ラスト・シフト 最期の夜勤
コメディ度:1/10
グロ度:2/10
感動:1/10
リアリティ:3/10
人に勧めやすいか:7/10
満足度:5/10
目次
2014年製作/アメリカ/上映時間87分 監督:アンソニー・ディブラシ 製作:スコット・ポイリー、メアリー・ポイリー 脚本:アンソニー・ディブラシ、スコット・ポイリー 撮影:オースティン・シュミット 美術:ニコール・バルザリニ 音楽:アダム・バーバー 編集:アンソニー・ディブラシ 出演:ジュリアナ・ハーカビ、ジョシュア・マイケル、J・ラローズ、メリー・ランクフォード、ナタリー・ビクトリア 閉鎖が決まった深夜の警察署で、最後の宿直を任された新人警官。暇を潰していると不可解な現象が次々と起こりはじめる...。 以下ネタバレあり ジェシカ・ローレン巡査は、本日が警察官として初出勤。指定された勤務地はサンフォード警察の旧庁舎。心配する母親と電話で話す。実はジェシカの父親も元警官である事件で殉職していた。警官の殆どは殉職しないと母を説得し、電話を切って警察署に入った。 旧庁舎にいたのは、初老男性のコーエン巡査部長。彼は何かに怒っており、虫の居所が悪い。後ろを向けだのいつから見てただの不可解なことを尋ねる。勤務地が間違いでないかと指摘するジェシカに、今夜の勤務地はここだと告げた。サンフォード警察は新庁舎への移転がほぼ終わり、明日からは正式に新庁舎で勤務が開始。旧庁舎には物もほとんど残っていない。 しかし手違いで、証拠品の針と血染めの服がまだ処分できていなかった。一般ごみとして捨てるわけにいかず、産廃業者が取りに来るのだが、それが今晩の午後10時から午前4時までの間だそう。 ジェシカの仕事は旧庁舎で自由に過ごし、産廃業者にごみを引き渡すという簡単なもの。コーエン巡査部長は、緊急通報はすでに新庁舎に転送されることを告げ、来訪者があれば新庁舎に案内しろと言う。新庁舎の住所と、コーエン巡査部長の連絡先は壁に書かれていると告げ、留置所には近づくなと言って帰っていった。 ひとりでの夜勤は退屈でジェシカはサンフォード警察関連法令集を読みながら時間をつぶす。 廊下の蛍光灯が点滅を始め、電話が鳴った。電話を取ると監禁されたという少女の声が聞こえる。ジェシカは場所を聞くが、電話が切られた。 ジェシカが新庁舎へ報告の電話を入れた。しかし新庁舎が確認したところ転送漏れはないはず。 コーエン巡査部長へ電話を入れるが、連絡が取れない。 午後10時、ジェシカが食べたサンドイッチから長い黒髪が出てきて吐き出した。 ノックの音がしたので外へ出るが、誰もいない。戻ろうとすると裸足のホームレス男性が署内に入り込んでおり、立ち小便をしていた。ジェシカは警棒でつつき追い出した。 ロッカー室を見回ると25号に鍵がささったままで、ロッカーの奥には写真が挟まっていた。それはジェシカの父が置いたらしき写真で、幼い頃の自分と父のものだった。ジェシカが思わず微笑んでいると、すべてのロッカーの扉が開いた。 事務所に戻るとまた先ほどの少女モニカから電話がかかる。何か居場所の分る物はないかと聞くとブタの鳴き声がすると言う。彼らが戻って来るというとまた電話が切れた。 時刻は午後11時半。電話がかかってきたので取ると、産廃業者のジョーだった。トラブルが発生して到着が遅くなるかもしれないという連絡。 モニカの電話があったことを、再び新庁舎に報告。旧庁舎の電話を逆探知することは不可能とのこと。その電話は旧庁舎の直通電話にかかってきたのだろうと言い、911にかけさせるように指示した。 本を読んでいると、背後の資料棚が動き始めた。確かめようとすると、署内の遠くから大きな音が響く。