映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

禁断のアンチエイジング 映画『アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法』ネタバレあらすじと感想

アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法

コメディ度:2/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1964年製作/アメリカ/上映時間64分

原題:The Atomic Brain

監督:ジョセフ・V・マスセリー

脚本:ディーン・ディルマン・Jr、スー・ドウィギンズ

出演:マージョリーイートン、フランク・ガーステル、フランク・ファウラー、エリカ・ピータース

あらすじ

大金持ちの老婆ベティの屋敷の地下室では、マッドサイエンティストなフランク博士が日夜研究に励んでいた。彼が研究していたのは脳移植技術。ある日、実験が成功しベティは早速選び抜いた若い3人の女性を屋敷に招く。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

墓地に埋葬された少女の遺体をオットー・フランク博士が盗みに入った。

彼は盗み出した遺体を研究室に運ぶと動物の脳を移植。実験が成功したので次は人間の脳を使いたい。

彼は監視員の目を盗み再び墓に向かう。彼は以前に作った動物の脳が移植された男ハンスを従えて少女の死体を運び出す。しかし最中で監視員が盗難に気付いてしまい、彼はハンスに殺された。この少女の死体はまだ新しく、埋められてから3時間と経っていない新鮮なもの。
実は彼の実験には出資者がおり、それはへディ・マーチという老婆だった。彼女は死を恐れ、脳移植によって若返ろうと企んでいる。彼女には財産狙いの若い旦那ビクターがいたが、そこに愛はなくほとんど召使いと化している。家政婦の求人を出し、3人の少女を屋敷に招いた。ちょうどテレビに墓で夜警が殺されたとニュースが入る。

へディはフランクにバレたらどうすると詰め寄った。フランクは証拠もろとも家を破壊する爆破ボタンがあるから大丈夫と答えた。
フランク博士はついに人間の脳移植を実行。実験は成功するも脳が損傷しており思考が出来ない。ただ歩くだけのゾンビの様になってしまった。

 

家政婦の求人を見て連絡を取った3人が空港に到着。国内外からやって来た身寄りの無いニーナ・ローズ、アニータ・ゴンザレス、ベアトリス・メランダーをビクターが屋敷に送る。

屋敷に着くと早速、へディとフランクが品定め。体の細かいアザまでチェックした。アニータには背中にアザがありここで脱落。ニーナは入念なチェックに不信感を抱き、帰りたがるが入官に突きだすと脅され仕方なく残った。選考によってベアトリスが選ばれる。
3人はビクターに部屋を案内される。ベアトリスには一番良い部屋が割り当てられ、ニーナは2階、アニータは地下室。ニーナが電話を見つけどこかにかけようとするが使えない。

アニータが眠ろうとしていると、もとの音を聞いた。音の正体はハンスで、彼女は襲われてしまう。


翌朝ニーナとベアトリスが家政婦の仕事を開始。銀食器を磨きながら2人はアニータがいないことを不信に思い話し合う。そこにベティがやって来て、ベアトリスに食器磨きはシミが出来るからと止めさせた。さらに歩くのも禁止。筋肉がつくからと部屋にいるよう指示した。
ニーナはベアトリスをアニータの部屋に連れていく。アニータの部屋には荷物が残っており、それを置いて出ていくとは思えない。2人は脱走を試みるもベティが玄関におり断念。仕方なく部屋に戻るとベティは部屋に鍵をかけた。
ビクターが遺言書の変更を済ませる。

 

博士はアニータの死体に猫の脳を移植。フランクはそれをベティに見せた。アニータは猫の仕草を見せるだけでなく、生きたネズミを食べた。

 

ニーナとベアトリスは窓からふらふらと外に出る少女(冒頭の死体)を見かけた。ハンスが少女に襲いかかり、殺してしまう。気付いたフランクはハンスを鎖で木に繋いだ。


2人は脱出するにはハンスを何とかしなければと思った。ベアトリスはある案を思い付く。実はビクターはベアトリスに惚れており、それを利用して車を奪えないかというものだった。
その晩、ベアトリスは晩酌中のビクターを誘惑し、外で密会。しかしビクーターはすぐにベティに呼ばれて行ってしまう。彼が去ったあとアニータが姿を見せた。ベアトリスは猫と化したアニータに襲われる。

 

ニーナが部屋で待っていると屋上にアニータを見つける。彼女は降りられなくなってしまった様子で、ニーナが手を貸そうとする。しかし、足を滑らせたアニータは落下してしまった。
ニーナが急いでフランクを呼びに行く。そこではベティ、ビクター、フランクが揃っており、ベアトリスが怪我したことを悔いていた。ベアトリスは目を失った様子。アニータが死んだと聞いたフランクは急いで向かった。


フランクはニーナにベアトリスの目を治せるのは自分だけだと講釈垂れる。彼はそこで自己弁護した。金がなければ何も出来ない、本当はあんな老婆に従いたくないと。ニーナはベアトリスに今夜逃げ出そうと伝えたが、ベアトリスは諦めていた。


ベティとビクターはニーナに成り代わったときのための買い出しに出る。ベティは買ってきた服をニーナに着せて大喜び。
その晩ニーナはビクターに何が起きているのかを聞きに行く。彼は計画の全貌を教えた。
ベティは今夜ニーナに成り代わる。そしてベティは今夜、燃える屋敷から遺体となって見つかり、遺書によってニーナが巨額の富を得ると。
しかし、ビクターはある計画を思い付いていた。ベティを殺せばニーナに金が渡り、自分も自由の身だと。ビクターは走り書きで契約書を書くとニーナにサインさせ、車を用意すると言ってニーナを外に出した。

しかしベティがビクターの背後から忍び寄り、背中を刺した。


ニーナが再びビクターの部屋に戻ると彼が倒れていた。そこにベティとフランクがやって来る。指示のもとフランクがニーナを気絶させた。
2人をベットに並べたフランクは何故ビクターを殺したのか尋ねた。彼女は彼が邪魔だと答える。それを聞いた彼はベティに薬を打つと手術を開始。


彼はベティの脳を猫に移した。

そしてニーナを脅迫する。今、財産はニーナにある。それを私に寄越さなければ脳を他人と入れ換えるといったものだった。それを言い終えると彼は装置の中に入っていき、何かの作業を始めた。猫となったベティは彼を閉じ込め、爆破スイッチを押す。
屋敷は爆破され、ニーナとベティが生き延びた。
猫となったベティはニーナに付いていき、いつか復讐を果たすだろうとナレーションが入りEND。

感想

1964年製作のこともあり、映像はモノクロ。しかし内容は現在でも通用する。と、いうよりもこの時代には既に現代の映画のベースになるような発想ができあがっており、進歩していないとも言える。この映画は人を騙して屋敷に呼び、危害を加える定番のプロットが使われている。近年の似たような映画だとゲット・アウトが頭に浮かんだ。映画として洗練されているが本質に大差ない。

僕はかなりこの映画を気に入った。真面目なのかふざけているのか分らない絶妙なテイスト。猫にされた人間が復讐するシーンは当時大まじめに作られていたのだろうか。自爆ボタンとかコメディ以外で初めて見たよ。そりゃあ映像がしょぼかったりはするけれどそれも含めて味と思える作品だった。

ただ一つどうしても頂けないことがある。僕は本作をアマプラで観たのだが、あまりにも字幕の出来がヒドい。シーンによって見切れる箇所があり、翻訳自体も中華製品の取り扱い説明書のよう。キャラクターたちはですます調で話す。中でもキャラクターの1人、アニータに関しては翻訳家に嫌われてるのかってくらい名前を間違えられていた。アニタはまだしもアニオタと呼ばれるシーンがいくつかある。滑稽ではあるがここまで字幕に間違いがあると肝心な台詞も怪しく思える。僕は正しくこの映画を観たと言えるのだろうか。

アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法 [DVD]

アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法 [DVD]

  • 発売日: 2008/12/26
  • メディア: DVD
 
アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法

アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法

  • 発売日: 2020/06/07
  • メディア: Prime Video

 

 

 

 

Amazonプライム・ビデオ

Amazonプライム・ビデオ

  • 発売日: 2020/07/08
  • メディア: アプリ
 

 

育児に奮闘中の夫妻を襲ったものとは 映画『何か』ネタバレあらすじと感想

何か

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:6/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:4/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2018年制作/アメリカ/上映時間86分

原題:Something

監督・脚本:ステファン・ポートランド

撮影:パトリック・ローレンス

編集:Noel Berwick

出演:マイケル・ガジン、Jane Rowen、ジョエル・クラーク・アッカーマン、エリック・ロバーツエバン・カーバ

あらすじ

初めての子育てに苦戦中の夫婦に”何か”が襲いかかる。

それは育児ノイローゼの引き起こした幻覚だろうか...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

警察が一件の屋敷を訪ねるが、返事がない。

 

夫婦が子育てに奮闘。赤ちゃんが寝ると小声で喋り細心の注意を払う。しかし、目を覚まして夜泣きが始まる。
翌朝、ようやく眠りについたかと思うと火災報知器のアラームが響き渡った。家は新品同様にリフォームされているが検知器は古いままだと愚痴をこぼす。誤報が多いらしい。

旦那は朝から壊れた給湯設備の修理に励んだ。昨夜、妻がシャワーに入ろうとしたらお湯がでなかったからだ。
今日から子供とは別室で寝ることになった。ベッドを子供部屋に移動してベビーモニターを設置。
妻は育児ノイローゼになっていた。そんな妻を旦那が慰める。
妻は旦那に赤ちゃんを任せて風呂に入った。タオルを顔にかけていたら黒い人影のようなものを見る。


その晩、妻は頭痛がひどくなり、旦那に薬を取りに行ってもらった。そのときにも何者かの視線を感じる。
旦那は明後日から2、3日の出張がある。妻はそれを軽く引き留めた。少し険悪なムードになって眠りにつくとベビーモニターに人影が写った。確認しに行くがなにもない。
妻は眠れずにモニターを見続けた。またも影を見て旦那を起こすが、問題なし。

 

翌日旦那が書斎で仕事をしたが寝不足から寝落ちしてしまった。夕飯に呼ばれて赤ちゃんの顔を見ようとベビーベッドを覗くと、横にナイフが置いてあった。旦那は妻に問い詰めるが、妻はだいぶ参っている様子。そんな様子を見かねて旦那は昔みたいに映画を観ようと提案。ホームシアターで映画を再生すると同時、赤ちゃんが泣き出した。
妻があやしに行くとすぐに寝た。

夫婦が映画を楽しんでいるとベビーモニターにハッキリとペストマスクを着けた人が写るのを旦那が見る。彼が急いで部屋に駆けつけたが人は見当たらない。窓が開いていたのでそこから飛び降りたのではと念のため外を見回る。彼は電波障害で混戦して変なものが映り込んだのではと疑った。窓は妻が無意識に開けていた様子。


翌朝2人は話し合う。旦那は妻に医者に見てもらうか、両親を呼ぶかを選ばせた。妻は医者に診てもらうほうを選んだ。妻は昨日みた変な夢について話す。それは自分が無意識に行ってきたことが実は旦那に仕組まれており、旦那が妻の精神をおかしくしようとしていたという内容だった。
旦那は明日の出張に向けて荷造りを始めるがパスポートがない。書斎をいくら探しても見つからず妻を疑う。
パスポートはキッチンのゴミ箱に捨ててあった。旦那が妻を責めるが彼女には心当たりがない。
パスポートが見つかったので荷造りを再会しようとスーツケースを押し入れから引き出したが、荷物が完璧にパッキングされていた。しかし2人とも準備した覚えなどない。
さらに庭に立つ男を旦那が見かけるが数秒後には消えた。
2人して頭がおかしくなったと思い、とりあえず寝ることにする。


変な音が聞こえたので旦那がゴルフクラブを持って部屋を出た。廊下には先ほどのペストマスクが。旦那は突如として気絶。
倒れる音を聴いて妻が駆けつける。旦那は子供と妻を1つの部屋に置いて、一室一室回った。その間に妻は警察に通報。
家のなかには誰もいなかった。
警察が2人やって来て侵入者を探すが侵入の痕跡すら見つからない。
警察はシフトが終わったらまた見に回ると告げて去っていった。


旦那が見張って妻が先に寝ることにしたが、旦那も眠ってしまう。
妻が目を覚まして悲鳴を上げる。子供がいなくなっていた。
鳴き声を頼りに探していくと乳母車ごと外に放置されていた。さらに妻がペストマスクを目撃。旦那が来たと同時に何かは消えた。それによってペストマスクが人ではない”何か”であることを確信。
夫婦が眠りにつくとペストマスクがやって来た。それは妻に触れ、次に旦那に触れた。

 

オープニングに戻る。

昨夜の警察がシフトを終えて屋敷を訪れた。いくら呼び掛けても返事がないのでドアを蹴破って侵入。子供は昨夜のように乳母車ごと庭におかれていた。
夫婦はベッドで眠ったように死んでいる。
そこに警部がやってきた。巡査は2人がまるで生きているようで気味が悪いと証言。
警部はそれに笑って返す。2人の頬はピンクに染まっていた。これは一酸化炭素中毒の症状で、一酸化炭素中毒になると記憶障害や幻覚が見えることもある。
その説明の最中、巡査がペストマスクの幻覚を見始めて崩れ落ちてしまった。
警部は現場の維持を指示しながら巡査に駆け寄った。

感想

この映画をズバリ言うなら一酸化炭素中毒になった夫婦を、ホラー映画の視点から撮ったもの。本当に最後の最後まで一酸化炭素中毒なんて気付かない。1回目適当に観たが正体を聞いてもう一度観た。

幻覚は言わずもがなだが細かい伏線の多いこと。

まず冒頭でお湯が出なくなり旦那が素人作業で給湯設備を修理。これが本作の核となる場面。続いて火災報知器が鳴るシーン。彼等は火が上がってないから誤報と考えたのだろうが、しっかりと一酸化炭素に反応してた。

記憶障害に関しては初めこそマナーモードにしてたはずが解除されてたとか、いつの間にかドアの鍵が閉まってるってレベルからエスカレートしていき子供の横にナイフが置かれる、パスポート捨てる、息子を屋外放置といった有様。

1回観ただけでは気付かないが子供の横にナイフが置かれていたのは、料理の最中に子供が泣き出して急いで駆けつける描写がある。

パスポートも妻からペットボトルを捨ててと頼まれるシーンがあり、そのときに一緒に捨てていたと思われる。

子供が2回目外に出されたシーンは母親が置き忘れたように見えるシーンがある。

ただし1回目はなぜ外にいたのか分らないようになっている。それこそ子供を助けようとした”何か”の仕業なのかも知れない。

何か

何か

  • 発売日: 2019/04/18
  • メディア: Prime Video
 

 

Amazonプライム・ビデオ

Amazonプライム・ビデオ

  • 発売日: 2020/07/08
  • メディア: アプリ
 

 

殺人スライム襲来 映画『ブロブ 宇宙からの不明物体』ネタバレあらすじと感想

ブロブ 宇宙からの不明物体

コメディ度:2/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1988年製作/アメリカ/上映時間95分
原題:The Blob

