映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

半径15mに近づくと... 映画『(r)adius ラディウス』ネタバレあらすじと感想

(r)adius ラディウス

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2017年製作/カナダ/上映時間93分
原題:Radius
配給:アットエンタテインメント

監督・脚本:キャロライン・ラブレシュ、スティーブ・レナード

製作:アン=マリー・ゲリナス

撮影:サイモン・ビルヌーブ

音楽:ブノワ・シャレスト

編集:スティーブ・レナード

出演:ディエゴ・クラテンホフ、シャーロット・サリバン

あらすじ

交通事故にあい、記憶を失って目覚めたリアムは助けを求めるために近くの町に向かう。しかし町は死体ばかりで、ようやく見つけた生存者も彼が近寄った途端に死んでしまった。やがてリアムは自分の半径15メートル以内に立ち入った者が即死することに気付く。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

交通事故を起こした男性は記憶をなくして目覚めた。彼は助けを求めようと、通りがかった車を止めようとするが車は大きく逸れて停車。運転していた女性は目が白濁した状態で死んでおり、男は驚いた。

女性の携帯電話で通報した彼は名前を聞かれて初めて記憶をなくしていると気づき、通報の途中で電話を切る。そこで自分の持ち物を探ってみると、「リアム・ハートウェル」という名前だと判明。頭上からカラスの死体が落ちてきて、リアムは再度驚いた。

助けを求めて近くのダイナーに向かうと、店主や客たち10人弱が死んでいた。先ほどの女性と同じく白濁した目をしている。何らかのガスかウィルスが漏れているのではないかと疑ったリアムは、袖を破り口を覆って移動を開始。

 

リアムは地図を頼りに見覚えのある民家へ行ってみた。窓を壊して侵入するとそこはリアムの家だった。留守電の応答メッセージからそれを確信、さらに自分が園芸業に勤しんでいた事も判明。ニュースではダイナーの大量死が話題に。原因は分らず検視結果待ちだとのこと。

外で農作業をする男性を見かけたリアムは、外は危険だと家の中から声をかける。農作業中の男性にリアムの声は聞こえない。ガスが漏れているかも知れないので窓を開けたくない彼は、「外にいたら危険」という文字を書いて示したが、文字を見ようと男性が近づいて倒れてしまう。それを見たリアムは恐怖した。空気感染の類ではないと気付いた彼は翌日、おそるおそる外へ出た。外で騒ぐカラスに近寄ると、一定の距離でカラスが死に始めた。そこでカラスとの距離を測ると約15m。リアムは自分に近づいたから人や動物が死んだと気づいて愕然とした。

ニュースでも空気感染は否定され、何らかの伝染病かテロかと話題になっている。

男女の警官がリアム宅を訪問。彼は自分に警官たちが接近しないよう、距離を取りながら隠れた。警官はカラスが白濁した目で死んでいるのを見つけたが、無線で呼ばれて撤収。その後居眠りしたリアムは、断片的な事故の夢を見る。

夜中、ある女性がリアム宅を訪問した。リアムは彼女を殺してはいけないと物置から様子をうかがう。彼女はリアムに気づくと声をかけた。彼女も彼と同じく記憶喪失になっていたが、事故の時にリアムと一緒にいたということを思い出したので訪問したらしい。物置越しに話したリアムは、彼女が15m以内に入っているのに死んでいないことに気付く。リアムは物置から出て女性と対峙。付近に犬がいたのだが、その犬も死んでいないので驚いた。彼女は名前すらも分らないそうで、自らをジェーン・ドウと名乗る。

ジェーンは事故の後、病院で手当てを受けており、CTスキャンで記憶喪失と診断されていた。彼女は自分とリアムの関係性を知りたがって半ば強引に家に入った。中を見て回りながら2人は覚えていることの情報交換をする。すると唐突に「スミスバーグ・オークデール橋」という看板の前でジェーンと一緒にいた記憶が蘇ったリアムは、それをジェーンに聞いてみた。彼女は覚えていなかったが、何か手がかりが見つかるかもと翌日訪れることに。

 

翌日、対向車とすれ違うが異常はない。リアムはジェーンに自分が近寄ることで人が死ぬことを伏せていた。

スミスバーグ・オークデール橋に着いたが思い出すことは何もない。次に2人は事故現場に行ってみた。現場の近くには半径15mほどで円形な黒いこげ痕のようなものがあった。黒焦げになった植物を見るにこれは燃やされて出来たわけでは無さそう。

