監禁ピエロ
コメディ度:3/10
グロ度:1/10
感動:1/10
リアリティ:1/10
人に勧めやすいか:4/10
満足度:4/10
目次
2007年製作/アメリカ/上映時間88分 原題:Final Draft 監督:ジョナサン・デューク 脚本:ダリン・ルシオ 音楽:ライアン・レイサム 撮影:ミック・レイノルズ 編集:ジェフ・アシェンハースト 出演:ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク、タラ・スペンサー=ナイアン、ダリン・ルシオ、ジェフ・ループ、アダム・マクドナルド、メラニー・マーデン とある事件以降脚本が書けなくなってしまったポールは、自身の書いた作品の主演を務めて人気者となった友人でもあるデヴィッドに金を貰って生活していた。彼はある日、幼い頃にみたピエロの夢を見て脚本のアイデアを思いつくのだが...。 以下ネタバレあり 落ちる夢を見て目を覚ます。中年男性のポールはバスタブに浸かっていた。扉の外に気配を感じた彼はデヴィッドかと声をかける。外にいたのはピエロで葉巻を咥えていた。そこでポールは目を覚ます。 彼は目覚めると身支度を済ませ外出した。カフェでデヴィッドとコーヒーを飲む。彼はポールの書いた作品の主演を務めて人気者となり、今ではポールが彼に雇われているような状態。 ポールは昨夜見た夢の話をする。彼は昔、弟のジャックとサーカスを見にいった。演目の途中にピエロが出て来て酒を口に含むと火を吹いた。しかしもう一度吹こうとしたとき、火はピエロの顔に向かって来て彼は火だるまに。演出だと思って当時は笑ってみていたが、今考えるとピエロはその後死んでいたのかもしれない。自分がピエロの立場ならどうするか考え、子供が大人になるのを待って殺しに行くだろうと結論づけた。彼はそんな話をしているうちにイマジネーションを沸き、脚本を書くことに。 ポールは徹夜でアイデアを考えた。 ある日商店に買い物へ出掛けると柄の悪い男に絡まれた。ポールは彼に見覚えがある様子。家に帰ると廊下に吸い終わりの葉巻が落ちていた。彼は侵入者を迎え撃つためバットを構えて全部屋回るが異常はない。 翌朝、洗顔をしていると背後に気配を感じた。メガネをかけるとそれは消える。 翌日ポールの家にデヴィッドが訪れた。ポールは段ボールに食料を詰め、娯楽品を全て片付けた部屋を用意し、デヴィッドに俺を監禁しろと頼んだ。彼は始めこそ嫌がったが熱意に負けて承諾。外から南京錠をかけた。 部屋から出たデヴィッドにマネージャーのサムからの電話がかかる。狙っていた役に落ちてしまったとの知らせ。小さい役を用意されたと伝えられた彼はそれを蹴った。 ポールは名案を思い付いた。ピエロの犠牲者を自分の嫌いな奴にしようと。離婚した元嫁ケイト、高校時代のいじめっこラスティ、売れて態度を変えたプロデューサーのマイケル、そしてデヴィッド。後は好きな女性を登場人物に入れることにした。カレンダーの美女。 酒に酔いながら貼り付けた写真を見てイマジネーションが沸き上がる。 翌朝ノイズ混じりの音楽に起こされた。はじめは外からだと思ったが部屋から鳴っているらしい。彼がデヴィッドかと聞くと音は止んだ。直後隣の空き地で野球をしていた子供の球がガラスを破って飛んで来る。彼がボールを掴むと一瞬オレンジに変わった。ひとまず段ボールで穴を塞いだ。また落ちるイメージが浮かぶ。 ポールが目を覚ますとカレンダーの美女が隣に寝ていた。キッチンに向かうとマイケルが。 ポールは諦めて執筆に戻るが、家のあちこちには実在するかのようにキャラクター達が現れる。その晩デヴィッドはピエロの夢を見て飛び起きた。 ラスティが朝から大音量で音楽を流して歌っている。ポールが筆を進めるとピエロが現れ彼を殴り倒した。次の瞬間ラスティは首にロープをくくられ、椅子の上に立っている。ポールが原稿の中で彼を殺すとイメージの彼も同時に死んだ。 翌朝キッチンに現れたマイケルがポールを責めた。俺のことが気に入らないのか。ジャックはどうなんだ。彼が自殺してからお前は脚本が書けなくなった(時折映し出される人が落ちる映像はジャックの自殺らしい)。弟の死を持ち出された彼は我慢の限界。早速原稿を書いてピエロに殺させた。 