映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

ユアン・マクレガーのデビュー作 映画『シャロウ・グレイブ』ネタバレあらすじと感想

シャロウ・グレイブ

コメディ度:2/10

グロ度:1/10

感動:2/10

リアリティ:8/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1994年製作/イギリス/上映時間88分
原題:Shallow Grave
配給:ケイブルホーグ

監督:ダニー・ボイル

脚本:ジョン・ホッジ

製作:アンドリュー・マクドナルド

撮影:ブライアン・テュファノ        

美術:ケイブ・クイン

音楽:サイモン・ボスウェル

編集:マサヒロ・ヒラクボ

出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・エクルストン、ケリー・フォックス、キース・アレン

あらすじ

アレックス、デビッド、ジュリエットの若者3人は、アパートの広い一室で共同生活を行っていた。彼らは新たな同居人を募集し、ヒューゴと名乗る男を招き入れる。ところが彼は入居早々、ドラッグの過剰摂取により死亡。ヒューゴの部屋には大金が隠されていた。3人はそれを自分たちの物にしようと死体を埋めるのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

新聞記者のアレックス、会計士のデビッド、医師のジュリエットは、アパートの広い部屋で共同生活を送っている。部屋には空き部屋が1つあったため、彼らは4人目の同居人を探していた。
ところが3人は、面接に来た人々に対し、からかうような質問を投げかけて面白がっていた。その態度は、本気で同居人を探している様には思えない。


ある日ジュリエットは1人で中年男性ヒューゴの面接を行った。彼はインテリ風で、今は本を書いているという。ジュリエットはヒューゴを気に入り、アレックスとデビッドに紹介。最終面接を兼ねた会食が催された。順調に進むなか、デビッドが「人を殺したことはあるか」と尋ねる。実はヒューゴは強盗犯なのだが、「無い」と答えて話が終わった。特にアレックスは良い顔をしなかったが、ジュリエットのゴリ押しで共同生活が始まる。


ところが4人での同居が始まってすぐ、トラブルが発生。ヒューゴが部屋に閉じこもって出てこないのだ。心配半分、好奇心半分の3人が部屋の扉をこじ開けると、彼はベッドの上に全裸で死んでいた。呆然と立ち尽くすデビッド。アレックスは死因を探すという名目で部屋を散策した。するとキャビネットにドラッグと注射器を発見。死因は過剰摂取とみられる。
ジュリエットは通報しようと受話器を取った。その手をアレックスは抑え、部屋で見つけたスーツケースを見せつける。中にはたんまりと札束が詰められていた。
天涯孤独だと言っていたヒューゴの死を隠せば、この大金は自分たちのものになる。そういうアレックスに感化され、ジュリエットは通報を止めた。真面目なデビッドは死体を隠すことに反対。


結局死体をどうするか決めかね、部屋に死体が転がったまま数日が経過。死体から匂いがし始めた。ジュリエットが説得し、遂にデビッドも死体を隠すことに同意した。


死体をバラバラにし、身元のわからないよう顔を潰す。歯を全て抜いて、手足は焼却。そして森の中に埋めるという作戦だった。3人はさっそくホームセンターへ。
ところが誰が死体を切り刻むのかで揉めることに。アレックスは3人でやろうと考えていた。しかしデヴィッドもジュリエットも拒否。特にデヴィッドはとても嫌がっている。


某所である男が2人の男から拷問を受けていた。水に頭を浸けられ、金の在りかを尋ねられる。男には覚えがなくそのまま溺死してしまった。


夜になり、3人は死体を部屋から持ち出す。彼らの部屋は高層階だったので、長い階段を降りなくてはいけない。途中、ジュリエットが持っていた懐中電灯を落としてしまう。幸い誰にも気付かれず、車に乗せられた。


森に到着し、解体係をくじ引きで決める。その結果、一番嫌がっていたデヴィッドがやることとなった。彼はもちろん断ったが、ここでやらなければ事件が露呈してしまう。 デヴィッドは必死にヒューゴの死体を切断。作業が終わり、アレックスが掘った穴に埋めようとしたが、穴が浅かった。文句を言うと、アレックスは「大丈夫だ」と言い切る。後日、ジュリエットは病院のゴミ捨て場に切り落とした手足を捨てた。アレックスはヒューゴの車を湖に沈める。

