映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

古民家に隠された謎とは 映画『ロスト・ボーイ 死霊の館』ネタバレあらすじと感想

ロスト・ボーイ 死霊の館

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:4/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:6/10

目次

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作品情報

2008年製作/カナダ/93分

原題:Grindstone Road

監督:メラニー・オア

脚本:ポール・ジャーマン

音楽:エリック・カデスキー、ニック・ダイアー

撮影:サイモン・ショエット

編集:スティーブ・ベダーンジャック

出演:フェアザ・ボーク、グレッグ・ブリック、ヴォルター・ラーニング、ジョーン・グレッグソン

あらすじ

自動車事故で息子を植物状態にしてしまい日々苦しんでいる母ハンナは、気分を一新しようと昔住んでいた町の近くの古い家を購入した。夫と新居での生活を始めるが、不可解なことが頻発。やがて、かつてそこに住んでいた少年が失踪した事件を知るのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

交通事故を起こした車の運転席から女性ハンナが出てくる。助手席のフロントガラスには大きな穴が開いており、誰かが飛び出たと思われる。

 

場面が切り替わりハンナは病院に行き、次に教会で泣きながら祈る。
彼女は近々引っ越しを考えている様子で売り家の見学に向かった。家は荒れていて、ノックしても誰もでない。これといった家具は無く鍵が開いていたので中に入る。
住人を探しているとスーツを着た男性ダッドソンが現れた。ハンナは昔ここら辺に住んでいたことを話す。彼は売り主ではなくただ様子を見に来ただけだと言う。ハンナは結局引っ越しを決めた。

 

新居で旦那グラハムと荷物を整理する。夫婦仲は良好だが、何か環境を変えなければいけないような出来事があった様子。
新居で過ごす初めての夜、ハンナは森の中で透明な何かが蠢く夢を見て目を覚ました。時間は朝2時台。彼女は薬を飲みに洗面台へ向かった。洗面台の足元には水溜まりがあり、水漏れを直さなくてはなどと思っていると水はどこかへ消えた。リビングから物音がする。ゼンマイ仕掛けのオモチャが勝手に動いていた。次に地下室から水の音。下に降りると水滴は雨のようになった。そして扉が閉まり、閉じ込められた彼女は助けを呼ぶ。声を聞いたグラハムが目覚めて地下室に向かった。彼女は階段から落ちたようで倒れており、手にはゼンマイ仕掛けのオモチャ。水はどこにもない。


次の日も2人は荷物の整理。写真を飾っていると息子ダニエルの写ったものが出てきた。ダニエルは冒頭の自動車事故で一年前から植物状態になっていた。グラハムはダニエルのことを諦めており、ハンナは帰って来られると信じている。2人は喧嘩。
しばらくしてハンナが地下室で電球を取り替えていたダニエルの元に仲直りに行った。しかし、ハンナは部屋の奥に幽霊を見て驚き、梯子に乗っていたグラハムを落下させてしまう。ダニエルは気絶して頭からは出血。彼女は隣家に助けを求めた。

隣家に住むのは老夫婦テッドとリンダ。夫婦は2人の家に駆けつけた。意識の回復したグラハムも交えて挨拶。夫婦はこの家の住民はすぐに引っ越すから長くいて欲しいと話し始めた。どうやら昔この家で事件があったらしい。続けようとしたのをグラハムが制した。ダニエルのこともありそんな話は聞きたくない。彼のことを知った夫婦は祈りを捧げる。リンダはグラハムの傷を治療しようと救急箱を取りに向かう。ハンナに聞いた通り化粧台の扉を開けて救急箱を取り出すと鏡には少年が映った。夫婦は逃げるように家を出る。
その晩、またも深夜に目覚めたハンナは薬を飲んだ。来る途中、子供部屋の黒板にはダニエルの文字。部屋に帰ろうとするとクローゼットから助けを求める声がした。彼女は助けようと必死にドアノブを捻るがびくともしない。様子を見に来たグラハムがドアノブに手を掛けると扉はすぐに開いた。精神科医の彼は彼女の様子がとても心配。