事故のとき雨とともに雷があったことを、リアムは思い出した。ジェーンもその瞬間の映像が脳裏に蘇る。ジェーンが死なないことで大丈夫だと確信したリアムは、思い切って秘密を打ち明けた。テレビやラジオで話題になっている大量死の原因が、自分ではないかとジェーンに話す。「俺が近づいたら人が死ぬ。でももう異変はなくなった」と告げたが、ジェーンはもし私が死んだらどうするんだとヒステリックに陥る。ジェーンがリアムと距離を取り始めた時、周辺をパトロールしていた女性警官が見咎めてリアムに話しかけた。ジェーンが一定のところまで離れた時、リアムに近づいていた警官が倒れる。リアムは驚くジェーンに、君は死なないと説得し、同行を頼んだ。

家の近くまで戻ったリアムは、ジェーンを使ってある実験を試みる。ヤギをリアムの近くに置いた状態で、ジェーンにリアムから距離を取るよう指示。すると、リアムとジェーンの距離が15m離れるとヤギが死んだ。殺す力を持っているのはリアムで、ジェーンがそれを抑える役目だと2人は気付く。

リアムは自分の身に何が起きているのかを知りたがり、反対するジェーンを説得して病院へ。3日前に交通事故に遭ったこと、記憶がなくて混乱していたため病院へ来るのが遅れたことを話して違和感なく診察を受ける。ジェーンをそばに置いた状態で、CTスキャンを撮ってもらった。

検査結果を待つ間、女性警官の死が報じられてリアムは容疑者として報道された。女性警官が死んだとき彼女は幼い息子と通話中で、息子がリアムの名前を呼んでいたと証言したことから疑いがかけられた。CTスキャンの検査結果は問題なし。

病院に集まっていた警官から2人は逃げ出す。エレベーターに乗り込もうとした時、ジェーンは掲示してあった行方不明のビラを見て、思わず立ち止まってしまう。自分の顔写真が載っている行方不明者のビラを見たことを思い出した。そのせいでジェーンはエレベーターに乗りそびれ、エレベーターの乗客を危険にさらすことに。リアムは次の階で乗客全員を降ろした。ジェーンは急いで階段を降り、リアムと合流。

車で逃亡したリアムとジェーンは、ひとけのない私有地へ行くと小休止。私は失踪者だとジェーンは先ほど思い出したことをリアムに告げる。2人は車内で眠りに就いた。

 

ラジオで続報が流れた。逃亡時にリアムが女性と一緒で、その女性の名はローズ・デアウッドという既婚者。サムという名の旦那がいる。

夫の名はサムというだと聞いたジェーンは、彼に会えば何か分かるかもしれないと思った。リアムは最初同行を躊躇い、この人気の無い場所に居続けようとしたが、ジェーンが「夫との不仲が失踪原因かもしれない」とリアムを説得。

経営者とニュースで聞いたので電話帳で住所を探して向かった。夫のサムと会うと、ジェーンの顔を見て「ローズ」と駆け寄ってきた。車に乗るようサムに頼んで人気のないところへ移動した後に、リアムがこれまでの事情を説明した。もちろんサムは信じず、ジェーンとの仲を疑う。そこでリアムは車外に出て、自らが近寄ることで鳥が死ぬのをサムに見せた。サムは信じるしかない。

サムはリアムとジェーンに、仕事場を隠れ家として提供。ジェーンはサムに原因解明してくれる研究者への仲介を頼む。

仕事場には失踪者のチラシがあった。その顔写真が自分そっくりなのに名前が異なっていたのでサムを問い詰めたが、サムはすぐに否定。顔写真はジェーンの双子の姉リリー・グレイソンのものだった。1年前に職場を出たあと行方不明となり、現在も見つかっていないそう。双子の姉がいなくなり、ジェーンは血眼になって探した。チラシを作って配り歩くようになり、それがサムとジェーンの夫婦仲を悪くした原因だという。

それを聞いた瞬間、ジェーンは思い出した。事故の夜、ジェーンは姉のリリーを探し疲れ、自殺を考えてスミスバーグ・オークデール橋の上に立っていた。その時にジェーンを見かけたリアムが話しかけ、彼女は自殺をやめる。ジェーンの事情を探ることなく、リアムが送ってやると言ってくれたので、ジェーンは彼の車に乗り込んだ。

リアムはサムに地図を見せてくれるよう頼むと、人のいない場所を探し始める。地図を見るとかすかに記憶に残る場所があった。リアムはそこへ行きたがったが、サムは作業場に留まるよう説得。

ジェーンはサムが自分にまつわる事柄をノートに書き出しているのを見て感激。その様子を見たサムはようやく本当に記憶喪失なのだと分った。

サムは2人に逃げろと言い出す。サムは中座した時に警察へ通報していたのだが、ニュースで報じられるテロリストではないと確信して気持ちが変わった。2人は逃げようとしたが、警官に捕まり引き離されそうになる。リアムもジェーンも必死で「引き離さないで」と訴えるが、距離が開いてしまった。その瞬間、警官と集まっていた野次馬は一斉に倒れて死亡。奥へ避難させられていたサムが駆け寄り、2人の手錠を解いた。