 

ある日、彼らはパーティー会場にいた。”子供の病気に対する寄付の会”で、ジュリエットが寄付したと思われる。アレックスは説明を聞くまで会の趣旨を知らなかった。司会に対して金を返せとヤジを飛ばす。会の途中、ジュリエットに対し、ある老人がダンスを誘った。それに対してデビッドが激怒。「僕の彼女に手を出すな。半殺しにするぞ」と怒鳴る。それを聞いたジュリエットとアレックスは驚きつつも、よくやったと称賛。トイレに中座したアレックスだったが、昔面接に来た1人がここで働いており、復讐のためタコ殴りにされる。


翌日、血だらけでへこんでいるアレックスを案じたジュリエットが、彼をショッピングに誘った。2人は散財し、高級なカメラを購入。家に帰るとアレックスは女装し、2人でおかしな映像を撮っては笑い倒れていた。
そこにデビッドが帰宅。彼には2人が散財することが許せなかった。


その晩、階下で強盗事件が起こる。ドアを蹴破る音で飛び起きたデビッドは下着姿のまま様子を見に行った。すでに人だかりが出来ており、何があったのか尋ねると部屋に戻る。


3人で食事をしていると例のカネの話になった。アレックスとジュリエットは使っちまえと考えていたが、デビッドは大事にしたかった。彼は死体を解体したから、このカネにかける思いが一際強い。


デビッドは密かにスーツケースをビニール袋に詰めると、天井裏にある水槽の中へ沈めた。そして仕事に行く時以外は天井裏にこもるようになってしまう。
デビッドの様子が気になるアレックスとジュリエットだったが、どうにも出来なかった。


2人が夕食をとっていると突然、2人組の男が訪ねてきた。彼らはヒューゴに金を持ち逃げされた悪党の仲間で、不用心に玄関を開けたアレックスを瞬く間に鎮圧。バールで足を砕き、動けなくした。次いでジュリエットも拘束される。アレックスは尋ねられてもいないのにカネは天井裏だと白状した。
1人の男が梯子を登り、天井裏へ。待ち構えていたデビッドが男をハンマーで撲殺。倒れる音を聞いたもう一人も天井裏へと登った。そしてまた、デビッドに殺される。男の首筋には組織のものと思われる刺青が入っていた。デビッドはまたも死体を処理する。


後日、ジュリエットは旅行代理店に来ていた。彼女はリオに高跳びするため飛行機のチケットを購入。


デビッドは天井にドリルで穴を開け、その穴から2人の行動を覗き始めた。


ある日、刑事が強盗についての取り調べに来た。デビッドが取り調べに応じる。ところが事前の調査でヒューゴがここに住んでいることが知られており、同居者の人数を聞かれて2人と答えた彼は不審にとられた。


デビッドが不在のとき、アレックスとジュリエットはカネを探すことにした。アレックスが屋根裏で探し、ジュリエットは下で見張っている。ところがデビッドが帰って来て、ジュリエットは口を塞がれてしまった。アレックスは水槽の中にカネを発見。梯子を降りるとデビッドがいたため、バレないように濡れた手を衣服で拭った。デビッドは、カネを探していたのかとアレックスの頭にドリルを突きつける。先端が皮膚に触れ、流血した瞬間、ジュリエットが止めに入った。


翌日、アレックスは仕事に向かった。編集長から3体の死体が森から見つかったと、取材を任される。現場に向かうも気が気でない。
アレックスのいない部屋で、ジュリエットはデビッドと愛を深める。
アレックスが事件の載った新聞を持って帰ると、2人はすでに新聞で事件が露呈したことを知っていた。「穴が浅いと言ったのに」とデビッドがアレックスを責める。アレックスは「死体が見つかっても俺たちには結びつかない」と必死に反論。