監督:チャック・ラッセル

脚本:チャック・ラッセルフランク・ダラボン

製作総指揮:アンドレ・ブレイ

製作:ジャック・H・ハリス、エリオット・カストナー

撮影:マーク・アーウィン

音楽:マイケル・ホーニッグ

編集:トッド・ファーマン

特殊効果:ホイト・イェットマン

出演:ショウニー・スミス、ドノバン・リーチ、ケビン・ディロン、ジェフリー・デマン、キャンディ・クラーク、ジョー・セネカ、デル・クローズ、ビリー・ベック

 あらすじ

アメリカの田舎町に隕石が落下。しかしそれはただの隕石では無かった。中からぶよぶよとしたスライムが出てきて人々を襲う。さらにその生物は人を消化する毎に大きくなるのだった。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

スキー場しか見所のないアメリカの田舎町アーバーヴィル。学生アメフトの人気者ポールがチアリーダーのメグとデートの約束をした。

一方、町で有名な不良ブライアンは今日も町外れでバイクを乗り回していた。

ダイナーで、女主人フランと親しく話していた保安官のハーヴはブライアンをいつも注意していた。

その夜、町外れに住むホームレスが隕石の落下を目撃。近寄ると、中からスライム状の物体“ブロブ”を見つけた。老人が棒でそれを拾い上げると、ブロブは彼の左腕に引っ付いた。近くでバイクの修理をしていたブライアンはパニックになって逃げるホームレス気づいて後を追う。すると老人は道路に飛び出し、デート中のポールとメグが乗った車に跳ねられてしまう。やむなくポールとメグは老人を病院へ運んだ。説明のためブライアンも同行したが、彼は看護婦のホームレスに対する態度に腹を立て、すぐに帰ってしまう。

待合室で医者を待っていたポールとメグだが、ポールは寝かされた老人の様子がおかしい事に気づく。布団をはがすと老人の下半身は溶かされており、とっくに亡くなっていた。ポールが警察に電話をして事情を説明しようとしたとき、天井から成長したブロブが襲いかかってきた。

悲鳴を聞いてやってきたメグの目の前で、ポールは溶かされてしまう。メグはショックで失神。

通報を受けて病院に駆けつけてきたハーヴ保安官は殺人事件と断定。メグが事情を説明するも、混乱した彼女の証言など当てにならず、彼女は両親に連れられて自宅に帰った。

ハーヴは近くに居たブライアンを拘束。しかしブライアンは何も知らない。結局彼にそんなことは出来ないと判断し、釈放した。

空腹だったブライアンは閉店したばかりのダイナーに入り、フランにサンドイッチを作ってもらう。後を追って店に入ったメグは、ブライアンの態度に腹を立てて彼を罵った。ブライアンは彼女の本音に少し心を開く。

その時、ダイナーの厨房では配水管が流れなくなって困り果てていた。コックが手を突っ込むとブロブが配水管から襲いかかる。彼はシンクに飲み込まれた。それを見て悲鳴をあげたフランに、ブライアンとメグが気づく。二人はブロブに追われて店の冷凍室に飛び込んだ。ブロブはドアの隙間から入ろうとするものの、床の霜に触れると避けるように引っ込んだ。

一方、窓から逃げ出したフランは電話ボックスに向かい、ハーヴ保安官に助けを求める。しかしブロブが電話ボックスごと包み込む。電話ボックスが破壊され、フランは犠牲となった。

冷凍庫を出たブライアンとメグは、保安官事務所に駆け込んだが保安官は谷の方の捜索に出ていた。2人もそこに向かう。

その頃、ブロブがダイナーから離れていくのを、たまたま通りがかった牧師が目撃していた。彼はダイナーに入ると、冷凍庫の入り口で凍ったブロブの破片を見つけて小ビンの中に回収した。

一方、谷に行ったブライアンとメグだったが、そこに防護服を着た兵士たちが現れて2人を拘束した。彼らは政府の生物研究機関と名乗り、その責任者メドウズ博士は隕石に乗って落下してきた細菌から町の人たちを助けに来たと説明。そして不審がる2人を強引にトラックに乗せて町へと出発した。

途中でブライアンは走る車から飛び降りて脱出した。

 

町はすでに制圧されており、人々は教会へと集められていた。町に戻ってきたメグは両親と再会するが弟ケビンが友達エディと一緒に映画館に行ったことがわかる。メグは兵士の目を盗んで映画館に向かった。映画館ではブロブが客たちを襲っている。彼女は弟たちを連れて裏口から避難。しかし、ブロブに追いつめられてマンホールを開けて下水道に逃げ込んだ。

町外れではブライアンが木陰に隠れて軍の動向を窺っていた。すると博士たちが隕石を回収する場面に出くわす。隕石はカプセルになっており、表面にはアメリカ国旗が描かれていた。博士の話を盗み聞くと中身は実験中の生物平気だと発覚。

そこに町の方から無線が入り、メグたちを追ってブロブが下水道に入り込んだとの報告が聞こえた。それを聞いたブライアンは、バイクに跨がって町に向かう。

 

下水道ではメグが弟たちとともに地上を目指していたが、ついにブロブに追いつかれた。なんとか弟は逃がしたものの友達は食われてしまい、メグも追いつめられてしまう。

その時、調査に来た兵士たちが現れてブロブはそちらに襲いかかった。その隙にバイクで下水道に侵入したブライアンがメグを助ける。

 2人は生き残った兵士と地上へのマンホールを見つけて上がろうとしたが、博士はブロブを閉じ込めるためにマンホールを閉じる。

ブライアンは兵士が持っていたロケットランチャーを使ってマンホールを爆破。メグとともに脱出成功。

博士は彼らに銃を突きつけて殺そうとする。しかし保安官助手のブリッグスは、博士たちに銃をつきつけた。ブライアンは民衆にこの事態は軍の実験によるものだと明かした。その時、マンホールから触手が伸びて、博士を引きずり込んだ。残った兵士たちはマンホールの中に銃撃し、とどめに爆弾を投げ込んだ。

ところがブロブは想像よりも大きかった。人々を次々と飲みこんでいく。兵士達の武器はまるで役に立たない。

メグ含め住民達は教会に避難。メグはブロブの弱点が冷気なことを思い出し、CO2消火器を使って撃退。しかし教会の壁もあと少しで壊れてしまいそう。

そこにブライアンが人工降雪車を持って来てブロブに冷気を当てる。ブロブは一瞬怯んだものの降雪車をひっくり返した。

メグはその様子を見て教会を飛び出ると、倒れた兵士が持っていた爆弾を回収して降雪車のタンクに設置。ブロブの注意を引きつけてタンクを爆破した。

作戦は成功し冷気によってブロブは結晶と化した。メグはブライアンと抱き合い、人々はブロブを冷凍庫へと運び始めた。

 

後日、教会を失った牧師は町外れのテントで説教をしていた。世界の終わりについて語った牧師に、信者の一人がそれはいつかと尋ねる。牧師は半分溶けた顔でブロブの入った瓶を見ながら、それは神の御意志によると答えた。

感想

”マックイーンの絶対の危機”のリメイクらしい、知らなかった。機会があったら観てみたいと思うよ。

内容は普通のSFパニックって感じだけどブロブの造形が良いね。ピンク色のスライムで人を体内に取り込んでは消化して大きくなっていく怖さ。溶けた人を映すのにうってつけの形状。正直このジャンルは敵のビジュアルと設定が一番大事だと思ってるから、本作はかなり気に入った。

あと不快なキャラクターが居ないのも良いな。この町はいい人が多い。

特に教会に避難するシーンと倒した後のシーンは住人達の逞しさが表れてて最高。他の映画だと避難所で発狂してるおばさんが居るものだけど、本作は皆で協力してバリケードをテキパキと作り上げる。倒した後も周りの理解がとにかく早くて、すぐに冷凍室に運び始めるんだよね。何というか前にもやった事あるのってくらい対処が上手い。そのせいもあって兵士のグダグダ加減が目立ったな。

ブロブ (字幕版)

ブロブ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

幽霊目線のホラー映画 映画『私はゴースト』ネタバレあらすじと感想

私はゴースト

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2012年製作/アメリカ/上映時間76分
原題:I Am a Ghost
配給:ピクチャーズデプト、エクスペアード

監督・脚本・撮影・編集:HP・メンドーサ

製作:マーク・デル・リマ、HP・メンドーサ

出演:アンナ・イシダ、ジーニー・バロガ、リック・バーカート、ジュリエット・ヘラー

あらすじ

一軒家に取り憑いているエミリーは、自分が死んだことに気づかないまま毎日を繰り返していた。そこに霊媒師のシルヴィアが語りかけ、彼女は成仏を目指す。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

とある豪華な邸宅にエミリーという女性が暮らしていた。彼女は目玉焼きを作り、買い物に出かけ、掃除をする生活を何度も繰り返す。しかしどこか不穏なことも起きていた。屋根裏からは男の声が聞こえ、食事の際にナイフを自分の手に突き刺す。

 

心細くなったエミリーは母親の部屋に入った。

そのときどこからともなく女性の声が響く。周囲には誰もいない。声の持ち主はシルヴィアと名乗り、今部屋の中にいると答えた。

しかしエミリーには何も見えない。するとシルヴィアが歌を歌い始め、私は幽霊だと繰り返し呟きなさいと命令。わけの分からないまま、エミリーが私は幽霊と呟いた。

実はエミリーはとっくの昔に死んで幽霊になっており、そのことに気づいていなかった。シルヴィアはこの家に住む家族に雇われ、エミリーを払うためにやってきた霊媒師だった。エミリーが成仏するにはまず、死んだことを自覚する必要がある。シルヴィアは因果を解くために、エミリーと話し始めた。

エミリーは前にも話をしたことがあると思い出した。それと同時、白い男に刺し殺されたことを思い出す。

シルヴィアは今まで何をしていたのか、エミリーに問いかけた。エミリーは目玉焼きを作って食べたこと、買い物へ行ったこと、掃除をしたことを話す。これらの行動はエミリーが生きていた頃に行っていたことで、生前の行動を追体験していただけだった。

通常、幽霊は自分が死んだと自覚すれば成仏できるはずだったが、かしエミリーの場合は死を自覚するだけでは足らなかった。因果を解くためにはエミリーがシルヴィアと触れる必要がある。エミリーが自分の居る場所を伝えるとシルヴィアが近づく。しかし、エミリーは今の状況が怖くなって部屋の外に逃げ出した。

 

彼女は以前と同じく、変わらない毎日を繰り返す。

そんなある日のこと、シルヴィアが再びコンタクトを図ってきた。母の部屋から出ると以前の事を忘れてしまうようで、シルヴィアは外に出るのを止めた。彼女は母親の寝室にある絨毯を歩けと指示。

エミリーはシルヴィアに従い、絨毯の上を歩いた。その瞬間、生前の記憶を取り戻す。実はこの絨毯の上こそエミリーが刺し殺された場所だった。

彼女は生前、母親から悪魔憑きだと非難されていたことを思い出した。娘を心配した父親は、エミリーに悪魔祓いを受けさせる。その治療がうまく行くことはなく、治る前に父親は死んだ。その後、母親は妹だけを連れて去った。

シルヴィアは私も両親からは迫害されたと親身になって話を聞く。

生前の記憶を取り戻して以降、エミリーは生きていた頃の自分を客観的に見ることができるようになりました。エミリーは生前の自分を横に立って眺め続ける。

後日母の部屋に行くとシルヴィアが、エミリーは殺害されていないという事実を明かした。シルヴィアはエミリーの死について調べており、あなたは自殺をしたという。

実はエミリーは解離性同一性障害で彼女には凶暴な別人格が宿っていた。信じられないエミリーは自殺でなく、殺されたのだと訴えるが、シルヴィアは自殺したときの記憶がないだけだと指摘した。

エミリーは多重人格だという自覚もなく、もう一つの人格が現れたときのことをまったく覚えていない。エミリーには人格が二つあったので、凶暴な人格の魂も成仏させる必要があると発覚。

凶暴な人格を捜す羽目になり、エミリーは屋根裏部屋から男の声が聞こえることを話した。シルヴィアが屋根裏部屋は折檻部屋だったと返した。しかしエミリーには折檻を受けた記憶がない。彼女は恐る恐る屋根裏部屋に向かうが、そこには誰の姿も見えない。

エミリーは元いた部屋に戻り、シルヴィアに話しかけるがシルヴィアの声が聞こえなくなっていた。

エミリーはシルヴィアを捜すため、家をうろつき始めました。その矢先、屋根裏部屋から続く螺旋階段を青白い男が降りてくる。

男に追いかけられ、エミリーはバスルームに隠れた。そんなエミリーに、男はお前を殺せば自由になれると思ったのにと逆恨みして激怒している。

母親から折檻を受けていたのは凶暴な人格のほうだった。彼は解放されるどころか屋根裏部屋に閉じ込められ、延々と嫌な記憶を追体験していた。

男はエミリーを殺そうとする。エミリーは男に触れられたことで、体を乗っ取られているときの記憶を追体験した。何とか逃げ出すも、男に刺し殺された瞬間の追体験に遭遇。エミリーはシルヴィアに助けを求めた。

何の反応もないと思ったそのとき、死者よ消えろ、光のほうへ向かえというシルヴィアの声が聞こえてくる。次の瞬間、生前のエミリー残滓が次々と消えていった。

突然の事態にエミリーだけでなく、男も恐怖を感じる。彼の目には、男がエミリーを刺し殺している追体験の残滓が写っている。

シルヴィアの声が響くにつれ、家の中がどんどん暗闇に包まれていき、男の体は薄れていった。

次第に男がエミリーを刺し殺す残滓も消えていく。代わりにエミリーが自分自身を刺し続けている記憶が浮かび上がった。

男は闇に飲み込まれる。エミリーもまた闇に包まれた。彼女は恐怖を振り払うため、私は幽霊だと繰り返し唱え続ける。

感想

本作は幽霊目線で進むという独特なホラー映画。生きた人間は声でしか出てこなくて主役は幽霊、それを襲うのも幽霊。メチャクチャな話と思いきや設定がしっかりと練られているので、違和感なく観られる。幽霊がどのような生活をしているのか、なぜ成仏できないのかを観客にここまできちんと説明する映画は他にないね。霊媒師がしっかりとした人物で正しくルールブック的な役割をこなすのも特徴かな。

ただ最初の方は退屈に感じたね。同じような映像の繰り返しで眠くなる。話もなくてただ日常を切り取った映像だから。

シルヴィアが出てくるまではエミリーが幽霊と分らない作りになってるんだけど、タイトルが I Am a Ghostだからなんとなく分ってしまう。シルヴィアが出てきてからは話が一気に進んで面白くなるんだけど。

エミリーを脅かす別人格の男はなかなか怖かった。螺旋階段に白い足が映るところはゾッとする。見た目は全身真っ白で全裸、眼窩がひたすらに黒いだけなんだけど、エミリーが普通の見た目だったから油断するってのもあった。ただ登場がピークかな。

