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塩で干からびるゾンビ 映画『死霊が漂う孤島』ネタバレあらすじと感想

死霊が漂う孤島

コメディ度:5/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:4/10

目次

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作品情報

1941年製作/アメリカ/67分

原題:KIng of the Zombies

監督:ジーン・ヤーブロー

製作:リンズリー・パーソンズ

音楽:エドワード・J・ケイ

撮影:マック・ステングラー

編集:リチャード・C・クーリアー

出演:ディック・パーセル、ジョーン・ウッドベリー、マンタン・モアランド

あらすじ

諜報員のビルとその従者ジェフは行方不明になったウェインライト海軍大将を捜索すべく、マックの操縦する飛行機に乗ってカリブ海に向かった。嵐で遭難しかけ燃料が無くなった機体はすぐそばの島に不時着。3人は現地に住むサングレ博士の屋敷に招かれるが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 


諜報員のビルとその従者ジェフ、パイロットのマックが乗る飛行機が航路を見失った。この空域では前にも海軍の飛行機が消えており、彼らの任務は行方不明になったウェインライト海軍大将の捜索。ある孤島から急に無線が入った。何を言っているのかは分らないが、燃料が少なくなったこともあり孤島に不時着することに。


飛行機は墓に落ちた。先住民を探すと太鼓の音が聞こえる。
歩いていると一軒の屋敷に出た。カギがかかっておらず勝手にはいると、ウィーンから来たというサングレ博士が迎えた。彼の横にはモンバという怪しげな召し使いがいる。彼は墜落をすでに知っており、書斎に招いてブランデーをご馳走した。先の墜落で頭から血を流すマックにこの島には悪霊が漂っており、怪我人を食うと脅す。3人が無線の事を訪ねると、島にラジオ局はないので聞き間違えでは無いかとのこと。


ビルとマックに部屋を用意した。ジェフは彼の屋敷に住む使用人がいる台所に案内される。そこにはゾンビがいた。他の使用人サマンサとタハマが言うにはこの島には大量のゾンビがいるという。ゾンビは食料を求めてここに来る。サマンサが手を鳴らすと続々とゾンビがやって来た。
ジェフがビルに台所で見た光景を報告していると、サングレ博士がやって来た。博士はそんなものいないと台所を案内。サマンサもタハマもそんなものいないと言う。
彼らが去った後、ジェフはもう一度尋ねた。サマンサは博士とあまり関わるなと警告。ゾンビについて隠しているとのこと。


ビルとマック、サングレの元にサングレ夫人がやってきた。彼女は精神病で心がどこかに行ってしまったという。姪のバーバラを紹介された。彼女はこの地を嫌っている。
そのころジェフは召し使いと一緒に皿洗いをさせられていた。そこにモンバがやってきて12時”魔女の時”を告げた。寝ないと悪霊に襲われるとのこと。彼らは黒人の肉が好きだと脅した。彼らは自室に帰っていったが、モンバはジェフに台所で寝るよう言った。何を見聞きしても無視しろと一言添えて。
蝋燭を6本用意して寝ようとしたが12時を告げる鐘と共に一本ずつ消えた。そこにゾンビが現れてジェフを襲う。
ジェフはビルの元に駆けつけた。そこにはマックとサングレもいる。話を聞いたサングレはゾンビが人肉を食うことはないと言った。召し使いを部屋に寝かすのは他の召し使いに示しがつかないと言うサングレをビルが説得。ジェフはビルの部屋で寝ることとなる。


静かになると発電機の音が響いた。しかし、回りに電気を使うものなどない。マックはやはりラジオ局があるのではと疑う。
その晩女性の霊が現れた。ジェフだけが目を覚ましており、壁をすり抜けるのを目撃。彼は二人を起こす。初めは信じていなかったが、ベッドに落ちていたイヤリングを見て信じた。さらにドアノブがひとりでに動いたので、ビルとマックは原因を探す。
ビル1人とマック、ジェフの2手に別れて屋敷を捜索することに。


ビルは書斎に入るバーバラを追う。彼女は隠れて催眠術の本を読んでいた。ビルが話しかけると彼女はこの島に来てからサングレ夫人の様子がおかしくなったと証言。さらに彼女はサングレがどこかに通信しているとも言った。