 

翌朝、リンダがパイを焼いて持ってきてくれた。ハンナが受けとると彼女はあなただけでも知っておくべきと家で起きた事件の話を始めた。昔この家に住んでいた少年が森に住む何者かに連れ去られて行方不明になったという。さらに話そうとするとグラハムが来たので彼女は帰った。その後テッドが道具箱を持って改修の手伝いに来てくれた。

ハンナは町に出掛けるのであなたもどうかとリンダを誘う。彼女は騒がしいのは苦手だと断った。さらに少年について聞こうとするがそれも断られた。
町で買い物を済ませると図書館が目についた。過去の新聞を読みたいと司書に頼むと繊細だからダメだと断られてしまった。しかしその司書マーティンはハンナの同級生。彼は特別にと新聞を貸し出してくれた。

新聞を読むと確かに11歳の少年が失踪しており、捜索隊も出るような大騒ぎになっていた。奇妙なことに少年の名前も夫婦の息子と同じくダニエル。グラハムはあまり深く考えすぎるなと注意する。

 

翌日ハンナは病院に行き、ダニエルに話しかけるが反応はない。その足で教会を訪れて事故のことを考え込んだ。
その夜、彼女は寝室で少年の霊を見た。普通の睡眠薬では眠れないとグラハムに頼むと彼は注射器を用意して彼女の腕に刺した。彼女は倒れるように眠りにつき、少年の夢を見る。彼は手を引いてハンナをダニエルのもとに連れていった。彼はまだこちらには来ていないが瀬戸際だという。これからどうなるかは君次第だと。

翌朝目覚めたハンナは昨夜夢で見た場所に向かってみた。実は彼女は少年と昔遊んだことがあったらしい。森の中にある小屋に触れると少しずつ記憶が甦る。小屋の近くに隠してあった雑誌を持ち帰った。
家に帰るとダッドソンから電話がかかってきた。今日の午後そちらに向かいたいと言う。電話の調子が悪くてよく聞きとれなかった。

いつの間にか電話の正面には少年の写真が飾られている。それを見たグラハムが何を考えていると責めるがスローンにも身に覚えがない。グラハムは電話会社に連絡を取るため隣家に向かった。
ハンナが写真を外すと子供部屋からガサガサ音がし始める。壁の全面に森に近づくな、悪から解放しろとの文字が。

グラハムは夫妻に事件の犯人で疑わしい人はいなかったのかと聞いた。夫妻はダニエルの家庭教師だったダッドソンだと答えた。それを聞いたグラハムが急いで家に帰ろうとするのを夫妻が引き留めた。

ハンナが壁の文字を消しているとダッドソンが現れる。少年はあなたの助けを待っている。あなたは真実に近づきつつあるが、近づきすぎると彼を襲ったものがあなたを襲う。ハンナが帰ってと言うと彼は跡形もなく消えた。

グラハムが夫妻の話を聞いて帰って来た。ダッドソンは事件の2ヶ月後にこの家の地下で首を吊って死んだと言う。グラハムはあまりにも事件に肩入れしすぎているハンナに対し、息子の問題を死んだ他の少年のことを考えることで逃げていると批判。奇妙な言動が目立つことから本格的な治療を勧めた。

家に少年からの電話がかかる。友達になりたい。今度は置いて行かないで。
ハンナがあなたとは住む世界が違うと答えた。クローゼットからまたも声がする。開けると中には少年が。

スローンはリンダに相談。彼女は引っ越すことを勧めた。
家に帰った彼女は薬を捨て、蝋燭を点けて風呂に入った。蝋燭の火が消え、地下室から音がする。バスタブの横をオモチャが歩く。顔を戻すと目の前には少年。住む世界が違うならハンナがこっちに来ればいいと言い放ち、謝りながら彼女をバスタブに沈めた。溺れているとき彼女は森の中で少年とダニエルに出会った。彼女はダニエルに逃げてと叫ぶ。グラハムが溺れているハンナに気付いて助け出す。

