映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

まともなピエロはいないのか 映画『テリファー』ネタバレあらすじと感想

テリファー

コメディ度:3/10

グロ度:8/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:2/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2016年製作/アメリカ/上映時間82分

原題:Terrifier

監督・脚本・編集:ダミアン・レオン

撮影:ジョージ・ステューバー

音楽:ポール・ワイリー

出演:ジェナ・カネル、サマンサ・スカフィディ、デビッド・ハワード・ソーントン、キャサリン・コーコラン、プーヤ・モーセニ、マット・マカリスター

あらすじ

ハロウィンの夜。酔っ払った若い女性タラとドーンは暗い夜道で不気味なピエロに遭遇。逃げるように入ったピザ店にもピエロは姿を現した。つけ狙われていると恐怖するタラに対し、ドーンは楽観的。おちゃらけてピエロに絡み始めた...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

マイルズ大虐殺から1年。番組に被害者女性が招かれ、インタビューが行われた。女性は犯人"アート・ザ・クラウン"に顔を潰され、醜い容姿をしている。事件の末ピエロは死亡したが、翌朝には遺体安置所から消えていたらしい。女性はピエロが死んだのを見たと証言した。

 

その番組を小さなテレビで見ていた男は激昂し、テレビを破壊。ピエロメイクをし、武器を袋に詰めるとどこかに歩きだした。

 

TV局の控え室では女性キャスターが電話で被害女性の悪口を言っていた。「あまりに醜く身の危険を感じた。でも高視聴率が期待できる」と。通話の途中、キャスターは背後に気配を感じた。確認してみるとそこには被害者女性が。彼女は電話の内容を聞いており、キャスターに掴みかかる。そして自分と同じ顔になるように顔を潰した。被害者女性は倒れるキャスターをみてケタケタと笑う。

 

 

ハロウィンの暗い夜道、酔った女性2人ドーンとタラが歩いていた。車に乗ろうとしたが酔いが回って運転できない。問答していると暗がりにいるピエロに気がついた。タラの制止を振り切ってドーンが声をかけてしまう。タラが再度ピエロの方を向いたとき、ピエロはどこかに消えていた。

 

2人は酔いを覚ますため、レストランで夕食をとることにした。タラがドーンのトイレを待ってスマホを弄っていると電池切れに。そこへピエロがやってきた。ピエロはタラを凝視する。そして笑わせようとお茶らけ始めた。タラはそれを気味悪く思い、ドーンを連れて店を出ようとした。

ところがドーンはピエロに絡みにいく。ピエロは無反応。さらに注文を聞きに来た店員に対しても無反応だった。
ピエロはおもむろに立ち上がるとガシャポンを回す。そして出てきた指輪を取ってタラの左手薬指に嵌めた。ピエロは店の裏方へと去っていく。その行動をドーンは面白がった。
しばらくすると裏方から怒声が響き、店主がピエロを店の外に追い出した。

 

食事を終えた2人は再び駐車場に。タラは指輪を嵌めっぱなしなのに気付いて急いで捨てた。車に乗ろうとした時、タイヤがパンクしているのを見つけた。

 

2人が帰った後のピザ屋。店員は大便の塗りたくられた便器を愚痴りながら掃除している。壁には糞で書かれた"ART"の文字。

 

タラはドーンのスマホを借りて姉ビッキーに電話する。彼女は快諾し、迎えに来てくれることに。

2人は車に乗って迎えを待つ。タラはピエロがタイヤを切ったのではと考えたが、ドーンはクギを踏んだだけだという。

 

ピザ屋では掃除を終えた店員がトイレから出てきた。店長を呼ぶが返事はない。探しているとカウンターに置かれた店長の首(ジャック・オー・ランタンに加工済み)が目にはいった。さらに後ろにはさっきのピエロが。電話に手を伸ばすが、その伸ばした手をピエロは出刃包丁で切り落とした。次いでナイフを頬に突き刺す。馬乗りになり、ピエロは何度もナイフを振りかざした。

 

車内のタラは尿意を催した。ドーンは野ションすればいいと彼女をからかう。悩んでいると近くの古い建物から男性が出てきた。タラは急いで車を降りて、トイレを貸して欲しいと頼み込んだ。
面倒事は嫌だと断っていた男性だったが折れて、彼女を建物に招き入れる。男性マイクはネズミ駆除に呼ばれた業者だった。トイレはとても汚い。

 

車内に残っていたドーンはラジオでピザ店の殺人事件について耳にする。するとそこにピエロが乗り込んできた。

 

用を済ませたタラは呻き声を聞いて隣の倉庫に進んだ。そこには気の狂ったホームレスの女性が住んでおり、タラを新しい入居者だと思い込んでいた。彼女は赤ん坊の人形をエミリーと呼び、娘のように扱っている。恐ろしく思ったタラは逃げ出す。しかし、その先にはピエロが。
タラは再び逃げ、車庫に到達。車の間に隠れていた彼女だったが、見つかって足を数回メスで刺されてしまう。彼女はその後も逃げようと努力したが、結局は捕まった。首に注射を打たれて気絶。

 

目を覚ますと薄暗い部屋で椅子に拘束されていた。ピエロは何度も刃物を振りかざすフリをしてタラを驚かせる。
その後、ピエロが目の前にあったベールを剥がし、宙吊りにされたドーンが露になった。ピエロは糸ノコをドーンの股に当てて挽いていく。頭部を残して体は真っ二つに裂かれた。
タラはダクトテープで貼り付けられた手を力ずくで解放し、脱出。落ちていたナイフをピエロの背中に刺して逃げ出した。