ホラーを観たいときよりも、サスペンスを観たいときに観る方がおすすめかも知れない。

私はゴースト

私はゴースト

  • メディア: Prime Video
 

少女はなぜ、1人になったのか 映画『ステファニー 死体と暮らす少女』ネタバレあらすじと感想

ステファニー 死体と暮らす少女

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2017年製作/アメリカ/上映時間85分
原題:Stephanie

監督:アキバ・ゴールズマン

製作:ジェイソン・ブラム

脚本:ベン・コリンズ、ルーク・ピオットロースキー

音楽:ネイサン・ホワイトヘッド

撮影:アントニオ・リエストラ

編集:ティム・アルヴァーソン、ウェイン・ワーマン

出演:シュリー・クルックス、フランク・グリロ、アナ・トーブ、ジョナ・バーズ

あらすじ

人里離れた森の奥の一軒家。両親に置き去りにされた少女ステファニーは、森に潜む化物に怯えながら、ぬいぐるみと会話して生き延びていた。化物の正体は一体何なのか...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

人里離れた森の奥の一軒家に、幼い少女ステファニーがひとりで暮らしていた。緑色のカメのぬいぐるみをフランシスと名付け、友人のように接している。

 

ピアノを弾いたあと、お腹がすいたステファニーは台所に。ミキサーに蜂蜜と水、ブルーベリージャムを入れた。仕上げにマーマレードを入れてみようと考えたステファニーは、棚の上にある瓶を取ろうとするが、落として割ってしまう。ミキサーを回し始めたが、蜂蜜を入れすぎたせいでミキサーが回らない。

ステファニーは手を突っ込んで刃を回そうとする。物音がしたので、ステファニーは驚いて手を引っ込めた。その拍子にミキサーが回り始めた。彼女にはまともな生活能力が身についていない。物音は、ボールが落ちた音だった。

ステファニーは椅子の上から降りるが、裸足で割れた瓶を踏んで足の裏をケガした。

夕食にステファニーがクラッカーの皿を4人分用意。童話をフランシスに読み聞かせ、ステファニーは眠った。

 

別の日。フランシスとかくれんぼをしたステファニーは、兄ポールの部屋に行った。何者かの気配を感じたステファニーは、机を横に倒してシーツをかけた避難場所に隠れる。どうやら森の奥に何か怪物のようなものがいる様子。

庭に出ると、半野生化したペットのウサギ、ホッパーがいた。ステファニーはトマトソースでホッパーを呼び寄せようとするが、ホッパーはそのまま森へ去っていった。

深夜に目覚めたステファニーは気配を感じ、ポールの部屋に入った。入ってすぐに腐ったカボチャを踏んでしまう。ベッドにはポールの遺体が横たわっており、お前のせいで置き去りにされたとバットで殴った。しばらく立つと落ち着いた彼女はポールの遺体に話しかけ、手を握った。ポールの手はひとりでに握り返す。その部屋の天井にはナイフが刺さっていた。

 

別の夜、突然に窓が開いてステファニーは驚いた。窓を閉めようとした時、窓枠の血痕に気付いた。血痕をたどると瀕死のホッパーが倒れている。

マーマレードを食べて眠ると、停電が起きた。仕方なくろうそくで明かりをとる。

雷雨の日、背後に人影を見たステファニーは2階のバスルームに逃げ込んだ。

ステファニーは怯えて隠れるが、シャワーカーテンを開けて現れたのは父だった。ステファニーは喜ぶ。母も戻ってきており、ステファニー両親に挟まれて眠った。

翌朝目覚めたステファニーは両親もポールの遺体もないことに気づく。両親は墓を作り、ポールを埋めていた。ステファニーはポールに会えないのを残念がり、掘り返そうとするが断念。

父がブレーカーをいじって電気が復旧。ステファニーは両親に置き去りにした理由を質問するが、どちらも満足な答えを示さなかった。

軍人でもある父が家の外に塀を作り始めた。

ステファニーの母は、アメリカ疾病管理予防センターの職員。母はネット通話で同僚から情報を得ている。ムンバイの施設が治療対策を試してみたものの、失敗したらしい。母の部屋には、感染症によって村が崩壊、隔離の必要性などと書かれた新聞の切り抜きや、脳手術の専門書などが散らばっている。

ステファニーは遊びで母の部屋に入ったが、母が来たので机の下に隠れていた。母が去った後、ステファニーは出ていく。

ステファニーは父に再び、同じ質問を繰り返した。なぜ私を置いていったのと。

それに対し父は、パパもママも怖かったと言うと、気持ちの乱れを落ち着かせれば頭の中の怪物を抑えられると言い聞かせた。

父と母が夜遅くに口論しているのを、ステファニーは盗み聞きした。手術がどうとか言っている。不安なまま眠りに就いたステファニーは悪夢を見た。彼女は飛び起きて、地下室に隠れる。

やがて両親がステファニーを探しに来るが、父が何かにひきずられていった。

母と一緒に別の部屋に避難したステファニーは、何かケモノのような鳴き声を聞く。しかし母も何かにひきずられた。

2階から飛び降りて逃げようとしたステファニーを母が捕まえる。母は布で口を覆い、ステファニーを眠らせた。

実はステファニーには、超能力に似た能力が芽生えていた。化物の正体はステファニーであり、彼女の精神状態に合わせて勝手に能力が働いてしまう。

 

目を覚ましたステファニーに父が催眠術を試みた。ポールが死んだ日のことについて問い始める。

ある日、ステファニーはハロウィーンの準備でポールと一緒にかぼちゃを彫っていた。その時、ポールがステファニーにちょっかいをかけ、怒ったステファニーが力を発揮してポールのクビをへし折った。天井にナイフが刺さったのは、この時。駆けつけた母も目に見えない腕のようなもので吹き飛ばした。ステファニーが怒りを放出すると、この能力が働き、周囲にいる者を殺してしまう。だから両親はステファニーを置いて避難せざるをえなかった。

また、子どもが超能力を持つという現象はステファニーだけでなく、全世界で同時多発的に起こっていた。世界中の研究者が研究をしていたが解決の糸口はつかめていない。

思い出してしまったステファニーは暴走し始める。すかさず母が麻酔でステファニーを気絶させた。急遽、家で手術を行なうことに。脳手術によって無害化できるという研究結果が上がっており、母は脳手術に関しては専門ではなかったがこうなっては仕方が無い。

両親はステファニーをうつぶせにし、局部麻酔をかけて手術をしようとするがステファニーが目覚めた。周囲のものが吹っ飛ぶ。

両親は手術を断念。殺すしかないと決断した。

 

翌朝、ステファニーが起きると両親は元の優しい状態に戻っていた。

父はステファニーを果樹園に誘う。ホットチョコレートに毒を混ぜ、水筒に淹れて渡した。飲ませられなかった時のため、父は拳銃を隠し持った。母は留守番として残る。

父はステファニーに、お前は感情をコントロールできているから他の子とは違うと言った。その後、乾杯と言って飲み物を飲ませようとするが、ステファニーは毒物に気付いて水筒をつぶした。

自分を殺そうとした父を見て、ステファニーの形相が変わる。目の周りが黒くなったステファニーは、それでも感情を自分でコントロールして元の顔に戻る。私はコントロール出来るから大丈夫と、銃を抜こうとした父を制した。

しかし油断したのも束の間、顔が黒くなって父に攻撃を仕掛けた。

父は冷静に、拳銃でステファニーに数発撃ち込んだ。

 

帰宅した父は妻と抱き合う。

ところが、ステファニーは死んでいなかった。

家に戻ってきたステファニーは父を吹き飛ばすと、母を探す。バスタブに隠れた母を見つけたステファニーは、宙に浮かせると全身の関節を外して殺した。その様を見た父がお前は何者だと聞くと、顔の黒くなったステファニーは大いなる者だと答えた。

天井に刺さったナイフが父めがけて落下する。ナイフは父の背に刺さり、一文字に背中を開いた。

 

ステファニーは両親の遺体をポールの墓の両脇に置くとふもとへ降りていき、あたりの住居を吹っ飛ばした。ステファニーの足下には大きな化物の影が。カメラが引いて火の海と化した地球が映し出される。

エンドロールでは感染した子供によって壊滅させられた、各国のランドマークが流れた。

感想

何というか、何がしたいのか分らない作品だった。家族愛にしても薄いしホラーとしても物足りない。超能力ものとしてみても地味。このシーンを撮りたかったんだろうな、みたいなのが見当たらない。低予算で仕事としてストーリーを作ったとしか思えなかった。

作中の誰にも感情移入が出来なかった。ステファニーがポールの死体に八つ当たりするシーンとか引いたし、両親もステファニーを置き去りにしている。現に父はステファニーが生き延びていたことに驚いていた。一旦殺してるのだからその後にもう一回決断してもなんとも思えない。

ステファニーの能力に関してはエルフェンリートみたいだなって。目に見えない腕が生えるのと感情が高ぶると制御が効かなくなるところが。子供達が罹るってのが違いかな。

原因は結局解明されないけど。まあ、悪魔か宇宙人かな。最後引きで地球が映るし、宇宙人説が強いかな。どっちでも良いけど。

ステファニー(字幕版)

ステファニー(字幕版)

  • 発売日: 2018/09/05
  • メディア: Prime Video
 

ゾンビ映画の始祖 映画『恐怖城』ネタバレあらすじと感想

恐怖城

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:3/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:9/10

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1932年/アメリカ/上映時間67分

原題:White Zombie

監督:ヴィクター・ハルペリン

脚本:ガーネット・ウェストン

原案:ウィリアム・シーブルック

製作:エドワード・ハルペリン

撮影:アーサー・マルティネリ

出演:ベラ・ルゴシ、マッジ・ベラミー、ロバート・フレイザー

あらすじ

ニールとマデリーンは、大農園主ボーモンの屋敷に向かう途中、奇妙な習俗とともにゾンビの集団を目撃する。この土地では、死体は墓から持ち去られ、砂糖工場の労働力となっていたのだった。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ハイチにてカップルのニールとマデリーンが馬車に乗って移動中、道の真ん中で穴を掘る人々を見かけた。
御者に尋ねると、これは葬式で墓を掘っているのだそう。そうしないと盗まれてしまうからだ。カップルは西インド諸島には変な風習があるんだなとおちゃらけた。
道中、御者がボーモンの屋敷の場所を怪しい男に尋ねた。彼はゾンビを引き連れて歩いており、マデリーンのストールを盗んだ。
ゾンビに気づいた御者は馬車を速めた。
ゾンビとは生ける屍のことで彼等は砂糖工場で労働させられているそうだ。


2人は結婚式を挙げるためにこの地に訪れていた。マデリーンがNYの船でボーマンと知り合い、結婚するならここに来いと呼ばれた。ニールの仕事の面倒も見てやると。

それを聞いた同じく招かれた神父のブルーナーはこの話を怪しく思った。彼はボーマンと数回しか顔を合わせていないが、そんなお節介をするタイプとは思えなかった。


執事シルバーがボーモンに到着を告げた。ボーモンはもう1人呼んでいるようす。その人物とは先ほどゾンビを連れていた怪しい男ルジャンドル。シルバーは危険だと考え直させようとしたが無駄だった。

ボーモン邸に一台の馬車がやってくる。ボーモンはそれに乗り、砂糖工場へと向かった。そこではゾンビたちが生気なく働いている。
奥にはルジャンドルが座っていた。ボーモンはマデリーンの結婚を阻止して、自分の物にしたいと相談に来た。ルジャンドルは高くつくと言い、耳打ちをして、怪しげな小瓶を渡した。これを針先ほどワインに垂らせ、花につけてもいい。
ボーモンは他に方法がないのかと言いながらも小瓶を持って帰った。


結婚式が始まるとボーモンがマデリーンに求婚。もちろん相手にされず仕方なく液体を垂らしたバラを渡した。マデリーンは受け取り、香りをかぐ。
外ではルジャンドルがロウソクにストールを巻き、ナイフで人型に削っている。そしてそのろうそくに火を着けた。

それと同時、晩餐中にマデリーンの様子がおかしくなり、倒れてしまった。


結局マデリーンは死亡。棺桶に納められた。
ニールは酒浸りになり、マデリーンの幻覚を見る。
ボーモンとルジャンドルは墓に向かい、ゾンビを駆使してマデリーンの棺桶を運び出す。

ニールがマデリーンを求めて墓に向かうともちろん空っぽ。

 

ニールはブルーナーに相談した。無くなっていた理由の可能性は2つ、儀式のために盗まれたか実は死んでいなかったか。
彼はゾンビとは頭と心が死んでいるだけで肉体は生きているという。なので死体からゾンビは作れない。もし、ゾンビとなったならば何者かが仕組んだと彼は言った。

ニールは真っ先にボーモンを疑った。2人の手には余ると判断し、先住民の呪術師ピエールに会いに行くことに。


ボーモン邸ではマデリーンがピアノを弾いていた。ボーモンが話しかけても返事などしない。彼女の首にネックレスをかけ、己の愚行の赦しをこうた。

ボーモンはルジャンドルに彼女を治してくれと頼み込むが、そんなことなどできない。ボーモンとルジャンドルがワインを飲むが、ボーモンはワインに盛られているのではと考えた。シルバーに助けを求める。シルバーがルジャンドルを叩こうとしたが呪術的な力で動きを封じられてしまった。彼はどこからか現れたゾンビに担がれて用水路に流された。

 

ニールとブルーナーはピエールを探しだしたが、彼はゾンビを恐れており力を貸すのを断る。ただニールに関して体調を崩すから寝ろとだけ助言した。


野宿して寝ていたニールはマデリーンに導かれるようにボーモン邸に歩き出した。
邸内ではルジャンドルがボーモンを弄んでいた。ボーモンは声を奪われ、体の自由も徐々に失われている。ルジャンドルは楽しげにロウソクを人型を掘る。


そこにニールがやって来たが、ソファに寝転んだ。それを見たルジャンドルは不適に微笑み、印を結んでマデリーンを呼び寄せる。彼女はナイフを手に持つとニールに振りかざすが、何者かの手がそれを押さえた。それからルジャンドルの指示を聞かなくなったマデリーンは外に出て、崖に立った。目を覚ましたニールがマデリーンの元に駆けつける。

そこにルジャンドルとゾンビが現れ、操られたゾンビがニールを崖に追いやった。彼らに銃など効かない。ニールがいよいよ落ちそうになったとき、ブルーナーが背後からルジャンドルの頭を棒で殴った。ルジャンドルが気絶したことでゾンビたちの統制がなくなり、彼らはまっすぐに歩いて崖から落ちた。

目を覚ましたルジャンドルはこっそりと逃げだすが、体が不自由になったボーモンが後ろに立っていた。彼はルジャンドルを突き落とし、バランスを崩して自分も落ちた。
その後、術者が消えたからかマデリーンは元に戻る。

感想

ゾンビが初めてスクリーンに現れた映画。ようやく機会があって観れました。

話の本筋は恋愛のこじれであり、そこに呪術的な要素としてゾンビをプラスした感じ。

本作のゾンビはあくまで忠実な労働者として描かれている。人を使ったゴーレムって印象で現在のゾンビ像とは大きくかけ離れており、噛まない、感染しない、自らの意思で危害を加えない。ゾンビはあくまで舞台装置的な設定であって、恐怖の対象はルジャンドルに向くようになっていた。もちろん現地人は動く死体に怯えているわけだけど。