銃を構えて音の方へ行くと、キャビネットが倒れていた。 侵入者の恐れがあると無線で知らせるがノイズがひどく、伝わっていなさそう。ノイズに混じって歌声が聞こえる。 停電が起きて明かりが消えた。ジェシカはブレーカーを上げに行く。配電室には先ほどのホームレスが侵入していた。電気を復旧させたジェシカは、男に手錠をかけると留置所へ入れる。 突然灯りがつくと扉が開いていた。 事務所に戻り椅子に座る。ふと上を向くと、天井にSOW(メスブタ)と赤く書かれていた。 裏口の外にマリゴールドと名乗る女性が立っていた。彼女はジェシカを見るなり新人と見抜き、以前ここであったことを話し始める。 旧庁舎には、猟奇殺人鬼ジョン・マイケル・ペイモンとその信者2人が逮捕された。彼らは少女の監禁、殺害の容疑で逮捕された。逮捕時、現場で2人の警官が死に、ペイモンらは6人の少女を惨殺。その時の警官がジェシカの父だった。ジェシカが聞いていた話と違う。ペイモンは父が殺したと教えられていた。 ペイモンたちはこの旧庁舎の留置所に収容された。3人は歌を歌い、翌日、寝具で首を吊って自殺したそう。そして壁には一面、邪悪な落書きが書かれていた。 見回りを続けると会議室のテレビがついており、ペイモンらの取り調べ映像が流れていた。画面のペイモンは話しかけるようにこちらを向くと「気に入ったよ。お前に会いにいくぜ。楽しみにな。」と言い、映像が途切れた。 会議室の椅子がひとりでに動き始め、ジェシカに当たる。ジェシカはひどく怯えた。 電話が鳴ったので事務所に戻る。モニカからの電話で、みんな殺されたと言う。ジェシカが911に電話しろと言ったが、発信履歴でバレるから避けたいと返された。ジョン・マイケル・ペイモンを知っているかと聞くと、モニカは知っていると答えた。そして電話が切れる。 ジェシカは新庁舎へ報告。ペイモンはたしかにカルト教団を率いていたが、現在教団は解散しており、残党もみんな監視下に置かれているという。 電話相手の新庁舎職員はジョー・ビクターと名乗り、何かあれば連絡してくれと言い残した。 とある部屋から音が聞こえたので向かうと、一見普通の部屋。しかし、ジェシカが視線を外した後にもう一度戻すと、椅子が積み重なっていた。ジェシカは新人イジメで怖がらせているのだと思いこんだ。 そこへタイミング良く、来客を告げるブザーが鳴る。訪問したのは男性の警官で、プライス巡査と名乗った。ジェシカが新人イジメの話をしても、彼には心当たりがない。プライス巡査は見回りにきたと言い、実はジェシカに会いたかったと言う。プライス巡査はジェシカの父親を尊敬していた。殉職した時にも同じ現場にいたそう。もし困ったことがあれば連絡をくれと言ってプライス巡査は立ち去るが、後頭部には撃たれたように大穴が開いていた。 ジェシカが驚いて後を追うが、外には誰もいない。 留置所でホームレスが騒ぎ始めた。ジェシカが行くと、ホームレスの背後に3人の首吊り死体が一瞬見えた。ジェシカは恐怖心からホームレスを出さない。ジェシカの背後で四つん這いで下着姿の女性が這っている。 少女の歌声が聞こえるので更衣室に向かうと、数人の少女がいた。白い布を被っており、布には血がついている。ジェシカが一瞬目をそらすと少女たちの姿は消えた。 次々に起こる怪奇現象に、ジェシカは限界を迎えた。 すがる思いでコーエン巡査部長に電話。やっと電話に出るが「無人の夜勤もできないのか。警部に辞職を勧告するぞ。電話してくるな。」と叱咤された。 産廃業者のジョーに電話をし、外の車で待っていると告げた。電話の後、ジェシカは外へ逃げ出そうとする。 しかしそれを止めるかのように電話が鳴り響いた。