映画に逃げた

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連続殺人犯の日常 映画『ヘンリー』ネタバレあらすじと感想

ヘンリー

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:7/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:8/10

目次

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作品情報

1986年製作/アメリカ/上映時間83分
原題:Henry: Portrait of a Serial Killer
配給:ケイブルホーグ

監督:ジョン・マクノートン

製作:ジョン・マクノートン、リサ・デドモンド、スティーブン・A・ジョーンズ

製作総指揮:ワリード・B・アリ、マリク・B・アリ

脚本:リチャード・ファイア、ジョン・マクノートン

撮影:チャーリー・リーバーマン

音楽:ロバート・マクノートン、ケニー・ヘイル

編集:エレナ・マガニーニ

出演:マイケル・ルーカー、トム・トウルズ、トレーシー・アーノルド、カム・ヘスキン

あらすじ

ヘンリーは服役中に知り合ったオーティスと共同生活しながら、定職に就かず自由な生活を送っていた。ただ彼が他人と違うのは日常的に殺人を行っていたこと。ある日、オーティスの妹ベッキーが彼らの生活に加わり、オーティスとヘンリーの関係に問題が生じる...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

全裸の女性遺体が野原に横たわる。


舞台は切り替わりどこかのカフェ。ヘンリーは会計を済ませて店から出ていった。


バーで老夫婦が頭から血を流して倒れている。


ヘンリーは車を走らせる。


ホテルの一室、バスルームに女性の死体。顔には割れたガラス瓶が突き刺さっている。


ヘンリーはタバコをふかした。


どこかの湖畔、服のはだけた女性が浮いている。


ヘンリーは駐車場に入ると、1人の女性に目を付け彼女の車を追いかけた。彼女は家に到着。旦那が出迎えるのを見たヘンリーは悔しそうに引き返した。帰る道中、ギターを抱えた女性ヒッチハイカーを乗せる。

 

空港のベンチにベッキーが座る。兄オーティスは彼女を迎えに来た。彼女はリーロイという男性と結婚したが別居、娘を母に預けて自身は金を稼ぐため、都会に住むオーティスを頼った。オーティスはヘンリーと暮らしている。

オーティスとベッキーが居間で話しているとヘンリーが帰ってきた。彼はベッキーの同居を快諾すると、ヒッチハイカーから奪ったギターを拾ったと偽ってオーティスにプレゼント。こうして、ヘンリー、オーティス、ベッキーの3人の同居生活が始まる。

 

ひょんなことから駆虫薬の噴霧器を手にしたヘンリーは、それを持って害虫駆除の仕事を請け負う振りをし、モールで目をつけた女性宅を訪問すると殺害。遺体にはコードで首を絞められた痕跡があり、いくつもの根性焼きの跡が残っていた。

 

オーティスは出所後、ガソリンスタンドで働いていた。保護観察官との面会も行なっており、すっかり更正した様子。

 

ある日、ベッキーはオーティスにヘンリーとの出会いを聞いた。オーティスは刑務所だったと答える。ヘンリーの前科を聞きたがるベッキーにオーティスは「母親と愛人をバットで殴り殺した」と話す。絶対に俺から聞いたというなと念を押した。

 

夕食後、オーティスは所用で家を空けた。2人きりになったヘンリーとベッキーは、彼女の提案でトランプをし始める。その際、彼女は彼の兄弟の話を聞いた。
ヘンリーには骨格異常で成長できず、幼くして死んだ弟がいた。
その話を聞いたベッキーは、自分が13歳の時に父親から性的虐待を受けたことを告げ、父から逃げるために結婚したと告白。
ベッキーはヘンリーに、過去の罪について尋ねた。ヘンリーは母親殺しを認める。彼の父はトラック運転手をしていたが両足がなくなってしまった。だからそれからは母が売春して生計を立てていたのだがやり方が悪かった。父親がいてもお構いなしに男性を連れ込み、行為をヘンリーに見せつける。幼いヘンリーに女装させて客とそれをみて笑うのが茶飯事だった。だから彼はナイフで刺し殺したと言った。
互いの内心を打ち明けた2人は意気投合。
但し、一点だけ不可解なことがあった。母親の殺害方法を、オーティスからは「バットで殴った」とベッキーは聞いていた。ヘンリーは最初「刺した」と言うが、直後「14歳の誕生日の夜、撃ち殺した」と告白。
彼はまるで殺しかたを覚えていないように発言がコロコロ変わる。

 

ベッキーは、美容院のシャンプー係の仕事に就いた。ベッキーはそれをヘンリーとオーティスに報告し、ふたりも祝福。

新しいTシャツを購入したとベッキーが言うと、オーティスはシャツを着てみろと言った。ベッキーはふたりに後ろを向くように告げ、着替えてみせるがオーティスがベッキーに無理やりキスした。それを見たヘンリーは激怒。

ヘンリーとオーティスが険悪になったため、ベッキーは外へ飲みに行くよう勧める。2人は、言われた通りにした。


出かけたヘンリーとオーティスは売春婦2人と交渉し、車中へと連れ込んだ。茂みに車を停めて行為に及んでいるとヘンリーが躊躇いなく女性を殺害。驚くオーティスを横目に、ヘンリーはオーティスの相手も殺す。
ショックを受けるオーティスをヘンリーはたいそう気に掛けた。オーティスは以前、意味あって人を殺して捕まっていた。ヘンリーはそれとおんなじだと言う。ヘンリーの説得があってオーティスは折り合いを付けた。

 

