映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

特殊メイクだけでも一見の価値あり 映画『ザ・ヴォイド 変異世界』ネタバレあらすじと感想

ザ・ヴォイド 変異世界

コメディ度:1/10

グロ度:8/10

感動:2/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:10/10

目次

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作品情報

2016年製作/カナダ/上映時間90分
原題:The Void
配給:彩プロ

監督・脚本:ジェレミー・ギレスピー、スティーブン・コスタンスキ

製作:ケイシー・ウォーカー、ジョナサン・ブロンフマン

製作総指揮:トッド・ブラウン、デビッド・ワトソン、ジェームズ・ノーリー、スティーブン・ヘイズ、ピーター・グレアム、ロス・M・ディナースタイン、ジェレミー・プラット、ミック・フォーシイ、ロン・モルナー

撮影:サミー・イネイヤ

美術:ヘンリー・フォン

音楽:ブリッツ//ベルリン

編集:キャム・マクラクリン

出演:アーロン・プール、ダニエル・ファザーズ、キャスリーン・マンロー、エレン・ウォン、アート・ヒンドル、ケネス・ウェルシュ

あらすじ

保安官ダニエルはパトロール中に発見した血まみれの男を病院に連れて行く。しかし病院では看護師が暴走、そこに銃を持った中年男と斧を持った若者が乱入。さらにナイフを手にした白装束のカルト集団までやってきて...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

家から男女が2人が飛び出した。彼らは2人の男性に追われており、必死に逃げている。女は撃たれて倒れてしまった。2人の男は辛うじて生きている女にガソリンを撒いて火を放った。

 

深夜に森の付近を保安官ダニエルがパトロールしていると先程の逃げた男性ジェームズが飛び出てきた。保安官は保護して別居中の妻アリソンの勤める病院に運ぶ。以前ダニエルとアリソンの間に子供が出来たが流産してしまった過去がある。

 

病院に着き、ジェームズをパウエル先生に引き渡した。

ジェームズは気を失っており回復を待っていると突然、看護師の1人ベバリーがおかしくなった。急に患者の眼球にハサミを刺して殺したのである。それを見たダニエルは即座に銃殺。彼は殺人のショックで吐き、気絶してしまう。


そこに州警察のミッチェルがジェームズを探してやって来た。彼には大量殺人の容疑がかけられている。薬物の常習犯であり、ベバリーがおかしくなったのはジェームズから何かの薬を渡されたからだと推測していた。


ダニエルはひとまず署に連絡するが、電話も無線も繋がらない。車の無線を試していると白装束を纏い、顔を黒い三角の書かれた布で覆った人間に遭遇。声をかけるとナイフでジェームズの肩を刺した。ダニエルはなんとか病院に戻る。応急処置のかいありダニエルは復活。白装束らは数を増やし病院を囲んだ。


外に気を取られていると、建物内で悲鳴が響く。ジェームズは手術室に手錠で繋がれていたのだが、その部屋にはベバリーの遺体も置かれていた。ベバリーの遺体は変容し、触手の生えた肉塊となってジェームズに襲いかかろうとする。ミッチェルとダニエルでジェームズを救出。

 

ロビーに病院内の全員を集めていると冒頭の男2人が銃を構えて入ってきた。
ジェームズはその場にいた妊婦マギーを人質に取る。止めに入ったパウエルは彼の持っていたメスに首を刺されて死亡。阿鼻叫喚となっている最中、化け物と化したベバリーがやって来てミッチェルを別室に引き摺り込んだ。ミッチェルは目に触手を刺されて絶命。二人の男とダニエルが退治に向かった。ベバリーから脳みそのような構造体が生えてきて、それを撃ち抜く。銃と斧による攻撃で何とか退治。
男2人はジェームズを引き渡せという。彼らは親子であり、息子は以前喉を切られており、喋れない。彼らは何かを知っている様子で、中にいる人々もろとも建物を燃やそうとした。それをダニエルがなんとか止める。


全員は事務室に避難した。しかし、妊婦であるマギーの状態が危険。アリソンは薬品室に行く必要があると言った。ダニエルは絶対に1人で行くなと告げる。ダニエルが代わりに医薬品室に行こうとするが武器がない。ダニエルは親子を説得し、パトカーにあるショットガンを取りに行った。

 

白装束達の姿はなく、パトカーには容易に到達できたがショットガンのカギがなかなか外せない。モタモタしているうちに白装束が増え、彼らにナイフを持って襲いかかった。ショットガンで応戦しつつ何とか病院に到着。


そのころマギーの様態はさらに悪くなる。アリソンは言い付けを破って1人で医薬品室に向かった。薬を物色してる最中、後ろから死んだはずのパウエルが近づく。


1人で行ってしまったと話を聞いたダニエルは親子の父親を連れてアリソンを探す。
道中、院長室でパウエルから電話がかかった。「喪失感は人を駆り立てる。娘を失って私は変わった。だが、正す方法を見つけた。私は君たち全員を救う。」
父はその間に写真と手帳を見つけた。写真には死体と白装束達のシンボルである黒の三角が写っていた。


親子とダニエルはジェームズに拷問を行い情報を聞き出す。パウエルは森にある古い農家にジャンキーを集め、セックスを見物した。彼はカルト教団の教祖で生け贄と称し、殺人を繰り返していたという。彼がパウエルを殺したのは悪人と知っていたからだった。


