるシェイに対し、テリーは助けてくれと懇願。シェイは銃を降ろし、彼は良い人間だとルーに言った。逃げるテリーをルーは射殺。町に戻ったシェイは、テリーの奥さんが運転する車を見かけた。後部座席には娘が座っている。その日の夜、シェイは静かに泣いた。それをルーが抱きしめて慰める。

 

次の日、2人はダイナーで食事をとった。シェイは殺しても気分が晴れないと言い、殺人を楽しんでいた様子のルーに子供の頃何かあったかと尋ねる。ルーは父が友人に私を売り始めたと言った。父を愛していたルーは素直に従い、7歳で性病にかかる。それがきっかけで母にその行為が知られてしまった。言い終えるとルーは急に笑い出し、楽しい子供時代だったと言い放った。彼女は男を傷つけることに興奮しており、シェイにも感じたでしょうと問いかける。

 

大学に行ったシェイはカレンに週末何があったと聞かれた。彼女は5回も電話したんだそう。シェイは大丈夫だとだけ答えた。

シェイは講義中に後ろに座っていたタイラーに話しかけた。タイラーはその後つきまとってきたシェイに一緒に出掛けるかと誘い、シェイは誘いを受け入れる。その直後、ルーから電話が掛かってきたが、シェイはそれを無視。

2人は夜中まで遊園地デートを楽しんだ。タイラーは後日ハロウィンイベントでDJをやるから来てと誘い、シェイは必ず行くと約束。

 

家に帰ったシェイは突然ルーに話しかけられて驚いた。ルーはどこにいたのと、シェイを問い詰める。彼女は夕食を作って4時間半も待っていたらしい。友人と一緒に遊んでいたというシェイにルーは性別をしきりに訪ねた。シェイは大学の友人とだけ答える。次にルーはハロウィンの予定を尋ねたが、シェイは学校の用があると言って寝室に向かう。

 

ハロウィンイベントの日、シェイはタイラーと一緒に放送室にいた。パーティー会場におかめ面をつけ、日本刀を携えた人物がやってくる。客は花火を見に屋上へと向かい、シェイはトイレに行った。

タイラーの様子をおかめが見ている。おかめは刀を振り回して故意にマイクを転倒させた。タイラーは注意をしにおかめの元へ向かう。するとおかめはタイラーの腹を一刀両断。

トイレから戻って来たシェイはタイラーの死体を発見。放送室に戻った彼女は血まみれの刀を見つける。奥から現れた全裸のルーが話しかけた。おかめの正体はルー。私たちのためにやった、怒らないでねというルーの腹を、シェイが斬りつけた。ルーは最期に、愛してると囁いて息を引き取った。

 

シェイが風呂から上がって化粧をし、仕事場へ行く。いつものように接客をこなし、休憩に入ると泣いている女性がやってきた。シェイはあのときのルーのように男関係かと問う。彼女はそうだと答えた。シェイの背後にルーの幻影が映ると消えていった。

感想

男性による暴行を受けた女性が復讐をする類いの作品なのだが、本作は復讐に重きが置かれていないようでどうもスッキリしない。アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴやREVENGEのようなカタルシスによる爽快感は無い。様々な意見があるとは思うが僕は女性の理不尽さを描いた作品に感じた。

暴行を受けるまでの過程を観ていて自業自得ではという思いが湧いてしまい、不覚にもシェイが暴行を受けるシーンで最大のカタルシスを覚えてしまった。大学生で品の無いクラブのバーテンダーを務め、既婚男性と知りながら恋愛関係にある。さらに暴行を加えた男性に関してもシェイ自身が誘惑した人間。あまりにも無防備過ぎるのではないだろうか。暴行を受けた後にテリーを呼んで抱きつくのも意味が分らない。

この作品が他の作品と大きく異なるのはルーの存在だろう。彼女は男の存在そのものに嫌悪感を覚えている。ゆえに善良な男性であっても手を出せないのは臆病なだけと決めつけて殺してしまう。犯人以外も殺すので観客からみて善悪のバランスが崩れてしまうのだ。例えばアイ・スピット・オン・ユア・グレイヴは10:0で男性が悪いから殺した時にスッキリするのだが、彼女がやたらと関係の薄い男を殺すので7:3くらいで女性の方が悪く映る。

さらに復讐を終えたあとのシェイの態度がなかなかに悪く、せっかく協力してくれたルーを裏切ってしまう。そして唐突にタイラーとの恋が始まり、自分勝手としか言いようが無い。そのせいで僕は最終的にシェイが一番嫌いになったし、タイラーが殺されたシーンはシェイに対してざまーみろって思った。ルーが殺されるシーンは悪人が悪人を殺してるだけで何とも思えなかったな。

ちょくちょく日本にまつわる物が出てきたけど日本に向けてのメッセージかな。それとも関係者が取り入れたかっただけ?初めの方の性差別に関する抗議では金田誠の作品が取り上げられてて、暴行シーンはバッドばつ丸のストラップ越しに写される。おかめのお面に日本刀と重要な箇所に取り入れられてたけど...。

バッド・ガール(字幕版)

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バッド・ガール FBXC-013 [DVD]

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  • 発売日: 2018/11/26
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史上最も下品 映画『ピンク・フラミンゴ』ネタバレあらすじと感想

ピンク・フラミンゴ

コメディ度:10/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:10/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1972年製作/アメリカ/上映時間107分

原題:Pink Flamingos

監督・製作・脚本・撮影:ジョン・ウォーターズ

出演:ディバイン、デビッド・ローチャーリー、メアリー・ビビアン・ピアース、ミンク・ストール、エディス・マッセイ

あらすじ

”この世で最も下劣な人間”の称号が与えられた女性ディバイン。その称号を狙うマーブル夫妻と互いのプライドをかけた戦いの火蓋が切られた。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

“世界一下劣な人間”の称号を持つ女性ディバイン。彼女はマスコミを避けるためバブスという偽名を使い、母のイーディ、息子のクラッカー、親友のコットンと共にボルチモア郊外のトレーラーハウスに住んでいる。

同じくボルチモアに暮らすコニーとレイモンドのマーブル夫妻は赤ん坊の人身売買で生計をたてていた。夫妻は若い女性を誘拐しては手下のチャニングに子供を作らせ、生まれた子供を売りさばいている。自分らこそ“世界一下劣な人間”に相応しいと思っている夫妻はディバインが妬ましい。

 

ある日、ディバインはイーディの世話をコットンに任せ、車に乗って街へ買い出し。イーディは卵が大好きで他の物は食さず、ベビーベッドから出ることはない。ディバインは肉屋で購入したステーキ肉を股に挟み、自己流の味付け。

 

自宅兼事務所で仕事をしていたコニーはタブロイド誌に記載されていたディバインの記事に憤慨。コニーは外出中のレイモンドの帰りを待つ。そのころレイモンドは町で若い女性に対する露出行為を楽しんでいた。

 

クラッカーは、ガールフレンドのクッキーを車に乗せて家へ帰った。クッキーはマーブル夫妻がディヴァインを偵察するために雇ったスパイ。彼女はクラッカーに接近しディバインについて探るよう命令を受けていた。

クラッカーはコットンとイーディにクッキーを紹介。クラッカーはクッキーを家の裏の小屋に連れ込み、ニワトリを交えての性交。正常位の体勢で互いの腹の間にニワトリを挟む。雑に捕まれて振り回されたニワトリはバタバタと暴れた後に絶命。白い羽毛に赤い血が滲む。コットンは小窓からその様子を覗いて自慰行為。意味不明な行動に恐れをなしたクッキーは小屋を逃げ出した。

卵を訪問販売しているエッグマンがディバインのトレーラーハウスを訪れる。彼はイーディにジュラルミンケースに入った卵を見せた。コットンは大量の卵を購入してイーディにプレゼント。

 

その夜、マーブル夫妻は人身売買に利用する女を物色するため、街を車で走っていた。夫妻は一人の若い女に目をつけ、車に押し込み拉致。誘拐された女は夫妻の自宅地下牢に運ばれ、意識の無いままチャニングによって妊娠させられる。チャニングは潔癖症で自らの精液を注射器で女性に注入。

夫妻のもとにクッキーから電話がかかってきた。夫妻はディバインが現在はバブス・ジョンソンという偽名を使っていること、郊外のトレーラーハウスに家族と住んでいること、近々ディバインの誕生パーティーが開催されることを知らされる。夫妻はディバインに嫌がらせをしてやろうと、ある小包をディバインに贈った。

 

ディバインが家族と夕食をとっているところへ、マーブル夫妻からの小包が届く。差出人は不明。綺麗に梱包された箱の中には人糞が入っていた。ディバインは自分の称号を妬む者達の仕業だと考え、犯人探しを始める。

 

マーブル夫妻の留守中、チャニングはコニーの服で女装してレイモンドの真似をして遊んでいた。予定より早く帰ってきた夫妻はチャニングの奇行を目にして激怒。チャニングをクローゼットに閉じ込めた。

 

ディバインの誕生パーティーがトレーラーハウスで開催され、多くの下劣な友人達が集まった。マーブル夫妻が様子を探りに森の中にやってくる。メインの見世物は男性がケツの穴をパクパク開閉する芸。あまりにも品性を欠くパーティーを目にし、耐えられなくなったマーブル夫妻は街へ引き返した。2人は警察に匿名の電話をかけ、パーティーを通報。

連絡を受けた警察官達がパーティーを止めようとトレーラーハウスに急行したが、ディバイン達はそれを返り討ちにして皆で食べてしまった。

 

エッグマンがイーディに求婚。承諾したイーディは、エッグマンの家へ越していった。

 

後日、小包を送った犯人を突き止めたディバインとクラッカーはマーブル夫妻の家に侵入。2人は家の中のあらゆる物を舐め回して仕返しをする。こうすることで家に2人の神性が宿るとのこと。盛り上がったディバインはクラッカーの性器をくわえこんだ。果てる直前、人の声がして行為は中断。声の主はチャニングだった。2人はクローゼットに閉じ込められているチャニングを発見。チャニングはマーブル夫妻が人身売買を行っていることを話した。夫妻の所業を知ったディバインは地下牢に囚われている女達を解放。自由になった女達はチャニングに襲いかかって性器を切り取って殺した。ディバインとクラッカーはその様子を笑いながら見ていた。

 

ディバインとクラッカーがマーブル夫妻の家に侵入している間、夫妻はディバインのトレーラーハウスにガソリンを撒いて火を放っていた。

 

帰宅し燃え盛るトレーラーハウスを目にしたディバインは泣き叫びながらマーブル夫妻への復讐を誓う。

 

帰宅して世界一の称号を手に入れたと喜ぶマーブル夫妻だったが、家の家具が反乱を起こす。ソファや机が勝手に暴れ出した。2人はチャニングが何かをしたと疑い、クローゼットを覗くが姿はない。おそるおそる地下牢に行くと女達がおらず、性器の切り取られたチャニングが転がっていた。2人は女達に通報される前に逃げようとした。そこに待ち伏せしていたディバイン、クラッカー、コットンが姿を現わす。3人はマーブル夫妻を縛り上げトレーラーハウスの前に連れて行った。

 