家のテレビが映らなくなったので、オーティスとヘンリーは買い物に。
盗品を扱う倉庫へ行った2人は、カラーテレビを希望するが店主がふっかける。さらに店主からビデオカメラを勧められたものの高くて手が出ない。何も買わずに出ようとすると店主がこんなに説明させて何も買わないのかとヘンリーを煽った。
大人しく帰ろうとしたヘンリーはこの発言に気分を害し、店主の腹部に電源プラグを突き刺す。オーティスはコードで店主の首を締めた。2人はとどめにテレビを頭にかぶせ、感電死させる。スッキリとしたオーティスは大興奮。

 

カラーテレビもビデオカメラも持ち帰り、オーティスはベッキーを撮影。撮影しながらオーティスは、ヘンリーとベッキーにキスさせた。2人がカメラの前でキスすると、もっと長くと煽り始める。ヘンリーは気を悪くし撮影を止めた。

 

後日オーティスが高校生にドラッグを売った際、彼の太ももに触れた。その瞬間、高校生はオーティスの顔を殴り、逃げ出してしまう。

家に帰ったオーティスは高校生を絶対に殺すと激昂していた。ヘンリーはそんなオーティスに銃を与える。しかし、高校生を殺すと足が付くと忠告し、別の人間を殺すことを薦めた。
人を殺しに行こうとオーティスを車に乗せたヘンリーは、車道で立往生している振りを装って親切な若者を引き寄せた。そうしてオーティスに銃殺させる。彼は3発発砲してすっきりした。
ヘンリーはオーティスに毎回手口を変えることで、連続殺人犯でないように見せかけることができると教える。銃を使う場合は同じものを使わずにその都度変えることを助言した。
さらに場所を変えるのも重要だという。彼は近いうちにオーティスの家を出ることを告げ、一緒に来ないかと誘ったが保護観察官がついている彼は躊躇った。

 

以来、ヘンリーとオーティスは2人組で殺人を犯し、その様子を撮影する趣味にはまっていった。オーティスが殺人を喜んで行なっている一方、ヘンリーは作業のように行なっている。あるときは屋敷に押し込み、旦那を拘束して奥さんを弄んだ。それを目撃した息子をも殺害。

 

ベッキーは電話で夫のリーロイが殺人の罪で刑務所に入ったことを知る。彼女は娘と会いたいと思い始め、一緒に来ないかとヘンリーを誘った。ヘンリーは曖昧に答えたあと、彼女を食事に誘う。


帰宅すると、オーティスが酔って寝ている。
それを見たベッキーはヘンリーに迫った。いざ始まるといったタイミングでオーティスが起床。2人の様子を見ていた。

それに気づいたヘンリーは冷静になるため、買い物に行ってくると言って出ていってしまった。

 

戻ってくるとオーティスがベッキーに襲いかかっていた。

ヘンリーは即座にオーティスに組掛かる。2人は揉み合いになり、オーティスが有利になった。それを見たベッキーがオーティスの右目に櫛を突き刺す。ヘンリーはその櫛を手に取り、オーティスの腹部を何度も刺した。

初めて人を殺して混乱するベッキーにヘンリーは考えさせろと一瞥。

ヘンリーはバスルームでオーティスの遺体をばらばらに切断すると黒い袋に入れた。そしてそれを車で運び、橋の真ん中から川に投げ捨てる。


ベッキーを連れて町から逃げることに。行き先はヘンリーの姉がやっている牧場。
途中ヘンリーとベッキーはモーテルに泊まる。

 

翌朝、ヘンリーはひとりでモーテルを出てきた。

田舎道で車を止めたヘンリーはトランクからベッキーのスーツケースを取り出すとそれを置いて去っていく。

スーツケースには、血痕が付いていた。

感想

実在した連続殺人犯ヘンリー・リー・ルーカスの日常を描いた作品。彼は幼少期から母親に虐待を受けており、それが原因で歪んだ価値観を持つようになったのだが、本作においてその要素は大きく削られている。それによりヘンリーに対する同情が湧くのを抑えているように感じた。ヘンリー・リー・ルーカス - Wikipedia

ヘンリーが何を考えているのか分らない。ベッキーを殺すのはもちろんだが、他の殺人においても動機がまるで無いかのよう。ただ獲物探しをしているシーンから見るに彼は美人を殺したいようだ。

それに殺しを楽しんでいる様子もうかがえる。倉庫の店主を殺す際はわざわざテレビを頭に被せて感電死させているうえ、一家を襲ったシーンではヘンリーの物とおぼしき笑い声が入っていた。確かに日常的に殺人を行っているが、彼にとっても特別な行いという意識はあったのではないだろうか。

序盤こそヘンリーの異端さに目が行くが、オーティスの前で殺人を犯してからは2人のブロマンスじみた展開が始まる。師弟関係の様な奇妙な構図。因みに実在の2人は肉体関係のあるカップルだったらしい。

他の映画ならここら辺で警察の邪魔が入るだろうが本作でそういった展開は見られない。僕はたとえどんな悪人が主人公の作品でも、主人公に肩入れして鑑賞するので、本作を大変気に入った。欲望のままに突き進む2人の悪行は不謹慎だが痛快に思える。

作中でヘンリーは母親を撲殺した、刺殺した、銃殺したと話す度に別のことを言っていたが、あれはどういう意味だったのだろうか。話したことを覚えていないのか、殺し方を本当に忘れているのか。

僕はあえて毎回嘘を言っていたのだと思う。彼の矛盾した発言は他にもある。ベッキーを連れて町を出たあと、姉の営んでいる牧場を目指すと言っていた。しかし、彼は以前家族について聞かれた際に、弟がいたとだけ話している。これは明らかにおかしい。さらに実在のヘンリーには虚言癖があったらしく、それを踏まえて考えるに彼の嘘だったというのが妥当。一般的な考えだが、本当に大切な人に対してそんな嘘はつかないのではないだろうか。だとするとヘンリーは最初からベッキーを殺す気だったのではと勘ぐってしまう。

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