モニカからの電話でなんとかカーマイケル・ロードまで逃げてきたそう。ただ逃げたことが知られており、追われているそう。 電話が切れると同時ジョーからの電話が繋がる。モニカ・ヤングという女性は1年前の事件の時に死んだ、ペイモン最後の犠牲者だとジェシカいう。モニカは森の中で、バットで撲殺された。 さらにジョーからある秘密が打ち明けられた。実は庁舎移転の理由は老朽化だけでなく、奇妙な現象が起こるからだった。丁度ペイモンが自殺したときから始まり、電気の点滅、異常現象の目撃などが頻発。さらに犯罪者を留置所に拘留すると、犯罪者が発狂するようになったため新庁舎を作った。 ジョーの話の途中、ジェシカの真上から写真が落ちてきた。ジェシカはあとでまたかけると言い、電話を切る。 それは父と幼いジェシカの写真だった。さらに足元には父が死んだ時の写真がある。それ意外にも死んだ少女たちの写真が10枚ほど散らばっていた。 次の瞬間、それらの写真が整然と廊下に並べられた。さらに写真が燃え始める。 いつの間にか気絶したジェシカは、携帯にかかる母から着信で目を覚ました。しかし廊下の奥に人影を見たジェシカは、そちらに声をかけると警棒で殴られた。 目を覚ますと、ジェシカは信者の一人ドロシアと向き合っていた。ペイモンが死んでから1年の記念日だと言うと、ドロシアは目の前で拳銃自殺。 再び事務所の電話が鳴る。モニカからだった。居場所がばれてしまったと言ったモニカは笑い出し、机の下から顔の腫れたモニカが現れた。驚いたジェシカは後ずさり、資料棚の間に隠れるがいつの間にかモニカは消えていた。 ジェシカが外に逃げようとするが扉が開かない。発砲するも割れる気配はなかった。試行錯誤していると携帯電話に死んだ父から着信が入る。「俺は職務に忠実だった。俺を殺した男がこの署内にいる。見つけて対処しろ。」と言う。 父を慕っていたジェシカはその言葉に触発され、戦う意思をかためた。銃を持ち、来た道を引き返す。 留置所ではホームレスが首を吊っていた。壁には“地獄の王”と殴り書かれていた。 ジェシカは無線で応援を呼ぶが、応答がなく無線機からは茶色い膿が流れ出る。 父から再度電話が来て「彼らが来るから阻止しろ。」と言う。 ジェシカは布を被ったペイモンらに、銃で応戦。3人のうち2人を倒し、3人目にとどめを刺した。 そこで、ジェシカは胸を撃たれる。時刻は午前4時。 ジェシカを撃ったのは、コーエン巡査部長。 実はジェシカが撃ったのはペイモンたちでなく、ごみを回収しにきた産廃業者。ジェシカが一般人に発砲しているのを見て、コーエン巡査部長はジェシカを銃殺。 死の間際ジェシカは自分のしたことを知る。 ジェシカは歌を口ずさみ始め、ペイモンら3人がジェシカを迎えに来た。 主人公と同じ体験をするような、お化け屋敷的ホラー。ただ驚くタイミング、気づき始めるタイミングが噛み合わない。何というか主人公が鈍感な気がする。ロッカーが全部開くときとか、資料棚が動き出した時に普通はだいぶ警戒し始めると思う。 本作で一番謎なのがホームレスの存在。説明もないし忘れた頃に出てきてそれまで触れられない。ジェシカを留置所に入らせるための舞台装置とは思うけど、他が上手く馴染んでいるのに対して作りが雑。 最後、コーエン巡査部長がジェシカを殺して映画が終わるけど後味悪い。戦犯は絶対コーエン巡査部長。彼はジェシカと始めて会ったとき1人で発狂してた。さらにジェシカの後頭部を確認するシーンもある。きっと彼も同じものを見させられて、プライス巡査の様な霊と会っていたのではないだろうか。霊現象について教えないのはあまりに無責任だと思った。電話口での態度も悪いし。作品情報
原題:Last Shiftあらすじ
ストーリー
感想