ディバインはマーブル夫妻の公開処刑を決定。ディバインはゴシップ系のタブロイド誌の記者達に連絡をし、公開処刑の前に記者会見を開く。

裁判と称する茶番の後、ディヴァイン達は夫妻を森の奥へ連れて行き、木に縛り付けた。記者達はこのとき本当に殺すなんて思っていない。しかし、ディバインは最初にレイモンド、続けてコニーを射殺。ディバインは記者達に確実に記事を掲載するよう脅した。

一件落着した一家はアイダホ州のボイシに引っ越すことを決める。

 

後日、街に繰り出したディヴァインが出来たてほやほやの犬の糞を食べてEND

感想

これほど好き嫌いがはっきりと分かれる作品も他に無いのではないだろうか。食人、獣姦、人身売買と一般にタブーとされるシーンが半ば強引にねじ込まれている。さながらやってはいけないことの見本市。

本作にも一応ストーリーがあるがインパクトの強いシーンが多すぎるせいか頭に残らない。一番の原因はラストの食糞だろう。ディヴァインが目の前を歩く犬のした糞を食べるのだがこのシーンは他よりも圧倒的にキツいし、突拍子もなく必要性は感じない。役者も一瞬嫌な顔をするし糞を少しはき出してしまう。しかしその後は役に戻り、糞を咀嚼しながらカメラにウインク。役者魂とはこういうことだろうか。

演技が素晴らしいのはディヴァインだけでない。ニワトリを交えた性交シーンやディヴァインとの戯れ、妊婦の吐くゲロ等と演じたくないシーンが多々あっただろうが観客に何の違和感も与えさせない役作りはあっぱれとしか言い様がない。

僕が本作で最も印象に残っているシーンは食糞でなく、誕生パーティーのケツの穴パクパクする出し物。初見の際、腹がよじれるほど笑った。次点でマーブル夫妻の家を舐めるシーン。意味わかんねえなと思いながら観ていたのだが、後に観た監督のコメンタリーによると彼自身にも意味が分らないらしい。最初は舐めるではなく触るだったそうな。舐めるに変えて大正解だと思う。

この作品はとにかく癖になる。僕は年に3回ほど観たくなる瞬間が訪れ、その都度必ず観ている。鑑賞後、不思議と元気が出てくる映画だ。

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  • 発売日: 2013/10/02
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  • 発売日: 2008/05/30
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塩で干からびるゾンビ 映画『死霊が漂う孤島』ネタバレあらすじと感想

死霊が漂う孤島

コメディ度:5/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:4/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1941年製作/アメリカ/67分

原題:KIng of the Zombies

監督:ジーン・ヤーブロー

製作:リンズリー・パーソンズ

音楽:エドワード・J・ケイ

撮影:マック・ステングラー

編集:リチャード・C・クーリアー

出演:ディック・パーセル、ジョーン・ウッドベリー、マンタン・モアランド

あらすじ

諜報員のビルとその従者ジェフは行方不明になったウェインライト海軍大将を捜索すべく、マックの操縦する飛行機に乗ってカリブ海に向かった。嵐で遭難しかけ燃料が無くなった機体はすぐそばの島に不時着。3人は現地に住むサングレ博士の屋敷に招かれるが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 


諜報員のビルとその従者ジェフ、パイロットのマックが乗る飛行機が航路を見失った。この空域では前にも海軍の飛行機が消えており、彼らの任務は行方不明になったウェインライト海軍大将の捜索。ある孤島から急に無線が入った。何を言っているのかは分らないが、燃料が少なくなったこともあり孤島に不時着することに。


飛行機は墓に落ちた。先住民を探すと太鼓の音が聞こえる。
歩いていると一軒の屋敷に出た。カギがかかっておらず勝手にはいると、ウィーンから来たというサングレ博士が迎えた。彼の横にはモンバという怪しげな召し使いがいる。彼は墜落をすでに知っており、書斎に招いてブランデーをご馳走した。先の墜落で頭から血を流すマックにこの島には悪霊が漂っており、怪我人を食うと脅す。3人が無線の事を訪ねると、島にラジオ局はないので聞き間違えでは無いかとのこと。


ビルとマックに部屋を用意した。ジェフは彼の屋敷に住む使用人がいる台所に案内される。そこにはゾンビがいた。他の使用人サマンサとタハマが言うにはこの島には大量のゾンビがいるという。ゾンビは食料を求めてここに来る。サマンサが手を鳴らすと続々とゾンビがやって来た。
ジェフがビルに台所で見た光景を報告していると、サングレ博士がやって来た。博士はそんなものいないと台所を案内。サマンサもタハマもそんなものいないと言う。
彼らが去った後、ジェフはもう一度尋ねた。サマンサは博士とあまり関わるなと警告。ゾンビについて隠しているとのこと。


ビルとマック、サングレの元にサングレ夫人がやってきた。彼女は精神病で心がどこかに行ってしまったという。姪のバーバラを紹介された。彼女はこの地を嫌っている。
そのころジェフは召し使いと一緒に皿洗いをさせられていた。そこにモンバがやってきて12時”魔女の時”を告げた。寝ないと悪霊に襲われるとのこと。彼らは黒人の肉が好きだと脅した。彼らは自室に帰っていったが、モンバはジェフに台所で寝るよう言った。何を見聞きしても無視しろと一言添えて。
蝋燭を6本用意して寝ようとしたが12時を告げる鐘と共に一本ずつ消えた。そこにゾンビが現れてジェフを襲う。
ジェフはビルの元に駆けつけた。そこにはマックとサングレもいる。話を聞いたサングレはゾンビが人肉を食うことはないと言った。召し使いを部屋に寝かすのは他の召し使いに示しがつかないと言うサングレをビルが説得。ジェフはビルの部屋で寝ることとなる。


静かになると発電機の音が響いた。しかし、回りに電気を使うものなどない。マックはやはりラジオ局があるのではと疑う。
その晩女性の霊が現れた。ジェフだけが目を覚ましており、壁をすり抜けるのを目撃。彼は二人を起こす。初めは信じていなかったが、ベッドに落ちていたイヤリングを見て信じた。さらにドアノブがひとりでに動いたので、ビルとマックは原因を探す。
ビル1人とマック、ジェフの2手に別れて屋敷を捜索することに。


ビルは書斎に入るバーバラを追う。彼女は隠れて催眠術の本を読んでいた。ビルが話しかけると彼女はこの島に来てからサングレ夫人の様子がおかしくなったと証言。さらに彼女はサングレがどこかに通信しているとも言った。


マックとジェフは台所に向かった。そこにはゾンビが。マックが襲われて再度頭を怪我する。


翌朝、ビルがバーバラと話しているとサングレが夫人を連れて登場。夫人のイヤリングはこの世に二つとない代物だと言うが、ビルのポケットには昨日ベッドに落ちていた同じものが入っていた。
ビルとマックは飛行機の修理に向かう。道中、墓が掘り起こされているのを見たがビルは気にしない。飛行機を確認すると計器が何者かに壊されていた。

マックは発信機を探し、ビルはバーバラに話の続きを聞くことに。


その頃サングレは隠し扉のなかを通って祭壇に向かった。そこにはウェインライト大将が座らされており、タハマが儀式を行っていた。太鼓が鳴らされ、タハマは呪文を呟く。
そしてサングレはその前を通り通信機で発信。


ジェフはサマンサの焼いたパイを食べながら雑談を楽しんでいた。昨夜のゾンビは彼女の元カレだそう。
そこにビルがマックを探しにやって来た。彼はジェフに銃を用意しろと言う。ビルの部屋に行くとサングレがおり、カバンを漁っていた。彼は寝室の隠し扉を開けてジェフを地下室に案内。ジェフが帰ってこないのでビルが寝室まで捜しにくる。モンバが部屋にいて、鞄の銃はなくなっていた。
ジェフはサマンサに自分のことをゾンビだと思うようになる催眠術をかけられた。


ビルがジェフとマックを捜していると、マックがふらふらしながら屋敷に戻った。サングレ曰く彼の症状はこの島特有の熱病だという。サングレは私の手には余ると言い、クイル医師を呼んだ。医師が到着した頃にはマッカーシーはこと切れていた。

 

サングレに無線機から大将の声を聞かせろと連絡が入った。タハマが儀式に向かい、ゾンビの餌やりはサマンサに任された。
サマンサが拍手するとゾンビに加わったジェフがゾンビを引き連れてやって来る。用意された料理を食べるが塩気がない。サマンサによるとゾンビは塩をかけられると干からびるそう。それを聞いた彼は自分がゾンビでないと分かり、催眠が解かれた。さらにゾンビは鏡に写らないという。
ジェフは正気を戻して寝室にいたビルと合流。叫び声を聞いて地下に向かった。そこにはサングレ夫人の死体が棺に入れられて転がっている。
別の部屋から太鼓の音がする。サングレと原住民が儀式を行っており、バーバラに大将の記憶を移そうとしていた。そこにはマックのゾンビも参列している。
ビルとジェフが覗いているのがサングレにバレた。彼はゾンビをこちらにけしかける。ビルはゾンビとなったマックにお前の友達のビルだよと語りかけた。マックはゾンビでありつつもビルのことを思い出し、サングレににじりよった。サングレは後ずさりし、祭壇にある火の入った穴に落下。


大将は彼らと同じく、通信を聞いてこの島に来ていた。サングレは大将を拷問して政府の防衛対策方法を聞き出そうとしていたが失敗し、ブードゥーの術霊媒の儀式で口を割らせようとした。始めに夫人を使おうとして失敗、次にバーバラを使おうとした。彼は島の住民の約半数に催眠術をかけて手中に納めていたという。

感想

ゾンビと食人を結びつけるような発言が初めて登場した作品では無いだろうか。本作は喜劇であったためにジョークとして発せられた言葉であったが、実際に食人シーンを映していればゾンビ映画に関する歴史は大きく変わっていただろう。ただ本作は1941年の作品。ヘイズコードを恐れて、発想はあったものの実行しなかったのかも知れない。

ゾンビが塩をかけられると干からびる、普通にご飯を食べる、鏡に映らない等のユニークな設定が生み出されているが他の作品でこの設定が使われているのを見たことが無い。本作でも塩と鏡の設定は描写されることは無かったけど。

ラストでゾンビと化したマックがビルの呼びかけに応じてサングレに反乱するのだが、ゾンビが主の言うことを聞かなくなるのも本作が最初と思われる。新しい取り組みが散見する作品なのだが後のゾンビ映画に与えた影響は少なく思える。後続のクラシックゾンビ映画にこれらが活かされることは無かった。

 

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やること全てが裏目 映画『デッド/エンド』ネタバレあらすじと感想

デッド/エンド

コメディ度:2/10

グロ度:2/10

感動:4/10

リアリティ:6/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2013年製作/アメリカ/上映時間86分

原題:Scenic Road 

監督:ケヴィン・ゴーツ、マイケル・ゴーツ

脚本:カイル・キレン

製作総指揮:ジョシュ・デュメアル、ポール・グリーン、キース・レドモン

撮影:ショーン・オディー

音楽:マイケル・アイジンガー

編集:キンドラ・マッラ

出演:ジョッシュ・デュアメル、ダン・フォグラー、ミラクル・ローリー、クリスティ・バーソン

あらすじ

ミュージシャンになる夢を諦め、社会人となって成功を収めたミッチェルには作家志望で現在無職のカーターという友人がいる。彼らは身分に差が生じてしまい長いこと疎遠になっていた。ある日カーターから誘いがあり2人で旅に出ることに。しかし、彼らを乗せた車は砂漠の真ん中で故障してしまう...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

