コメディ度:1/10
グロ度:1/10
感動:1/10
リアリティ:4/10
人に勧めやすいか:5/10
満足度:5/10
目次
2017年製作/アメリカ/上映時間92分 監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ 製作:デビッド・カプラン、アンドレア・ロア 製作総指揮:ジョエル・エドガートン 撮影:ドリュー・ダニエルズ 音楽:ブライアン・マコンバー 美術:カレン・マーフィ 編集:トレイ・エドワード・シュルツ、マシュー・ハンナム 出演:ジョエル・エドガートン、クリストファー・アボット、カルメン・イジョゴ、ケルビン・ハリソン・Jr.、ライリー・キーオ、グリフィン・ロバート・フォークナー 感染症が蔓延した世界。ポール一家は森の深くに住んでいたことによってなんとか免れてた。一家が生活する家にある夜、男が侵入する。 以下ネタバレあり 老人バドが感染症に罹り病床に伏している。娘のサラがバドに別れを告げると、その旦那ポールが枕を顔に押しつけて拳銃で射殺。 感染したバドの遺体をポールとその息子トラヴィスが埋葬した。サラは、バドを殺害する一部始終をトラヴィスに見せたことでポールを責める。しかしポールは、みせる必要があると返した。 その夜。ポールの家に侵入者が入ろうとする。玄関のドアを何者かが破ろうとしていた。その音に気付いた3人はガスマスクをつけて銃を構え、玄関へ移動。入り込んだ侵入者を殴って気絶させたポールは、男が感染している危険性を危惧して樹木に結びつけた。 意識が回復した男にポールが話しかけた。男はウィルと名乗り、自分にも家族がいると告白。家に侵入したのは誰もいないと思ったからと答えた。水や日用品が底をつきそうだったので80kmもの距離を歩いてやっとたどり着いたという。1週間前から廃屋で息子、妻と暮らしており、その前は130km離れた兄の家に住んでいた。嘘を言っているとも思えず、さらに「ヤギを2頭、ニワトリを6頭、飼育している。取引しないか。」というウィル話は魅力的だった。 ポールはサラと相談。この場所を知られたからにはタダで生かしてはおけない。ウィルの家族が感染していないのであれば、人が多いほうが有利だと考えてポールはウィルの一家を家に招こうと決めた。 ポールはウィルをトラックに乗せて、その場所に案内させる。森を移動する最中、トラックのタイヤが何者かによって狙撃された。ポールは車の下に避難し、近づいてきた狙撃手を射殺。もう1人の襲撃者をウィルが馬乗りになって殴っていると、ポールがウィルをどけて同じく撃ち殺した。ウィルは情報を聞き出せたかも知れないのにと呆れる。死体をチェックし、タイヤを修理して移動を再開。 数日後、トラヴィスが不安そうに父の帰宅を待っているとトラックが一家を乗せて帰ってきた。ウィルとその妻キム、幼い少年アンドリューは今日からポールの家で一緒に暮らすこととなる。 ポールは共同生活のルールを説明。中でも念を押したのは玄関の鍵を必ず閉めること。 ウィルとキムは、ポールとサラに仕事を教わる。汚水のろ過や蓄電、たきぎを集める作業などやらなければいけないことは多くある。しばらくは平和な暮らしが続いた。 トラヴィスはバドが殺されるのを見てから毎晩悪夢を見るようになっていた。この日も夜這いを仕掛け来たキムが口から黒い液体を垂らす夢を見る。すっかり目が覚めた彼は階下に降りた。階下には同じく目を覚ましたキムがおり、トラヴィスはキムと話す。キムはしばらく前から不眠症だと言い、共有の話題でしばらくは盛り上がったがトラヴィスがしきりに胸を見ていたことがバレ、微妙な空気になり会話が終わった。 翌朝、薪割りをしていると飼い犬のスタンリーが吠えはじめて森に駈け込んで行ってしまった。トラヴィスはスタンリーを追いかけるが、スタンリーの吠える声が急に止み、何か他の音を聞いた。ポールは1人で森に行くな、犬は自分で帰ってくるとポールを止めた。 夜になっても、スタンリーは帰って来なかった。トラヴィスは病んだイラストを描き殴る。その様子に心配したポールは明日一緒に探そうと慰めた。 ポールはウィルと酒を飲んで話をする。その際にウィルは自分がひとりっ子だと発言した。以前、ウィルが兄の家にいたと聞いていたポールは発言の矛盾を指摘。