映画に逃げた

映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

12年間何してたの? 映画『ファイナルガール』ネタバレあらすじと感想

ファイナルガール

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:2/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2014年製作/アメリカ・カナダ合作/上映時間84分
原題:Final Girl

監督:タイラー・シールズ

製作:ロブ・カーライナー

脚本:ステファン・スカーラータ

撮影:グレゴリー・ミドルトン

美術:ティンク

出演:アビゲイル・ブレスリン、アレクサンダー・ルドウィグ、ウェス・ベントリー、キャメロン・ブライト、リース・トンプソン

あらすじ

小さい頃から殺し屋として育てられたヴェロニカは、最終試験と題して殺人集団と戦うことになる。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

12年前、アメリカ。両親を殺された幼女ヴェロニカに、男性ウィリアムが声をかける。両親が亡くなったことを告げるが、ヴェロニカは動揺もせず冷静。それをよしとしたウィリアムはヴェロニカにテストを行ない、特別な機関で学べとスカウト。ヴェロニカが聞くと、妻子を殺されたウィリアムもその一員だと答える。ヴェロニカはその機関に入った。

 

12年後。ウィリアムがトレーナーとなり、ヴェロニカは人を殺すための訓練を受けていた。森をはだしで駆け、格闘技、銃の使い方を学ぶ。

 

同じ頃。小さな町では男子高校生4人がダイナーでたむろしていた。リーダーのジェームスソンはウエイトレスの金髪女子高校生グウェンをナンパ。他の3人ネルソン、シェーン、ダニエルは慣れたように見守る。

グウェンをうまく店を連れ出した一同は、森の奥でグウェンを追いかけた。グウェンを獲物に見立てて、狩りを楽しんでいる。やがてグウェンを追いつめた男たちは、銃で殺した。実は彼らは夜になるとタキシードを着て金髪女性をナンパし、森へ連れていっては狩りを行なうことを娯楽としていた。

シェーンの彼女ジェニーは彼らが集まって、良くないことをしているとは知っていたが、まさか人殺しとは思いもしない。

 

ヴェロニカは格闘技で不利な男性相手に、首を絞めて気絶させる方法を教わる。バーで適当な男を使い実戦も行った。

さらに薬物の耐性の訓練を受けた。DMT(麻薬)とペンタトール(自白剤)を混ぜたもので、それを服用すると1時間ほど己の最も恐れている幻覚を見る。ヴェロニカは、試験に落第してウィリアムに殺されるという幻覚を見た。ウィリアムはどんな状況でも冷静に対処しろアドバイスし、ヴェロニカをいよいよ送りだす。

 

ダイナーの外の車内で男子高校生4人を見たヴェロニカは、彼らこそ作戦の相手だと知る。男性が去った後、ヴェロニカはジェニーに接触。ジェニーとの会話でシェーンとの関係が希薄になっていると知ったヴェロニカは気が軽くなった。

別日、ダイナーで座っていたヴェロニカは、ジェームスソンに声をかけられた。土曜の8時にここへ来いというジェームスソンに、どこへいくのかと聞くが、別世界だとしか答えない。

 

土曜日。ヴェロニカは赤いドレスに赤い口紅を引いて向かった。ジェームスソンがシェーン、ネルソン、ダニエルの順で車で拾ってダイナーに向かう。

ヴェロニカと合流したジェームスソンは、別の場所でほかの女性を拾うと嘘をつき、ヴェロニカを助手席に乗せた。ヴェロニカも適度に警戒する演技をする。ダニエルは車から身を乗り出して車道わきにあるポストをバットで壊す遊びに興じた。バットを渡されヴェロニカもポストを壊す。

一同は、森の中にあるソファに到着。そこは、彼らが女性をもてなす場所だった。ヴェロニカはポケットから酒を出して、みんなに回し飲みさせる。ジェームスソンだけは飲まなかった。

そこで”真実か挑戦かゲーム”を行う。一般的な物と違い、始めに札を引いて挑戦するかをまず決める。やりたくなければメンバーからの質問に答える事で逃れられるが、二度同じ札を引いた場合はそれを実行するしかない。

ヴェロニカに聞かれた最低の行ないに対し、ジェームスソンは10歳の時に狩りでウサギにとどめを刺さなかったために、無用の苦しみを与えてしまったと答えた。ネルソンは何かを殺せという札を引き、ミミズを捕まえて食べる。ヴェロニカも最低の行ないを聞かれ、人を救えたのに救わなかったと答える。2巡目になり、ジェームスソンはキスするという札を引き、ヴェロニカにキス。ヴェロニカは縛られるという札を二度引き、ベルトで後ろ手に縛られた。再び質問のタイミングでヴェロニカは「グウェンに何が?」と尋ねたが、ジェームスソンは答えない。

核心を突いた質問をしたことで彼らは豹変。彼らは狩りの話を始めた。5分間の間に逃げろと告げ、武器を構えた。

 

ヴェロニカは逃げ始めた。彼らは5分待つと言いつつ、我慢の聞かなくなったダニエルを皮切りにすぐに追い始める。

ヴェロニカは逃げ始めると拘束を解き、髪を結んでピンヒールを脱いだ。

 

追い始めたダニエルは酒の影響か幻覚を見始める。パンダマスクをした男2人が近づく幻覚を見ていたが、実際はヴェロニカが近づいていた。ヴェロニカは斧を振り回すダニエルを殴り、斧で胸を刺して殺した。ヴェロニカはダニエルの靴を履く。 


次いで木製バットを持ったネルソンが、幻覚を見始める。周囲を、覆面の男がぐるぐると回った。ヴェロニカは背後からネルソンを殴ると、馬乗りになって大きな石で殴って殺した。ジェームスソンはダニエルの遺体を見つけ、今回はスリリングな狩りになりそうだと期待を膨らませた。

 

シェーンも幻覚を見始めた。彼はジェニーがジェームスソンに寝盗られるのではないかと常に怯えており、その恐怖が作用し、ジェニーが森にやってきてジェームスソンと浮気する幻覚を見る。さらにジェームスソンはグウェンを殺したとジェニーに告白した。怒ったシェーンはジェームスソンを殴り、浮気していたジェニーの首を絞めた。しかし実際はジェニーでなくヴェロニカだった。とっくみあいになるがなんとかヴェロニカが勝つ。

 

最後に残ったのはジェームスソン。ジェームスソンは薬を混ぜた酒を飲んでいない。対峙した際、ヴェロニカは彼に今まで何人殺したのか質問した。君を入れると21人とジェームスソンが答える。ヴェロニカとジェームスソンは取っ組み合いを始めた。ヴェロニカは背後から首を絞めてジェームスソンを気絶させると、酒を飲ませる。

目覚めたジェームスソンは自分の首に縄がかかり、足下に岩が積まれていることに気付く。やがてジェームスソンも幻覚を見始めた。彼の幻覚は今まで殺した女たちが、森の奥から近づいてくるというもの。これを見たジェームスソンは、驚いてバランスを崩し首を吊って死ぬ。