後日、ジュリエットが3人の写真を見させられ、刑事から取り調べを受ける。次いで、アレックスの取り調べ。彼は鎌をかけられ引っ掛かってしまう。刑事は取り調べを終えるとアレックスに電話番号を渡した。


その晩、ジュリエットと寝ていたデヴィッドは水槽からスーツケースを引っ張り出すと、身支度をして出ていこうとした。ジュリエットも目を覚まし、デビッドに付いていこうとする。

アレックスは刑事に電話をかけるが留守電。さらにデビッドには電話をかけていることが見抜かれていた。アレックスが呼び出され、3人が顔を合わせる修羅場に。2人で出ていこうとするデビッドとジュリエットに対し、アレックスはどこに向かうんだと聞いた。これにより、デビッドはジュリエットが1人でリオに逃げようとしていたことを思い出して激昂。彼女を1人で逃げさせろという声を聞かず、デビッドはジュリエットに殴りかかった。
そして事態が転じ、デビッド対アレックスとジュリエットになった。
アレックスの上にデビッドが馬乗りとなり、彼の左胸に包丁が刺される。止めをさそうとしたところジュリエットがデビッドの首に包丁を突き刺した。ところが彼女はアレックスを救うこと無く、彼の胸に刺さった包丁をさらに沈めていった。そしてジュリエットはスーツケースを持って外に出る。

 

翌朝、アレックスは鑑識が写真を撮った際のフラッシュで目を覚ました。彼は満足そうな顔をしている。それもそのはず、実はアレックスはスーツケースのカネをすり替えており、大量の札束は床下に眠っているのだった。

空港の駐車場で偽札を掴まされていたことに気づいたジュリエットは発狂。気分を落ち着けて窓口に向かった。

感想

荒削りなトレインスポッティングといった印象。

本作はダニー・ボイル監督の初監督作品で、ユアン・マクレガーのデビュー作。2年後にはトレインスポッティングが公開。シャロウ・グレイブに携わった多くの人が、トレインスポッティングにも携わっている。

この2作はテーマやストーリーも類似点が多く、どうしても見比べてしまう。仲間のあり方をテーマとし、カネで揉める。

類似していながらなぜ本作が見劣りしてしまうのか考えてみた。

まず思い浮かんだのは3人の描かれ方。彼らの関係性がまるで見えてこない。同居人を軽いノリで探してる様子を見るに、彼らの関係は希薄ととれる。しかし、それにしては仲が良いし、長年のつきあいにも思えた。中盤でデビッドとジュリエットが恋愛関係にあった事が示されるが、どうにも違和感がある。

次に主要人物の一人、ジュリエットの存在だ。彼女は悪い意味でステレオタイプな女性に描かれている。差別的な意味は無いのだが、僕は映画に出てくる登場人物は男が多いほど面白くなると思っている。本作のジュリエットの存在はハッキリ言って邪魔だった。女性が絡むと恋愛的な話に行きがちであるし、女性を巡ったトラブルが起きやすい。

あとはもめ事の発端となったカネの取り扱い方。脚本上の都合と言われればそれまでだが、なぜ分配しないのか。デビッドが「俺は解体したから多めに貰うよ」と言えば済む話なのに。

本作は最後にアレックスがカネをすり替えていた事が発覚するのだが、いつすり替えに成功したのかが分らない。新聞紙を切って偽札を作るシーンは見受けられたが、直接のタイミングが描かれていない。デビッドが屋根裏に住み着いてカネを守っていたのに、いつすり替えたというのか。しかもジュリエットにもバレず。

良かった点は解体を経験してからのデビッドの変わりよう。屋根裏をせわしなく動くシーンでは狂気を感じるし、ホラー作品の様な緊張感が常に漂っていた。それとやはりユアン・マクレガーのデビュー作であるということ。彼を世に出した功績はあまりにも大きい。

シャロウ・グレイブ [DVD]

シャロウ・グレイブ [DVD]

  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD
 
シャロウ・グレイブ [Blu-ray]

シャロウ・グレイブ [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: Blu-ray
 
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村