彼らはジェームズを引き連れて病院の地下を目指す。階段には引き摺られたような跡が残っていた。インターン看護師キムは地下が一階までしか無いと言うが、階段は続いている。ジャンキーを先頭に立たせ、先に進ませた。

 

アリソンが手術台で目を覚ます。麻酔のせいか体は動かせない。パウエルは彼女に自分の変身を見せると告げた。

 

地下二階には農家と同じ魔方陣が刻まれていた。黒い三角の書かれた部屋を見つける。彼らは恐る恐る中に入っていった。


パウエルはアリソンに話した。「人は死ぬと変身する。私は生と死から人を解放する。はじめはうまくいかなかった。失敗作は今も地下室にいる。」言い終えてこちらを向いたパウエルの顔は皮膚が剥がれていた。次いでアリソンに掛けられたシーツを剥がすと、彼女の腹部には何かしらの生命が宿っており、しきりに動いていた。

 

地下二階の部屋には失敗作が立ち並んでいた。奴らは死にたくても死ねず、自殺を繰り返している。やがて一行に気付き、襲いかかって来た。この際ジェームズは失敗作の一体に頭を床に打ち付けられ死亡。

 

病院の地上ではマギーが破水。手術経験の無いキムが帝王切開を試みる。ためらうキムをマギーの祖父が説得。しかし、マギーは信者の1人だった。祖父を殺すとキムを追う。


地下室で父親が幻覚を見て息子を襲った。昔住んでいた家の様子が広がる。彼の妻は彼が留守にしたときに死んだようすで、そのとき助けなかった息子を恨んでいた。息子は首を絞められたが、持っていた発煙筒を父の腹部に押し当てた。それにより父は正気をとりもどし、謝罪する。

 

ダニエルは手術台に乗ったアリソンを見つけ出したが、すでに変身している。どこからかパウエルの声がする。「アリソンが死産した夜、君は嬉しそうな顔をしていた。」ダニエルは躊躇いつつ、何度もアリソンだった物に斧を振り下ろした。

いつの間にか後ろにいたマギーがダニエルの背中をナイフで刺す。
パウエルが姿を表した、全身の皮が剥がれており、まるで悪魔のような様相。横には白装束の信者が立っている。今日、信者が集まったのはパウエルの娘サラが復活するからであった。壁にある異質な三角の前で儀式が行われ、マギーの腹から巨大な化け物が生まれた。それは四足歩行で歩きだし、信者を踏みつけた。

そこに親子が割って入る。銃で撃つと他の部屋におびき寄せた。父が捕まり、触手ではらわたを抉られる。彼は自身に燃料をまき、息子に火をつけさせた。

 

ダニエルは力を振り絞りパウエルに斧を振りかざす。しかし、生死を超越したパウエルにそんなものは効かない。ダニエルはパウエルに突進し、自分もろとも三角の異空間に吸い込まれていった。2人が消えると三角も跡形なく消えた。

 

燃えたと思った赤子は生きており、息子が追われる。彼が必死に逃げると病院地上階の壁に出た。散策し、キムと合流。

 

ダニエルと元の姿のアリソンは黒いピラミッドが立ち、暗雲立ち込める異空間(変異世界?)に飛ばされていた。呆然と景色を見つめ、二人は固く手を繋ぐ。

感想

僕が求めていたのはこれかも知れない。そう思うほど本作を気に入った。

作品情報を調べていて監督・脚本がジェレミー・ギレスピー、スティーブン・コスタンスキであることに気がついて合点がいった。僕は彼らの作品「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」が大好きなのだ。気づけて良かった。ブログ始めて良かった。普段監督名とか気にしないからね。

何が良いかというとまず、序盤の流れが最高。身元不明男性保護→看護師暴走→白装束のカルト集団が建物を囲む→看護師が化け物と化す→銃を持った親子乱入、これ、何が起こるか分らないライブ感が凄まじく、休む時間を与えない。特に看護師が患者を刺すシーンは本当に脈絡がないので驚いた。その後看護師が変異するのも同様。そしてこの造形がおぞましく、素晴らしい。

ここで既に作品に引き込まれているわけだがここから先も緩まなかった。次々に奇想天外なことが起こり、謎がどんどんと解けていく。

終わり方も僕は好きだ。賛否両論ありそうだが。

本作は主人公ダニエルの情報量が観客と同じだから共感しながら観ることが出来る。さらにダニエルは微妙に頼りなく、キャラクターに愛着が湧いた。しかし愛着が湧くのはダニエルだけではない。どのキャラクターも訳ありで、存在感が強く、そこに居る理由が用意されている。

この作品の花形はやはりクリーチャー造形だろう。特殊メイクを駆使して作られたクリーチャーは一体一体個性があり、観ていて飽きない。なんと説明すればよいか、遊星からの物体Xサイレントヒルが合わさったような悪夢みたいな見た目で、ぎりぎり元が人間であったと分るような絶妙な塩梅。それがぬるぬる動いて襲いかかるんだから堪らない。カルト集団も不気味で良い感じ。ただ逃げられないように立っているだけってのも何かゲーム性があるよね。

グロテスクでアンモラルな内容だから人には勧められない。けどそれがこの作品の良さだと思う。

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 また別角度でぶっ飛んでる監督の過去作↓↓

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