ウィルはキムの兄の家だと説明したが、不信感が募る。 真夜中。 夢を見て起きたトラヴィスは、バドの部屋にアンドリューが寝ているのを見つけて起こした。アンドリューはなぜここに居るのか分っていない様子。トラヴィスは両親のベッドに戻してあげた。 その後、見回りをしていたトラヴィスは、何者かがドアを開けようとしているのに気付く。急いで両親を起こした。ポールが玄関に向かうとスタンリーが入り込んでいた。スタンリーは感染しており、ポールとウィルで埋葬。 同時に犬への感染ルートが分からないので家のなかに病原菌が入りこんだ可能性があるとポールが警戒。 ポールはなぜドアが開いていたのか、トラヴィスに質問した。トラヴィスは、気づいたら開いていたと言い、アンドリューが祖父の部屋に寝てたこと、ウィルたちの寝室へ送っていったことを報告。 アンドリューにドアを開けたかと聞くと覚えていないと返した。ポールはアンドリューが夢遊病で外に出ていたのではと疑う。ウィルがアンドリューの身長では鍵に届かないと反論。 2つの家庭は互いに、感染しているのではないかという疑心暗鬼に陥った。ポールはウィルに、両家の接触を控えようと提案。 ポールはトラヴィスに、アンドリューに触れたかと質問し、シャワーを浴びるよう命じた。 夜中にウィルらが出ていくという話をしているのを聞いたトラヴィスは、ポールに伝えた。ポールはそれを聞き、アンドリューが感染したのだろうと疑う。部屋から出ると確かにアンドリューの泣き声が響いていた。ポールとサラはマスクをつけ、銃を持ってウィルたちの部屋に向かった。 部屋を開けろとポールが叫ぶと、アンドリューが怖い夢を見て泣いただけだと答えた。 それでもしつこく開けさせ、ようやく開いたと思ったらウィルが拳銃をこちらに向けていた。サラはアンドリューを見られないように隠す。ウィルは出ていくから食料を分けろと脅した。銃を突きつけながら階段を降りているとき、サラがライフルをウィルに向けた。膠着状態に陥った2人は三つ数えて銃を下ろす。その瞬間ポールがウィルに殴りかかり気絶させた。この隙にキムがアンドリューを抱きかかえて外に逃げ出した。 気絶したウィルを外に運び出すと、ウィルが目を覚ました。彼は馬乗りになって石でポールに何度も殴る。 それを見たサラがウィルを射殺。起き上がったポールはアンドリュー、キムを殺害。 災難が去ったと思いきやトラヴィスが発症。 夫婦だけになった家で、ポールとサラが静かに見つめあう。 予告編であれほど”それ”を推していたが結局何かは分らない。予告では”それ”が物理的にやってくるような印象を受けたが、本編にそういったシーンはない。時系列をバラバラに繋げて別の映画のように仕上げた編集の仕方に悪意を感じた。 イット・カムズ・アット・ナイトってタイトル自体も疑問が残る。確かに事態は夜に動いているが、同じくらい昼の場面でも恐怖を煽るようなシーンはある。スタンリーは昼間に何かに反応してどっか行っちゃったし。 本作で夜に訪れたのはウィルだけなんだけど、もしかして一番怖いのは人だよねってこと?しょうも無くないか。 やはり議論が分かれているのは誰が玄関ドアを開けたのかってとこだと思う。正直どちらとも言い切れないよね。大体アンドリューが感染したのかを意図的に隠してあるし、感染方法についても説明がない。いろいろな部分をあやふやにして考えるための手がかりをわざわざ無くしているのだから、結論を出そうとするのはナンセンス。答えは用意されてないと思うよ。それこそスタンリーを呼び込んだ”何か”の仕業かも知れない。 誰がドアを開けたのかよりもスタンリーが何に向かっていったのか、追いついたトラヴィスが何を見たのかの方が気になる。現にトラヴィスが描いた森のイラストには得体の知れない存在が描かれていた。この何かを見たシーンは最後の方でも流れるしね。 感染症映画みたいな触れ込みで勧められてたりする本作だけど、あまりその勧め方は良くないなと思った。あくまで舞台装置だから。コンテイジョンみたいなの想像してみるとガッカリするよ。終末ものとして観るなら楽しめるかな。家族を守ろうとして空回りする父の姿がもれなく見られるね。作品情報
原題:It Comes at Night
配給:ギャガ・プラスあらすじ
ストーリー
感想