映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

南米でしか作れないもの 映画『スナッフ/SNUFF』ネタバレあらすじと感想

スナッフ/SNUFF

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:1/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1975年製作/アルゼンチン・アメリカ/上映時間80分
原題:Snuff
配給:ジョイパックフィルム

監督:不明(マイケル・フィンドレイ、オラシオ・フレドリクソン、Simon Nuchtern)

脚本:不明(マイケル・フィンドレイ、ウォルターE.シアー)

製作:不明(ジャック・ブラブマン、アラン・シャクルトン)

撮影:不明(ロベルタ・フィンドレイ)

音楽:不明(リック・シャクルトン)

出演:不明(マルガリータ・アムチャステギ、ティナ・オースティン、アナ・キャロ、ブライアン・ケアリー、リリアナ・フェルナンデス・ブランコ、マイケル・フィンドレイ、ロベルタ・フィンドレイ、エンリケ・ララテッリ、ミルサ・マッサ)

あらすじ

 田舎の廃墟を拠点とするカルトがあった。信者の女性らはサタンと名乗る男を崇め、彼の指示なら何でも聞いた。サタンには何人もの殺したい相手がおり、信者を次々と送り込むが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

サタンと呼ばれる男が仕切るカルトが田舎の廃墟を拠点にしていた。信者は全て女性。

信者の女性2人はヤクを切らし、信者でディーラーのアンナから奪おうとした。アンナが逃げ、1人が発砲。左肩に着弾しアンナは気絶した。

アンナに足枷を嵌め、女は彼女の足の指を切りつける。その様子を眺めながらサタンは「お前たちは俺がいなければ生きられない」と語りかける。

罰を終えた後、女は布切れと注射器を持ってアンナを治療した。

 

リオデジャネイロの空港。トイレで用を済ませた男性の背後に女性が近づいたと思うと、持っていたナイフを腹部に突き刺した。次いで首を切りつけると慌てて逃げ去っていく。

 

同じ頃、空港には映画プロデューサーのマックスと彼の専属女優テリーが空港に降り立った。マスコミをやんわりとかわして車に乗り込み、マックスの屋敷へ。テリーはマックスに隠れホーストに電話し、遊びの約束をする。テリーとホーストは両思いだが、仕事の都合で離ればなれとなっていた。ホーストにはアンジェリカという愛人がいる。ホーストはボートに乗ってテリーを迎えにきた。

 

ホーストが外出している間アンジェリカは川でサタンと密会。彼女は彼の命令でホーストの屋敷に忍び込んでいた。目的はホーストとの子供を創ることらしい。だがテリーが現れたのでその必要は無くなった。カルトの目標はマックスを殺すこと。他の信者2人も川に飛び込み、4人は川遊びを始める。

 

テリーはホーストと性交。そこにマックスから仕事の電話がかかる。彼女はホーストに引き止められたが仕事だからと嫌々家を出た。

 

テリーが妊娠。ホーストの屋敷に住むこととなり、アンジェリカは追い出される。

 

テリーはマックスに妊娠のことを謝った。マックスはそのことは後で考えようとテリーを連れてカーニバルに繰り出す。喧騒のなか酒を飲んでいるとテリーが1人の男に連れ出された。男の正体はホーストで、別室に連れ込んで性交。残されたマックスはひとり酒を飲む。途中で立ち上がり、暗がりに入るとアンジェリカが待ち伏せしていた。彼女はナイフをマックスに振り下ろす。

 

翌朝テリーは警察から取り調べを受けた。昨夜はマックスの他に6人もナイフで背中を刺され死亡したという。

取り調べを終えたテリーはホーストにそそのかされ彼の別荘へ。ところが予定よりも早く父親が帰宅していた。彼の父は武器商人であり、テリーは難色を示した。ドイツ製の銃をユダヤ人に売っているなどと話しているとサタンとアンジェリカが割って入った。2人はアンジェリカの荷物を取りに戻っただけだったが、サタンはその話を聞き逃せなかった。父と口論になり、2人は追い出される。