ポールがカレンダーの美女と愛し合っているとピエロが現れて彼女を連れ去った。彼女はソファの上で首を切って死んでいる。 約束の日にちになりデヴィッドが鍵を開けて部屋に入った。脚本はしっかりと完成している。呼んでも返事をしないポールを探して家中探し、バスルームで彼の死体を発見した。右手首にはリストカットの跡。 タイトルに語弊がある。正しくは”監禁(状態で)ピエロ(が出てくる脚本を書く男)”。ゆえに悪趣味なピエロの拷問などを求めて観ると期待外れもいいとこ。原題を直訳すると”最期の脚本”、まあこれよりかは監禁ピエロの方が興味湧くね。 正直過度な期待をしなければ楽しめる作品だとは思う。俳優の演技が上手いし話の大まかな筋書きもこの手の映画にしてはいい方。主人公が復讐心を作品にぶつける姿は観ていて気持ちが良い。そして何よりピエロの見た目が格好良かった。パッケージの通り顔の左半分が焼けただれていて、右側はピエロメイク。葉巻を咥えてて武器はバット。出てくるのは割と一瞬だけど結構頻繁に現れる。 悪い点は意味ありげなシーンがまるで役に立っていなかったところ。商店で絡んできた男が高校時代のいじめっ子だったとか、やけに入れられていた飛び降りの空想が弟の自殺だったとか伏線として挟みたかったんだろうけど発覚の仕方が鮮やかじゃ無いというか何というか。とにかく明かされるタイミングが悪いし極論両方とも不要だったと思う。あとは現実と空想との境目が無くなっていくみたいな売り文句があったけど本作は割とそこら辺がはっきりしているので観ている側としては入り交じらない。主人公の目線からはそうなんだろうけど。作品情報
あらすじ
ストーリー
翌朝デヴィッドが来て彼を起こし、進捗を尋ねる。ポールの中で本筋は定まってきていた。自分のことを笑った人間を自殺に見立ててピエロが殺す。武器はオレンジ。アイデアを気に入ったデヴィッドは18日以内に書き上げればプロデューサーに紹介できると言った。ポールはしばらく脚本を書いていないし期間が短すぎると反対したが、男はは彼に生活費の入った封筒を渡すと逃げるように帰ってしまう。この日からポールの執筆が始まる。
その晩、ソファに寝転がっていると腕から血が垂れる幻覚を見る。デヴィッドから明日いつもの店でコーヒーを飲もうと電話がかかってきた。
店にはポールが先に着いた。ウエイトレスのケーシーが今日は1人なのと話しかけてきた。彼女はポールのファンだと詰め寄るがそれは全てポールの妄想。彼女はデヴィッドに気があり、彼は独身なのと聞く。ポールは彼がゲイだと嘘をついた。
遅れてデヴィッドがやって来る。ポールがどうしても間に合わないと言うと彼は引きこもってでも書き上げろと告げて帰ってしまう。
執筆を再会してすぐにパソコンが故障。
パソコンが壊れてやることの無くなった彼はアルバムやホームビデオを見始める。高校のアルバムには先日商店で絡んできた男の顔。しばらくそうしているとパソコンが復活。ふてくされた彼はもう遅いと呟き、壁当てを始めた。ボールが返ってこない。ちょっと経つとオレンジが転がってきて壁の前にはピエロが立っていた。
遂に頭がおかしくなったと感じた彼はデヴィッドに出してくれと電話をかける。しかし彼は今カフェにいてケーシーにデヴィッドはゲイだと言ったのがバレた直後だった。もちろん鍵を開けになんて来ず、自分の言い出したことなんだから最後までやり通せと言う。ポールは飛び降りるぞ脅すがそんなものは聞かない。
ポールの家でテレビが勝手に点き映像が映し出された。画面に映るジャックが俺はなぜここにいる。結末はどうなるんだと聞いた。直後にピエロが現れて映像は終わる。
元妻のケイトが執筆中のポールを私も殺すのかとなじる。
その夜もテレビが起動。ジャックは早く原稿を終わらせろと告げた。
ポールはこんな話を書いていない。何故だと考えているとケイトが現れて手遅れだと告げた。彼は彼女に謝ったが、彼女はその場を後にする。
ケイトはピエロに捕まり、バスタブで感電死させられた。
ポールは原稿を完成させて印刷を始めると同時バスタブに浸かった。目の前にはピエロが座っている。
デヴィッドが完成した脚本を持ってエレベーターを降りるが背後にはピエロの姿が。感想