男2人が砂漠で殴り合い。モヒカンの男が松葉杖でもう一方の頭を殴り勝利を収めた。

 

足を怪我して松葉杖をつくミッチェルと太っちょのカーターが砂漠を走行。途中で車が故障。携帯の電波も入らず2人は他の車が来るのを待ちながら会話する。
やがて待っていてもらちが明かないとミッチェルが歩きだす。2人は大学の友人。ミッチェルはミュージシャンになるのを諦めサラリーマンとなって結婚もした。カーターは売れないライターで車暮らし。
そこに一台の車が通り、ミッチェルが駆けつけて止める。乗っていたのは親切な老人で町まで送ってくれるという。カーターはそれを制した。実は車の故障は全くの嘘で彼はミッチェルと話がしたかった。
それを知ったミッチェルが怒りだし2人は口論に。ミッチェルは全てに妥協して今の生活を手に入れ、カーターにとってはそれが許せなかった。好きだった女性に振られた直後に今の嫁ジョアンと結婚、アレルギー持ちなのに犬を飼い、やりたくもない仕事を毎日しているとカーターが責めた。
険悪なムードで車に乗るが今度は本当に故障。次はミッチェルがカーターの人生について批判を始める。30にもなってまともな職に就かず夢を追うのがそんなに偉いのかと。
カーターは車に乗り、ミッチェルは外で過ごした。


夜になり気温が下がってミッチェルが車に戻った。カーターはミッチェルの家族を貶したことを謝った。ミッチェルは謝るべきは車の故障だと答える。2人は互いに言われたことを噛みしめ納得していた。
ミッチェルはこの間浮気をしたことを話し始めた。今ではこの生活に慣れてしまいジョアンに対する愛などないと。次いで彼は長年の夢を語り始める。タクシードライバーのトラヴィスに憧れており、ずっとモヒカンにしてみたいと思っていた。しかし、子供のころは親が怖くて出来ず、大人になると社会の目が気になって出来なかった。モヒカンの人間にろくなやつはいない。話を聞いたカーターは十徳ナイフのハサミを取り出してミッチェルをそそのかす。ハサミとカミソリを使い、彼は念願のモヒカンになれた。その後あまりにも喉が乾くのでウォッシャー液を飲み、眠りにつく。


翌朝老婦人の乗った車が横を通り、ちょうど目を覚ましたカーターが必死に助けを求めた。ミッチェルはウォッシャー液を飲んだせいで嘔吐が止まらない。彼もまた、婦人の車に助けを求めたが髪型がモヒカン。危険を感じた彼女は車を急発進させて逃げてしまった。
残された2人はまたも喧嘩勃発。お前が脅さなければ助かっていた。それに対し、誰のせいでこんな場所にいるんだ。
やがて足を負傷しているミッチェルを置いてカーターは町に向かおうとする。町までは100キロメートル。彼はミッチェルに対し浮気のことをバラしてやると挑発。ミッチェルはその後ろ姿めがけて石を投げつけた。しかしそれは頭に命中し、カーターの後頭部から出血。まさかそんなにうまく当たると思っていなかった彼は謝ろうとしたが遅く、カーターが突進してきて冒頭のシーンに。2人は殴り合い、その末にミッチェルは偶然カーターを殺してしまう。

ミッチェルは現実を受け止めきれず死体となったカーターに話しかける。きっと婆さんが警察を呼んでくれるから早く起きろ。帰ったらやらなきゃいけないことが沢山あるんだ。

やがて彼は死体を埋める穴を堀り始めた。十分な深さを堀り終え、埋めるために彼を引きずると息を吹き返した。目を覚ました彼は記憶喪失になっており、なんで自分がここにいるのかさえ分かっていない。彼は俺を殺してここに埋める気だったのかとミッチェルにナイフを突きつけ、まともに話を聞かずにどこかへ去ってしまった。
残されたミッチェルは車に座ってこの日も通りかかる車両を待った。


その晩、彼はあまりの寒さで墓穴に転がって寝ることにした。するとようやく落ち着いて戻ってきたカーターがなぜ墓穴で寝ているのか尋ねる。ここの方が暖かいと聞いた彼は横に収まった。


翌朝車が通りかかったが気付かずに寝過ごしてしまう。極限まで喉の乾いた2人は喋ることさえ容易でない。
その晩、なにか逃げ出す方法はないかとミッチェルが地図を見る。すると町ではない場所に点が打ってあるのを見つける。そこは現在地から48キロメートルと行けない距離ではない。彼は反対するカーターを説得し、2人でそこを目指すことに。
しかし、歩きだしてすぐレッカー車がきて車を持っていった。声をあげて手を振ってもレッカー車は気付かず。落胆したした2人は仕方なく地図上の点を目指す。その日の晩、ミッチェルは死肉を貪るコヨーテに遭遇。彼はコヨーテから肉を奪い取った。

 

翌朝、点の箇所に到着。そこは廃村だった。水だけはあるが他に何もない。水を汲んでまた出発しようとすると電話が鳴った。確認するのを忘れていたがここには電波が通っていたのである。2人は笑い合い、救急車を呼んだ。

 

退院したミッチェルはカーターを自分の家の一室に住まわせる事にした。カーターに渡されたCDを聞いて昔の自分を思い出す。ミッチェルは仕事を辞め、家族で世界中を回る旅に出る。カーターは家に残り小説を書き続けた。
ある日の深夜、ミッチェルがカーターに電話をかける。あまりにも幸せすぎる。もしかして自分はまだ砂漠におり、夢を見ているのではないか。それに対してカーターはもしこれが夢なら今書き上げた作品も空想上の物かとジョークで返した。カーターが作品の結末を話そうとした瞬間プツリと電話が切れる。
ミッチェルはケータイを放った。すると着信音が鳴り始める。彼が拾い上げると液晶にはさっきまでなかった砂漠の時と同じ傷が付いている。彼は怖くなってベッドに戻った。廃村の光景を映し出され、その後彼の目から一筋の涙がこぼれ落ちる。

感想

僕は現在就活中で本作序盤の言い合いが自分の事のように沁みた。端から見ればカーターの言っていることや起こしたことは単なる嫉妬に思えるが、彼からすると裏切られた気持ちになるのも理解できる。そして苦労して手に入れた物を否定されたミッチェルがキレるのも当然のこと。やはり収入に差が出来たら関わらなくなるのが互いにとって良いことなのだろうかと考えさせられた。

本作はまるで「ミスト」のようにやることなすこと全てが裏目に出る。しかもその全てが良くなるためにしたことだから面白い。ウォッシャー液を飲んで体調を崩し、モヒカンにしたせいで車から逃げられ、墓穴で寝たことで車に気付かず、助けを求めて歩き出すとレッカー車が通って行き違い。そもそもカーターがミッチェルの目を覚まさせようと旅に誘わなければこうはならなかった。まるで脚本が彼らに嫌がらせしているよう。

本作のラストは観る人によって捉え方が変わると思う。2人は助かったのか否か。

自分なりのラストの解釈はこうだ。2人は廃村で寝ている間に死亡した。終盤の幸せな日々は全てミッチェルが死ぬ間際に見ている夢。でないと割れた液晶の説明がつかない。カーターとの電話が作品のオチを言う前に切れたのも夢であることを意味している。と言うのも人は自分が考えられる範囲のことしか夢に出ない。カーターと疎遠になっていたミッチェルには彼がどのような作品を書くのか分らなかったのでは無いか。ミッチェルは夢を見ていることに気付き、涙を流したが目を覚ますことを拒んだ。

夢の中で助かるきっかけになった着信も脚本の嫌がらせ。2人は序盤こそ電波を捜して歩いていたが中盤からは携帯の存在を忘れていた。もしも廃村で彼らが電波を探していれば助かっていたという観客へのメッセージだと感じた。

パッケージや予告からは想像の付かないしっかりとした内容。久々に当たりを引いた。

デッド/エンド(字幕版)

デッド/エンド(字幕版)

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古民家に隠された謎とは 映画『ロスト・ボーイ 死霊の館』ネタバレあらすじと感想

ロスト・ボーイ 死霊の館

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:4/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2008年製作/カナダ/93分

原題:Grindstone Road

監督:メラニー・オア

脚本:ポール・ジャーマン

音楽:エリック・カデスキー、ニック・ダイアー

撮影:サイモン・ショエット

編集:スティーブ・ベダーンジャック

出演:フェアザ・ボーク、グレッグ・ブリック、ヴォルター・ラーニング、ジョーン・グレッグソン

あらすじ

自動車事故で息子を植物状態にしてしまい日々苦しんでいる母ハンナは、気分を一新しようと昔住んでいた町の近くの古い家を購入した。夫と新居での生活を始めるが、不可解なことが頻発。やがて、かつてそこに住んでいた少年が失踪した事件を知るのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

交通事故を起こした車の運転席から女性ハンナが出てくる。助手席のフロントガラスには大きな穴が開いており、誰かが飛び出たと思われる。

 

場面が切り替わりハンナは病院に行き、次に教会で泣きながら祈る。
彼女は近々引っ越しを考えている様子で売り家の見学に向かった。家は荒れていて、ノックしても誰もでない。これといった家具は無く鍵が開いていたので中に入る。
住人を探しているとスーツを着た男性ダッドソンが現れた。ハンナは昔ここら辺に住んでいたことを話す。彼は売り主ではなくただ様子を見に来ただけだと言う。ハンナは結局引っ越しを決めた。

 

新居で旦那グラハムと荷物を整理する。夫婦仲は良好だが、何か環境を変えなければいけないような出来事があった様子。
新居で過ごす初めての夜、ハンナは森の中で透明な何かが蠢く夢を見て目を覚ました。時間は朝2時台。彼女は薬を飲みに洗面台へ向かった。洗面台の足元には水溜まりがあり、水漏れを直さなくてはなどと思っていると水はどこかへ消えた。リビングから物音がする。ゼンマイ仕掛けのオモチャが勝手に動いていた。次に地下室から水の音。下に降りると水滴は雨のようになった。そして扉が閉まり、閉じ込められた彼女は助けを呼ぶ。声を聞いたグラハムが目覚めて地下室に向かった。彼女は階段から落ちたようで倒れており、手にはゼンマイ仕掛けのオモチャ。水はどこにもない。


次の日も2人は荷物の整理。写真を飾っていると息子ダニエルの写ったものが出てきた。ダニエルは冒頭の自動車事故で一年前から植物状態になっていた。グラハムはダニエルのことを諦めており、ハンナは帰って来られると信じている。2人は喧嘩。
しばらくしてハンナが地下室で電球を取り替えていたダニエルの元に仲直りに行った。しかし、ハンナは部屋の奥に幽霊を見て驚き、梯子に乗っていたグラハムを落下させてしまう。ダニエルは気絶して頭からは出血。彼女は隣家に助けを求めた。

隣家に住むのは老夫婦テッドとリンダ。夫婦は2人の家に駆けつけた。意識の回復したグラハムも交えて挨拶。夫婦はこの家の住民はすぐに引っ越すから長くいて欲しいと話し始めた。どうやら昔この家で事件があったらしい。続けようとしたのをグラハムが制した。ダニエルのこともありそんな話は聞きたくない。彼のことを知った夫婦は祈りを捧げる。リンダはグラハムの傷を治療しようと救急箱を取りに向かう。ハンナに聞いた通り化粧台の扉を開けて救急箱を取り出すと鏡には少年が映った。夫婦は逃げるように家を出る。
その晩、またも深夜に目覚めたハンナは薬を飲んだ。来る途中、子供部屋の黒板にはダニエルの文字。部屋に帰ろうとするとクローゼットから助けを求める声がした。彼女は助けようと必死にドアノブを捻るがびくともしない。様子を見に来たグラハムがドアノブに手を掛けると扉はすぐに開いた。精神科医の彼は彼女の様子がとても心配。