初めのゾンビ映画だから感慨深いけど、正直凄く面白いって作品ではない。

恐怖城 ホワイト・ゾンビ [DVD]

恐怖城 ホワイト・ゾンビ [DVD]

  • 発売日: 2009/04/24
  • メディア: DVD
 

アメリカの方 映画『パラサイト(1999)』ネタバレあらすじと感想

パラサイト

コメディ度:3/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:4/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1999年製作/アメリカ/上映時間104分
原題:The Faculty
配給:ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ

監督・編集:ロバート・ロドリゲス

脚本:ケビン・ウィリアムソン

製作:エリザベス・アベラン

撮影:エンリケ・シャディアック

美術:ケーリー・ホワイト

音楽:マルコ・ベルトラミ

視覚効果監修:ブライアン・ジェニングス

出演:ジョシュ・ハートネットジョーダナ・ブリュースターイライジャ・ウッド、アッシャー・レイモンド、クレア・デュバル、ローラ・ハリス、ショーン・ハトシー、ロバート・パトリックファムケ・ヤンセンパイパー・ローリーサルマ・ハエック

あらすじ

ある日、ケイシーは、グラウンドで奇妙な物体を発見する。水槽に入れてみるとそれは急激に変化し始めた。時同じくして、ケイシーは周囲の人々の不可解な行動に気がつく。大量の水を求め、魂を乗っ取られたかのような眼差しで列をなす人々。彼はある仮説を立て、調査を始めるが事態は想像よりも大きなものだった...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

舞台はオハイオ州にある高校。

アメフト部による厳しい練習が行われていた。金曜の夜に試合を控えておりコーチのウィリスは苛立っている。結局この日の練習はウィリスがブチ切れて終了。主将のスタンに強くあたった。

職員ラウンジでは校長ドレイクに対して講師たちが予算の相談をしていた。ドレイクはアメフト部に金をかけるが他にはてんで予算を出さない。結局予算の申請を断られて今日はお開き。

全員で帰ろうと出口に付いたとき、ドレイクは鍵を忘れたことに気がつく。
鍵を取りに1人校舎に戻ったドレイクにウィリスが襲いかかった。突如としてドレイクの手のひらを鉛筆で突き刺したのだ。彼女は反撃して怯んでいる隙になんとか校舎を脱した。鍵をかけてウィリスを閉じ込めたが、外にいた演劇部顧問に胸をハサミで刺される。


翌朝ケイシーが通学バスから降りると、誰かに殴られた。それをストークリーがおちょくる。学校新聞記者のデライラは朝のミーティング、ボーイフレンドのスタンがキスを迫る。転校生のメアリーベスがぎこちなくウロウロ。ジークがトイレで偽装免許証とドラッグを販売。彼等は同じクラスの生徒達。

 

休み時間にスタンがアメフトをやめることをデライラに相談した。彼はウィリスの指導に飽き飽きしていたし、アメフト部の主将という立場に嫌気が差していた。慰めて貰おうとしていたが、デライラはあんたが辞めたら私の格好がつかないと止めた。

1人でいるストークリーにメアリーベスが話しかける。そこそこ話せたところにデライラが現れて、ストークリーはレズビアンだとメアリーベスに告げ口。怒ったストークリーは去ってしまい、メアリーベスはまた1人に。


ケイシーが1人グラウンドでランチを取る。そこでなにかを拾った。
生物教諭のファーロング先生にそれを見せる。見た目は大きなセンチュウで水生生物のようだがオハイオに海はない。偶然に水がかかると動き出した。
先生はそれを水槽に入れた。すると触手を伸ばし、魚のように泳ぎだした。さらに触れると一瞬で複製を作成。それは2体になった。そして鋭い牙を剥き出しにし、先生の指に噛みつく。


スタンはウィリスにアメフトを辞めることを告げた。ウィリスは怒鳴りもせずただ皮肉で返した。彼は怒鳴られると思っていたので拍子抜け。
スタンが学校のシャワーを浴びていると様子のおかしくなったブランメル先生が入ってきた。彼らは1人残らず寄生するつもり、そういい残し崩れ倒れる。介抱しようとスタンが頭に触れると頭皮がズレ落ちた。ケイシーもそれを見ていた。
演劇部顧問がブランメルはガン治療を行っており、精神異常をきたした説明。内密にするよう念を押した。


デライラとケイシーは学校新聞のネタを探すため、立ち入り禁止の教職員ラウンジを漁る。そこにウィリスと演劇部顧問が入ってきた。デライラとケイシーは押し入れに避難。すると彼等は職員のほとんどには乗り移った、ブランメルは老いすぎていたと話し始める。そこに他の教諭ハーパーがやってきた。ウィリスはハーパーを押し倒して、頭を押さえた。そして口から件の生物を出す。それはハーパーの耳に入り込んだ。

押し入れの2人が声を押し殺していると、奥にブランメルの死体を発見。

2人は逃げ出した。


ケイシーが両親と警察を呼ぶ。警察と両親立ち会いの下、押し入れの捜索が始まった。もちろん死体は消えていて、ケイシーは精神障害を疑われる。校長が自然な流れで校長室に警察の1人を呼び込み、警察にも乗り移った様子。

翌朝、行きたくないというケイシーを父親が車で学校に送る。
学校では生徒が一人一人校長室に呼ばれる、家系図を書かされる、みんなやけに水を飲むなど不自然なことが始まった。

ジークは雰囲気で違和感に気づいた。ケイシーとデライラはなんとかせねばと、それぞれストークリー、スタンに相談。
SF好きのデライラはエイリアンの侵略と仮説を立てた。ケイシーには心当たりがあった。トラックに落ちていた生物ではないかと。一行が科学室の水槽を見に行くと生物はいなくなっていた。
そのときジークとメアリーベスは科学準備室でドラッグの材料を調達していた。エイリアンの話を聞いておちょくりに行く。

そこにファーロング先生が現れ、みんなに襲いかかった。ジークは机の脚を取り外し、先生に振りかぶる。先生の指がぽろぽろと落ちたが、床に付くと自走した。咄嗟にポケットにあった、ペンに入ったドラッグを打ち込むと泡を吹いて死亡した。ケイシーは証拠にと指を一本ボトルに入れた。


彼らはひとまず学校から逃げる。ジークの車に乗るが町を出ようとしても検問。最終的にジークの家に避難した。
彼のガレージは実験室になっている。
指の一部をネズミに触れさせてみたら耳に入り込んだ。ネズミを解剖することによって、寄生虫が体内の水分を求めことが分った。さらにドラッグの利尿作用が効くと判明。

 

敵の正体は分ったが、彼らはお互いに疑心暗鬼に陥る。ドラッグを吸うことで寄生されていないと証明することに。ケイシー、ジーク、スタン、ストークリーと順調に進むが、薬の飲めないメアリーベスと強気なデライラは拒んだ。

最終的にメアリーベスは吸ったが、デライラは拒んで逃げ出す。彼女は寄生されていた。5人で追いかけるが外で待っていた車に乗り、逃げられた。

 

一行はボスを倒せばみんなもとに戻るというSFの定石を信じてボスを探すことに。

今は金曜日の夜。アメフトの試合に町中の人々が集まっているので学校のグラウンドへ。彼等は校長が一番偉いんだから校長がボスだろうと考えた。体育館を基地とし、こもりながら校長を探す。

そこに校長が何をしてるんだと現れた。予期せぬチャンスに一同は喜び、銃を突き付けドラッグを吸わせようとした。
ドラッグを拒まれたので射殺。気が動転したメアリーベスは大量のドラッグをぶちまけてしまった。校長の体はドロドロに溶けた。


本当に元に戻ったのかとスタンがグラウンドを確認しに行くとこに。後悔したくないとストークリーがキス。
しかし元に戻っておらず、彼は寄生された。ウィリスがボスだと確信。

薬がなくなったので車に取りにいくことに。
ケイシーが囮になりジークが車に向かう。途中エイリアンを倒しながらなんとかゲット。

 

体育館で待っていたメアリーベスとストークリーだったが実はボスはメアリーベスだった。メアリーベスが変身を解き、襲いかかる。そこに逃げてきたケイシーも合流。

プールに逃げるが、本来の姿となったメアリーベスは水中こそがホーム。ストークリーを触手でプールに引きずりこんだ。ケイシーがなんとか棒でストークリーを助け出す。


彼らはロッカー室に避難した。ストークリーは再び人間の姿に戻る。

ロッカー室に隠れているとジークがやってきた。メアリーベスが正体を明し、ジークがドラッグを打ち込もうとしたときストークリーが止めた。彼女も寄生されていたのだ。

 

メアリーベスは独白しながらケイシーを追う。我々の住む地は乾き果ててしまった、お前はいつも1人だ、仲間にならないかと。
ケイシーはそれを拒み、体育館の自動収納椅子でメアリーベスを挟むとドラッグを打ち込んで殺した。それと同時、全ての虫は死亡。

 

一ヶ月後。職員の大量失踪事件が発覚し、エイリアンの話が噂されたが証拠はない。

ジークはアメフト部に入部。スタンとストークリーは付き合った。ケイシーは一躍ヒーローになり取材が殺到、デライラと付き合い始めた。

感想

作中でボディ・スナッチャーの話が出るけどまあ似てるよね。あと遊星からの物体Xを大分パクってるオマージュしてるなと。寄生者の炙り出しとか生首に触手生えて歩いたり。ただその両作品に圧倒的に劣っているのは確かだよ。

でも寄生虫の造形であったり、生態をはっきり見せる点は良かったかな。現実的かと言われれば無理があるけどね。

話の流れが中々不自然かな。エイリアンのボスを倒せばみんな元通りになるはずって根拠がSF作品だし、校長が一番偉いからボスは校長に違いないとか。ボスの退治方法も投げやりな気がする。寄生された人間がジークからドラッグを大量に買ったり、実はボスだったメアリーベスがドラッグをひっくり返したりとドラッグに関する伏線は綺麗だったんだけどね。物語の核となる箇所でグダるから好きになれないな。

パラサイト [DVD]

パラサイト [DVD]

  • 発売日: 2003/11/19
  • メディア: DVD
 

韓国製POVホラー 映画『コンジアム』ネタバレあらすじと感想

コンジアム

コメディ度:3/10 

グロ度:1/10

感動:1/10 

リアリティ:5/10

人に勧めやすいか:5/10  

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2018年製作/韓国/上映時間94分

原題:Gonjiam: Haunted Asylum
配給:ブロードウェイ

監督:チョン・ボムシク  製作:キム・ウォング

製作総指揮:ユ・ジョンフン

脚本:チョン・ボムシク、パク・サンミン

撮影:ユン・ジョンホ  美術:チョン・ソンギュン

衣装:ユン・ミラ  編集:キム・ヒョンジュ

音楽:ナ・ユンシク

出演:イ・スンウク、ウィ・ハジュン、パク・ジヒョン、パク・ソンフン、オ・アヨン、ムン・イェウォン、ユ・ジェユン

あらすじ

恐怖動画を配信するチャンネル「ホラータイムズ」が一般参加者を募り、数々の都市伝説を生んだ心霊スポットであるコンジアム精神病院からのライブ中継を計画する。主宰者ハジュンを隊長とする7人の男女は、いくつものカメラやドローン、電磁検出器といった機材を持ち込み、深夜0時に探索を開始。ハジュンが仕掛けた演出も功を奏し、サイトへのアクセス数は順調に伸びていくが、次第にハジュンの想定を超えた怪現象が次々と起こり始める。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ある二人の男子高校生が動画を撮りながら廃墟コンジアムを訪れる。中でも402号室には曰くがあるそうだ。そのドアを開けようと苦戦していると、何かが起こって動画が終わる。


彼らは姿を消した。心霊WEBチャンネルホラータイムズはこの事件を追う。

正式名称は南霊神経精神科病院。1961年5月に開業するが、1979年10月に患者の集団自殺と院長パクの失踪が起きて閉鎖。
この場所の噂は多く、植民地時代に独立軍兵が埋められた場所で死体を隠すために建てられた病院、60年代は軍の拷問施設だったとも言われる。閉鎖後は霊を見た、声を聞いたという証言が次々あがり、特に402号室のドアを開けると呪われるという話だ。
10月26日、病院廃業の日にちに合わせてホラータイムズは潜入を決めた。


後日カフェで一般参加者含む男女7人が集合。役割を決め、場所を移動して酒をのみながら親睦を深める。今回の企画で100万アクセスを目指そうと意気揚々。

メンバーは隊長のハジュン、進行のスンウク、編集のジェユン、カメラのソンフン、サブカメラのジヒョン、ひらのアヨンとシャーロット。

 

当日、バンに乗って現場に移動。402号室のドアを開ける人をルーレットで決め、ジェユンに決定。病院の入り口に着くと柵が張ってあり、通れなかったので山道を通って裏口から入ることに。彼らは許可などとっていなかった。


山にテントを張り、キャンプ地を作る。
21時を周り、ソンフンとスンウクが病院にカメラを設置しに向かった。残りのメンバーはキャンプで映像を確認。
各自アクションカムと電磁検出機EMFを準備。ハジュン以外のメンバーは病院に向かう。彼はキャンプから指示を出す役割をする。
途中の森でパンツを発見。遊び半分で木に結びつけて目印にした。


病院に入ろうとしたときに物音が。警察の巡回と考えた彼らは灯りを消す。音が止み、病院の玄関に到着。

みんなで並んでオープニングを撮影。中に入ってからは実況し始め、番組的な構成に。
聖水を撒いたりと演出を始めた。するとそのとき、廊下の奥にある院長室のドアが急にしまった。彼らが部屋の中に入るとありし日の病院の写真を見つける。そして天井が突然剥がれて髪の毛が垂れ下がった。

 

シャーロットとジヒョンは一階を探索。実験室を見つけて入った。内部にはカルテ、薬品、注射針など物が散乱。棚には気味の悪い人形が置いてある。落ちていた解剖したニワトリのホルマリン漬けを割ってしまい、匂いによって避難。

 

アヨンとジェユンは三階を探索。霊が出ると噂されるシャワー室に入った。一通りの説明を終えたあと奥の浴室に。風呂桶にはかつらが浮かんでいた。

 

全員集まって院長室で降霊の儀式を行う。部屋には鈴の着いた赤い糸が張り巡らしてある。線香を焚き、お札を燃やして祈祷する。しばらくするとロウソクの火が消えて鈴が鳴り始めた。一同は驚き、咄嗟に部屋から逃げた。

誰もいなくなった部屋にソンフンとスンウクが戻ってきてハジュンと連絡をとる。
実はこれまでの現象は全てソンフンとスンウクが仕組んだものだった。ハジュンと打ち合わせをして、次の仕掛けの確認に向かう。
通話を切ったあとハジュンのいるキャンプ地ではコンロから急に火が上がり、パソコン画面がつかなくなった挙げ句停電。他の灯りが消えているのにパソコンには文字化けした配信画面が映る。奇妙に思っていると電気が復活したので何もなかったということにした。