マックとジェフは台所に向かった。そこにはゾンビが。マックが襲われて再度頭を怪我する。


翌朝、ビルがバーバラと話しているとサングレが夫人を連れて登場。夫人のイヤリングはこの世に二つとない代物だと言うが、ビルのポケットには昨日ベッドに落ちていた同じものが入っていた。
ビルとマックは飛行機の修理に向かう。道中、墓が掘り起こされているのを見たがビルは気にしない。飛行機を確認すると計器が何者かに壊されていた。

マックは発信機を探し、ビルはバーバラに話の続きを聞くことに。


その頃サングレは隠し扉のなかを通って祭壇に向かった。そこにはウェインライト大将が座らされており、タハマが儀式を行っていた。太鼓が鳴らされ、タハマは呪文を呟く。
そしてサングレはその前を通り通信機で発信。


ジェフはサマンサの焼いたパイを食べながら雑談を楽しんでいた。昨夜のゾンビは彼女の元カレだそう。
そこにビルがマックを探しにやって来た。彼はジェフに銃を用意しろと言う。ビルの部屋に行くとサングレがおり、カバンを漁っていた。彼は寝室の隠し扉を開けてジェフを地下室に案内。ジェフが帰ってこないのでビルが寝室まで捜しにくる。モンバが部屋にいて、鞄の銃はなくなっていた。
ジェフはサマンサに自分のことをゾンビだと思うようになる催眠術をかけられた。


ビルがジェフとマックを捜していると、マックがふらふらしながら屋敷に戻った。サングレ曰く彼の症状はこの島特有の熱病だという。サングレは私の手には余ると言い、クイル医師を呼んだ。医師が到着した頃にはマッカーシーはこと切れていた。

 

サングレに無線機から大将の声を聞かせろと連絡が入った。タハマが儀式に向かい、ゾンビの餌やりはサマンサに任された。
サマンサが拍手するとゾンビに加わったジェフがゾンビを引き連れてやって来る。用意された料理を食べるが塩気がない。サマンサによるとゾンビは塩をかけられると干からびるそう。それを聞いた彼は自分がゾンビでないと分かり、催眠が解かれた。さらにゾンビは鏡に写らないという。
ジェフは正気を戻して寝室にいたビルと合流。叫び声を聞いて地下に向かった。そこにはサングレ夫人の死体が棺に入れられて転がっている。
別の部屋から太鼓の音がする。サングレと原住民が儀式を行っており、バーバラに大将の記憶を移そうとしていた。そこにはマックのゾンビも参列している。
ビルとジェフが覗いているのがサングレにバレた。彼はゾンビをこちらにけしかける。ビルはゾンビとなったマックにお前の友達のビルだよと語りかけた。マックはゾンビでありつつもビルのことを思い出し、サングレににじりよった。サングレは後ずさりし、祭壇にある火の入った穴に落下。


大将は彼らと同じく、通信を聞いてこの島に来ていた。サングレは大将を拷問して政府の防衛対策方法を聞き出そうとしていたが失敗し、ブードゥーの術霊媒の儀式で口を割らせようとした。始めに夫人を使おうとして失敗、次にバーバラを使おうとした。彼は島の住民の約半数に催眠術をかけて手中に納めていたという。

感想

ゾンビと食人を結びつけるような発言が初めて登場した作品では無いだろうか。本作は喜劇であったためにジョークとして発せられた言葉であったが、実際に食人シーンを映していればゾンビ映画に関する歴史は大きく変わっていただろう。ただ本作は1941年の作品。ヘイズコードを恐れて、発想はあったものの実行しなかったのかも知れない。

ゾンビが塩をかけられると干からびる、普通にご飯を食べる、鏡に映らない等のユニークな設定が生み出されているが他の作品でこの設定が使われているのを見たことが無い。本作でも塩と鏡の設定は描写されることは無かったけど。

ラストでゾンビと化したマックがビルの呼びかけに応じてサングレに反乱するのだが、ゾンビが主の言うことを聞かなくなるのも本作が最初と思われる。新しい取り組みが散見する作品なのだが後のゾンビ映画に与えた影響は少なく思える。後続のクラシックゾンビ映画にこれらが活かされることは無かった。

 

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