 

翌朝、リンダがパイを焼いて持ってきてくれた。ハンナが受けとると彼女はあなただけでも知っておくべきと家で起きた事件の話を始めた。昔この家に住んでいた少年が森に住む何者かに連れ去られて行方不明になったという。さらに話そうとするとグラハムが来たので彼女は帰った。その後テッドが道具箱を持って改修の手伝いに来てくれた。

ハンナは町に出掛けるのであなたもどうかとリンダを誘う。彼女は騒がしいのは苦手だと断った。さらに少年について聞こうとするがそれも断られた。
町で買い物を済ませると図書館が目についた。過去の新聞を読みたいと司書に頼むと繊細だからダメだと断られてしまった。しかしその司書マーティンはハンナの同級生。彼は特別にと新聞を貸し出してくれた。

新聞を読むと確かに11歳の少年が失踪しており、捜索隊も出るような大騒ぎになっていた。奇妙なことに少年の名前も夫婦の息子と同じくダニエル。グラハムはあまり深く考えすぎるなと注意する。

 

翌日ハンナは病院に行き、ダニエルに話しかけるが反応はない。その足で教会を訪れて事故のことを考え込んだ。
その夜、彼女は寝室で少年の霊を見た。普通の睡眠薬では眠れないとグラハムに頼むと彼は注射器を用意して彼女の腕に刺した。彼女は倒れるように眠りにつき、少年の夢を見る。彼は手を引いてハンナをダニエルのもとに連れていった。彼はまだこちらには来ていないが瀬戸際だという。これからどうなるかは君次第だと。

翌朝目覚めたハンナは昨夜夢で見た場所に向かってみた。実は彼女は少年と昔遊んだことがあったらしい。森の中にある小屋に触れると少しずつ記憶が甦る。小屋の近くに隠してあった雑誌を持ち帰った。
家に帰るとダッドソンから電話がかかってきた。今日の午後そちらに向かいたいと言う。電話の調子が悪くてよく聞きとれなかった。

いつの間にか電話の正面には少年の写真が飾られている。それを見たグラハムが何を考えていると責めるがスローンにも身に覚えがない。グラハムは電話会社に連絡を取るため隣家に向かった。
ハンナが写真を外すと子供部屋からガサガサ音がし始める。壁の全面に森に近づくな、悪から解放しろとの文字が。

グラハムは夫妻に事件の犯人で疑わしい人はいなかったのかと聞いた。夫妻はダニエルの家庭教師だったダッドソンだと答えた。それを聞いたグラハムが急いで家に帰ろうとするのを夫妻が引き留めた。

ハンナが壁の文字を消しているとダッドソンが現れる。少年はあなたの助けを待っている。あなたは真実に近づきつつあるが、近づきすぎると彼を襲ったものがあなたを襲う。ハンナが帰ってと言うと彼は跡形もなく消えた。

グラハムが夫妻の話を聞いて帰って来た。ダッドソンは事件の2ヶ月後にこの家の地下で首を吊って死んだと言う。グラハムはあまりにも事件に肩入れしすぎているハンナに対し、息子の問題を死んだ他の少年のことを考えることで逃げていると批判。奇妙な言動が目立つことから本格的な治療を勧めた。

家に少年からの電話がかかる。友達になりたい。今度は置いて行かないで。
ハンナがあなたとは住む世界が違うと答えた。クローゼットからまたも声がする。開けると中には少年が。

スローンはリンダに相談。彼女は引っ越すことを勧めた。
家に帰った彼女は薬を捨て、蝋燭を点けて風呂に入った。蝋燭の火が消え、地下室から音がする。バスタブの横をオモチャが歩く。顔を戻すと目の前には少年。住む世界が違うならハンナがこっちに来ればいいと言い放ち、謝りながら彼女をバスタブに沈めた。溺れているとき彼女は森の中で少年とダニエルに出会った。彼女はダニエルに逃げてと叫ぶ。グラハムが溺れているハンナに気付いて助け出す。

 

翌朝、ダニエルの心拍数が下がったらしくグラハムは病院に向かった。ハンナは家で寝ている。マーティンが失踪した少年についての資料をもってきた。ハンナは寝ているのでもちろん誰もでない。しつこく声を掛けていたら近くにいたテッドが何のようだと声をかけた。マーティンはテッドを見て少年の父親のエドワードだろと聞いた。彼は違うと答えマーティンを帰らせた。

起きたハンナはマーティンの持ってきた資料を見て驚く。少年の両親はリンダとテッドだった。資料には2階のクローゼットで監禁されていたとの供述があり、実際にクローゼットをよく見てみると革製の固定具が残っている。ちょうど帰って来たグラハムに夫妻が犯人だと告げるが彼は妄想だと言って信じない。
揉めていると夫妻がやってきた。鍵を開けるなと言うハンナの頼みを無視し、グラハムは2人を招き入れた。ハンナは銃を向けるが、グラハムが取り押さえる。彼女は睡眠薬で眠らされると部屋に閉じ込められた。
ハンナは扉の外にいるグラハムに、昔少年と会っていたことを話し始めた。彼は厳しい家で育てられていたので女の子と遊ぶことなど許されなかった。私が一緒に遊んだせいで彼は殺されてしまっと。話を聞いていたリンダがお前が息子をそそのかしたのが悪いと口を滑らせた。ようやくハンナの言っていたことが事実だとわかったグラハムは彼女を出そうと鍵を開けようとする。しかしテッドの方が速かった。彼はグラハムの首を絞めて気絶させ、扉を開けてハンナに襲いかかる。扉が開いた瞬間、ハンナは持っていたボールペンを彼の肩に突き刺して地下室に逃げ込んだ。

すぐにテッドがやって来てハンナを捕まえ、首吊り自殺に見せるような工作を始めた。彼は自分の犯したことを悪を倒すための正義の行動だったと自慢げに話す。失踪した少年ダニエルは浄化のためバスタブに沈めて殺された。死体は地下室に埋まっている。また、それに気付いたダッドソンを犯人に見立てるため首吊り自殺に見立てて殺した。夫妻がこの家を引っ越したのはそれ以来ダニエルの霊が出るようになったから。

準備が完了しハンナは吊られた。テッドはそれを見届けるとグラハムを殺しに上へ上がる。しかし、縄のかかる場所が老朽化しており壁から外れて彼女は何とか脱出。リビングに戻り銃を奪って夫妻を射殺するとその場に倒れこんだ。森の中で少年とで合う。彼はダニエルの元に行けと告げる。

ハンナとグラハムは急いで病院に向かった。ダニエルに声をかけると彼は目を開く。ベッドの横には少年が立っており、ハンナに微笑むと光って消えた。ダニエルは繋がれた両親の手を握り返す。

やがて家は売り家に戻った。地下室の電気をダッドソンが消す。

感想

監督を調べてみると「シェルター 狂気の秘密」のメラニー・オア監督作品だった。マイナー作品で意図せず、知っている監督の作品を手に取ると少し嬉しい。

本作はキリスト教の狂信者が偏った信仰によって息子を殺し、幽霊となった息子が自身の死を知ってもらうために行動するというありきたりな物。自分の死因を解き明かしてもらう系のホラー映画って結構あるよね。内容として特に新しさは感じられず、どこかで観たことのあるようなシーンの連続。緊張感もないしこれといった山場も感じなかった。

一番気になったのは終盤のシーン。ハンナがグラハムにちゃんと証拠資料を見せながら説明すればいいのにと強く思った。ここまでは上手く行動に整合性があったのにここだけ脚本に動かされている感じがしてイヤ。

良かった点はいろんな意味で普通だったこと。さっき観たことのあるようなシーンの連続って言ったけどそのシーンが面白いから取り入れられているワケで、自分の死因を解き明かしてもらう系のホラー映画の定石から外れて無いのだからつまらないはずが無い。

sottou-hurann.hatenablog.com

ロスト・ボーイ 死霊の館(字幕版)

ロスト・ボーイ 死霊の館(字幕版)

  • 発売日: 2020/06/12
  • メディア: Prime Video
 

18日間缶詰執筆 映画『監禁ピエロ』ネタバレあらすじと感想

監禁ピエロ

コメディ度:3/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:4/10

目次

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作品情報

2007年製作/アメリカ/上映時間88分

原題:Final Draft

監督:ジョナサン・デューク

脚本:ダリン・ルシオ

音楽:ライアン・レイサム

撮影:ミック・レイノルズ

編集:ジェフ・アシェンハースト

出演:ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク、タラ・スペンサー=ナイアン、ダリン・ルシオ、ジェフ・ループ、アダム・マクドナルド、メラニー・マーデン

あらすじ

とある事件以降脚本が書けなくなってしまったポールは、自身の書いた作品の主演を務めて人気者となった友人でもあるデヴィッドに金を貰って生活していた。彼はある日、幼い頃にみたピエロの夢を見て脚本のアイデアを思いつくのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

落ちる夢を見て目を覚ます。中年男性のポールはバスタブに浸かっていた。扉の外に気配を感じた彼はデヴィッドかと声をかける。外にいたのはピエロで葉巻を咥えていた。そこでポールは目を覚ます。

 

彼は目覚めると身支度を済ませ外出した。カフェでデヴィッドとコーヒーを飲む。彼はポールの書いた作品の主演を務めて人気者となり、今ではポールが彼に雇われているような状態。

ポールは昨夜見た夢の話をする。彼は昔、弟のジャックとサーカスを見にいった。演目の途中にピエロが出て来て酒を口に含むと火を吹いた。しかしもう一度吹こうとしたとき、火はピエロの顔に向かって来て彼は火だるまに。演出だと思って当時は笑ってみていたが、今考えるとピエロはその後死んでいたのかもしれない。自分がピエロの立場ならどうするか考え、子供が大人になるのを待って殺しに行くだろうと結論づけた。彼はそんな話をしているうちにイマジネーションを沸き、脚本を書くことに。

 

ポールは徹夜でアイデアを考えた。
翌朝デヴィッドが来て彼を起こし、進捗を尋ねる。ポールの中で本筋は定まってきていた。自分のことを笑った人間を自殺に見立ててピエロが殺す。武器はオレンジ。アイデアを気に入ったデヴィッドは18日以内に書き上げればプロデューサーに紹介できると言った。ポールはしばらく脚本を書いていないし期間が短すぎると反対したが、男はは彼に生活費の入った封筒を渡すと逃げるように帰ってしまう。この日からポールの執筆が始まる。

 

ある日商店に買い物へ出掛けると柄の悪い男に絡まれた。ポールは彼に見覚えがある様子。家に帰ると廊下に吸い終わりの葉巻が落ちていた。彼は侵入者を迎え撃つためバットを構えて全部屋回るが異常はない。
その晩、ソファに寝転がっていると腕から血が垂れる幻覚を見る。デヴィッドから明日いつもの店でコーヒーを飲もうと電話がかかってきた。

 