 

病院内では次いで実験室を探索。さっきまでと人形の位置が変わっていた。この人形は院長室の写真に写っていた患者が持っていたもの。スンウクがそれを触るとシャーロットが怯えて飛び出てしまった。スンウク、ソンフンを置いてみんなが追いかける。
シャーロットが帰ろうとするのを全員で引き留めた。

 

ジェユンとアヨンは四階に行き、機材を設置。

他の4人で集団治療室を探索。スンウクが転がっていた箱に手を突っ込むと何かに引っ張られた。疑うジヒョンが同じく手を入れるとまたも引っ張られる。どうにか引き抜いたが、傷が残った。その後、箱がひとりでに開いたが中にはなにもいない。
ジヒョンとシャーロットが病院の外に逃げようとする。
スンウクとソンフンがハジュンに連絡を取った。ハジュンはモニターで見ており、明らかな超常現象を確認していた。しかし、2人に続けさせるため偶然だという。アクセスは30万を突破しており後に退けない。

スンウグとソンフンは止めようかと相談。しかし報酬を2割増しにすることを条件に撮影を続ける。

スンウクとソンフンが浴室に移動。整備室から音がしたので向かうと、車イスが勝手に動いた。さらに物が飛び始め、スンウクが着弾して気絶。ソンフンも通り抜けようとしたドアに吹っ飛ばされて気絶した。

 

ジヒョンとシャーロットは森を進む。目印のパンツを発見。しかし彼女らは森の異変に気づいた。地面に実験室にあったはずの物が散乱している。

そのうちシャーロットが話しかけてもジヒョンが返事をしなくなった。ジヒョンの顔を覗き込むと白目が黒くなっており、何かパヒョバヒョ言い始めた。シャーロットが驚いていると白いオーラに包まれ、急に浮遊。もがいてなんとか抜け出し、キャンプに到着。
暗いキャンプを照らすとそこは病院の中だった。足元には件の人形が転がっており、部屋を照らすと腹部に手術痕のある全裸の男性が立っている。それが発狂して近づき、シャーロットは奥にひきづり込まれていった。

 

アヨンとジェユンは402号室を電ノコで開けようとしていた。目を覚ましたソンフンが2人にスンウクを助けてほしいと頼む。そこにピンポン球が飛んで来た。402号室のドアが勝手に開き、彼らは引き込まれた。

 

様子を見ていたハジュンは現地に赴く。

 

402号室にはドアがなく、床が水浸し。さらに天井にも水面があった。部屋からは3人以外にも気配がする。ソンフンがカメラを向けると目には見えない女性が写った。
その後3人は何かに襲われた。

 

ハジュンが院内に到着。背後に霊が現れてハジュンを吊り上げて殺した。

 

気絶していたスンウクが目を覚ますと両手を拘束され車イスに乗せられていた。車イスは廊下を疾走して402号室に突っ込む。

 

キャンプのディスプレイが映る。放送などされておらず、視聴者達は待機画面でいつ始まるんだと愚痴をこぼしていた。

感想

韓国製POVホラー。内容はほぼグレイヴ・エンカウンターズと一緒。違うのは主人公達が番組制作陣じゃ無くて、素人集団ってとこかな。

両者とも同じく演出しながら心霊ドキュメンタリーを撮っていき、台本にないことが起こり始めるって感じ。

よくあるストーリーなんだけど近年あまりなかったから、機材の進歩におっ、てなったよ。全員GoPro着用で金あるなって。やっぱり一昔前の映画だと細かいところが古いから”今起きてる怖さ”ってのが無いんだよね。歴史映像見てる気分になっちゃう。

結局ビックリ系の映画だから内容については言うことが無いな...。

小難しい考察だったり、病院で何が起きたのか解き明かすみたいなのを期待して観る映画ではないね。

コンジアム(字幕版)

コンジアム(字幕版)

  • 発売日: 2019/08/28
  • メディア: Prime Video
 
コンジアム [Blu-ray]

コンジアム [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: Blu-ray
 

100年の時を経て、霧が町を包み込む 映画『ザ・フォッグ(1979)』ネタバレあらすじと感想

ザ・フォッグ(1979)

コメディ度:2/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:4/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1979年製作/アメリカ/上映時間89分
原題:The Fog
配給:日本ヘラルド

監督:ジョン・カーペンター

脚本:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル

制作:デブラ・ヒル

撮影:ディーン・カンディ

音楽:ジョン・カーペンター

特殊メイク:ロブ・ボーティン

出演:エイドリアン・バーボーハル・ホルブルックジャネット・リージェイミー・リー・カーティスジョン・ハウスマン

あらすじ

海岸に面した港町アントニオ・ベイの誕生100年祭の前夜。キャンプファイヤーを囲む少年達が老漁師から「エラザベス・デイン号の乗客員が、再び霧の立ちこめる時に帰ってくる」という古い伝承を夢中になって聞いていた。午前零時、アントニオ・ベイ施設放送局KABのスティービーが町の誕生日を告げた。それと同時に町では不気味な霧が町を漂い、次々と人が惨殺されていく、町中はパニックに陥り、次第に町の誕生にまつわる秘密が明かされていく...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

焚き火の前で老人が子供たちに昔話を聞かせる。
100年前の今日4月21日、ここスパイビー岬をエリザベス・デイン号が霧のなか運航していた。方向が分らずに彷徨っていると焚き火の光を見つけた。浜辺だと思って進んだが、それは大きな岩であり船は沈没してしまう。灯りの正体はわからない。

漁師の間ではこんなことが語り継がれている。アントニオ・ベイに霧が出たときスパイビー岬の近くに沈んだ人々が起き上がると。

 

 

教会で神父がワインを嗜んでいると、急に壁が剥がれて何かが露出した。それは1880年に書かれたP・マローン神父の日記であり、4月30日の0から1時は死者の時間であると不穏なことが書かれていた。

 

若者が終業後の商店を清掃していると商品がひとりでに震えだした。
ガソリンスタンドでは給油機が勝手にガソリンを吐き出し、向かいの車は中に浮く。家庭においてもものがひとりでに動き始めた。
町の各地で異常が起きていた。

 

0時台、トラック運転手ニックがヒッチハイクの女性エリザベスを乗せる。魔の時間だなんて笑っていたら窓ガラスが突如割れた。

スパイビー岬の灯台では女性DJのスティービーがラジオを発信。
沖合いの船に向けて曲のプレゼント。

 

その頃、漁船シー・グラスには濃霧が近づいていた。それはおとぎ話の内容に酷似している。男たちが甲板に出ると大きな帆船を目撃。そこから降りてきたフックやサーベルを持った亡霊に乗組員は殺されてしまった。

 

ニックとエリザベスがベッドでいちゃついていると突然の来客。亡霊はドアの前でフックを振りかざす準備をしている。1:00ちょうどニックが扉を開けるとそこには誰も居なかった。

 

翌朝、冒頭でエリザベス・デイン号の話を聞いていた子供の1人アンディが磯で船の名前のかかれた板切れを見つけた。寝ている母スティービーを強引に起こして自慢する。

 

船着き場にエリザベスとニックがやってくる。アルにシー・グラスを借りる約束をしていた。しかし、アルは昨日の夜に出港したっきり帰っていないという。


沿岸警察は昨晩失踪したシー・グラスの捜索を始めた。それと別にニックは友人に船を出してもらい、シー・グラスを探す。見つけるも中はもぬけの殻。計器が全てメチャクチャ、ガラスも全部割られていた。この状況は昨日のニックのトラックと酷似している。空いたビール缶には塩水が入っていたが、浸水している様子はない。そして船内から水没死体が見つかった。両目は抉られたようになくなっていた。

 

アントニオ・ベイでは100周年を迎える祭りの準備がされていた。議長とその秘書は準備に大忙し。議長はアルの妻であり、失踪事件がありながらも職務に勤しんでいた。

神父に祈祷を頼むため訪れたが様子がおかしい。

神父は昨日見つけた日記を読み上げた。

”12月9日、ブレイクと初めて合う。彼は顔を隠すように暗闇に立っていた。彼は病気に罹っており、莫大な富を以てしても治せない。同病者との隔離生活を改善したく考えていた。
12月11日、ブレイクが交渉を持ちかけた。タンジア島を引き払い、この北に集落を移したい。そのために帆船エリザベス・デインを購入した。彼は黄金と引き換えに定住の許可を求めた。
しかし神父は神父という立場でありながら、2キロ先に伝染病の村が出来るのは嫌だった。
4月20日、対策を考えるため村から6人が集まる。0時時から1時までブレイクらの殺害計画を練った。黄金を奪えば教会が建ち、町政が敷ける。神父でありながら殺害に加わった。
4月21日、計画実行。船を偽りの光で岩礁に導いた。霧は自然に現れた。”

このような理由で、100周年祭など罪人を祝福するものだと神父は祭りでの祈祷を拒んだ。

 

ティービーが灯台のブースに出勤。何気なく置いたアンディの板から水が流れ出る。水はラジオを壊し、スピーカーからは6人への呪いの言葉が流れた。
ティービーはすぐさまアンディに電話をかけ、物を拾うなと忠告。

 

ニックは医者のもとに死体を持ち込んだ。検死の結果、彼は海底で死んだはずだという。さらに昨日今日亡くなったのではなく、少なくとも3年たっている。
目を離すと死体は動きだし、メスで床に3と切りつけた。

 

その晩アントニオ・ベイでは予定どおり祝典が開かれた。

ティービーのラジオで霧と聞いてニックが電話をかける。2人は互いにあった事を報告し合った。ニックは電話を切ってエリザベスを乗せ、スティービーの元に車で向かう。


その頃、アントニオ・ベイには昨日と同じく濃霧が向かっていた。

ティービーが保安官に異状を報告しようとするが、電話線が霧によって断線。
さらに発電所にも霧が入り込んで壊れたせいで、町中停電。
ティービーは自家発電機を起動、ラジオでアンディに逃げるよう呼び掛ける。

 

アンディのいる家は霧に包まれた。そこに誰かがノックする。ベビーシッターが扉を開けると亡霊に殺されてしまった。
亡霊がアンディに手をかけようとしているところを放送を聞いたニックが間一髪助け出した。車に乗せ、三人で逃げる。


ティービーは霧の所在地を事細かに伝え、避難を促した。

教会だけは無事な様子。放送を聞いていた議長らとニックらは教会に避難した。

神父はニックにブレイクの呪いについて話した。
防ぐ方法は無いかと日記を読み込んだ。するとP・マリーン神父が黄金をくすねていたことが分かった。それを返せば奴らが居なくなるかも知れない。
教会のステンドグラスを破って亡霊たちがやってくる。
神父は日記の出てきた場所をさらに掘り進め、金の十字架を発見。
ブレイクとおぼしき亡霊に十字架を差し出した。

すると亡霊らは爆散。

霧が晴れていき、アントニオ・ベイは平穏を取り戻した。かと思いきや彼らはまた現れ、神父の首を切り落とした。

感想

2005年にはリメイクが制作されるほど人気の本作。

僕としては、うーん...。全体的になんか微妙...。雰囲気は抜群に良いんだけど。港町ののどかな日常とラジオの音が相まってお洒落というかさ。

オープニングは良かったよ。これからいろいろなことが起きるぞってわくわく感があって。町の至る所で警報が鳴ったり、ものがひとりでに壊れたり。

でも始まってみれば霧から亡霊が出てきて殺しに来るだけ。しかも冒頭で超常現象めいた事が起きるから、その後の破綻した設定にも文句が言えない世界観。

ただビジュアルは格好いいのよ。霧の中にサーベルを持った亡霊の影が映ってね。でもがっつり存在してるから戦えば勝てそう。だれも戦わなかったけど。家にも押し入らないで律儀にノックするし、何がしたいのか分んない。

モヤモヤするところは沢山あるけど一番の問題はラストだよね。黄金返したんだけど亡霊がまた現れてさ。あれって十字架の形してたから消えただけってこと?でも亡霊も自ら触りに行ってるからな...分らん。

てかその黄金で町を発展させたって設定じゃ無かったっけ?なんで立派な教会が建って、町も発展してるのに丸々残ってるんだ?

考えてはいけない映画だな、これは。おとなしく絵面だけ楽しもう。

ザ・フォッグ《デジタルニューマスター版》 [DVD]
 

ケースの中身は何だろな 映画『バスケットケース』ネタバレあらすじと感想

バスケットケース

コメディ度:5/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1982年製作/アメリカ/上映時間91分
原題:Basket Case
配給:欧日協会

監督・脚本:フランク・ヘネンロッター

製作総指揮:アーニーアーノルド・H・ブルック、トム・ケイ

製作:エドガー・イヴィンズ

撮影:ブルース・トーベット

音楽:ガス・ラッソウ

出演:ケビン・ヴァン・ヘンテンリック、テリー・スーザン・スミス、ビバリー・ボナー、ロバート・ボーゲル、ダイアナ・ブローネ

あらすじ

外科医の利フランダーが何者かに襲われ殺害された。同じ頃、街にバスケットケースを抱えた青年ドウェインがやってくる。そのバスケットケースの中身とは...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

真夜中、リフランダー医師が出勤しようと外に出ると茂みがガサゴソと揺れた。
彼は泥棒かと思い家に戻って警察に通報。しかし何者かはすでに家に入り込んでいた。奇妙な形の手が彼の顔面をつかみ、切りつける。

 

バスケットケースを持った青年ドウェインがタイムズスクエアを歩く。そのうちブロスリンホテルというホテルを見つけて宿泊。彼は不自然に大金を持ち歩いていた。
部屋に着くと彼はすぐに大量のファストフードを購入し、バスケットケースの中にいる何かに食べさせた。彼はカッターという人物を探している様子。

 

翌朝、ロビーで見かけた大金を目当てに、泥棒が鍵穴を覗いていた。隣室に泊まるケイシーという女性がそれを見て止め、ドウェインに報告した。


この日ドウェインはニードルマン医学博士を訪ねる。彼は受付の女性シャロン(作中でシャロンとは呼ばれていないが、演じた女優が番宣のラジオで役名を明かした)と仲良くなり、特別にアポ無しで先生と会わせて貰うことに。ニードルマンが診察しようとするとドウェインは横腹の大きな傷を見せた。

病院を出る際に彼はシャロンに今夜暇かと誘われるが、忙しいと言って住所と電話番号を聞いた。
その頃ニードルマンは急いでリフランダーに電話をかけた。


ドウェインが映画館で映画を観ていると、ウトウト寝てしまった。それを見ていた男がバスケットケースを盗む。トイレでケースを開けると、何かに襲われて顔がぐちゃぐちゃに。ドウェインは目を覚ましバスケットケースを取り返した。