途中で板を拾った彼女はピエロを待ち伏せる。
やって来たピエロに打撃の応酬を与えた。倒せるかと思ったとき、ピエロは隠していた拳銃を発砲。何発か撃つと弾切れを起こして別の部屋へと歩いていった。


タラのスマホにビッキーからチャットが届いた。"建物に着いた"というチャットに対し、ピエロは"裏に回って"と返信。ビッキーはそのチャットの通り、裏から建物に入った。


新しい銃を手にしたピエロはタラの顔面に何発も弾を撃ち込む。
その様子をホームレス女性は見てしまった。彼女は建物を上がり、作業中のマイクに助けを求める。しかし、信じてもらえず、挙げ句の果てには突き飛ばされた。
マイクは相次ぐトラブルに会社へ電話をかける。そこにピエロが現れ、ハンマーで男性の頭を殴打。


ホームレス女性はエミリーをどこかへ置いてきたことに気付き、探し始める。すると通路でエミリーを抱き抱えるピエロに遭遇した。女性は彼に対し、「母の愛を知っている?その子を殺さないで」と囁きかけた。そして女性はピエロを抱擁。

 

途中で途切れた電話を受けて、駆除業者の別の男が建物にやって来た。

 

タラとドーンを探すビッキーは、2つに裂かれたドーンの遺体を目にする。彼女は逃げ出そうとしたが、タラの悲鳴が聞こえたので助けに向かった。

ところがそれはホームレス女性の声。ピエロは女性から頭部と胸部の皮膚を剥ぎ、それを着ていた。その異様な光景を見たビッキーは一心不乱に走った。やがてロッカーに逃げ隠れたが、ピエロに場所がばれている。ジリジリと近づくピエロだったが、外からクラクションの音が鳴り響き、そちらに向かう。

 

クラクションを鳴らしたのは駆除業者の男だった。マイクから連絡があったから来たものの、入り口が開いてない。結局カーペットの下にあるスペアキーを見つけて自力で建物内へと入った。内部は薄気味悪く、男は慎重に探索を行った。

途中でエミリーに躓いた彼はそれを拾い上げる。その瞬間、背後に隠れていたピエロが脳天目指してナイフを振り下ろした。そして男の首を切り落とすとサッカーボールの様にキックした。

 

ビッキーはその間にロッカーから出て、逃げ道を探して徘徊していた。そんな最中、ピエロがビニール袋を彼女の顔に被せて窒息させようとしてきた。彼女はそれを振りほどき、落ちてた杭をピエロの足に突き刺した。

 

頭を殴打され、気絶していたマイクが目を覚ました。

 

ビッキーは逃げる途中でタラの遺体を発見。ショックで崩れ落ちているとピエロが現れた。彼は刃物の取り付けられたチェーンを鞭のように振るい、ビッキーの柔肌を引き裂く。そこをマイクが助けに入った。
彼はピエロの頭部を大きな缶で殴り、気絶させる。そしてビッキーを連れて管理室へと隠れた。マイクは警察に通報し、ビッキーを連れて外へと向かう。

 

ところが出口は鎖で繋がれていて脱出出来なかった。袋小路になった状況でピエロが鈍器を持ってやってくる。マイクは殴り倒され、頭を踏み潰されて死亡。

ビッキーは拾ったポールで南京錠を破壊し、何とか進むことができた。ところがその先も施錠されていて脱出できない。しばらくすると外からピエロの乗った車が突っ込んできた。ビッキーは轢かれ、その場に倒れこむ。ピエロはビッキーの顔を食べた。

ようやく警察が到着し、ピエロを包囲する。しかし、ピエロは隠していた拳銃を咥えて自殺した。ビッキーは生き残った。

 

検死官の元に2つの遺体が届けられた。1体はマイクでもう1体はピエロ。ピエロの死体袋を開けたとき、室内の明かりが点滅し始めた。やがて落ち着き、遺体に目をやるとピエロが起き上がった。そして検視官の首を絞める。

 

1年後、ビッキーが病院から退院した。彼女の顔は冒頭の被害者女性そのものだった。

感想

良くも悪くもグロテスク、そんな作品でした。

好きな人はグロいから好きで、嫌いな人はグロいから嫌いみたいな。

ピエロの殺人方法が多彩で、ろくなストーリーでないものの最後まで飽きずに鑑賞。本作は割とあっさり人が死ぬので鑑賞後に不快感が残らない。拷問とか情に訴えかけるようなシーンは無かった。

この映画はとにかくピエロで成り立っている。風貌の奇抜さと履き違えたユーモアが終始画面を彩る。登場したときから終盤までずっと。

始めピエロはタラに好意を寄せているように振る舞っていたがあれも彼なりのジョークだった。おもちゃの指輪をプレゼントされて、タラは特別扱いされるのかと思いきや普通に襲われる。さっきまでの流れは何だったのかと驚いた。

驚くといえばピエロが銃を隠し持っていた事だろう。この手の怪物映画で悪役が飛び道具を持っているのは珍しい。こんな予想外なところがピエロのキャラクターにマッチしている。

ラストでピエロは超自然的な存在だと明らかになった。故に本作で何か気になる箇所があってもピエロの能力に違いない。なぜ被害者達はピエロを殺そうとしないのか。それもピエロの能力に違いない。丸投げに思えるかも知れないが一番まとまりの良いラストかも知れない。

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