翌朝、洗顔をしていると背後に気配を感じた。メガネをかけるとそれは消える。
店にはポールが先に着いた。ウエイトレスのケーシーが今日は1人なのと話しかけてきた。彼女はポールのファンだと詰め寄るがそれは全てポールの妄想。彼女はデヴィッドに気があり、彼は独身なのと聞く。ポールは彼がゲイだと嘘をついた。
遅れてデヴィッドがやって来る。ポールがどうしても間に合わないと言うと彼は引きこもってでも書き上げろと告げて帰ってしまう。

 

翌日ポールの家にデヴィッドが訪れた。ポールは段ボールに食料を詰め、娯楽品を全て片付けた部屋を用意し、デヴィッドに俺を監禁しろと頼んだ。彼は始めこそ嫌がったが熱意に負けて承諾。外から南京錠をかけた。


執筆を再会してすぐにパソコンが故障。

部屋から出たデヴィッドにマネージャーのサムからの電話がかかる。狙っていた役に落ちてしまったとの知らせ。小さい役を用意されたと伝えられた彼はそれを蹴った。


パソコンが壊れてやることの無くなった彼はアルバムやホームビデオを見始める。高校のアルバムには先日商店で絡んできた男の顔。しばらくそうしているとパソコンが復活。ふてくされた彼はもう遅いと呟き、壁当てを始めた。ボールが返ってこない。ちょっと経つとオレンジが転がってきて壁の前にはピエロが立っていた。

ポールは名案を思い付いた。ピエロの犠牲者を自分の嫌いな奴にしようと。離婚した元嫁ケイト、高校時代のいじめっこラスティ、売れて態度を変えたプロデューサーのマイケル、そしてデヴィッド。後は好きな女性を登場人物に入れることにした。カレンダーの美女。

酒に酔いながら貼り付けた写真を見てイマジネーションが沸き上がる。

翌朝ノイズ混じりの音楽に起こされた。はじめは外からだと思ったが部屋から鳴っているらしい。彼がデヴィッドかと聞くと音は止んだ。直後隣の空き地で野球をしていた子供の球がガラスを破って飛んで来る。彼がボールを掴むと一瞬オレンジに変わった。ひとまず段ボールで穴を塞いだ。また落ちるイメージが浮かぶ。

 

ポールが目を覚ますとカレンダーの美女が隣に寝ていた。キッチンに向かうとマイケルが。
遂に頭がおかしくなったと感じた彼はデヴィッドに出してくれと電話をかける。しかし彼は今カフェにいてケーシーにデヴィッドはゲイだと言ったのがバレた直後だった。もちろん鍵を開けになんて来ず、自分の言い出したことなんだから最後までやり通せと言う。ポールは飛び降りるぞ脅すがそんなものは聞かない。

ポールは諦めて執筆に戻るが、家のあちこちには実在するかのようにキャラクター達が現れる。その晩デヴィッドはピエロの夢を見て飛び起きた。


ポールの家でテレビが勝手に点き映像が映し出された。画面に映るジャックが俺はなぜここにいる。結末はどうなるんだと聞いた。直後にピエロが現れて映像は終わる。

 

ラスティが朝から大音量で音楽を流して歌っている。ポールが筆を進めるとピエロが現れ彼を殴り倒した。次の瞬間ラスティは首にロープをくくられ、椅子の上に立っている。ポールが原稿の中で彼を殺すとイメージの彼も同時に死んだ。
元妻のケイトが執筆中のポールを私も殺すのかとなじる。


その夜もテレビが起動。ジャックは早く原稿を終わらせろと告げた。

翌朝キッチンに現れたマイケルがポールを責めた。俺のことが気に入らないのか。ジャックはどうなんだ。彼が自殺してからお前は脚本が書けなくなった(時折映し出される人が落ちる映像はジャックの自殺らしい)。弟の死を持ち出された彼は我慢の限界。早速原稿を書いてピエロに殺させた。

 

ポールがカレンダーの美女と愛し合っているとピエロが現れて彼女を連れ去った。彼女はソファの上で首を切って死んでいる。
ポールはこんな話を書いていない。何故だと考えているとケイトが現れて手遅れだと告げた。彼は彼女に謝ったが、彼女はその場を後にする。
ケイトはピエロに捕まり、バスタブで感電死させられた。


ポールは原稿を完成させて印刷を始めると同時バスタブに浸かった。目の前にはピエロが座っている。

約束の日にちになりデヴィッドが鍵を開けて部屋に入った。脚本はしっかりと完成している。呼んでも返事をしないポールを探して家中探し、バスルームで彼の死体を発見した。右手首にはリストカットの跡。
デヴィッドが完成した脚本を持ってエレベーターを降りるが背後にはピエロの姿が。

感想

タイトルに語弊がある。正しくは”監禁(状態で)ピエロ(が出てくる脚本を書く男)”。ゆえに悪趣味なピエロの拷問などを求めて観ると期待外れもいいとこ。原題を直訳すると”最期の脚本”、まあこれよりかは監禁ピエロの方が興味湧くね。

正直過度な期待をしなければ楽しめる作品だとは思う。俳優の演技が上手いし話の大まかな筋書きもこの手の映画にしてはいい方。主人公が復讐心を作品にぶつける姿は観ていて気持ちが良い。そして何よりピエロの見た目が格好良かった。パッケージの通り顔の左半分が焼けただれていて、右側はピエロメイク。葉巻を咥えてて武器はバット。出てくるのは割と一瞬だけど結構頻繁に現れる。

悪い点は意味ありげなシーンがまるで役に立っていなかったところ。商店で絡んできた男が高校時代のいじめっ子だったとか、やけに入れられていた飛び降りの空想が弟の自殺だったとか伏線として挟みたかったんだろうけど発覚の仕方が鮮やかじゃ無いというか何というか。とにかく明かされるタイミングが悪いし極論両方とも不要だったと思う。あとは現実と空想との境目が無くなっていくみたいな売り文句があったけど本作は割とそこら辺がはっきりしているので観ている側としては入り交じらない。主人公の目線からはそうなんだろうけど。

監禁ピエロ(字幕版)

監禁ピエロ(字幕版)

  • 発売日: 2020/06/12
  • メディア: Prime Video
 

ロシア人の旅行体験 映画『フィンランド式残酷ショッピングツアー』ネタバレあらすじと感想

フィンランド式残酷ショッピングツアー

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:2/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2012年製作/ロシア・フィンランド合作/上映時間70分
原題:Shopping-tur
配給:アットエンタテインメント

監督・脚本:ミハイル・ブラシンスキー

製作:ゲナディ・ミルゴロドスキー、ミハイル・ブラシンスキー

撮影:アレクサンドル・シモノフ

出演:タチアナ・コルガノバ、ティモフェイ・ヤレツキー、サツウ・バーボラ

あらすじ

ロシアからフィンランドショッピングツアーに参加した親子。案内されるがままに連れて行かれた免税店でツアー客は次々と襲われる。2人は無事フィンランドから抜け出すことが出来るのか...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

母と息子はフィンランドへのショッピングツアーに参加。息子は最近買ってもらった携帯電話で映画を撮るんだと母を写した(本作はこの携帯電話を使ったPOV方式)。ツアーはバスで行われる。


途中休憩で母はやめていたタバコを吸ってしまった。息子は罰金の100ルーブルを貰いガムとビールを買う。母にバレないようその場でのみ終えてポイ捨て。自慢げにカメラに写した。


バスでの移動中母が泣いている。息子はそれをたしなめた。この親子にはなにかあったようだ。母が息子の息の匂いからビールを飲んだことに気づいて怒った。彼女はそれから息子を無視し始める。
国境では撮影ができず。一旦カメラが切られた。


免税店でようやく母は口をきいた。彼女が怒っていることはビールを飲んだことではなく。嘘を付いたこと。二度と嘘をつくなと厳しく叱った。

続いてフィンランドの入国審査を受ける。ツアー客の1人がたばこを何箱も隠し持っており足止め。彼女はロシアに送還された。
途中の休憩所でガイドが現地人となにやら話し込んでいる。

バスに戻りツアーガイドは予定の変更を告げた。最近できた大型免税店がツアー客を対象に貸しきりでオープンしてくれるという。乗客は歓喜。

息子はそこで初めてショッピングツアーだと気づいた。自分のことを思って旅行に連れてきてくれたのかと思っていた彼はただの母の気晴らしだと知って怒こる。口論になったすえ父さんが生きていればと言った息子を母がビンタして話は終わった。

 

バスは免税店に到着。ツアー客は貸しきりの店内で各々買い物を楽しんだ。息子は先程ガイドと話していた女性が出入口のカギを閉めているのを目撃。母にそれを伝えるもさっきの言い合いもあり真面目にとり合わない。次いで彼は足元に血痕を見かけた。それは立ち入り禁止の倉庫に繋がっており、2人は中に向かった。入ってすぐの場所に男が寝ている。外傷はないが脈がなく死んでいる様子。あわててガイドを探しに行った。
現場に戻ると血痕はおろか死体も消えていてガイドは呆れて戻ってしまう。2人が真面目に話を聞いて貰おうと後をつけると、ガイドは棚の裏に引き込まれた。2人は何者かがガイドを食べているのを目にする。

2人は慌てて倉庫に逃げた。母は気が動転してしまい動けない。息子は武器になるものを探しに店内に戻る。そこはツアー客が次々襲われて悲惨な状況。結局フライパンしか持ち帰れなかった。母親は事態を知ると黙って座り込んだ。息子が脱出方法を考えているのになにもしない。
彼は警察に電話をしようとしたが番号が分からない。ロシアにいる友人に電話で調べてくれと頼んだが2人は現在地も分からないので繋がったとしても助けを呼べない。

何者かがドアをバンバンと叩いた。しばらくするとそれは止んだが、ずっとここにいるわけにも行かず、しばらく経ち意を決して部屋からでる。息子はフライパンを装備、母は電源の繋がっていないネイルガンを構える。
出てすぐに口を血で濡らしたフィンランド人と遭遇。息子がフライパンで撲殺。そして何故かカメラが止まり2人は外に出ていた。何があったのか知らないが脱出に成功した様子。


店で人を襲っていたのは何だったのか考えるが結局分からない。
2人はガソリンスタンドを見つけて入り、警察に通報してもらった。店員は人当たりがよくまともな人間の様子。母親が地図を出して現在地を訪ねると、見にくいからとレジから出てきてすぐ横に立った。すると突然豹変し、母の首筋に噛みつく。息子はそれを蹴って引き剥がし、母を連れて急いで店を出た。


少し歩くと警察署が。2人が入ると同時、警官は彼らを取り押さえて牢に入れた。
現地の言葉で署長と分けて食おうなどと言っている。母親は疲れたからと眠りにつく。

目を覚ました母親は自分が噛まれたから感染したのではと息子と距離を置きたがる。


隣に監禁されている同じく捕まったパキスタン人のアーメットが話しかけてきた。話によると夏至祭の日、フィンランド人は外国人の肉を食わなければいけないらしい。彼は国際結婚してこの国に来て、毎年妻に守られながら夏至を過ごしていたがその妻が今年亡くなってしまったと言う。食べられないようにする方法は1つ、フィンランド人の肉を食うこと。しかしこれをすると自分もフィンランド人のようになってしまう。