女性医師のカッターが青年と食事していると、ニードルマンからの電話がかかった。ニードルマンは先ほどの診察室でドウェインからリフランダーは死んだと脅されていた。


受付の女性が帰宅して1人になったニードルマンの元にドウェインがバスケットケースの中にいる何かを置いていく。

その何かは入り口のドアを破壊し、ニードルマンを追い詰めた。そしてニードルマンに飛びかかり、呻き声をあげながら彼の体を2つに分けた。

その見た目は筋肉の腕と顔だけで、グロテスクなイシツブテのよう。

持ち出した住所録にはカッターの名があった。

 

翌日ドウェインはカッターの家を偵察しに行くと嘘つき、化け物を置いてシャロンとのデートへ向かった。2人は相思相愛となり、公園で接吻をかわす。

その頃部屋にいた化け物は癇癪を起こした。あまりの騒がしさに宿泊客が押し寄せる。管理人が鍵を開けて確認するも異常は見つからなかった。宿泊客の1人が床に転がる札束に目を付ける。みんなが去ったあとピッキングして部屋に忍び込み、盗みを働いた。彼がバスケットケースに手をかけたとき、化け物が飛びかかる。

化け物とドウェインの感覚は共有されているようで、異変に気付いたドウェインはデートから急いでホテルに戻る。


ホテルでは宿泊客に死人が出たと大騒ぎ。ドウェインが部屋に入るとき、警察に声をかけられた。部屋に立ち入られ、バスケットケースを開けるが化け物の姿はない。警察は去っていった。
化け物はトイレに隠れていた。化け物の名前はベリアルといい、実はドウェインの兄だった。連日医者を殺していたのはベリアルの復讐のため。


その夜、バーに赴いたドウェインはケイシーと偶然会った。酒がすすみ身の上話を始める。
兄弟はシャム双生児で幼い頃は外に出してもらえなかった。兄は光が苦手でテレパシーを使う。母親は出産で死亡。伯母だけが頼りであり、父は兄を化け物扱いして手術で殺そうとした。
父親は色々な病院に頼んだが、そんな手術どこも受けてくれない。父親はドウェインだけ生きていればよいと考えていた。最後に残ったのはリフランダー、カッター、ニードルマンの3人。12歳のとき兄弟の反対を押しきって3人の医師らによる切除手術が強行された。
手術が成功し、ドウェインはベッドに寝かされたがベリアルはゴミ袋に詰められごみ捨て場に捨てられた。ドウェインはベリアルを救出。
2人は父親を殺した。警察がやって来て調査をするが、リフランダーは手術を失敗したと証言。2人の存在はなきものとなり、伯母が死ぬまで面倒をみてくれた。

 

ケイシーに介抱されながら部屋にたどり着く。ケイシーは話が本当か好奇心に負けてバスケットケースを開いてしまうが、中にはなにも居なかった。

部屋に帰ったケイシーがベッドに横たわると布団に潜り込んでいたベリアルが胸を触る。ケイシーが悲鳴を上げて宿泊客が駆けつけた。管理人が部屋を確認してもなにもおらず、ただ不自然に窓が開いている。ベリアルはケイシーの部屋から脱ぎたてのパンティーを拝借し、バスケットケースへと戻った。

 

翌朝ドウェインはバスケットケースを持ってカッターの病院に向かった。彼女は医者ですらなく獣医。診察を受けるフリをして彼女の元に行き、白昼堂々ベリアルが彼女を襲った。彼女は顔中にメスを刺されて死亡。

事を済ましてホテルに帰るとシャロンがいた。昨夜、ニードルマンが死に、警察から取り調べを受けて不安になって部屋まで来たという。

良いムードになりドウェインが性交しようとするとベリアルが嫉妬して発狂。ドウェインは受付の女性を守るため、部屋の外に追い出した。性交のチャンスを邪魔されたことに怒る。
その晩、ベリアルはドウェインを手にかけようとするがやめた。
ドウェインが悪夢を見る。内容は全裸で町を走り回り、受付女性の部屋に忍び込んで寝込みを襲うといったものだった。
ドウェインが目を覚ますとベリアルがおらず、窓が開いていた。急いでシャロンの元に向かうとベリアルが死んだ彼女を堪能していた。


急いで部屋に連れ帰りケンカ勃発。
揉み合いの末、窓を割って2人が落下。両者とも死亡した。

感想

むりやり切り離されたシャム双生児が、自分を殺そうとした医者を探す復讐劇的なホラー。なんだけど実際は自らの醜い体に比べて美しく育った双子の弟ドウェインに対する嫉妬が主な内容。自らの復讐を手伝わせるくせに、弟が上手くいきそうになると邪魔しちゃう嫌な奴。対照的にドウェインは良い奴だからラストが可哀想だったね。

視点が殺害者側だから観客にとっての恐怖演出は無いに等しい。

殺し方も顔に腕2本付いた怪物だからひっかいて噛みつくぐらいしかレパートリーがない。斬新な殺し方を期待して観るものでは無いね。

設定からして重めな作品と思うかも知れないけど、そこはフランク・ヘネンロッター、とびきり明るく描かれてるよ。出てくるキャラクターの濃さが良いね。

僕が観たのはスペシャルコレクションなんだけど映像特典が豊富で楽しかったな。当時のラジオ番宣、監督が20年ぶりに撮影場所を訪れるドキュメンタリーとか。未公開シーンは撮ったけど編集で捨てたシーンじゃ無くて、香港映画のエンディングみたいなキャストがふざけてるシーンだったよ。

バスケットケース (字幕版)

バスケットケース (字幕版)

  • 発売日: 2017/02/27
  • メディア: Prime Video
 
バスケットケース [Blu-ray]

バスケットケース [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/09/04
  • メディア: Blu-ray
 

アルゼンチンホラーはいかがですか 映画『ルームズ・フォー・ツーリスト』ネタバレあらすじと感想

ルームズ・フォー・ツーリスト

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:5/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2004年/アルゼンチン/上映時間92分

原題 :Habitaciones Para Turistas(米題:Rooms For Tourists)
監督 :アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ
音楽 :ヒルリオ・ガラッソー・リモロ
脚本 :アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ/ラミロ・ガルシア・ボグリアーノ
撮影 :ダリオ・ベレメオ

出演 :エレナ・シシリトー、ジメナ・クロコ、マリエラ・ムジカ、ブレンダ・ヴェラ、ビクトリア・ウィッテンバーグ

 

あらすじ

都会から田舎にやってきた5人の少女たち。彼女らはその日、名も知らない町で一晩夜を明かさなければならなかった。飛び込んだ部屋で一夜を楽しむ彼女たちだったが、暗闇の地下室で一人の少女があるものを発見する...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

少女が犬と戯れている。犬が何かの臭いをかぎつけ、隣家のフェンスの穴をくぐって行ってしまった。

犬がごみを漁ると胎児の遺体が。家主が知られたことに気付き、犬と少女を石で撲殺。

 

若い女性5人シルビア、テーダ、エレナ、ルース、リディアがバスから降り、サン・ラモンという町に到着。彼女らは偶然にも全員がトリニダートという町を目指していた。この町で降りたのは電車に乗り換えるためであり、一行は会話をしつつ駅を探した。

町には人気が無く、かろうじて開いていた商店の主人に聞くと今日は教会の救済の日。時間に余裕があったので見学すると、カリスマ的な伝道師のオラシオが胡散臭い悪魔払いをしていた。

気味悪く思いながら駅に着くと、電車が早く出発していた。駅舎のレーベンによると電車は明日まで来ない。

 

悩んでいるところにネスターという青年がやってきた。彼は旅人に部屋を貸しているといい、彼女らは今夜の宿を手に入れる。彼は食品を買ってから送ると言い、彼女らは公園で待つことに。

心配性なテーダは先ほどの教会で電話を見つけており、隠れて家に電話をかける。朝7:00にこの電話へ父に電話をかけるよう頼んだ。

買い物を済ませたネスターに車で屋敷まで乗せていってもらう。到着した頃には夜になっており、屋敷は大きな豪邸だった。屋敷の中には弟のマキシがいた。

部屋は1階で1人1部屋与えられ、上の階には兄弟と死んだ母の部屋があると告げられる。

テーダは窓の外に盲目の女性を見かけた。ベッドで軽く休息するとマスクを被った大柄な男が女性を捌く夢を見た。

先ほどの女性はタマラといい、盲目であるがゆえに迷子になってよく敷地に入り込むとのこと。

夕食には伝道師のオラシオも招かれていた。食事の際に宗教の話になったが、彼はキリスト教徒でありながら独特の思想を持っていた。リディアが母の死因について尋ねると、マキシが答える。死因は焼死だった。

食後テーダがエレナの部屋に行く。テーダは最近悪夢を見るようになって悩んでいた。

シルビアがベッドで本を読んでいると、近づいてくる足音が聞こえた。彼女が床に耳を当てると、背後にいた何者かが首めがけて出刃包丁を振り下ろした。

悲鳴を聞いて他の4人が駆けつけるが、時すでに遅くシルビアが惨殺された後だった。

彼女らは屋敷から逃げようとするが、扉は開かず、窓も塞がれている。

 

4人で固まって歩いていたが、ルースが灯りを落として遅れてしまう。そこに現れた大柄なマスクの男が彼女の首にヒモをくくり、何かの肉を食べさせ、ナイフを突き立てた。刺されそうになったところを他の3人が武器を持って助ける。

ある部屋に立て籠ったとき、テーダは幻覚を見た。テーダがフラフラと歩いていると床が抜けて下に落下。エレナが助けに行こうとするが他の2人に説得され、救出は脱出したあとに。

3人が音のなる部屋に入るとタマラが床を叩いていた。盲目だから安心と3人はタマラの後を付いていくことに。タマラの入ったとおぼしき部屋を開けると刃が振り下ろされる罠があった。ルースの首に当たる直前、リディアが手で受けて負傷。

テーダは夕飯を食べた食堂に落ちていた。目を覚ました彼女はマスクの男に追われて地下室に逃げこむ。男は走って追いかけ、配管に頭をぶつけて気絶。

食堂に三人もやってきた。そこにネスターとマキシが近寄る。マキシが言うには自分等も被害者であり、あの狂人は放っておけと言う。ネスターを人質にとり、マキシを地下室に閉じ込めた。ネスターに尋問しているとマキシがドアに向けてショットガンを放つ。弾はリディアの顔面に命中。ネスターはマキシの元に逃げた。

 

逃げ惑うエレナとルースにテーダが合流。窓のあるシルビアの部屋に向かう。窓は塞がれていたが、部屋の地下に秘密の通路があった。

マスクの男はここを通ってシルビアを殺したと思われる。通路を通りながらそんな話をしているとマスクの男が現れた。男はエレナの足にナイフを刺し、止めを刺そうとしている。寸前、テーダが拾った斧を男の頭に振り下ろした。男の正体は町にいた若者だった。

ルースは男が現れたときに梯子を登って上に逃げていた。そして何者かに襲われて解体された。

 

エレナとテーダはなんとか外に出て、オープニングの破れたフェンスをくぐり、森を走った。エレナは足に怪我を負っており、これ以上は歩けない。木陰で休み、身の上話を始めた。ここで分ったのだが、5人はみんな中絶手術を受けるためにトリニダートを目指していた。彼女らはお互いに肩を貸し合って、眠りについた。

 

翌朝、2人は無事に目を覚まし、駅に移動。

駅舎のレーベンに警察と消防を呼んでもらう。彼は電話をかけるが、その電話線は切れていた。テーダはルーベンもグルだと気づき、急いで外に出る。

エレナを担いで町に戻り、無駄とは分かりつつも助けを求めた。そこにオラシオと武装した住民がやってきた。いわくロマーニ医師がこの町に中絶を望む人々を送り込み、この町はそういった人間を殺して中絶費用を奪うことで成り立っていた。

町の住民がテーダを殺そうとしたとき、教会の電話が鳴った。テーダは急いで電話をとり、父に妊娠をしたことを告げ、サン・ラモンの人々に良くして貰ったと言った。殺せなくなったオラシオは彼女を父親の元まで送り届けた。

 

しかし、目を離した隙に父親は殺され、テーダは何者かに両目をナイフで潰された。

感想

アルゼンチンのホラー映画と言うことで興味を惹かれて視聴。以前観たテリファイドもアルゼンチンだったはず。テリファイドはそこそこ良かった。

本作は全編モノクロ。ただ意味があるのかと言われるとそうでもない。目には付くけど必要性は感じなかった。DVDパッケージ裏には超残酷スプラッターなんて書かれていたけどたいしたことは無い。

良い点は理不尽系のホラーと思いきや、動機がちゃんとしてるところかな。中絶患者は隠れて受けに来るから足が着かないし、大金を持ち歩いていることに目を付けたのは賢い。妊娠に関しても序盤から伏線が張ってあり、納得ができる。脚本がとても優れていると思ったよ。

嫌だった点は音だね。テーダが恐怖を感じる度にネズミ除けの超音波みたいなのが流れる。確かに不快に感じたが、映画に求める不快さでは無い。ずっと聞いていたら気分悪くなりそう。

ただラストは意味が分らなかった。町の外にも住民たちの一派がいたってこと?唐突だし説明一切無し。ラストさえなければ良かったのに...。

カーペンターのクトゥルフ映画『マウス・オブ・マッドネス』ストーリーと感想※ネタバレあり

マウス・オブ・マッドネス

コメディ度:2/10

グロ度:2/10

感動:4/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:10/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1995年製作/アメリカ/上映時間95分
原題:In the Mouth of Madness

監督:ジョン・カーペンター

脚本:マイケル・デ・ルカ

製作:サンディ・キング

音楽:ジョン・カーペンター、ジム・ラング

撮影:ゲイリー・B・キッビ

出演:サム・ニールユルゲン・プロフノウ、デビッド・ワーナー、ジュリー・カーメン、ジョン・グローバーチャールトン・ヘストン、バーニー・ケイシー

 

あらすじ

人気ホラー作家サター・ケーンが発表した最新作。そこには読者を文字通り狂気に追いやるほど、恐ろしい内容が描かれていた。あるとき彼は不可解な失踪を遂げ、出版社社長は特別調査員ジョン・トレントを雇い、行方を追わせる。やがてトレントケーンの本の中にのみ存在する架空の街へと吸い寄せられ、いつしか事実と虚構が入り交じった、出口のない恐怖の世界に迷い込んでゆく。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

精神病院に成人男性トレントが送り込まれ、暴れながら独房のような部屋に収監された。

しばらくすると部屋の明かりが点滅し始め、ガラス窓を細長い腕がノックする。いつの間にか背後にいた黒い影に、こんなラストがありえるかと訪ねると、影はそんなもんじゃ終わらない、本をよく読めと言った。

トレントは黒のクレヨンを要求し、壁、床、体の至るところに十字架を書き始めた。

ウレン博士がトレントの話を聞きに来る。彼はなんとかしてトレントを外に出してやろうと提案するが、彼はこの部屋にいたがった。分裂症患者のトレントはなぜこうなったのかを話し始めた。

 

 

トレントはフリーの保険調査員。事の発端は行方不明になったサター・ケーンの調査だった。

ある日トレントは保険金詐欺を暴き、保険会社の偉い人とカフェで食事を取っていた。保険会社がトレントを引き抜こうとしていると、カフェの正面にあった本屋から斧を持った男がやって来る。彼には瞳孔が2つあり、ケーンを読むかとジョンに訪ねる。斧を振りかざそうとしたとき、その場に居合わせた警官が射殺した。