そこへウィリアムがショットガンを持って迎えに来た。ヴェロニカは傷だらけで泥まみれ。そのままダイナーへ立ち寄ると、ウィリアムとヴェロニカはパンケーキをまずいと言いながら食べた。

感想

これはなかなかヒドい。

殺しの訓練を積んだ女子高生が悪党を倒す話なのだが、主人公のヴェロニカがまあ弱い。12年間もいったい何を学んできたのか。

素面のジェームスソンはまだしも、幻覚を見ている相手に対しても割と拮抗した戦いぶりを見せる。相手素人だよ、しかも同い年位の。

まず幻覚剤を飲ませるのがせこいよね。ただ幻覚だけ演出が凝っていたから監督はここが撮りたかったんだろうな。

何よりも主演のアビゲイル・ブレスリンが役作り出来てなさ過ぎる。銃を早く組み立てるシーンがあるんだけどコマ撮りの演出でごまかしてた。それを見て分るほど手際が悪すぎる。

さらに訓練してた設定の割に肉付きが良すぎた。ぽっちゃりとしていて撮影に向けて何も調整していないのでは。

ヴェロニカにばかりヘイトが向いてしまったが大筋に対しても気に入らない箇所がある。機関とは何なのか。ウィリアムが思い出したかのように発するだけで、まるで全貌が分らない。ウィリアムの妄想なのではと思うレベル。

最終試験の内容も考えてみれば意味不明。依頼されたとかでもなくただ殺すのみ。しかも騙されたふりして回りくどく。勧善懲悪を見せたいだけか?カタルシスなど微塵も感じなかったぞ。

そもそも20人も狭い町で行方不明になってたら大事だろう。作中で武器を変えて同一犯と思われないようにしていると発言していたがそういう問題ではない。

良かった点はタキシード着て武器を持つ姿が格好良かったことだけだな。

ファイナルガール [DVD]

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  • 発売日: 2017/06/02
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毎晩見る悪夢の意味とは 映画『ペイン 魂の叫び』ネタバレあらすじと感想

ペイン 魂の叫び

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:5/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:3/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2011年製作/アメリカ/上映時間84分

原題:Leave

監督:ロバート・セレスティーノ

脚本:リック・ゴメス、フランク・ジョン・ヒューズ

製作:ロバート・セレスティーノ、リック・ゴメス、フランク・ジョン・ヒューズ、マイケル・ハガティ

撮影:マイケル・フィモグナリ

音楽:オースティン・ウィントリー

編集:ロバート・セレスティーノ、トッド・サンドラー

あらすじ

小説家のヘンリーは幸せな日々を送っていたが、一つだけ問題を抱えていた。彼は6ヶ月に渡りずっと同じ悪夢を見ていたのである。医者の勧めで彼は、ニューヨークを去り、田舎に向かうのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ヘンリーがアラートで起こされた、横には妻エイミーが寝ている。
2階から下に降り、警報器を止めた。部屋に戻ろうとした瞬間、フードの男が襲いかかった。部屋が暗く、顔は見えない。彼はヘンリーに馬乗りになって何度も拳を振りかざす。ヘンリーの顔はボコボコ。やがて男はナイフを拾い、幾度となくヘンリーに突き刺した。

 

ヘンリーはこの悪夢を6ヶ月間毎日見ていた。精神科医に相談するが堂々巡り。薬を加えることを提案されたが、これ以上増やさないと拒否。医者からは旅に出ることを勧められた。

 

風呂に入っているとエイミーがやって来た。彼女に別荘で暮らして良いかと相談。彼は裕福だったので、都会で子育てをしたくないという妻の要望の元、田舎に一軒家を持っていた。

 

ある晩、夫妻の家でヘンリーを送り出す会が開かれた。作家仲間が集まって和気あいあいと進む。それを外から眺めるフードの男がいた。彼の手にはヘンリーの著作。

 

翌朝、やはり同じ夢を見て目を覚ます。彼はニューヨークを離れ、別荘を目指す。車で移動中、小説のアイデアを考えるがどうしても夢のことが頭を遮る。のどかな道を走っていると急に後ろの車がせっつき始めた。対向車線は空いているのに一向に抜かさない。彼は仕方なく、車線から外れて先を行かせた。
途中で休憩所によって用を済ませる。トイレの鏡には”さよならエイミー”の文字。個室からはブーツが見えた。気味悪く思い車に戻ると、”バルド・カフェ”のチラシが挟まっていた。
車を進ませてバルド・カフェに到着。コーヒーを注文した。店主は無愛想でろくに返事もしない。ヘンリーがトイレに行っていると彼はパソコンを覗いた。店主に注文を頼むが、実は彼は店主でなかった。ただの客で本物の店主は裏でゲームをしているという。店主の顔を見ようとしたところを男が止めた。客が厨房に入るのをとても嫌がるらしい。
彼と兄弟について話をする。ヘンリーには兄がおり、男にも兄弟がいた。
ヘンリーは疑心暗鬼になっており、男を怪しく思っている。先程の休憩室で見たブーツとそっくりだったからだ。
ヘンリーはやはり店主に会うべきだと裏に行こうとする。その瞬間、本物の店主が現れて、金を盗む気かと叱咤した。男が事情を説明。彼はこの店の常連らしく、誤解が解けた店主は注文を聞く。ヘンリーがチキンスープを頼むとまたも裏へと消えていった。
ヘンリーは男にどこから来たのか尋ねた。彼は車も家も持っていない。ホームレスと言うと、彼はいやがり、持ち物を減らしているだけだと言った。彼の名はキャンベル。
キャンベルはヘンリーが作家であること、さらに名乗ってもいない彼の名前を口を滑らして呼んでしまう。ヘンリーはキャンベルをストーカーだと思い、急いで逃げ出そうとした。
キャンベルは腕に掘ったタトゥーを見せる。それは19歳で水没死した兄と同じものだった。彼は説明する。死んだとされた日、彼は大量のヘロインを打って海に行き、入水自殺を図った。しかし、どこかの浜辺に打ち上げられて生き延びてしまう。警察は家にあった遺書を見つけ、自殺と断定、捜索を打ち切った。両親はサメに食われたことにして葬式を行った。
ヘンリーは信じず、激昂し、兄しか知り得ないことを聞いた。キャンベルは全てに即答。
ヘンリーは急いで車に飛び乗り、店をあとにする。
しばらく走って冷静になった彼は、店に戻ってキャンベルを車に乗せた。停めた車内で2人は和解し、抱き締め会う。キャンベルは不敵な顔を浮かべている。


キャンベルとヘンリーは別荘に到着した。キャンベルは電話の状態やエイミーがここに来る頻度を尋ねる。

酒を飲みながらヘンリーは、以前胃ガンで入院していたと話す。そのときに心の支えになったのは昔の思い出だった。湖にヘンリー、キャンベル、父親で泊まった。キャンベルはそのときに作った料理についても難なく答える。
キャンベルはその後、キャンプのときに作ったマカロニチーズをヘンリーに振る舞った。
ヘンリーは悪夢についても話す。キャンベルはやけにその話を詳しく聞いた。
2人はジグソーパズルを解きながら夢の意味を考える。キャンベルは制御できないことの象徴と結論付けた。