息子は友人や学校の先生までに遺言のビデオレターを撮影。

隣の牢で悲鳴があがったと思うと2人は牢から出された。そして車に乗せられ、森まで連れていかれる。そこには署長の別荘があり、2人はランチにされるよう。

運び出した警官が携帯を奪い取って撮影を始めた。
所長はカメラに向かって演説を始めた。夏至に自殺する国民が増えている。ただこれは人を殺す罪悪感で死ぬのではなくうまい人肉を食べた喜びでだ。


署長と友人らが集まって食事を始めようとする。連れてこられた2人を見た署長は気分を良くした。人権保護のためと言いながら注射器を用意した瞬間、2人は同時に暴れまわり全員を倒して逃亡。

巨大なショッピングモールを見かけてそこの駐車場に逃げ込む。今日は祝日だから駐車場には誰も来ない。母は祝日で店が閉まってるはずなのにショッピングツアーに来たロシア人の愚かさに笑い始めた。
2人は一息ついて父親の昔話を始める。いつの間にか寝てしまった。


目が覚めると頭に夏至の花飾りを付けた少女がいて、あなたは外国人かと現地語で聞いた。言葉も分からず母がとりあえず手を伸ばすと少女が豹変して噛みつく。引き剥がすと次は太ももに齧りついた。
カメラが暗転し、座り込む2人を写す。足元には千切れた小さな腕と少女の死体が横たわっていた。

感想

パッケージと心躍るタイトルに釣られて鑑賞。いうほど残酷では無い。

本作の主な登場人物は母と息子だけなのだが母はとにかく精神が不安定で観ててとてもイライラする。しかも撮影しているのは息子という体のPOV作品なので映るのはほとんどヒスった母。序盤はひたすら親子げんかを観させられ、カメラ越しにこっちが怒られている気分に。

この作品は面白いところだけカットされたのかと思うほど大事なシーンで不自然なカットが入る。倉庫からの脱出とアーメットの説明を省いたのは解せない。人食いフィンランド人が徘徊する免税店からの脱出はどう考えても作品の目玉となる部分では無いのか。倉庫の1人を殺したら次の瞬間には外で走っているのは勿体ないとしか思えない。アーメットの説明に関しては彼が話し始めると同時カットが入り、夏至の話が始まるまで飛んだ。せっかく面白い題材の映画なのだから細かい設定を聞きたい。しかもこれ以降絡みも無く死んでしまったので情報を教えるだけの人間として登場している。こういった観たいシーンがカットされていて、やけに長い遺言ビデオの撮影を観させられるのは腹が立つ。学校の先生との思い出なんてどうでも良い。

パッケージの少女が出てこないので詐欺られたかと思ったら最後に出てきた。最後に腕ちぎれてたけどあれは食べたって解釈で良いのだろうか。わざわざアーメットが説明していたのでそうだと思うのだが。

全体的に褒める場所が見当たらないのだが、ロシア人のショッピングツアーを知るにはいいかもしれない。税関の様子が少し分るし、ツアーバスに電子レンジが付いていて普通に感心した。

地下室にいたのは妖精? 映画『テール しっぽのある美女』ネタバレあらすじと感想

テール しっぽのある美美女

コメディ度:2/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2012年製作/ノルウェー/上映時間75

原題:Thale

配給:アットエンタテインメント

監督・脚本:アレクサンデル・ノラス

音楽:レイモンド・エノクセン、ガイアマンド・シモンセン

撮影・編集:アレクサンダー・ノルダース

出演:モルテン・アンドレセン、アーレン・ネルボル、シリー・ライナモ

あらすじ

特殊清掃の作業員2人は独居老人の無惨な死体を片付けていた。床下にまで血がしみているのではと確認するとそこには怪しい地下室が。中には全裸の美女が待っていたが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

特殊清掃員のレオとエルヴィスが部屋に散らばった肉片を掃除する。エルヴィスは耐えられずにゲロを何度も吐いた。

 

雪景色を背景に年配の男性のナレーション。
君を見つけてから9年がたった。見つけるべきではなかったか。

 

レオはエルヴィスに先程の被害者の話を始めた。死体の様子から年老いた男性と見られ、獣に襲われてバラバラになったもよう。
一休みしてから床下の確認に向うと怪しげな隠し扉が現れた。やっかいごとに巻き込まれたくないとレオが止めるがエルヴィスは吸い込まれたように入っていく。中には古い缶詰があり、人の暮らしていた痕跡が見られた。さらに奥には実験室のようなものが。レオは上司のエイナルに電話で指示を仰ごうとするが電波が悪く、エルヴィスに何も触るなと言い残して外へ出ていった。レオがいなくなると彼はすぐさま器具に触り始める。


レオが電話から帰って来た瞬間、横にあったバスタブから女性が飛び出した。女性は衰弱しており2人は放っておけなかった。

油断していると彼女は隙をついてエルヴィスの首を絞めた。レオが拾った軍服を彼女に投げ渡すとエルヴィスは解放された。それから彼女は彼らのことを意に介せず、期限切れの缶詰を食べ始める。敵でないと分ったようだ。


エルヴィスは拾ったカセットテープをラジカセにいれて再生。老人の声が吹き込まれており、実験の様子を記録しているもよう。女性はラジカセを見て驚いている。


車に食べ物を取りに行ったレオの背後を全裸で四足歩行の女性が横切る。


カセットテープの声はこう続けた。ターレだけは他の仲間とは違う。赤ん坊の頃人間に拾われたからだろうか。もっと入浴の回数を増やさなくては。彼女の名前はターレと言うらしい。

 

女性は隣の部屋のベッドの下に寝転がり、歌を歌い始めた。エルヴィスもその横に寝転がって目を合わせて話をする。彼は娘エリーヌの話をするが、何か訳ありな様子。きみはいつからここにと聞かれた彼女は彼の顔を掴んだ。彼の脳内に彼女の記憶が流れ込む。彼女は老人に監禁されていた。

 

レオが車から屋敷に帰る途中、エイナルから着くのが遅くなるとの連絡を受けた。その間も彼の周りを何者かが飛び回る。

 

レオがパンを持って屋敷に帰ってきて、2人は意味深な冷蔵庫の扉を開けた。中には切り取られた尻尾が入っている。

エルヴィスがトイレに行っていた時、レオは胸を押さえて突然苦しみ始めた。心配したのか女性はレオの胸と顔を触り始める。彼はそれを払いのけた。

3人で昼食をとりながらエルヴィスはあの尻尾が彼女のだったらどうすると話し始める。エルヴィスは自分に娘がいることを明かした。レオは自分の肺癌を打ち明ける。
しばらく話していると何者かが屋敷に侵入する気配を感じた。ターレはいち早く扉に鍵をかける。

何者かは何度も扉に当たり、中に入ろうとしてくる。しばらくすると攻撃は止んだが鍵穴からガスが流れ始めた。レオは早々に気絶。

エルヴィスは薄れゆく視界の中で老人とターレの出会いを見た。実は老人は彼女を監禁ではなく保護していた。彼女はしきりに仲間の元に行きたがったが、それだけは止めた。ターレは枯れた花を再生させる能力を持っている。老人はターレを人として育てたかったが彼女の尾てい骨には尾があり、それによって自分が人間でないと知ってしまう。どちらから言い出したのかは分らないが、尾の切除手術が行われた。

 

気絶していたレオとエルヴィスは外に連れ出されとある集団に尋問された。彼らは銃を持っており数も多い。
リーダー格の男曰くターレらの種族は各々異なった特殊能力を持っている。集団の目的はターレの確保。
したっぱどもは屋敷の中で次々とターレに殺されていった。首をへし折り、奪った銃を喉元に突き刺す。ターレの動きが速すぎて気づいたときには殺されている。


集団のリーダーがレオに銃口を向けると同時、屋敷が爆発。リーダーは複数のターレの同種に襲われて死んだ。ターレは2人の拘束を解く。


後日レオとエルヴィスは警察に起きたことを説明した。レオはエルヴィスにガンが消えたことを報告。医者にそう言われたらしい。
エルヴィスは娘と再会。
ターレは同種の群れに戻れた。

感想

ノルウェーの民間伝承に登場するフルドラって妖精がモチーフの作品らしい。フルドラの話を知っていれば捉え方も変わるのかな。わざわざ調べようとはならないような作品だけど。

老人のくだりやエルヴィスと娘の関係が説明不足に感じたし、突然集団が押し寄せてきてちょっと展開が急だなとは思ったけどそこまでひどい出来ではないような。

特に冒頭でいきなり血とゲロが映るのは個人的にポイントが高い。ただそっからゴア描写は右肩下がり。でもフルドラの描写は凄い良かった。最初にレオの後ろにチラッて映ったときは、おおって思った。

退屈なシーンも多いけど見続けられたのはレオとエルヴィスの掛け合いがそれなりに楽しめたからかな。ちょっとちぐはぐな感じで。あとセットがしっかりしていて退屈なシーンでも隅々まで見渡す楽しさがあった。

テール しっぽのある美女

テール しっぽのある美女

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クリスマスの夜、やつは背後からやってくる 映画『ブラック・ストーン 呪いの召喚石』ネタバレあらすじと感想

ブラック・ストーン 呪いの召喚石

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:2/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2016年製作/アメリカ/上映時間81分

原題:Krampus Unleashed

監督・脚本:ロバート・コンウェイ

製作:ロバート・コンウェイ、モリー・コーンウェル

撮影:トラビス・アメリー

音楽:ジョン・リオス

編集:ロバート・コンウェイ、オーウェン・コンウェイ

出演:アメリア・ブラントリー、ブライソン・ホール、キャロライン・ラセッター、テイラー・バックリー、ティム・ザウアー、ダニエル・リンク

あらすじ

1989年、石に封印されていたクランプスはトレジャーハンターによって解放された。蘇ったクランプスは彼らを次々に惨殺。

時が流れて現代。偶然川に立ち寄った少年がクランプスの封印を解いてしまう...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

1989年、アメリカ南西部の人々を恐怖に陥れたドイツ生まれの無法者エリック・クラウスは砂漠に略奪品を埋め、警告を残して姿を消した。宝の在りかはアリゾナ中部の砂漠らしい。

その数年後トレジャーハンターらが集まって宝を探していた。
彼らは手作業で当てもなく穴を掘る。やがて木箱に突き当たった。中には石炭でできた石が入っている。表面には古いドイツ語が印字されていた。トレジャーハンターの中に詳しい奴がいて解説を始める。石の中には呪いや神々の怒りが込められているとか。
ハンターらが石を奪い合ってるうちに火に触れてしまいクランプスの封印を解いてしまった。
クランプスの見た目は毛むくじゃらで黒い羊のよう。二足歩行しハンターらの腹を切り裂いて殺した。召喚石は池の中に転がり落ちた。

 

時が流れて現代。両親と2人の子供を乗せたファミリーカーが母親の実家を目指して走っている。父ウィル、母、息子トミー、娘フィオナ。季節は12月でクリスマスシーズン。実家に到着した一家は祖父デールと祖母に迎えられた。


もう一台の車が同じく実家を目指して走っていた。デイビッドとその妻ビブ、息子トロイを乗せた車がサムの店に立ち寄る。トロイは店の裏でサスカッチというUMAを探すロジャーとテリーに遭遇。クソガキなトロイは彼らを動画で撮影し面白がった。

到着するもデイビッド一家は態度が悪く、あまり歓迎されていない様子。

 

2人の父親と息子達は川に砂金を採りに行った。途中で現地人の女性ボニーと出会う。
トミーはそこで召喚石を拾った。

 

