クロノス
コメディ度:2/10
グロ度:1/10
感動:3/10
リアリティ:3/10
人に勧めやすいか:8/10
満足度:7/10
目次
1992年製作/メキシコ/上映時間92分 監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ 製作:アーサー・ゴーソン、ベルサ・ナバロ 撮影:ギレルモ・ナバロ 音楽:ジャビア・アルバレズ 編集:ラウル・ダバロス 出演:フェデリコ・ルッピ、ロン・パールマン、クラウディオ・ブルック、マルガリータ・イザベル 生ける機械”クロノス”を偶然にも手にした老人は、訳もまからぬまま命を狙われる身となる。クロノスとは一体何なのか...。 以下ネタバレあり 1536年、錬金術師のウベルト・フルカネリは宗教裁判から逃れるためメキシコへ。彼は永遠の命を得るためのデバイス、”クロノス”を作った。 グリス一家が朝食をとっている。老父のヘスス、その妻のメルセデス、孫娘のアウロラ。ヘススはアウロラを連れて、自らの経営する古美術店に向かった。 開店してまもなく怪しげな男性がやって来た。彼は彫刻を探している様でいくつかのものを見ると帰っていった。ヘススはアウロラとパズルを楽しんでいたが、ゴキブリが現れて中断。出所を探ると、とある彫像だとわかった。彼が彫像を詳しく調べると台座から金色の物体”クロノス”が現れた。 ヘススは彼が帰ったあと隠していたクロノスを触ってみた。ゼンマイを巻くと動きだし、ヘススの左手を掴んで血を吸い始める。驚いた彼は引き剥がし、アウロラに「それに触るな」と忠告。 ヘススはその晩、傷口が痒くて堪らなくなった。そして何を思ったのかクロノスを手に取ると再び同じ場所に刺させる。彼は気持ち良さそうな顔をしており、その姿をアウロラが見ていた。 翌朝、ヘススは少し若返っていた。アウロラが見当たらないので、1人古美術店に向かうと何者かに店が荒らされていた。机の上に”アンヘル・デ・ラ・グァルディア、24時間営業”書かれたカードが置いてあった。 その晩は年越しのカウントダウンパーティー。夫妻とアウロラで参加したのだが、2人が盛り上がってしまいアウロラは置いてきぼり。途中でヘススは鼻血を流した参加者を目にし、後を追った。そして彼はトイレの床に垂れた血液を美味しそうに舐めとった。そこを隠れて参加していたアンヘルが拉致。崖の上で尋問していたのだが、誤って殴り殺してしまう。アンヘルはヘススの死体を車にのせると事故に見せかけるため崖から落とした。落ちる直前、ヘススは目を覚ましたのだが時すでに遅く落下。彼は死の直前までアウロラのことを思っていた。 アウロラもメルセデスもその姿を受け入れ、ヘススは家に帰った。 ギレルモ・デル・トロ監督の長編デビュー作なのだが、すでに監督の世界観が出来上がっている。監督自身が特殊メイクの出身ということもあり、彼の作品にはクオリティの高いユニークなモンスターが多く出てくるが本作も同様。クロノスの中に閉じ込められている昆虫は一瞬しか登場しないが実在するかのような存在感を放っていた。 ストーリーは永遠の命を与えるデバイス、クロノスを2人の老人が奪い合うといったシンプルなものだが、クロノスを筆頭にその使い方を示した本、古美術店の商品などファンタジー感漂うアンティークな小物が見ていて楽しい。また、その物語に華を添えるアウロラの存在が愛おしく感じる。作品情報
原題:Cronos
配給:オンリー・ハーツあらすじ
ストーリー
1937年、建物の崩壊に巻き込まれたウベルトが見つかる。彼の肌は大理石の様だった。政府は秘密裏に彼のことを調べた。家と家財道具は競売にかけられたが、クロノスの存在は抹消された。
さっきの不審な男は外で誰かに電話をかけている。話し相手はどこかの工場長で、話を聞いた彼は隠し部屋にいる叔父に伝えに行った。その部屋には同じ天使像がたくさん。叔父は古い本を読んで、とある像を探し求めていた。
叔父の指示を受けた工場長アンヘルは早速、古美術店に買いに行く。彼はヘスス、アウロラと談笑しながら像を買って帰った。
2人はメルセデスのやっているダンス教室に向かった。ガラスで怪我をしたと嘘をつき、治療をしてもう。
彼はその場所に箱を持って向かう。そこは町外れの工場だった。待ち構えていたアンヘルから叔父の元に案内される。叔父はある古い本を見せてクロノスの説明をした。「クロノスは永遠の命を授けるが、間違った使い方をすると大変なことになる」それを聞いたグリスはなにも知らないふり。やがて叔父はヘススの持ってきた箱に目を付けてそれを奪った。ヘススは抵抗もせず帰っていく。箱の中身はただの南京錠だった。
ヘススは家についてそうそうクロノスを求めた。しかし、しまっていた場所にクロノスは無く、アウロラが隠したに違いないと彼女を探した。アウロラは昨夜の光景に怯え、自分の基地に隠れていた。彼は彼女を説得してクロノスを返してもらった。
ヘススはバスルームで左胸にクロノスを刺した。傷口からはねばねばとしたものが垂れている。しかしすぐに傷口が塞がると、跡も残らなかった。
アンヘルは叔父に呼び出された。叔父はヘススの心臓をきちんと傷つけたかと尋ねる。
ヘススの葬儀にアンヘルは向かい、確実に死んだことを確認。
しかし、火葬の寸前ヘススは生き返って逃げ出していた。空の棺桶が燃やされているとも知らずアンヘルは大喜び。
逃げたヘススはアウロラに匿ってもらった。彼は日差しを浴びると皮膚がやけてしまう。メルセデスに「アウロラを頼む。私にはやり残したことがある。もし帰れたらどんな姿の私でも受け入れてくれ」と手紙を書いた。
手紙をアウロラに託すとヘススは工場に忍び込んだ。だが、アウロラもこっそりとあとをつけていた。気付いたヘススは彼女を返すわけにもいかず、2人は叔父の部屋に侵入して本を探す。すると叔父が目を覚ました。気付かれないようにアンヘルを呼び出す。ヘススは起き上がった叔父に「体は腐っていく、どこが永遠の命だ」と文句を言ったが、彼は剥いてみろと答えた。皮膚を剥くと中から大理石のような肌が現れる。叔父は続けて人の血を飲めと言った。彼はクロノスを渡せば生き残るための方法を教えると交換条件を持ち出した。しかしヘススがクロノスを取り出すと同時、叔父は隠していた短刀で彼の腹を刺した。馬乗りになり心臓を刺そうとしたとき、アウロラが背後から近づいて叔父の頭を杖で殴って助け出す。アウロラに逃げるよう告げたあと、ヘススは倒れている叔父の血を啜った。
エレベーターが動き出したので2人は隠れる。やって来たアンヘルは叔父が死んで全ては自分の物だと大喜び。まだ生きていた叔父の首を彼はへし折った。ヘススがアンヘルを杖でぶん殴って逃げ出す。2人は屋上に追いやられた。アウロラを梯子で逃がすとヘススはアンヘルと揉み合いになり落下。
倒れるヘススの胸にアウロラはクロノスを刺した。起き上がったヘススはクロノスを破壊。彼は自分の皮膚を全て剥がした。感想
ギレルモ・デル・トロ監督といえば