ヘンリーが寝室に上がり、先に眠りにつく。寝ている彼をキャンベルは眺めていた。

 

翌朝、目覚めるとヘンリーの胃が痛む。キャンベルの姿はない。窓を見ると遠くの橋を歩いていた。
エイミーから電話がかかる。助けを求めているとキャンベルが現れて電話を奪った。
ヘンリーは吐血。キャンベルは死への工程だという。

彼は話し始めた。胃ガンの手術をした時、すでに遅すぎた。ガンは胃の至るところに点在しており、手の施しようがない状態。
実は手術のときから彼は昏睡状態に陥っており、今まで見てきたものは全て想像だった。
キャンベルはヘンリーが作り出した一番会いたかった人物。

ヘンリーは自分が昏睡状態で生きていることによってエイミーを傷つけていることを知り、自ら命を手放した。

感想

軽めのB級スリラーかと思いきや重めの内容で面食らった。こんなオチって知ってたら観なかったな。

最初の方は期待通りだった。夢ではあったけど殴られた後のヘンリーがなかなかにグロテスクな見た目で。ただ本作のゴア描写ピークがここ。僕からすればもっとやれって感じなんだけど、本作の最終的な着地点を考えると不要なシーンとも思った。レーティングかかってるのはここのせいじゃないかな。だとするとなおさらいらない気がする。

本作は昏睡状態に見ている想像ってオチだけど、見ている最中にそれを予想できる材料は十分に用意されていない。最後に突然ぶっ込まれるから納得がいかないし、何でもありじゃんって思う。作中で謎だったシーンも全部想像だからで片付いちゃうから。本質は夢オチと変わらないし、何なら本作は説教くさいので夢オチの方がマシまである。

そして邦題がヒドいと思った。ダサいし意味をなしていない。

原題がLeaveなのだが、最初ニューヨークから”去る”ことかと思わせ、後半でこの世から”去る”ことだと気付かせる優れたタイトルだった。邦題もそのまま”去る”で良かったのでは。最近”来る”が流行ってて字面が似てるし。

ペイン 魂の叫び(字幕版)

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ゾンビ映画の歴史~”ゾンビ”前のゾンビを知る~

ゾンビ映画の歴史~”ゾンビ”前のゾンビを知る~

目次

前置き

ゾンビ映画の元祖をジョージ・A・ロメロ監督作品「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」(1978)とお思いの方もいるのでは無いだろうか。実は本作はゾンビ映画ブームの火付け役でしかない。

ロメロはこの10年前1968年にナイト・オブ・ザ・リビング・デッドを公開した。本作に登場するグール(ゾンビ)こそ現在のゾンビ像のベースである。死者が何らかの要因で蘇り、人肉を貪る。そして襲われた方もゾンビとなって次の犠牲者を増やしていき、彼らは脳を破壊されるまで死なない。この設定は本作で初めて固められた。

現代ゾンビ映画の元祖とは言えるだろう。なぜ”現代”と前置きをしたのか。そう、ゾンビ映画は1932年に初めて公開され、ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドまでの36年間、全くの別物だったからだ。この間のゾンビは主にブードゥーの呪術によって創られており、術者の指示に従う忠実な奴隷だった。このようなゾンビを一部ではクラシックゾンビと呼び、対照的に現代のゾンビをモダンゾンビと呼ぶ。

本記事ではこの1932年から1968年までのゾンビ映画に触れていく。なお、ストーリーに関して極力ネタバレ無しを心がけているが、ゾンビの特徴について細かく記載しているため多少ネタバレ気味ではあるかも知れない。

作品紹介

ここに並ぶ作品群は私があくまでも素人目から見てゾンビ映画であると感じた物である。過不足あると思うが目をつぶって欲しい。

1930年代

1932年 恐怖城

挙式のためハイチに向かったカップルは道中、ゾンビの集団と出くわす。彼らは呪術を使って操られており、砂糖工場の労働力となっていた。

 

元祖ゾンビ映画。本作でゾンビがスクリーンデビューを果たした。ゾンビの特徴としてはブードゥーの呪術により生前に液体(本作におけるゾンビパウダーの役割)を飲まされることにより一旦死亡。それが蘇ったもので意思を持たず操られるまま。本作では術者の腕が良く、割と器用に動く。喋るシーンはない。銃で撃たれてもダメージは無し。操る際に術者は印を結ぶ。術者が死ぬことによってゾンビは元に戻るが、その間の記憶は無い。

本作に関しては以前、記事を投稿しました。ネタバレになりますがよろしければ↓↓

sottou-hurann.hatenablog.com

1933年 月光石

病に倒れ、瀕死となったモーランは生き返るために月光石を腕に巻いて死んだ。しかし墓に眠ったモーランの死体には月光石がない。誰かが盗んだと分かり、捜索が始まる...。

 

本作のゾンビに触れると大きなネタバレになってしまうので何も言えない。ただこれをゾンビ映画としてよいのか、とても迷ったとだけ伝えておく。

1936年 ゾンビの反乱

第一次大戦中、連合軍はカンボジアからゾンビを輸入して戦わせた。連合軍は自国でもゾンビを作る方法を知ろうとするが...。

 

本作のゾンビは、術者がゾンビパウダーを熱して出た煙を対象に嗅がせることによって生まれる。術者の指示を絶対遵守、銃で撃たれるくらいじゃ倒れない。喋ることができ、周りから見てゾンビとは分らない。これが重要で本作では権力者をゾンビに変え、人々を操ることに重点が置かれている。

操作方法は術者が念じるだけで、元通りになれと念じると元の人間に戻るが、その間の記憶は保持されている。催眠術に近く思えた。

1936年 歩く死骸

殺人の罪をなすりつけられたエルマンは無実なのにも関わらず死刑となってしまった。その死体をボーモント博士は実験に使用し、エルマンを蘇生させてしまう...。

 

本作のゾンビはこのエルマンなのだが、彼は科学技術によって復活し、自由に動く事が可能。喋るが少し拙い(脳の腫瘍のせい?)。生前から変わらずピアノが得意。

脳の腫瘍のせいか生前の記憶、死んだときの記憶は無いが、自分を死に追いやった者が直感で分るようになった。この能力を利用して次々と犯人を発見しては「なぜ俺を殺した」と問い詰めるが、理由を聞く前に何らかの事故が起きて犯人は死んでしまう。もしかしたらこれも能力かも知れない。因みに銃が効く。

1940年代

1940年 ゴースト・ブレイカーズ

キューバ沖の島にある城を相続したマリーは、城に財宝がある事を知る。しかし島には幽霊が現れ...。

 

本作のゾンビ要素は大分薄く、メインは幽霊。作風が喜劇であることもありどこかコミカル。鎧を装備し、モーニングスターを持って襲いかかる。普段は寝たきりだが侵入者が現れると起き上がり排除に向かう。主人公らが様子を見てゾンビだと断定しただけで実際何者かは分らない。

1941年 死霊が漂う孤島

キューバに向かう飛行機が悪天候のため、ある島に不時着。乗っていた3人は救助を待つ間、サングレ博士の屋敷に世話になるのだが、そこでは恐ろしい儀式が行われていた...。

 

本作も喜劇であり、それゆえにゾンビの設定が変わっている。塩がかけられると干からび、鏡に映らない特徴を持つ。作中でゾンビに料理をたべさせるシーンがあるが、もちろん塩抜き。

死者を復活させてゾンビにしたという台詞はあるが、その様子は明かでなく、催眠術の可能性がある。襲われた人間がゾンビに食われそうになったと発言していた。

1943年 私はゾンビと歩いた!