サムは説明のためここに残ると言い、リアムとジェーンは目星を付けた場所へ移動。途中の雑貨店で食料の買い込みをしたリアムとジェーンはニュースで「NASAが発表した宇宙からの光線」という映像を見て、これこそが原因だと確信した。

 

リアムが思い出した小屋に2人は到着。周囲に人家が一切ない、簡易的な寝泊まりができる木造の小屋だった。

リアムはもし対処法が見つからなかったらどうしようと頭を抱え、ひとりで散歩にでかける。

小屋の暖炉を使おうとしたジェーンは暖炉の中に隠されたノートを発見。

ノートには失踪者のチラシがスクラップされていた。さらにチラシと共に、殺害方法が詳しく記されている。姉のチラシもあり、最後のページに書かれていたのはジェーンの名だった。

その頃、リアムは近くの湖にボートを見つけて乗り込み、ボートの中にブルーシートのリングを見つけた。それを手に取った彼は自分が女性を捕らえては殺害し、湖に遺棄する連続殺人鬼だったと思い出す。

橋でリアムがジェーンに話しかけたのは殺害するためだった。リアムが車の運転中、ジェーンに注射を打とうとしたが彼女が暴れて事故に。雨の降る車外で交通事故の後に対峙した2人は宇宙から射す球形の雷光を受け、その影響で能力が開花した。

リアムは自分が殺人鬼だったという事実に辿り着き、ショックを受ける。

湖岸まで戻ると背後に銃を持ったジェーンが立ち、リリーの居場所を訪ねた。連れてきてと言われても彼女は既に死んでおり、湖の底に沈んでいる。これまで一緒に過ごしていたので、ジェーンには姉を殺害したリアムを殺すことができなくなっていた。

小屋に戻ると、男性4人に銃で脅された。彼らはふもとの雑貨店でリアムを目撃し、後を追っていた正義マン。リアムはテロリストだとして、男たちに羽交い絞めにされた。しかしジェーンとの距離が開いたので、男たちは一斉に死亡。

目の前で父親が死ぬのを見て動転した息子が、死ぬ直前に発砲。その銃弾がジェーンの腹部に当たり、彼女は重傷を負う。リアムは車に乗せて病院へ駆け付けた。

 

病院へ行って看護師たちに見せると、ジェーンはすぐにストレッチャーへ乗せられて手術室に連れて行かれる。

リアムはそれを見送ると、こめかみを銃で撃って拳銃自殺した。

ジェーンは銃声を聞いて何とも言えない表情を浮かべる。

 

感想

設定が斬新で面白かっただけに鑑賞時のハードルが上がり、それ以外の点に関して良いものとは思えなかった。

導入がとてもスムーズで、リアムが能力に気付くまでの過程には感心した。前情報で知っていたのはここまでだったので、このまま人から隠れて過ごす映画かと思いきやジェーンがやってきた。勝手な話だがこの時点でちょっとヤだ。彼女が近くにいると能力が抑えられるって設定は面白いと思うけど。

ジェーンは出会い頭から自己中心的で協力するのが当たり前みたいな態度で接してくるので良く映らない。終盤まで好きになれなかったし、感情がリアムに味方してしまう。すぐ感情的になるのも嫌だね。

全編通して2人とも説明不足な気がするんだよね。例えばサムはジェーンの記憶を思い出させるために色々話すけど、ジェーンはサムに何も教えないから不信感が増すとか。警官に引き離されるときも一緒にいさせてしか言わなかったり、たとえ信じて貰えないにしても離したら死ぬとかは伝えるべきだと思う。まあ引き離されたおかげで(?)見せ場である大量死亡シーンに繋がるんだけど。

リアムの正体は今まで散々匂わせるシーンがあったから以外でも何でも無かった。途中NASAの映像とかもあったからとんでもないオチを期待してたんだけど(宇宙人とか他の能力者とか)。リアムが記憶を失って良い人になっちゃてたから、ラストはスッキリしないね。ただリアムの能力は未知な筈なのに、死んだら解決するって考えはどうなんだろうか。死体になっても半径15mにいる生物が死ぬ可能性はあるよね。考え足らずか無責任か。

(r)adius ラディウス(字幕版)

(r)adius ラディウス(字幕版)

  • 発売日: 2018/04/04
  • メディア: Prime Video
 

急に能力に目覚める映画

クロニクル [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

クロニクル [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: Blu-ray
 
エージェント・ウルトラ [Blu-ray]

エージェント・ウルトラ [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: Blu-ray
 
ジャンパー [Blu-ray]

ジャンパー [Blu-ray]

  • 発売日: 2008/07/23
  • メディア: Blu-ray
 
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村