ボニーの家に元カレで保安官補のダンが訪れるが、彼女は彼を家に入れなかった。

 

トミーが拾った召喚石をウットリと眺めているとトロイが奪い取った。彼の持っていたタバコの火が触れて封印が解かれる。

 

ボニーの家に彼氏が訪れ、2人は愛し合う。

 

ロジャーとテリーの車のそばで咆哮が轟いた。ロジャーが銃の準備を始めるとテリーは殺す必要があるのかと言い始めて揉めだす。結局殺すことにした。

 

トロイはいとこのフィオナに発情期。盗撮を咎められた。

 

ロジャーとテリーがサスカッチを探していると背後からクランプスが現れて2人を殺した。その後クランプスはボニーの家に侵入し、彼氏を殺すと死肉を貪る。ボニーがそれを見て猟銃を発砲するもダメージはなし。

 

ボニーはデールの家に逃げ込んだ。すぐに警察を呼ぶ。

デールと両家の主人は銃を持って周囲の確認に向かった。ウィルはクランプスに腕をちぎられて死亡。デールは腹を裂かれて死んだ。
生き残ったデイビッドが車に乗って逃げることを促すが、母達は旦那の死を信じずに探しに出てしまった。その頃トロイは寝室でスマホに夢中。
祖母がクランプスに首をはねられて死んだ。

トミーはウィルの死体を発見。逃げようとした最中に母親がクランプスに腹を抉られて死亡。

 

デイビッドは生存者全員を車に乗せて逃亡。横に座ったビブと喧嘩して事故を起こす。この事故でビブが死亡した。
車を捨てて歩いて逃げることとなるがクランプスはすでにすぐ後ろまで来ていた。デイビッドが囮となって他の生存者を逃がす。デイビッドは首を引きちぎられた。

 

生き残ったボニー、トミー、フィオナ、トロイは近所に住むクープにトラックを借りようとする。しかし故障していて動かない。彼らは家に匿って貰った。彼は昔話を始める。クープは冒頭のトレジャーハンターの生き残りだった。トロイは話を聞いて召喚石をクープに見せる。

するとクープは一冊の本を持ち出してクランプスを倒す方法を考えた。クランプスを完全に倒すには地中に埋めるしかない。
近所の廃坑に誘き寄せ、ダイナマイトで埋めることにした。クランプスは石に引き寄せられる。

彼らは廃坑に移動し、ダイナマイトを設置した。逃げる段取りを考えているとクランプスが現れる。クープが自らを犠牲にし、ダイナマイトに火を着けた。

 

ボニー、トミー、フィオナは無事に廃坑から抜け出して警察に保護された。
はぐれたしまったトロイはクランプスの声を聞く。そこへ近寄ってみると、クランプスの赤ん坊のような生物が飛び出して彼の喉に飛びついた。

 

感想

作中の怪物「クランプス」とはクリスマスの日にサンタに同行し、悪い子供に罰を与える伝説の生物らしい。映画オリジナルの怪物ではなくて実際にヨーロッパ中部で語り継がれているそうだ。石の封印とかはオリジナル要素かな。

これを知らないで観たから何で舞台がクリスマスなのか、何でやけにサンタの話が出てくるのかが分らず見終わってすぐにググった。よく見たらアマプラのサムネイルにもサンタが写ってるね。気付かなかった。

本作は全体的に低レベル。予算がとても少ないんだろうね。クランプスの見た目はちょっと気合いの入ったコスプレイヤーレベル。壁に飾られたハンティングトロフィーはゴムマスク。死体は遠目で見ても作り物らしさ全開。

ストーリーはまあ置いといてクランプスの足の遅さをどうにか出来なかったのか。作中でクランプスが走っていたシーンは1つも無いんじゃないかな。歩いて追いかけてくるんだけどそれがまあ遅い。だからかクランプスの攻撃はいつも不意打ち。車が事故を起こさなければ映画は終わってたね。

この映画81分しかないのに尺稼ぎが露骨だし長い。せっかくならクランプスとプロレスでもしてくれれば良いのにクランプスのシーンは一瞬で終わり無駄な会話ばかり。尺稼ぎ用のキャラクターまで用意してて中だるみがヒドかった。冒頭のトレジャーハンターらへんは良かったんだけどな。

ブラック・ストーン 呪いの召喚石(字幕版)

ブラック・ストーン 呪いの召喚石(字幕版)

  • 発売日: 2020/06/12
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沼地に潜む化け物の正体は... 映画『吸血怪獣ヒルゴンの猛襲』ネタバレあらすじと感想

吸血怪獣ヒルゴンの猛襲

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:5/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:6/10

目次

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作品情報

1959年製作/アメリカ/上映時間62分

原題:Attack of the Giant Leeches

監督:バーナード・L・コワルスキー

脚本:レオ・ゴードン

製作総指揮:ロジャー・コーマン

音楽:アレクサンダー・ラズロ

出演:ケン・クラーク、イヴェット・ヴィッカーズ、ジーン・ロス、ブルーノ・ヴェソタ、ジャン・シェパード

あらすじ

ある男が酒場でこんな話をし始めた。沼地で化け物を見たんだ。俺は5発撃ち込んでやった。

後日男は死体で発見された。この事件を皮切りに次々と失踪事件が発生。保安官補のスティーブは事件解決を目指して奔走する。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

猟銃を持った男が水辺に立っている。水面にはビラビラのついた謎の巨大生物が。男が何発か銃弾を当てるとその生物は水中へと潜り込んだ。


荒くれもの達が集まるバーにセクシーなリズが歯を磨きながらやって来た。男達の目は釘付け。店主であり、リズの旦那であるデイブは急いで彼女を裏に帰らせた。

 

男達はレムの話を聞きたがった。彼は冒頭の猟師で、沼で起きたことを得意気に語る。化け物はタコのような見た目で腕が生えており色はグレー。沼で40年も密猟をしていたがあんなものは見たことがないと言う。男達は誰も信じやしない。

 

デイブはリズに尻に敷かれていると思われたくないと頼み込んだ。彼の抑制を押しきって彼女は外出。

 

保安官補スティーブが密漁者の設置したカワウソを捕る罠を回収。現行犯で逮捕したいが密漁者どもは沼地をよく知っていて彼に出来ることは罠の回収くらいだった。
周囲に悲鳴が響き渡る。スティーブは彼女のナンを車に乗せて声のする方に向かった。
声の正体はリズだった。傍らには血まみれのレムが。

 

後日、保安官はリズの証言を元に本件を事件性の無いものとし、ワニの仕業にしようとした。スティーブはそれに反論する。検視を行ったグレイソンによるとレムの死体はイカかタコに引きちぎられたらしい。スティーブは1人で捜査を続けることにした。

 

ティーブは早速グレイソンの話を聞きに行った。ナンは彼の娘。彼は酒場でレムが言っていた話が本当かもしれないと疑う。ただレムの打ち込んだライフル弾は非常に強力らしく、あれを受けて生きていられる生物はいないとのこと。もしかしたら複数体いる可能性がある。

 

ティーブはとにかく沼地をしらみ潰しに探すことにした。ナンを連れてボートを漕ぐ。この日は何も見つからず沼地を後にした。

 

リズは事件以降、デイブに店を売り払って街に引っ越したいと頼んでいた。デイブはそれを適当にあしらって商品の配達に向かう。彼が居なくなると外で見ていたカルがリズの元に向かった。

 

ティーブは捜査を辞めることにした。沼には何も居やしない。

 

カルとリズは沼のそばに車を停めていちゃついている。リズは長々と身の上話を始めた。その浮気現場にショットガンを持ったデイブがやって来た。彼は2人を逃がして追いたてる。やがて追いついた彼は沼の中を歩かせた。もう反省しただろうと上がらせようとしたその時、怪物が現れて2人を水中に引き込んだ。

 

後日、保安官立ち会いのもと現場検証が行われた。デイブは起きたことを全て正直に話したが死体も見つからず、怪物もいない。彼は2人を殺した罪で捕まった。その時の話の流れで2人の死体にはそれぞれ50ドルの賞金がかけれた。
留置されたデイブは檻の中で首吊り自殺。

 

ティーブは捜査を辞めることをナンとグレイソンに話した。グレイソンは沼地の化け物が見つからないことに関して1つの仮説を立てた。彼らは夜行性で昼間は現れないのではと。

 

賞金の話を聞いた男2人がボートに乗って死体探しを始めた。途中であることに気づく。この沼はワニが多く生息するはずなのに1匹も見ていない。
そんなことを話しているとボートは化け物によって転覆させられ、2人は洞窟に連れていかれた。そこには今までの犠牲者達が閉じ込められており、化け物に生きたまま吸盤で血を吸われていた。

 

保安官の家にスティーブとナンが訪ねて、行方不明者の捜索を頼み込む。

後日、保安官が指揮する捜索隊によって大掛かりな捜査が開始された。犬2頭も出動している。時間帯は夜だった。
結局何も見つからない。ただワニが1匹もいないのは不審だった。

 

グレイソンとスティーブ、ナンは話し合った。スティーブはダイビングで水中を探すことを提案。グレイソンはダイナマイトで死体を浮かび上がらせようとした。それをスティーブが生物保護の観点から止めた。

 

グレイソンは許可を取らずにダイナマイトを使うことに決めた。水深の一番深い場所までボートを漕ぎ、ダイナマイトを沈める。
爆発の前にスティーブがやって来た。彼は別にグレイソンを責めなかった。
爆発が起こると次々に行方不明者の死体が浮かび上がる。しかし、リズの死体だけは現れなかった。それもそのはず、彼女はまだ生きていて洞窟の中にいる。

 

ティーブは宣言通り、グレイソンとナンを逮捕しに向かった。検視を行ったグレイソンは話す。デイブは2人を殺していなかった。銃創が残っておらず、血液が一滴残らず吸われていた。他の死体に関しても奇妙なことがあり、水中に2、3日いたにもかかわらず溺れた形跡がなく、検視の最中に死後硬直が見られたという。
話を聞いたスティーブは水中洞窟の話を始めた。ここら一帯の水場は海水に削られて無数の洞窟を有している。もしかしたらリズは何者かにそこへ運ばれたのかも知れない。

 

後日スティーブはスキューバダイビングの道具を一式揃えて、他の保安官補が見守る中、沼に潜った。保安官はいまだに化け物を信じていない。
潜ったスティーブは早々に化け物と接触。用意していた銛で突いた。ボートに戻り2本目の銛を手に取る。
その頃リズは力尽き水面に浮上していた。
水中ではスティーブと化け物が揉み合いの戦い。船で待機していたダイバーであるマイクの助けがあり化け物を倒した。


しかし、化け物の死体は浮かんでこない。巣に戻って治療しているのではと考え、大量のダイナマイトを沼に投入。先程とは比べ物にならない程の水しぶきをあげ、化け物2体の死体を浮かび上がらせた。

感想

製作当時、怪獣映画が流行っておりそれに便乗したらしい本作は怪獣映画にしては陰湿すぎる作風。派手な戦いなど無く、サイズ感は一回り大きい人間って感じで人の血を吸う。しかも捕らえた獲物を洞窟に軟禁し、少しずつ吸血する陰湿さ。

中盤にはやけに長い三角関係パートが用意されていてとても子供向けとは思えない。因みに作中でヒルゴンと呼ばれることは一度も無いし、むしろタコと多く言われていた。血を吸うという生態だけはヒルに近いけどね。