 看護師のベッツィは富豪の夫人ジェシカを介護するためハイチの豪邸に招かれた。しかし病気と思われていたジェシカが実はブードゥーの呪いをかけられたゾンビで...。

 

本作のゾンビは2体おり、ジェシカとカルフールという名の男性。

ジェシカは操られるまで動かず、周りの人間はただの心の病だと思っていた。ブードゥーの設定をうまく生かしていると感心できる。ジェシカはゾンビだが、操作されていない時には普通の生活を送っているように思える。

介護されながらだが食事をし、睡眠をとる。歩くことも可能。ただ、刃物で傷つけられても血が出ない。彼女は術者がブードゥーの神に祈ったことでゾンビとなった。操作方法はジェシカに見立てた人形を動かすこと。

対してカルフールは目玉が飛び出しており、インパクトのある見た目をしている。主に門番として働かされていた。視覚が備わっている様子で、門を抜けるには通行証となる布が必要。術者が口で命令するだけで指示に従う。

1944年 ブードゥーマ

マーロウ博士は死んだ妻を生き返らせようと女性を誘拐しては実験を重ねていた。ある日、ベティのいとこが行方不明になる。ベティは婚約者と博士の家を訪ねるが...。

 

本作には死んでから復活したゾンビと魂を抜かれてゾンビ化したゾンビの2パターンがいる。

前者はマーロウの妻であり、22年前に亡くなったのを蘇らせた。しかし肉体は蘇っても魂がそこにはなく、ただ虚ろな目をしているため、マーロウは若い女性の魂を妻の体に移そうとする。呪術師を呼んで実際に成功するものの、わずかな時間で元のゾンビに戻ってしまう。

呪術師曰く、適合者を見つければ魂が定着するらしい。ここで使用される女性こそが後者のゾンビ。ゾンビ状態になった両者に外見的な差は無い。本作のゾンビは呪術者でなくても割と言うことを聞き、襲いかかることはない。

本作で印象的なのは対象の持ち物を使って儀式を行うことでその対象をコントロールしてしまうシーン。こちらもはたから見ればゾンビと同じであり、非常に強力。

マーロウの妻を蘇らせた方法は明らかになっていない。また、術者が死んだことによって魂を抜かれた女性らは元に戻った。その間の記憶は無い。

 

1945年 ブロードウェイのゾンビ

NYのナイトクラブのオープンに向けて、本物のゾンビを捕まえにサン・セバスチャン島に向かうが...。

 

本作も喜劇。ゾンビの特徴はなんと言ってもそのルックスにある。「私はゾンビと歩いた!」のカルフールのように、ゾンビ化すると目が飛び出るので何ともポップ。

本作にはブードゥーのゾンビと薬品で創られたゾンビの2種が登場。博士がブードゥーのゾンビを見て、自分でも創ってみようと奔走する。

博士の屋敷にはコラーガと名付けられたブードゥーゾンビが飼われており、普段は棺桶にしまわれている。博士の声は遠くにいてもテレパシーのように感じ取れた。何でも言うことを聞いていたが、殺人を命令すると暴走し、博士に襲いかかる。

博士は人をゾンビに変える血清を開発した。注射器で血清を打たれると仮死状態になり、命令を聞くようになる。登場人物の一人が未完成の血清を打たれ、ゾンビとなったのだが、しばらくすると元に戻った。その際、記憶は無く、受けた痛みも消えていた。

1950年代

1959年 プラン・9・フロム・アウタースペース

ある日、UFOが地球にやってきた。そしてなぜか死者たちが復活し、人々を襲い始める。宇宙人の目的とは...。

 

本作は宇宙人が死者を電気銃でコントロールし、ゾンビ化させるという奇抜な設定。内容は褒められた物じゃ無いが、この設定とゾンビの容姿だけは凝っている。

1960年代

1966年 吸血ゾンビ

ここにきて初めてイギリスが舞台。ロンドン大学医学部のフォーブス教授は、イギリスの小さな町で開業医となった教え子ピーターから手紙を受け取る。町では原因不明の流行病が流行っており、次々死者が出ているという。それを読んだフォーブスは町へと向かうが...。

 

吸血などとタイトルについているが本作のゾンビに食人要素は無い。本作でクビを落とす退治法が確立され、後のゾンビ映画に影響を与えた。また、ゾンビに変容する演出も凝っており、これも同じく。術者が対象の血を生前に採取し、呪い殺すことでゾンビを作り出す。

1968年 ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド

墓参りの途中、ゾンビに襲われたバーバラと兄のジョニー。倒れた兄を置いて民家に駆け込むとそこには他の生存者らが隠れていた。やがて周囲はゾンビに囲まれ...。

 

前置きに書いたとおり本作ではゾンビが人肉を貪る。そして襲われた方もゾンビとなってどんどんと数を増やす。彼らは脳を破壊されるまで死なない。光や火を嫌い、多少の知能があって道具を使える個体がいる。作中において放射線によって脳が侵されたのではという疑いがあったが、結局のところ原因は明言されていない。

これらの作品を観るなら

急におすすめなのだが最近衝撃的な商品を発見した。それがホラー映画パーフェクトコレクション ゾンビの世界。上記のプラン・9・フロム・アウタースペース、吸血ゾンビ以外の10作を収録している。注意点としては字幕のみなことと、画質が特別良くはないこと。しかし、そんなのを跳ね返すほど衝撃的な長所がある。メチャクチャ安いのだ。

総括

こうしてまとめてみるとクラシックゾンビ映画はゾンビ要素がメインでない作品が多く感じる。恋愛+ゾンビ、コメディ+ゾンビのようにゾンビが添え物な印象で現代の作品群とは対照的に思えた。そして催眠術と密接な関係を持っている。現代のゾンビ映画しか知らない人が観れば新しい設定と思うのではないだろうか。ゾンビの集客性に頼っていないため脚本がよく練られており、現代の中身のない量産作品とは違う。

クラシックゾンビ映画でゾンビそのものはあまり恐れられておらず、術者及び死後にゾンビ化されることに対する恐怖が強調されている。ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドはその点において革新的だった。ゾンビそのものに焦点を当て、カニバリズムを追加することによって人々の恐怖の対象をゾンビに向けた。さらに感染という要素によって今までこぢんまりとしていた作品の舞台を大きく広げることに成功。ロメロの功績はあまりにも大きい。

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  • 発売日: 2002/11/08
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父親を狙う連続殺人犯 映画『ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた』ネタバレあらすじと感想

ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた

コメディ度:7/10

グロ度:6/10

感動:3/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:2/10

満足度:9/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2011年製作/アメリカ・カナダ合作/上映時間99分
原題:Father's Day
配給:エデン

監督・脚本:アストロン6(アダム・ブルックス、ジェレミーガレスピー、マシュー・ケネディ、コナー・スウィーニー、スティーブン・コスタンスキ)

製作:ロイド・カウフマン、マイケル・ハー

製作総指揮:マット・マンジョリデス、アダム・ブルックス

編集:アダム・ブルックス

音楽:ジェレミーガレスピー

特殊効果:スティーブン・コスタンスキ

出演:アダム・ブルックス、マシュー・ケネディ、コナー・スウィーニー、エイミー・グローニング、ギャレット・ナティク、ブレント・ニール、メレディス・スウィーニー、マッケンジーマードック、ロイド・カウフマン

あらすじ

父親ばかりを狙い、襲う連続殺人鬼ファックマンが現れた。かつてファックマンに父を殺され、自らも片目を失ったエイハブは復讐の鬼と化し、執拗にファックマンを追う。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

大柄な男性が死体をバラしながら性行為に励む。死肉を口にし、股間をしごく。
眼帯を着けた男が部屋に入ると男の姿はなく、残されたのは無惨な死体のみ。窓からは逃げる男の姿が見えた。眼帯はそれを車ではね、ショットガンで撃ち殺した。

 

父親が殺され、問題児の青年アンドリューが警察からの取り調べを受ける。

最後に父にあったのは勾留され、迎えに来て貰ったとき。アンドリューはゲイ向けの男娼として働いており、行為に及んでいるときに財布を抜くのが彼の手口。その日も仲間のウォルナットとともに仕事に励んでいた。
そのころ父親は家にいたところをファックマンに襲われ、尻を掘られていた。その後ガソリンを掛けられ燃えているところを帰宅したアンドリューが目撃。

話を聞いた刑事は呆れて何も言えない。追い払うように釈放した。


釈放後のアンドリューにジョン牧師が君を助けたいと近寄るが、アンドリューは冷たくあしらった。死んだ父の口に入っていたネクタイをジョンの首にかける。
ジョンは教会に戻ってオフリン神父に相談。ネクタイを受け取った神父はファックマンの話を始めた。ファックマンは父親達を狙い、犯して殺す。昔エイハブという少年が同じくファックマンに父を殺された。神父はエイハブを育てたが、復讐のため神父の元から去る。

エイハブの元に向かえと神父に告げられジョンはエイハブ探しを始めた。世界中を探し回りようやくエイハブを見つけ出す。
エイハブは森の中でメイプルシロップを作って暮らしていた。ファックマンが再び現れたと聞いたエイハブはジョンと共に教会へ戻る。


オフリン神父に会った後、事件現場に向かうと因縁のある刑事スティーガルが待ち構えていた。エイハブはファックマンを追い、間違えて関係のない男を殺した過去を持つ。スティーガルはエイハブと妹チェルシーを疑っていた。チェルシーがいまだにファックマンを追っていると聞いたエイハブは彼女の働いているストリップクラブに向かう。


チェルシーは自分を捨てたエイハブを恨んでいた。彼女は幼少期を孤児院で育ち、大人になった今、生活費を稼ぐためにストリッパーとして働きながらファックマンの情報を集めている。エイハブは説得を諦めて一旦引いた。


クラブから帰ろうとするチェルシーにトゥインクとウォルナットが相談に来た。その様子をスティーガルが遠目に見ている。
ひとまず2人を家に招き、話を聞く。しかしウォルナットが女性を妊娠させたという事実が発覚。部屋にファックマンが現れ、ウォルナットを殺した。チェルシーが拳銃で撃つがダメージがない。彼は窓から逃げていった。
チェルシーを訪ねてエイハブがやって来る。エイハブは危険だからとチェルシーを事件から離したがるがどうにも聞かない。そうこう話しているとスティーガルがやって来たので、後日ストリップクラブに集合する約束を結び、エイハブとトゥインクはその場を逃げる。


エイハブは父の墓を掘り起こし、隠していた銃器を手にした。もちろんストリップクラブには向かわず、2人だけでファックマン討伐を行うつもり。


教会にオフリン神父の生首が送りつけられた。ジョン神父はファックマンに復讐を誓う。
ファックマンはその間にも犯行を重ねていた。ファックマン信者がそれを讃える。


ジョンがエイハブらと合流。しかし手懸かりが何もないので結局ストリップクラブを目指す。
チェルシーを目当てにファックマンがストリップクラブを襲った。チェーンソーを持ったストリッパーと激しい戦闘。しかし、ストリッパーは殺され、チェルシーがどこかに連れ去られた。

彼らが到着したときストリップクラブは荒れ果てていた。かろうじて生き延びていたエイハブの元彼女メアリーからファックマンがチェルシーを連れて東に向かったと情報を得る。
車を走らせているとファックマンのトラックと遭遇。チェルシーを取り返そうとするが失敗に終わり、車は大破、エイハブは腹部に重症を負った。

その晩、野宿の際にエイハブが過去を話す。彼は幼いころ父を目の前で殺され、自らもカッターナイフで右目を潰された。それから復習のために鍛練を積む。その後オープニングにつながり、彼はファックマンの罠に嵌まって無実の父親を殺してしまう。服役中、彼は後悔してファックマンに関わることを辞めた。話を終えるとエイハブは気絶。

ジョンとトゥインクは腹を空かしてエイハブのコートに入っていたベリーを食べた。2人はベリーのせいでハイになり幻覚を見る。気絶したエイハブの口にもベリーを突っ込んだ。


翌朝、エイハブはベリーの効果で復活。チェルシーのノートを読みウォータースライダーの地下施設にファックマンが潜んでいると知った彼らはそこを目指す。


スターウォーズのパクり、スターレイダースのCMが入る。


地下施設に到着。そこで臓物にまみれたチェルシーを発見。
チェルシーを運んでいるとファックマンを見かけた。エイハブは後を追い足を拳銃で撃ち、腹をショットガンでぶち抜いた。そしてレンガで頭を殴るとつぶれるまで踏みつける。
復讐を終えた一行はチェルシーを病院に送り、各々の生活に戻った。
ある日ジョンは教会のベッドの下に”ファックマン 悪魔の書”を発見。ジョンが急いでエイハブに電話をかけるが、来客が来たと行って電話を切られる。ドアを開けるとそこにはチェルシーが。


ジョンがトゥインクを乗せてエイハブの元に急ぐ。

オフリン神父はファックマンについて調べていた。書物によるとファックマンは何世代も渡って現れ、宿主となる体が朽ちるまで父親達を犯し続ける。正式名称を”ファックマナキス”といい、次々に寄生していく。


チェルシーがエイハブを押し倒し、2人は行為に及んだ。しかし、それはファックマナキス信者達の見せた幻覚だった。

エイハブが殺されかけたときジョンらが助けに入る。
信者の1人はスティーガルだった。彼は何世代にも渡りファックマナキスを守ってきており、復讐を誓ったエイハブが邪魔だった。エイハブが殺した父親はファックマンの罠ではなく、スティーガルが用意したものだった。それを知ったエイハブはスティーガルの首をはねる。