アーケイン社、社長ハーグロウのオフィスに呼びだされる。二週間前に原稿が送られて以来、怪奇小説家のサター・ケーンが行方不明になっていた。彼はこの出版社の稼ぎ頭、ハーグロウはケーンに生命保険をかけており、死んでいれば保険金を、生きていれば原稿を持って来いというのが今回の依頼だった。

今までケーンとは代理人を通して仕事していたが、先ほど斧を持って襲いかかった男こそその人であり、連絡の手段がない。ケーンの作品は時に人に影響を与える。ケーン本人も一年前から自分の作品は現実だと言い、常軌を逸していたという。

 

町ではケーンの作品”ホブの町の恐怖”の読者が暴動を起こしていた。トレントはただの集団ヒステリーと断定している。さらにケーンの失踪も保険金をだまし取るための計画的ものと推理していた。取りあえずトレントケーンの作品を1から読んでいくことに。初めは毛嫌いしていたが途中からは楽しんだ。

いつの間にか寝落ちしていたようで悪夢を見た。彼はお前に会う。斧を持った代理人がそう言うと周りにいた人間が斧で滅多うちにした。

ケーンの本を読んでいるうちに表紙にメッセージがあることに気づいた。彼はニューハンプシャーのある場所にいる。

 

翌日アーケイン社に報告すると女性社員リンダと行動を共にするよう言われた。地図の場所へ車で向かう。

リンダが暗い夜道を運転していると、自転車に乗った白髪の老人を跳ねてしまう。老人は逃げられないとだけ告げ、何事もなかったかのように自転車にまたがって去ってしった。不思議に思いながら運転していると今度は違う場所を走っているような幻覚を見て、一瞬で朝になった。

たどり着いたのはホブの町。リンダは超常現象を目にしたが、トレントは寝ていたので気付いていない。

町には人の気配がないが、リンダは犬を追う大勢の子供を見かけた。リンダは来たこともないのにこの町の全てを分っていた。なんとこのホブの街はケーンの書いたホブの街と瓜二つだったのだ。

取りあえずピックマン・ホテルに泊まることに。本ではこの建物に黒い化け物が現れたはずだが、そのような様子はなかった。

リンダは本の世界に入ってしまったと主張するが、トレントは否定する。

本を片手に町を巡った。教会に向かうと何台もの車がやってきた。リンダは銃を持った町の者がケーンを追ってやってくると言い、隠れた。

実際にケーンは子供を誘拐して教会に隠れており、取り返しに来た住人は銃を持っていた。ケーンの合図と共に大量のドーベルマンが現れて村人たちを襲う。

こんなシーンはホブの街にないとトレントが言うと、リンダは新作の原稿に同じシーンがあったという。

トレントはこの街全てがケーンの作品を模したアトラクションで、自分がモニターにされていると考えた。帰ろうとするとリンダは車を奪って出て行ってしまった。

トレントがバーに行くと住民にこの町は観光地なんかじゃない、逃げろと言われる。彼は役者だと思っているのでトレントは本気にしない。

 

リンダは教会に向かっていた。教会の中に入ると怪しげな扉があり、中にはケーンがタイプライターを打っていた。

ケーンは本のなかで本を書かされており、“奴ら”によって彼は書いたことを実現させる力を与えられていた。ケーンの後頭部には“奴ら”が寄生している。リンダはケーンに新しい原稿を見させられると両眼から血を流した。

トレントの部屋に、原稿を読んで頭が変になったリンダがフラフラと帰って来た。

 

フロントに行き、電話をかけても繋がらない。受付の老婆を探すと変容して地下室で夫を殺していた。リンダも同様に変容。急いで外に飛び出すとホテルに黒い化け物が蠢く。

トレントは車に乗って逃げようとするが、斧を持った群衆が行く手を阻む。

バーに逃げ込むとそこにいた男がショットガン自殺。現実は変わった、彼に書かれたと言い残した。

リンダを乗せて車で逃げる。彼女はここでキスをしなきゃと口付けし始めた。トレントが慌てて車から降りると、リンダはまたも変容。人でない何かとなったので置いていった。

しかし、群衆のいない方へ何度真っ直ぐに走っても町に戻されてしまう。

彼は群衆を轢くことにし、突っ込んでいったが目の前に突然リンダが現れる。リンダを避けたことにより事故を起こした。

 

気絶し、目を覚ますと教会の懺悔室にいた。ケーンが話しかける。私の本には信者が多い、だから現実となりえる。ケーンは虚構と現実を分からなくすることで“奴ら”を甦らせようとしていた。

ケーンは新刊“マウス・オブ・マッドネス”を出版社に運ばせるためにトレントを作った。ケーンいわくトレントは彼が書いた作品の登場人物。リンダが彼の原稿を読み上げるとトレントはその通りに動いた。

壁から怪物が出て来てケーンの示した現実への道を走って逃げる。

 

目が覚めると田舎の十字路に横たわっていた。通りすがりの少年にホブの町について聞くも知らないという。しかし手元には原稿があり、トレントは原稿をその場に置いていった。

一先ずヒッチハイクをしてモーテルに泊まるが、そこに原稿の入った小包が届く。彼はその一枚一枚を燃やした。

出版社に報告すると、まともに取り合って貰えない。それどころかリンダなど存在しなかった。さらにずっと前、トレントはすでに原稿を届けていたという。

書店ではマウス・オブ・マッドネスが飛ぶように売れており、読んだ人は暴徒と化した。トレントはこの先を恐れ、書店でマウス・オブ・マッドネスを買った青年に斧を振り下ろした。

 

 

これが事の顛末。ウレン博士は険しい顔でこの話を聞いていた。トレントはここの方が安全と言い、人類が本の通り滅びると予言する。

自分は作り話でケーンが作者。トレントはまだ抗っていた。

ウレン博士が去ると、病室の窓には何者かに襲われる人影が写り、ドアが壊された。トレントが外に出ると他の病室の患者も医者も居ない。物が散乱するのみだった。

無線によると人々が無差別に殺人を始めたらしい、さらに人の形ではなくなるという。

 

外の世界に出たトレントは1人も人がおらず、荒れた世界を目にした。そこに映画化されたマウス・オブ・マッドネスが上映されている映画館を見つける。

 

彼は映画館で本作マウス・オブ・マッドネスを観て、自分が作品の登場人物であったと気づき涙した。

感想

本作のクリーチャー造形や狂気は確かにクトゥルフ的だけど、直接的な名称は使われていない。ラヴクラフトの原作を実写化したものではなく、あくまでジョン・カーペンター監督が影響を受けて作り上げた作品であることは注意して欲しい。

この映画の特筆すべき点はやはりラストだろう。トレントは映画館で私たちが観ていたトレントの物語を観ることになる。それもデッド・プールの様なギャグとしてではなくてシリアスな流れで。ここに持って行くまでの運びが美しい。文字だけだと若干メタな構造に思えるかも知れないが、実際に観るとそんなことは感じない。トレントが必然的に観ることになる筋書きに感嘆した。

少しずつ現実と虚構が入り交じっていく様子を観ているとこちらも頭がふわふわする。映画を観たというよりも不思議な体験をしたような気分で、他の作品では味わえない感覚だった。

マウス・オブ・マッドネス [Blu-ray]

マウス・オブ・マッドネス [Blu-ray]

  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: Blu-ray
 
マウス・オブ・マッドネス<dts版> [DVD]

マウス・オブ・マッドネス<dts版> [DVD]

  • 発売日: 2001/05/21
  • メディア: DVD
 

作者の許諾を得たスレンダーマン映画『スレンダーマン 奴を見たら、終わり』ストーリーと感想※ネタバレあり

スレンダーマン 奴を見たら、終わり

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2018年製作/アメリカ/上映時間93分
原題:Slender Man

監督:シルバン・ホワイト

製作:ブラッドリー・J・フィッシャー、ジェームズ・バンダービルト、ウィリアム・シェラック、ロビン・マイジンガー、サラ・スノウ

製作総指揮:ルイス・セラーソン、トレイシー・ニーベリ、アダム・コルブレナー、ライアン・カニンガム、グレン・S・ゲイナー

キャラクター創造:ビクター・サージ

脚本:ビクター・サージ

撮影:ルカ・デル・プッポ

美術:ジェレミー・ウッドワード

衣装:デボラ・ニューホール

編集:ジェイク・ヨーク

音楽:ラミン・ジャワディ、ブランドン・キャンベル

出演:ジョーイ・キング、ジュリア・ゴルダニ・テレス、ジャズ・シンクレア、アナリース・バッソ、ハビエル・ボテット

 

あらすじ

アメリカ、マサチューセッツ州の小さな町。レン、ハリー、クロエ、ケイティの4人の高校生は、巷で囁かれる都市伝説「スレンダーマン」を呼び寄せる動画を見てしまう。それは「3度のベルとともに長身の怪人スレンダーマンが現れ、連れ去られてしまう」という内容だった。半信半疑の4人だったが、1週間後、課外活動中にケイティがこつ然と姿を消してしまう。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

アメリカ、マサチューセッツ州の小さな町。

女子高校生のハリー、レン、クロエ、ケイティはいつも通り一緒にいた。教室に着くと男子たちが今夜秘密の儀式を行うなどと盛り上がっている。興味を持った4人は何をするのか聞くも教えてくれない。

夜になりハリーが家族と団らんしていると、レンが迎えに来た。

ハリーには妹リジーがおり、一緒について行きたがるが置いていく。姉妹の仲は良好。

ハリー、レンと合流したクロエはケイティの家に集まる。ケイティの家では、飲んだくれの父親がソファで眠っていた。

4人はケイティの部屋で駄弁った。そのうち話題はクラスの男子たちが言っていた儀式のことに。レンによると男子たちは今日、トムの家に集まって“スレンダーマン”を呼び出すらしい。

 

スレンダーマンとは都市伝説の一種。スレンダーマンは細くて異常に背が高く、顔はないとされるが変幻自在。スレンダーマンを見た者は、連れ去られるか、残される。残された場合は、生涯苦しみが待ち受ける。

 

4人は男子に負けじと、スレンダーマンの呼び出し方の動画を見た。動画の最初に以下の説明文が表示された。

“鐘の音を3度聞く者は、彼の正体に応じよ。最初の鐘の音を聞いたら、目を閉じ、黙せよ。聞きたければ耳を澄まし、遠い音を待て。眼を閉じ、心を開き、雑念を捨て、2度目を待て。3度目を聞いたら、目を開け。”

4人は指示に従って動画を見た。目を開くとそれっぽい映像が流れるだけ。

何も起きず、映画を観てその日は寝た。

 

1週間後。学校で社会科見学に出かけたとき、ケイティが突然いなくなった。楽しい社会科見学がケイティのせいで台無し。しかし警察がやってきて、事態の深刻さに気付く。

ケイティが行方不明になったことは、地元でもニュースに。

ハリーがリジーと部屋にいると外から物音が聞こえた。おそるおそるドアを開けると外にはケイティの父親が。ケイティの父親は酔っ払っており、ケイティがオカルトに傾倒したのはお前らのせいだと暴れた。2人は警察に通報。無事取り押さえられた。

 

ハリー、クロエ、レンはケイティを探すために、ポスターを作ってあちこちに貼った。そのあと、ハリーたちは手がかりを探しに、ケイティの家を訪れた。レンが父親を引き付けて、ハリー、クロエは裏口からケイティの部屋に入り込む。ケイティの部屋には、沢山のスレンダーマンのイラストが。ケイティのパソコンを見つけ、3人は持ち帰る。

 

ケイティのパソコンの閲覧履歴を確認すると、スレンダーマンに関する動画ばかり。さらにハリーたちは、ケイティが“アリーキャット93”という人物と、行方不明前日までチャットをしていたと知る。

レンはアリーキャット93にコンタクトを取り、ケイティがいなくなったことを知らせた。

アリーキャット93によるとスレンダーマンはウイルスのように脳に入り込むという。ケイティの取り戻すためには自分から申し出て、大事なものを差し出すことが必要とも告げた。

 

翌日、レンはハリーとクロエとともに、森の奥へ行く。

父との写真、祖母の形見、小学校で作った陶芸を持ち寄って、ケイティを取り戻す儀式を実行。スレンダーマンの顔を見てはならないと目隠しをするが、クロエは我慢できずに目隠しをとった。顔を見てしまい悲鳴をあげて逃げる。2人はクロエを追いかけるが、クロエは何事もなかったかのように戻ってきた。

翌日からクロエ学校に来なくなり、連絡が途絶えた。心配して見舞いに行ってもクロエの母親に迷惑がられる。家の窓から様子を伺うと、クロエは部屋の中でずっとぼうっとしていた。

 ハリーに気があるトムが話しかけてきた。トムといえばスレンダーマンを呼ぶ儀式をすると言っていた張本人だが、結局みんなびびって観なかったそう。トムはハリーをお家デートに誘った。

その頃、レンはスレンダーマンを図書館で検索。

子どもを連れ去るという伝承は、笛吹男と関連があるようだと、記事には書かれていた。レンはその記事を書いた人物、ジェレミーM・ウッドワードという名前をメモ。著作を図書館で探したレンは、『生体電気と超常現象』という本を見つける。

スレンダーマンの正体に近づいたと思った矢先、図書館でスレンダーマンの幻影に襲われる。なんとかかわしたレンは、ハリーに電話して落ち合った。

 

ハリーはスレンダーマンを信じていなかった。トムとのデートを優先し、トムの家へ遊びに行く。

トムと行為に及ぼうとしたときハリーは幻覚を見て取り乱してしまう。トムは何が起きたのか聞き、ハリーは今までのことを説明した。

後日学校でレンに会うも避けられる、トムに話しかけても無視。トムは明らかに様子がおかしく動画を見たもよう。

ハリーはその後、手がかりを得ようとアリーキャット93にチャットを送るが、アカウントが削除されていた。

 

そんな中、ハリーの妹のリジーパニック発作を起こし、病院に担ぎ込まれる。リジーは顔がないと叫び、そのまま昏睡状態に陥った。

家に戻ったハリーは、リジーの検索履歴を確認。リジーとレンが森に向かう動画を見つけ、レンが入れ知恵したと知る。

 

レンの家に行くと、レンの部屋にはスレンダーマンのイラストがたくさん描かれていた。パソコンには行方不明者の画像がずらりと並び、中にはアリーキャット93の記事が、彼女もまたスレンダーマンの被害者だった。

レンが部屋の窓から投身自殺を図っているのにハリーが気付く。飛び降りようとした瞬間ハリーが掴んで部屋に引き込んだ。

レンはスレンダーマンが求めているのは私たち自身だと言い残し、スレンダーマンに窓から連れ去られた。

 

ジーを失いたくないハリーは、自分から森へ赴く。ハリーはスレンダーマンに連れていかれた。

ハリーが連れ去られる様子を夢で見て、昏睡状態のリジーは病院で目覚めた。

感想

Netflixで観ました。

出自がはっきりした作られた都市伝説、スレンダーマン。作者がいて著作権申請もしている希有な存在。にもかかわらず、米国にはスレンダーマンを信じている人が多くいて、スレンダーマンがきっかけに起きた傷害事件も発生。