本作一番の問題点は誰が誰だか分らなくなること。登場人物の紹介みたいなパートが一切無く、外見も似通っている。会話の中で知っていて当然みたいに聞いたことの無い名前が次々挙がる。そしてそれだけ増やされた登場人物がこれといった活躍をするわけでもない。

ヒルゴンの見た目は良かった。完全に着ぐるみだけどタコとヒルのハイブリットって感じで。色はグレーって作中で言及があるんだけどモノクロだから分らない。せっかくだしカラーで見たかったな。

吸血怪獣ヒルゴンの猛襲

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  • 発売日: 2020/07/24
  • メディア: Prime Video
 
吸血怪獣ヒルゴン/魔の谷(2 in 1) [DVD]

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  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: DVD
 

殺戮ボーイスカウト 映画『CUB/カブ-戦慄のサマーキャンプ-』ネタバレあらすじと感想

CUB/カブ-戦慄のサマーキャンプ-

コメディ度:3/10

グロ度:3/10

感動:2/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2014年製作/ベルギー/上映時間84分
原題:Cub

監督:ヨナス・フーファールツ

脚本:ヨナス・フーファールツ、ロエル・モンデレール

音楽:スティーブ・ムーア

撮影:ニコラス・カラカタニス

編集:マルテン・ヤンセン

出演:モーリス・ライテン、ステフ・アールツ、エベリン・ボスマンス、タイタス・デ・ヴーガット

あらすじ

カブスカウトのチームは地元民でも滅多に入らない曰く付きの場所をキャンプ地にした。訳ありの少年サムはそこで異様な光景を目にしたが、それを信じる者は誰いない...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

血だらけの金髪女性が仮面を被った子供に追われる。彼女は車の明かりを見つけて助けを求めた。しかしその明かりは車のものでなく、よく分からない機械が発しており、彼女は捕まった。

 

ボーイスカウトの少年サムは集合時間に遅刻して腕立て伏せ50回を課された。今日からみんな楽しみのキャンプが始まる。カブ隊の人数は住人ほど。

これから向かうキャンプ場には狼少年のカイと言う怪物が出るらしい。先週もカップルが失踪したと指導者のクリスとピーターは脅す。
途中で料理係の女性ヤスミンをのせ、一行はキャンプ場を目指す。


予約していたキャンプ場にはジャージを着たヤンキーが2人おり、バギーを乗り回していた。クリスとピーターが話しに行くが彼らは聞く耳を持たなかった。やがて取っ組み合いになるが諦めて森の奥へ。
ヤンキーの1人は奥に進むのを止めようとしたがもう1人がそれを制した。

 

車が川を越えたとき、水中にある仕掛けが作動。何者かが基地で侵入を感知した。

森の奥の開いた場所をキャンプ地とすることに。クリスは巡査のフランジュにキャンプ場が使えなかったと通報。
フランジュはすぐさまキャンプ場に向かい、彼らを注意するが軽くあしらわれた。
カブ隊が野営の準備をしているとフランジュがやってくる。道中仕掛けを踏んで帰り道は丸太で塞がれてしまった。
フランジュはクリスにここは昔バス会社があり、倒産した際に何人かが首を吊ったと警告をした。


サムがトイレ用の穴を掘っていると背後に仮面の子供が現れた。彼は急いでキャンプ地に戻り、カイが出たと言いふらしたが、誰からも信じられず嘘つき扱い。彼は森に逃げ出した。そこで木上にドーム状のツリーハウスを認める。
カブ隊のリーダーがやって来てサムを連れ戻す。

 

フランジュが来た道を戻ると丸太が転がっていて通れない。仕方なく迂回した先には廃車が。バイクを降りて調べていたら背後に男が現れた。

 

その晩、カブ隊はキャンプファイアを囲んで歌を歌い就寝。真夜中に仮面の子供が現れて太っちょの隊員をナイフで殺そうとした。

 

翌朝、集合がかけられると荷物検査が入った。どうやら指導者たちの荷物が盗まれたらしい。しかし、テントを漁っても何も出てこない。

 

サムは昨日見つけたドームの中に入ってみた。内部には盗まれたものが置かれている。
そこには望遠鏡が置いてあり、それを覗くとヤスミンのシャワーが見えた。そのせいで彼は朝食に遅れてしまう。ピーターから罰としてキャンプ地5周ダッシュが言い渡された。さらに犬まで放たれる。気づいたクリスは急いで止めさせた。

 

ヤンキーは今日もバギーに乗っていたが途中でガス欠。1人がカブ隊の車から盗むことに決めた。彼が歩いていると仮面の子供にカギを奪われた。呆然とするもカギはすぐそばの切り株に置いてあった。それを拾い上げるとトラップが作動。ピタゴラスイッチの様に矢が放たれ、蜂の巣を貫いてヤンキーの腹に突き刺さった。彼は吐血し、さらに蜂にも襲われる。

 

キャンプでは自由時間。各々自分の時間を楽しんでいた。
サムは缶詰を持ってドームに向かう。ドームには仮面の子供がおり、サムにナイフを突きつけた。サムが缶詰を渡すと彼はナイフを使って必死に缶を開け始めた。その後ろでサムは缶切りを使い、落ちていたドッグフードを開ける。子供とサムはナイフと缶切りを交換した。


男がヤンキーの死体を基地に引きずって運び込んだ。彼は死体を床下にある下水タンクに捨てた。


笛が鳴り響き夕食の時間。クリスがカイに扮してカブ隊の旗を奪う。カイから旗を奪い返すレクリエーションが開始。
サムはその途中、ヤスミンとピーターの交わいを見てしまう。ピーターの飼い犬ゾルタンがサムの手に噛みつく。その様子を子供が見ていた。

 

その晩、子供はゾルタンを盗み出した。そしてテントで眠るサムを連れ出す。
呼び出された場所は森の中。その木にはゾルタンの入った麻袋が吊るされている。子供は木の棒でそれを殴り始めた。サムはそれを止めてゾルタンを助けようとしたが、ゾルタンは救おうとしたサムにも吠える。さっき噛まれたこともあり、遂に怒ったサムは子供と一緒にゾルタンを滅多打ちにした。

死んだかと思い袋をあけると子供に襲いかかった。しかし彼はゾルタンの首に噛みついて殺してしまう。
ピーターがゾルタンを探してやってきた。子供は一目散に逃げ、サムはピーターに叩きつけられる。クリスがそれを止めに入った。

ひとまずサムを車に避難させ、何があったのかを聞き始める。騒ぎを聞き付けてヤスミンも集まった。サムがゾルタンを殺したと聞いた彼女はクリスに、彼が噛まれていたことを伝えた。
車の中でクリスがサムに話を聞く。
ピーターがヤスミンにサムの過去を話した。彼は以前、親からの虐待を受けていて、それを治すためにカブ隊に入れられていた。ピーターはその話を聞いて嫌がったがクリスが承諾したと言う。

サムは正直に起こったことを話したがクリスは信用せずに激昂した。
サムは車から飛び出して子供のもとに向かう。

クリスとヤスミンが二手に分かれてそれを追った。

 

クリスは捜索中、サムの証言通りのツリーハウスを発見。フランジュに電話をかけるが彼のスマホはその中にあった。

 

サムは子供の元に行こうとしたが途中で血痕を発見。辿ってみると廃車にたどり着いた。ボンネットを開けると地下に繋がる通路が広がっている。


ヤスミンが子供の鳴き声のするテントを発見。中にはいるとトラップが発動し、テントごと宙吊りになった。

 

サムのいる基地にトラップ作動の合図が響く。男と子供がいそいそと回収に出発。サムはバレないように横の部屋に隠れた。その中にはいくつもの死体が並べてあり彼は動じて物音を立ててしまう。
気付かれたサムは急いで地上に戻り、男から逃げる。
そこにクリスがやって来てサムを逃がし、男とタイマン。しかしあっさり負けたクリスは目にナイフを突き刺されて死亡。
その間、子供は宙吊りにされたヤスミンの元に行き、ロープを切ってテントごと落下させた。


サムがなんとかキャンプ地に着いたがそこには怒ったピーターが待っていた。彼は馬乗りになると何度もサムを殴る。
音に気づいた子供達がテントから出ようとするがピーターはお前らも殴られたいかとそれを制した。
サムは唯一の友人であるドリスに逃げろと伝える。
子供達は逃げようとしたがリーダーがそれを止めた。するとそこに男の乗った車が突っ込み、テントにいた子供全員を引き殺した。ドリスとリーダーは外に出ており無事。

サムが囮となり、ドリスがその隙にガソリンタンクに穴を空けたことでキャンプファイアに突っ込んだ車は爆破。

 

ピーターはその頃、森に逃げていたがトラップに引っ掛かり大木に足を挟まれた。そこをサムが発見し、助けようとしたが別のトラップが作動してもう一本の大木が倒れ、ピーターは潰されて死亡。

 

サムはヤスミンを探しに行く。ヤスミンは地下室に吊るされており、子供に遊ばれていた。
サムが助けようとナイフをもって向かっていったがすぐに馬乗りにされ、持っていたナイフで刺されそうになる。ヤスミンがボタンを押して下水タンクのドアが開いた。サムは力を振り絞って子供をそこに突き落とす。

サムとヤスミンが2人で脱出しようとすると男がやって来た。彼は先程の爆破で死んでおらず、全身やけどの生々しい姿をしている。


男は吊るし上げたヤスミンを痛め付け、サムに止めをさせとナイフを渡した。生き残れるのはどちらか2人だと。サムは決心してヤスミンに向かっていったが、目を覚ました彼女に蹴られて下水タンクに落ちた。
タンクには梯子がかかっており、登ろうとすると子供が足に手を掛けた。
2人は敵対し、殴りあう。男は面白がってそれを見ていた。そして彼は1本のナイフを投げ込んだ。
熾烈な殺し合いの末、勝ち残った少年は仮面を着けていた。

 

ヤスミンは隙をついて拘束をほどき、逃げ出す。
ここからオープニングに戻る。
捕まったヤスミンは男の手によって杭の出た木に突き刺された。
男は子供にナイフを渡し、止めをささせる。
ヤスミンが子供のマスクを外すと正体はサムだった。彼はヤスミンの腹に何度もナイフを刺し、男の元に戻る。男は何も言わずマスクをサムに着け直した。

 感想

なんかもやもやした映画。原因は生き残りのメンツと殺し方かな。

本作の生き残りはサム、ドリス、カブ隊のリーダー、ヤンキーの片割れ、男。サムと男は最後まで画面に映るけど他の生存者のその後は分らない。森には大量にトラップがあるから死んでるかも知れないね。

殺し方なんだけどトラップと男が半々って感じ。このトラップが即死の物と捕らえるのが目的な物の2パターンあって、男の目的がまるで不明。即死のトラップはピタゴラスイッチみたいに作動するんだけどまあ意味ないよね。糸に掛かると玉がコロコロ転がり始めて作動する感じ。他にもバスに座らされている死体があったりする一方、下水タンクに捨てられている死体もあって意図が読めない。

サムが最終的に悪の道を進むのは良かったな。筋が通ってるし偽善的じゃなくて共感が出来る。犬を殺すシーンもね。ただ最後に男も殺して欲しかったな。

CUB/カブ-戦慄のサマーキャンプ-(字幕版)

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