しかし、ファックマンを産み出す儀式は既に完遂されている。エイハブは悪魔に憑依されたチェルシーと性交した。


ファックマンは地獄にいる。倒すには地獄に向かうしかない。
3人は拳銃で自殺し地獄を目指した。
エイハブとトゥインクは地獄にたどり着けたがジョンは天国に着いてしまった。エイハブとトゥインクは地獄でファックマンを探す。
地獄では自分の見たくない光景を延々と見させられる。トゥインクは悪魔に捕まり、地面に引き込まれた。
一方天国に来てしまったジョンは地獄に行くため天使に銃を突きつけて人質に取った。神(ロイド・カウフマン)に交渉を図る。そこにオフリン神父も現れ、彼の協力のもと地獄にたどり着く。


エイハブがファックマナキスを見つけ出した。しかし、彼の目を見てしまい口から内蔵を吐き出す。天国からジョンが落ちてきて、エイハブから貰ったメイプルシロップをかけようとするが上半身を吹っ飛ばされた。それをメアリーが拾いファックマナキスにかけると奴はみるみる小さくなる。チェルシーがエイハブの持つメイプルシロップ採取器を刺し、水分を奪っていくと最後には赤ん坊が残った。チェルシーが赤ん坊を踏み潰し、ファックマナキスに勝利。

エイハブとチェルシーが熱いキスを交わす。チェルシーの魂は体に戻った。そこに神兼悪魔(ロイド・カウフマン)がやって来てファックマナキス討伐を祝う。

 

しかし、彼らの魂が体に戻ることはなかった。現世で拳銃自殺した3人の死体が映されてEND。

 感想

カナダの映像制作集団アストロン6とロイド・カウフマンが手を組んだ一品!

...なんて言われてもアストロン6なんて聞いたことなかった。トロマ映画は好きだから取りあえず観てみたけど、これがメチャクチャ面白い。

映画始まって早々心掴まれた。ファックマンが死体で遊ぶシーンの気持ち悪さ、エイハブの格好良さにシビれる。ここまではちゃんとした復讐物を思わせるんだけど、これ以降はコメディが所々に織り成される。その随所にちりばめられたコメディの一つ一つが良い塩梅で僕のツボに入った。キャラクター同士の掛け合いや間合いが凄く良い。途中で入ったスターレイダースのCMも良かったな。最終エスカレートしていって最早コメディでしかなくなるんだけど。

何よりも登場人物が全員馬鹿でいいね。まともなのがいないからどんどん予想がつかなくなっていく感じ。地獄で悪魔と戦うなんて誰が想像できたか。

ぶっ飛んだ脚本とそれを最後まで呆れさせず、観られる作品に仕上げた手腕は見事。

僕はDVD買ってみたんだけど、映像特典が豊富で嬉しかった。ロイド・カウフマンの来日トークの映像とアストロン6の短編が大量に入ってる。ただ短編は日本語字幕がないのが少し残念。まあ、ある程度雰囲気で分るような内容だったけど。

ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた [DVD]

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  • 発売日: 2018/07/04
  • メディア: DVD
 

特殊メイクだけでも一見の価値あり 映画『ザ・ヴォイド 変異世界』ネタバレあらすじと感想

ザ・ヴォイド 変異世界

コメディ度:1/10

グロ度:8/10

感動:2/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:10/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2016年製作/カナダ/上映時間90分
原題:The Void
配給:彩プロ

監督・脚本:ジェレミー・ギレスピー、スティーブン・コスタンスキ

製作:ケイシー・ウォーカー、ジョナサン・ブロンフマン

製作総指揮:トッド・ブラウン、デビッド・ワトソン、ジェームズ・ノーリー、スティーブン・ヘイズ、ピーター・グレアム、ロス・M・ディナースタイン、ジェレミー・プラット、ミック・フォーシイ、ロン・モルナー

撮影:サミー・イネイヤ

美術:ヘンリー・フォン

音楽:ブリッツ//ベルリン

編集:キャム・マクラクリン

出演:アーロン・プール、ダニエル・ファザーズ、キャスリーン・マンロー、エレン・ウォン、アート・ヒンドル、ケネス・ウェルシュ

あらすじ

保安官ダニエルはパトロール中に発見した血まみれの男を病院に連れて行く。しかし病院では看護師が暴走、そこに銃を持った中年男と斧を持った若者が乱入。さらにナイフを手にした白装束のカルト集団までやってきて...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

家から男女が2人が飛び出した。彼らは2人の男性に追われており、必死に逃げている。女は撃たれて倒れてしまった。2人の男は辛うじて生きている女にガソリンを撒いて火を放った。

 

深夜に森の付近を保安官ダニエルがパトロールしていると先程の逃げた男性ジェームズが飛び出てきた。保安官は保護して別居中の妻アリソンの勤める病院に運ぶ。以前ダニエルとアリソンの間に子供が出来たが流産してしまった過去がある。

 

病院に着き、ジェームズをパウエル先生に引き渡した。

ジェームズは気を失っており回復を待っていると突然、看護師の1人ベバリーがおかしくなった。急に患者の眼球にハサミを刺して殺したのである。それを見たダニエルは即座に銃殺。彼は殺人のショックで吐き、気絶してしまう。


そこに州警察のミッチェルがジェームズを探してやって来た。彼には大量殺人の容疑がかけられている。薬物の常習犯であり、ベバリーがおかしくなったのはジェームズから何かの薬を渡されたからだと推測していた。


ダニエルはひとまず署に連絡するが、電話も無線も繋がらない。車の無線を試していると白装束を纏い、顔を黒い三角の書かれた布で覆った人間に遭遇。声をかけるとナイフでジェームズの肩を刺した。ダニエルはなんとか病院に戻る。応急処置のかいありダニエルは復活。白装束らは数を増やし病院を囲んだ。


外に気を取られていると、建物内で悲鳴が響く。ジェームズは手術室に手錠で繋がれていたのだが、その部屋にはベバリーの遺体も置かれていた。ベバリーの遺体は変容し、触手の生えた肉塊となってジェームズに襲いかかろうとする。ミッチェルとダニエルでジェームズを救出。

 

ロビーに病院内の全員を集めていると冒頭の男2人が銃を構えて入ってきた。
ジェームズはその場にいた妊婦マギーを人質に取る。止めに入ったパウエルは彼の持っていたメスに首を刺されて死亡。阿鼻叫喚となっている最中、化け物と化したベバリーがやって来てミッチェルを別室に引き摺り込んだ。ミッチェルは目に触手を刺されて絶命。二人の男とダニエルが退治に向かった。ベバリーから脳みそのような構造体が生えてきて、それを撃ち抜く。銃と斧による攻撃で何とか退治。
男2人はジェームズを引き渡せという。彼らは親子であり、息子は以前喉を切られており、喋れない。彼らは何かを知っている様子で、中にいる人々もろとも建物を燃やそうとした。それをダニエルがなんとか止める。