僕はスレンダーマンの映画化って聞いて、傷害事件を元に作ったのかと思ったら全然違って肩すかし。よくあるホラー映画でした。

動画を観るだけで手軽に召喚できるスレンダーマンに翻弄される話。普通につまらなかった。ホラー映画だからストーリーが多少つまんなくてもいいんだけど本作は映像もつまらない。グロテスクなシーンもなく、幻覚も超劣化したジェイコブス・ラダーみたい。CGも粗末なものだった。そもそもスレンダーマンの見た目がそれほど怖くないってのもある。てか予告と別物じゃね。メスで目をぶっさすシーンとか無かったんだが...。

なによりハリーが嫌い。友達1人失踪して、1人廃人になってるのに危機感なさ過ぎ。デート優先ってマジかよ。そんでこの下りがストーリーにどうしても必要とは思えない。クロエは目隠し取っちゃうし、レンはリジー巻き込むしみんな頭悪すぎないか。大事なものを捧げるシーンで小学校の時に授業で作ったコップ持ってきたりさ。

自業自得感が強くて怖さがないのよ。

スレンダーマン 奴を見たら、終わり (字幕版)

スレンダーマン 奴を見たら、終わり (字幕版)

  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Prime Video
 

サメVSゾンビ『サンゲリア』ストーリーと感想※ネタバレあり

サンゲリア

コメディ度:2/10

グロ度:5/10

感動:2/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:10/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1979年製作/アメリカ・イタリア合作/上映時間91分
原題:ZOMBI 2
配給:東宝東和

監督:ルチオ・フルチ

脚本:エリザ・ブリガンティ

製作:ウーゴ・トゥッチ、ファブリツィオ・デ・アンジェリス

撮影:セルジオ・サルバーティ

音楽:ファビオ・フリッツィ、ジョルジョ・トゥッチ

出演:イアン・マッカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトス

あらすじ

新聞記者のピーターはとある事件を追ってアンという女性と出会う。アンの父親がマツール島に向かったまま行方不明になっているので2人で捜索に向かうことになる。一方マツール島では原因不明の奇病が蔓延していた。この病気にかかって死ぬと、ゾンビとなって蘇り、生きた人間を襲うようになる。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

NY都市部に一隻のヨットが流れ着いた。情報の無い船であり、湾岸警備隊はすぐに巡視船を向かわせた。

呼び掛けるも反応がないため、警備隊が乗り込むことに。

船内を捜索すると肌の腐った大柄な男性が現れる。一人は噛まれて死亡。もう一人の警備隊員は拳銃で応戦。男は海に落ちた。

 

船の持ち主である父の娘アンが取り調べを受ける。しかし、父親がアンティレスに向かって出発した以外なにも知らない。

 

噛まれた警備隊員の検視がおこなわれる。遺体が動き出した。

 

その晩、アンは警察の目を盗んで船内に潜入。同じく潜入していた記者のピーターと出会う。目的の一致した2人は協力することに。

父親はアンに向けて手紙を残していた。父は奇病にかかり、この島マツールから生きて帰れないであろうという遺書だった。2人はマツールを目指す。

 

異国の地に降り立った2人だったが、離島であるマツールには船で行くしかない。ちょうど付近まで行くというブライアンとスーザンの船に乗せて貰えることに。しかしマツールは現地人によると呪われた島。ブライアンらは上陸しないことで合意した。

 

島では医者のメナードが外部との無線を試みていた。繋がらないというと、家内が非難を浴びせる。彼女はゾンビに怯えきっていた。メナードは島の住民の治療とともにゾンビについて研究している。

現地人のミギュエルに家を任せ、メナードは車で島の反対側の診療所まで向かった。

 

マツールに向かう船では島の捜索が難航。小さい島なので地図には載っていない。スーザンが海底の写真を撮りたいと船を止めた。

トップレスに酸素ボンベを背負い海に潜ると、そこにサメが襲いかかった。さらに逃げた先にはゾンビが。2つをなんとか撒くとサメとゾンビが戦い始める。結局腕を噛みちぎったサメの勝ち(?)

助かったスーザンが起きたことを説明するも誰も信用しない。

 

メナード夫人がシャワーを浴びる。それを覗き込むゾンビ。女性は気配に気づいて鍵のかかる部屋に逃げ込む。しかしドアは脆く、尖った破片に目を潰された。

 

その頃四人は島に到着。先ほどのサメの衝突により船が少し壊れている。彼らはとりあえず信号弾を撃って助けを待つことに。

メナードが信号弾に気付いて車で迎えに行く。彼はアンの父親と親しかった。手紙の中身は正しく、父親は死の間際、メナードにアンへの手紙を託した。

NYに流れ着いたヨットは手紙を渡すための物であり、メナードがクルーを乗せて手紙を届けさせていた。その後、一行はゾンビについての説明を受けるが信じない。

 

診療所にメナードの友人フリットが腕を噛まれて運び込まれた。安全であるはずの村にゾンビが出たという。

4人は家内の様子を見てきてくれと13km離れた家に向かわされた。家には女性の遺体とそれを貪り食う大量のゾンビが。4人はすぐに逃げ出す。ひとまず診療所を目指すことに。

道中ゾンビを轢いた車は事故を起こして故障。この事故でピーターは足首を負傷した。歩きでの移動を開始するもピーターはなかなか進めない。そこでピーターとアンを休ませて、スーザンとブライアンが先に進むことに。

しかし、ピーターとアンが休んでいた場所は古い墓地で、地中から伸びてきた手が2人に襲いかかる。叫び声を聞いたブライアンが助けに行くも、1人残されたスーザンがゾンビに首を噛まれ死亡。

夜になりようやく3人は診療所に到着。籠城するが外には大量のゾンビが。今までメナードは科学的な観点から調査を続けていたが何にも当てはまらず、ブードゥの呪いとしか言いようがなかった。彼らは火炎瓶を作るなど迎え撃つ準備を開始。

 

いつの間にか侵入してきたゾンビにメナードが噛まれてしまう。さらに次々と入り込むゾンビ。ついに正面の扉が破られた。3人は火炎瓶と銃で応戦。

なんとか脱出するも外にはスーザンのゾンビが。ブライアンには殺せず、躊躇ううちに噛まれてしまった。ピーターがスーザンを撃ち殺す。

 

ブライアンは噛まれているものの、3人でボートに乗って島を脱出。

その後ブライアンは死んだがゾンビとなって蘇る。遺体は証拠のためにアメリカに運ぶことに。

ボートでラジオを点けるとアメリカがゾンビパンデミックに陥っていることが発覚。ブルックリンブリッジに大量のゾンビが歩いてる映像が映されてEND

感想

この映画の原題はZOMBIE 2。ジョージ・A・ロメロ監督のZONBIEがヒットしたことを受けて勝手に2を名乗ったのは有名な話。しかしさすがはルチオ・フルチ監督、人間同士の争いなど描かず、純粋にグロテスクなシーンを詰め込んだ。社会的なテーマも一切無し。エンタメとしてのゾンビを堪能させてくれる。

話はとても単純でゾンビが襲いかかってきては倒すの繰り返し。ただサメとゾンビが水中で戦うシーンはぶっ飛んでる。監督がどうしても撮りたかったんだろうね、急にスーザンが船止めて撮影し始めたと思ったらサメとゾンビが戦うんだもん。話の流れ的には絶対いらないんだけど、映像としては凄いのよ。割と長めの尺でがっつり戦うし、よく撮れたなって。真面目な人が見たらあきれるだろうね。他はよくあるゾンビ映画と変わりないかな。

この作品は監督のこだわりもあって特殊メイクの出来が凄く良い。ゾンビに目をつぶされる女性のシーンとかもそうだけど、ゾンビ一体一体のクオリティーが高いのよ。他のゾンビ映画って何体かのストーリーに深く関わるゾンビだけ作り込むけど、本作は全部のゾンビが主役級。

ゾンビ映画好きなら必見だと思うな。

ひとりで見たよ『サスペリア』ストーリーと感想※ネタバレあり

サスペリア

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:10/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1977年製作/イタリア/上映時間99分
原題:Suspiria
配給:是空ハピネット

監督:ダリオ・アルジェント

脚本:ダリオ・アルジェント、ダリア・ニコロディ

製作:クラウディオ・アルジェント

製作総指揮:サルバトーレ・アルジェント

撮影:ルチアーノ・トボリ

音楽:ゴブリン

出演:ジェシカ・ハーパー、ステファニア・カッシーニジョーン・ベネット、アリダ・バリ、フラビオ・ブッチ、ウド・キア、ミゲル・ボゼ

あらすじ

アメリカからドイツのバレエ学校に留学してきたスージー。到着早々、彼女の周囲で奇妙な事件が次々と発生する。天井から落ちてくるウジ虫。盲導犬にかみ殺される盲目のピアニスト。学校に隠された秘密とは一体何なのか。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

主人公スージー・バニヨンはバレリーナになるため、バレエ名門校フライブルク・バレエ学院に入学。NYからドイツに渡った。

夜の豪雨の中、タクシーで空港から学院に行ったスージーはチャイムを鳴らす。インターホン越しに新入生など知らないと追い返された。入れ違いで学院を出てきた女性パットが独り言で、秘密よ、アイリスが3つ、青を回してとつぶやく。すると雨の中、森にを走り去った。スージーは学院に入れて貰えなかったので渋々待たせていたタクシーに乗り込んだ。

ところ変わってパットは一人暮らしをしている友人の部屋に隠れた。しかし追ってきていた何者かに襲われ、ナイフで刺された。天窓を突き破り、パットの遺体は電気コードで首吊り状態に。駆けつけた友人は落ちてきた窓の破片が刺さり絶命。

スージーは翌朝出直した。タナー先生になぜ昨日来なかったのか問われ、状況を説明。その後タナー先生に学院内を紹介された。副校長ブランク夫人は貴婦人で、校長は旅行により不在。

昨夜の事件について警察が聞き込みを行っていた。スージー23時に目撃したと証言。独り言については不確かな面もあり、触れなかった。

学院で働くのはピアニストのダニエル。彼は盲目で、盲導犬を連れている。寮の手伝いのパブロは歯茎の病気で総入れ歯。他にブランクの溺愛する甥のアルバートがいた。

 

レッスン初日、スージーはめまいを起こして鼻と口から血を出して倒れた。1週間は流動食と赤ワインを飲めと医者に勧められる。寮で暮らし始めたスージーは、サラと親しくなる。

サラは生前のパットと親しく、パットは何者かに殺されたと言う。

ある夜、寮に大量の蛆虫が発生。原因は屋根裏に置かれた食品の腐敗。天井からぼたぼたとウジが降る。寮生は無事だったレッスン室で寝ることに。

寝ているとスージーとサラは変な音を聞いた。サラは校長のいびきだと言うが、校長は旅行中でいないはず。2人は不審に思った。

 

翌日のレッスン中、タナー先生がすごい勢いでレッスン場にやってきた。ダニエルの盲導犬アルバートに噛みついたという。ダニエルは信じないし謝りもしなかった。即刻クビを言い渡される

その夜、スージーとサラは、教員たちが学校を去る靴音に耳を傾けた。毎日21:30に帰宅するとサラは言うが、スージーはある事に気づく。靴音は校外でなく、校内へと向かっている。サラが靴音を追って廊下に出るも何も見つからなかった。

その頃、ビアホールから帰るダニエル。そして突然、盲導犬が吠え始めた。何かがダニエルに向かって飛んできたと同時、盲導犬が彼の喉を噛み切った。近くにいた警察が駆けつけるも手遅れ。

意を決したスージーは、ブランク夫人にパットが、秘密、アイリス、という言葉を発していたことを告げる。ブランク夫人は警察に伝えるとだけ答えた。

 

またその夜、スージーの寝室にサラが血相を変えてやってくる。実はパットは学園の謎について調査しており、そのことについてまとめたメモをあの晩、サラに託していた。そのメモが一枚を残してどこにもないという。

サラはスージーに助けを求めたが、強烈な睡魔に襲われたスージーは眠ってしまう。危機感を感じたサラはメモをスージーに託して学院から逃げ出そうとする。

何者かに追われ、サラは屋根裏へ逃げ込んだが、扉はすぐに突破されそうだった。サラは高い窓から隣の部屋に逃げることに。しかしそこには針金が散らばっており、サラは身動きが取れなくなってしまう。そして何者かはサラ喉を掻き切った。

 

翌朝、サラが荷物をまとめて退学していったことを聞いたスージーは不審に思う。スージーは、サラの友人の精神科医フランクを訪ね、最近の出来事について相談した。フランクは学院の歴史と魔女についての話をした。学院は元々魔女が設立し、バレエとオカルトについて教えていた。しかし学院は世間からの風当たりを受け一度閉鎖。卒業生達が集まって現在のバレエだけを教える学院となった。

その夜、寮に戻るが生徒たちは出かけていた。スージーは、なにか入っているのではと食事を捨てる。学院の秘密を暴くことに決める。サラのメモに書かれた靴音の数だけ廊下を歩くと、校長室に辿り着く。スージーはパットの、アイリスが3つ、青いのを回す、という言葉を思い出す。壁にはたしかに青いアイリスの飾りがあり、それを回すと隠し扉が開いた。奥の部屋では教師たちが、スージーは知りすぎた、危険だ、呪い殺そうと儀式が行われていた。

教師たちに見つかったスージーは、必死で別の部屋に逃げ込む。しかし、そこには校長のエレナ・マルコスがカーテン越しのベッドで眠っていた。スージーはカーテンを開けたが、そこには誰もいない。その時、血まみれのサラの死体が動きだし、スージーに向かって襲いかかる。しかし雷の光がベッドの上に座るエレナ・マルコスの透明な身体の輪郭を浮かび上がらせた。スージーはガラス製の孔雀の羽根を手に取り、マルコスの喉を突き刺した。じわじわと姿を現しながら魔女マルコスは死亡。

魔女マルコスの死と同時、学院が炎に包まれ崩れ始めた。教師たちは苦しそうに悶える。スージーは館の外に逃げ出した。雨に打たれながら、スージーは笑みを浮かべた。

感想

魔女って日本人にとって馴染みが無いですよね。僕もあんまピンと来ないです。この作品はホラー映画として有名ですが魔女ってホラーなんですかね。演出はホラー寄りですけど。

観ててはっきりしないところが結構あって、例えばパットを殺した毛むくじゃらな男が誰なのかとか(あまりに腕の毛が濃くて印象に残った)。やけに生徒がお金にうるさかったり、部屋に入り込んだコウモリを殺すシーンとか。あんまり意味は無いのかも知れないけど。

作品を通してビジュアルと音楽のこだわりはとても感じた。学院内がすごいカラフルでずっといたら気が狂いそう。ゴブリンの音楽も特徴的で耳に残る。

サスペリア (字幕版)

サスペリア (字幕版)

  • メディア: Prime Video
 
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村