 

昼下がりカルトの女達が商店へ強盗に入る。店主を拳銃で脅し金を詰め込んでいたが、車が店の前に止まった。女達は外に出ると乗っていた母子を射殺。そこに店にいた客の男が立ち向かった。男の撃った弾が一味の1人に命中。男は投げナイフに刺されて死亡した。

 

唐突にアンジェリカの過去が語られる。農場主ルイスに雇われ住み込みで働き、ときに犯されていた。ある日、父親がルイスを殺そうとしたが返り討ちにあった。父親の手首を切り落とされ、見せしめに吊るされる。後日弟が父の復讐を果たした。それ以来アンジェリカは誰かに依存する生活を送ってきたという。

 

ホーストは友人アントニオと屋敷で飲んでいた。彼の妻はとんでもない尻軽で、誰とでもヤるという。ホーストは早速使用人のベッドでおっ始めた。アントニオはそれを覗き見ている。

敷地にカルトの一味が侵入。アントニオと妻は殺され、ホーストは木に縛り付けられた。体を鞭で打たれ、股間を切り取られる。

 

一味は屋敷に入り込んだ。テリーはホーストの父と一緒に昼寝をしている。眠っているテリーにアンジェリカは口づけをした。テリーは目を覚まし、この状況に驚いた。ホーストの父は拳銃を突きつけられ命乞いする。

 アンジェリカはテリーにホーストの子供を身籠っているか尋ねた。いるわと答えるとアンジェリカはテリーの腹に包丁を突き刺した。

 

 

突然画面が切り替わり撮影風景に。カットがかかり監督は女優をべた褒め。興奮してるからここでヤろうと女優を誘った。みんなが見てるという女優に対し監督は、すぐに居なくなるさとベッドに押し倒す。2人がキスしているのをカメラは撮影していた。それに気づいた女優は声を荒げて反抗。監督は女優を押さえつけ「これから決定的瞬間だぞ」と言いながらナイフをちらつかせた。そしてそのナイフで肩口をザックリと切りつける。次いでニッパーで指を切り落とした。

スタッフに体を押さえさせると電動のこぎりで右手を切断。その後ナイフで腹を切り裂くと腸を掲げて雄叫びを上げる。ここでフィルム切れが起こりEND

感想

この作品は日本で初めてR-18指定された海外映画として有名だが、ラスト4分の映像以外について誰も話そうとしない。内容があまりにもお粗末だからだ。

本作がヒットしたのは時代のおかげだとしか言い様がない。当時アメリカでは南米から殺人フィルムを密輸しようとしていた男が捕まっており、殺人フィルムに対しての関心が高まっていた。

そもそも”スナッフ”は元々別な作品として公開されるはずだった。冒頭から始まる映像はフィンドレイ夫妻が1970年に製作した”スローター”という作品だ。本作の出来はヒドく映像はお蔵入りに。英語が喋れない俳優もいたため音声はアフレコで後付けしたらしい。

ところが出資者のアラン・シャクルトンは諦めなかった。南米の殺人フィルムが話題になるとすぐさま便乗し、エンドクレジットを全カットして例のラストシーンを追加。南米から来た殺人フィルムとして売り出した。映画館の前には”殺人は娯楽でない”と公開を反対する人々が列になっていたが、全てシャクルトンが雇ったサクラ。彼によって人々は騙され、本作は大ヒット。ただラストシーンの出来もあまり良くない。当時ウキウキで鑑賞した人には心底同情する。

公開までの背景を知って鑑賞すると劣っている箇所も面白く思うのだが、やはり退屈な作品であることに変わりない。スロートのパートは不要なのではとすら思えてくる。演技はデタラメでストーリーは投げっぱなし。シャクルトンの広告方法はあんなにも天才的だったのに、なぜ彼はこんな作品に出資したのか不思議でたまらない。

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