全員は事務室に避難した。しかし、妊婦であるマギーの状態が危険。アリソンは薬品室に行く必要があると言った。ダニエルは絶対に1人で行くなと告げる。ダニエルが代わりに医薬品室に行こうとするが武器がない。ダニエルは親子を説得し、パトカーにあるショットガンを取りに行った。

 

白装束達の姿はなく、パトカーには容易に到達できたがショットガンのカギがなかなか外せない。モタモタしているうちに白装束が増え、彼らにナイフを持って襲いかかった。ショットガンで応戦しつつ何とか病院に到着。


そのころマギーの様態はさらに悪くなる。アリソンは言い付けを破って1人で医薬品室に向かった。薬を物色してる最中、後ろから死んだはずのパウエルが近づく。


1人で行ってしまったと話を聞いたダニエルは親子の父親を連れてアリソンを探す。
道中、院長室でパウエルから電話がかかった。「喪失感は人を駆り立てる。娘を失って私は変わった。だが、正す方法を見つけた。私は君たち全員を救う。」
父はその間に写真と手帳を見つけた。写真には死体と白装束達のシンボルである黒の三角が写っていた。


親子とダニエルはジェームズに拷問を行い情報を聞き出す。パウエルは森にある古い農家にジャンキーを集め、セックスを見物した。彼はカルト教団の教祖で生け贄と称し、殺人を繰り返していたという。彼がパウエルを殺したのは悪人と知っていたからだった。


彼らはジェームズを引き連れて病院の地下を目指す。階段には引き摺られたような跡が残っていた。インターン看護師キムは地下が一階までしか無いと言うが、階段は続いている。ジャンキーを先頭に立たせ、先に進ませた。

 

アリソンが手術台で目を覚ます。麻酔のせいか体は動かせない。パウエルは彼女に自分の変身を見せると告げた。

 

地下二階には農家と同じ魔方陣が刻まれていた。黒い三角の書かれた部屋を見つける。彼らは恐る恐る中に入っていった。


パウエルはアリソンに話した。「人は死ぬと変身する。私は生と死から人を解放する。はじめはうまくいかなかった。失敗作は今も地下室にいる。」言い終えてこちらを向いたパウエルの顔は皮膚が剥がれていた。次いでアリソンに掛けられたシーツを剥がすと、彼女の腹部には何かしらの生命が宿っており、しきりに動いていた。

 

地下二階の部屋には失敗作が立ち並んでいた。奴らは死にたくても死ねず、自殺を繰り返している。やがて一行に気付き、襲いかかって来た。この際ジェームズは失敗作の一体に頭を床に打ち付けられ死亡。

 

病院の地上ではマギーが破水。手術経験の無いキムが帝王切開を試みる。ためらうキムをマギーの祖父が説得。しかし、マギーは信者の1人だった。祖父を殺すとキムを追う。


地下室で父親が幻覚を見て息子を襲った。昔住んでいた家の様子が広がる。彼の妻は彼が留守にしたときに死んだようすで、そのとき助けなかった息子を恨んでいた。息子は首を絞められたが、持っていた発煙筒を父の腹部に押し当てた。それにより父は正気をとりもどし、謝罪する。

 

ダニエルは手術台に乗ったアリソンを見つけ出したが、すでに変身している。どこからかパウエルの声がする。「アリソンが死産した夜、君は嬉しそうな顔をしていた。」ダニエルは躊躇いつつ、何度もアリソンだった物に斧を振り下ろした。

いつの間にか後ろにいたマギーがダニエルの背中をナイフで刺す。
パウエルが姿を表した、全身の皮が剥がれており、まるで悪魔のような様相。横には白装束の信者が立っている。今日、信者が集まったのはパウエルの娘サラが復活するからであった。壁にある異質な三角の前で儀式が行われ、マギーの腹から巨大な化け物が生まれた。それは四足歩行で歩きだし、信者を踏みつけた。

そこに親子が割って入る。銃で撃つと他の部屋におびき寄せた。父が捕まり、触手ではらわたを抉られる。彼は自身に燃料をまき、息子に火をつけさせた。

 

ダニエルは力を振り絞りパウエルに斧を振りかざす。しかし、生死を超越したパウエルにそんなものは効かない。ダニエルはパウエルに突進し、自分もろとも三角の異空間に吸い込まれていった。2人が消えると三角も跡形なく消えた。

 

燃えたと思った赤子は生きており、息子が追われる。彼が必死に逃げると病院地上階の壁に出た。散策し、キムと合流。

 

ダニエルと元の姿のアリソンは黒いピラミッドが立ち、暗雲立ち込める異空間(変異世界?)に飛ばされていた。呆然と景色を見つめ、二人は固く手を繋ぐ。

感想

僕が求めていたのはこれかも知れない。そう思うほど本作を気に入った。

作品情報を調べていて監督・脚本がジェレミー・ギレスピー、スティーブン・コスタンスキであることに気がついて合点がいった。僕は彼らの作品「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」が大好きなのだ。気づけて良かった。ブログ始めて良かった。普段監督名とか気にしないからね。

何が良いかというとまず、序盤の流れが最高。身元不明男性保護→看護師暴走→白装束のカルト集団が建物を囲む→看護師が化け物と化す→銃を持った親子乱入、これ、何が起こるか分らないライブ感が凄まじく、休む時間を与えない。特に看護師が患者を刺すシーンは本当に脈絡がないので驚いた。その後看護師が変異するのも同様。そしてこの造形がおぞましく、素晴らしい。

ここで既に作品に引き込まれているわけだがここから先も緩まなかった。次々に奇想天外なことが起こり、謎がどんどんと解けていく。

終わり方も僕は好きだ。賛否両論ありそうだが。

本作は主人公ダニエルの情報量が観客と同じだから共感しながら観ることが出来る。さらにダニエルは微妙に頼りなく、キャラクターに愛着が湧いた。しかし愛着が湧くのはダニエルだけではない。どのキャラクターも訳ありで、存在感が強く、そこに居る理由が用意されている。

この作品の花形はやはりクリーチャー造形だろう。特殊メイクを駆使して作られたクリーチャーは一体一体個性があり、観ていて飽きない。なんと説明すればよいか、遊星からの物体Xサイレントヒルが合わさったような悪夢みたいな見た目で、ぎりぎり元が人間であったと分るような絶妙な塩梅。それがぬるぬる動いて襲いかかるんだから堪らない。カルト集団も不気味で良い感じ。ただ逃げられないように立っているだけってのも何かゲーム性があるよね。

グロテスクでアンモラルな内容だから人には勧められない。けどそれがこの作品の良さだと思う。

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 また別角度でぶっ飛んでる監督の過去作↓↓

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終末世界の家族像 映画『イット・カムズ・アット・ナイト』ネタバレあらすじと感想

イット・カムズ・アット・ナイト

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2017年製作/アメリカ/上映時間92分
原題:It Comes at Night
配給:ギャガ・プラス