 

翌朝、ダニエルの心拍数が下がったらしくグラハムは病院に向かった。ハンナは家で寝ている。マーティンが失踪した少年についての資料をもってきた。ハンナは寝ているのでもちろん誰もでない。しつこく声を掛けていたら近くにいたテッドが何のようだと声をかけた。マーティンはテッドを見て少年の父親のエドワードだろと聞いた。彼は違うと答えマーティンを帰らせた。

起きたハンナはマーティンの持ってきた資料を見て驚く。少年の両親はリンダとテッドだった。資料には2階のクローゼットで監禁されていたとの供述があり、実際にクローゼットをよく見てみると革製の固定具が残っている。ちょうど帰って来たグラハムに夫妻が犯人だと告げるが彼は妄想だと言って信じない。
揉めていると夫妻がやってきた。鍵を開けるなと言うハンナの頼みを無視し、グラハムは2人を招き入れた。ハンナは銃を向けるが、グラハムが取り押さえる。彼女は睡眠薬で眠らされると部屋に閉じ込められた。
ハンナは扉の外にいるグラハムに、昔少年と会っていたことを話し始めた。彼は厳しい家で育てられていたので女の子と遊ぶことなど許されなかった。私が一緒に遊んだせいで彼は殺されてしまっと。話を聞いていたリンダがお前が息子をそそのかしたのが悪いと口を滑らせた。ようやくハンナの言っていたことが事実だとわかったグラハムは彼女を出そうと鍵を開けようとする。しかしテッドの方が速かった。彼はグラハムの首を絞めて気絶させ、扉を開けてハンナに襲いかかる。扉が開いた瞬間、ハンナは持っていたボールペンを彼の肩に突き刺して地下室に逃げ込んだ。

すぐにテッドがやって来てハンナを捕まえ、首吊り自殺に見せるような工作を始めた。彼は自分の犯したことを悪を倒すための正義の行動だったと自慢げに話す。失踪した少年ダニエルは浄化のためバスタブに沈めて殺された。死体は地下室に埋まっている。また、それに気付いたダッドソンを犯人に見立てるため首吊り自殺に見立てて殺した。夫妻がこの家を引っ越したのはそれ以来ダニエルの霊が出るようになったから。

準備が完了しハンナは吊られた。テッドはそれを見届けるとグラハムを殺しに上へ上がる。しかし、縄のかかる場所が老朽化しており壁から外れて彼女は何とか脱出。リビングに戻り銃を奪って夫妻を射殺するとその場に倒れこんだ。森の中で少年とで合う。彼はダニエルの元に行けと告げる。

ハンナとグラハムは急いで病院に向かった。ダニエルに声をかけると彼は目を開く。ベッドの横には少年が立っており、ハンナに微笑むと光って消えた。ダニエルは繋がれた両親の手を握り返す。

やがて家は売り家に戻った。地下室の電気をダッドソンが消す。

感想

監督を調べてみると「シェルター 狂気の秘密」のメラニー・オア監督作品だった。マイナー作品で意図せず、知っている監督の作品を手に取ると少し嬉しい。

本作はキリスト教の狂信者が偏った信仰によって息子を殺し、幽霊となった息子が自身の死を知ってもらうために行動するというありきたりな物。自分の死因を解き明かしてもらう系のホラー映画って結構あるよね。内容として特に新しさは感じられず、どこかで観たことのあるようなシーンの連続。緊張感もないしこれといった山場も感じなかった。

一番気になったのは終盤のシーン。ハンナがグラハムにちゃんと証拠資料を見せながら説明すればいいのにと強く思った。ここまでは上手く行動に整合性があったのにここだけ脚本に動かされている感じがしてイヤ。

良かった点はいろんな意味で普通だったこと。さっき観たことのあるようなシーンの連続って言ったけどそのシーンが面白いから取り入れられているワケで、自分の死因を解き明かしてもらう系のホラー映画の定石から外れて無いのだからつまらないはずが無い。

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ロスト・ボーイ 死霊の館(字幕版)

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