監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ

製作:デビッド・カプラン、アンドレア・ロア

製作総指揮:ジョエル・エドガートン

撮影:ドリュー・ダニエルズ

音楽:ブライアン・マコンバー

美術:カレン・マーフィ

編集:トレイ・エドワード・シュルツ、マシュー・ハンナム

出演:ジョエル・エドガートン、クリストファー・アボットカルメン・イジョゴ、ケルビン・ハリソン・Jr.、ライリー・キーオ、グリフィン・ロバート・フォークナー

あらすじ

感染症が蔓延した世界。ポール一家は森の深くに住んでいたことによってなんとか免れてた。一家が生活する家にある夜、男が侵入する。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

老人バドが感染症に罹り病床に伏している。娘のサラがバドに別れを告げると、その旦那ポールが枕を顔に押しつけて拳銃で射殺。

感染したバドの遺体をポールとその息子トラヴィスが埋葬した。サラは、バドを殺害する一部始終をトラヴィスに見せたことでポールを責める。しかしポールは、みせる必要があると返した。

その夜。ポールの家に侵入者が入ろうとする。玄関のドアを何者かが破ろうとしていた。その音に気付いた3人はガスマスクをつけて銃を構え、玄関へ移動。入り込んだ侵入者を殴って気絶させたポールは、男が感染している危険性を危惧して樹木に結びつけた。

意識が回復した男にポールが話しかけた。男はウィルと名乗り、自分にも家族がいると告白。家に侵入したのは誰もいないと思ったからと答えた。水や日用品が底をつきそうだったので80kmもの距離を歩いてやっとたどり着いたという。1週間前から廃屋で息子、妻と暮らしており、その前は130km離れた兄の家に住んでいた。嘘を言っているとも思えず、さらに「ヤギを2頭、ニワトリを6頭、飼育している。取引しないか。」というウィル話は魅力的だった。

ポールはサラと相談。この場所を知られたからにはタダで生かしてはおけない。ウィルの家族が感染していないのであれば、人が多いほうが有利だと考えてポールはウィルの一家を家に招こうと決めた。

 

ポールはウィルをトラックに乗せて、その場所に案内させる。森を移動する最中、トラックのタイヤが何者かによって狙撃された。ポールは車の下に避難し、近づいてきた狙撃手を射殺。もう1人の襲撃者をウィルが馬乗りになって殴っていると、ポールがウィルをどけて同じく撃ち殺した。ウィルは情報を聞き出せたかも知れないのにと呆れる。死体をチェックし、タイヤを修理して移動を再開。

 

数日後、トラヴィスが不安そうに父の帰宅を待っているとトラックが一家を乗せて帰ってきた。ウィルとその妻キム、幼い少年アンドリューは今日からポールの家で一緒に暮らすこととなる。

ポールは共同生活のルールを説明。中でも念を押したのは玄関の鍵を必ず閉めること。

 

ウィルとキムは、ポールとサラに仕事を教わる。汚水のろ過や蓄電、たきぎを集める作業などやらなければいけないことは多くある。しばらくは平和な暮らしが続いた。

 

ラヴィスはバドが殺されるのを見てから毎晩悪夢を見るようになっていた。この日も夜這いを仕掛け来たキムが口から黒い液体を垂らす夢を見る。すっかり目が覚めた彼は階下に降りた。階下には同じく目を覚ましたキムがおり、トラヴィスはキムと話す。キムはしばらく前から不眠症だと言い、共有の話題でしばらくは盛り上がったがトラヴィスがしきりに胸を見ていたことがバレ、微妙な空気になり会話が終わった。

 

翌朝、薪割りをしていると飼い犬のスタンリーが吠えはじめて森に駈け込んで行ってしまった。トラヴィスはスタンリーを追いかけるが、スタンリーの吠える声が急に止み、何か他の音を聞いた。ポールは1人で森に行くな、犬は自分で帰ってくるとポールを止めた。

夜になっても、スタンリーは帰って来なかった。トラヴィスは病んだイラストを描き殴る。その様子に心配したポールは明日一緒に探そうと慰めた。

ポールはウィルと酒を飲んで話をする。その際にウィルは自分がひとりっ子だと発言した。以前、ウィルが兄の家にいたと聞いていたポールは発言の矛盾を指摘。ウィルはキムの兄の家だと説明したが、不信感が募る。

真夜中。

夢を見て起きたトラヴィスは、バドの部屋にアンドリューが寝ているのを見つけて起こした。アンドリューはなぜここに居るのか分っていない様子。トラヴィスは両親のベッドに戻してあげた。

その後、見回りをしていたトラヴィスは、何者かがドアを開けようとしているのに気付く。急いで両親を起こした。ポールが玄関に向かうとスタンリーが入り込んでいた。スタンリーは感染しており、ポールとウィルで埋葬。

同時に犬への感染ルートが分からないので家のなかに病原菌が入りこんだ可能性があるとポールが警戒。

ポールはなぜドアが開いていたのか、トラヴィスに質問した。トラヴィスは、気づいたら開いていたと言い、アンドリューが祖父の部屋に寝てたこと、ウィルたちの寝室へ送っていったことを報告。

アンドリューにドアを開けたかと聞くと覚えていないと返した。ポールはアンドリューが夢遊病で外に出ていたのではと疑う。ウィルがアンドリューの身長では鍵に届かないと反論。

2つの家庭は互いに、感染しているのではないかという疑心暗鬼に陥った。ポールはウィルに、両家の接触を控えようと提案。

ポールはトラヴィスに、アンドリューに触れたかと質問し、シャワーを浴びるよう命じた。

 

夜中にウィルらが出ていくという話をしているのを聞いたトラヴィスは、ポールに伝えた。ポールはそれを聞き、アンドリューが感染したのだろうと疑う。部屋から出ると確かにアンドリューの泣き声が響いていた。ポールとサラはマスクをつけ、銃を持ってウィルたちの部屋に向かった。

部屋を開けろとポールが叫ぶと、アンドリューが怖い夢を見て泣いただけだと答えた。

それでもしつこく開けさせ、ようやく開いたと思ったらウィルが拳銃をこちらに向けていた。サラはアンドリューを見られないように隠す。ウィルは出ていくから食料を分けろと脅した。銃を突きつけながら階段を降りているとき、サラがライフルをウィルに向けた。膠着状態に陥った2人は三つ数えて銃を下ろす。その瞬間ポールがウィルに殴りかかり気絶させた。この隙にキムがアンドリューを抱きかかえて外に逃げ出した。

気絶したウィルを外に運び出すと、ウィルが目を覚ました。彼は馬乗りになって石でポールに何度も殴る。

それを見たサラがウィルを射殺。起き上がったポールはアンドリュー、キムを殺害。

 

災難が去ったと思いきやトラヴィスが発症。

夫婦だけになった家で、ポールとサラが静かに見つめあう。

感想

予告編であれほど”それ”を推していたが結局何かは分らない。予告では”それ”が物理的にやってくるような印象を受けたが、本編にそういったシーンはない。時系列をバラバラに繋げて別の映画のように仕上げた編集の仕方に悪意を感じた。

イット・カムズ・アット・ナイトってタイトル自体も疑問が残る。確かに事態は夜に動いているが、同じくらい昼の場面でも恐怖を煽るようなシーンはある。スタンリーは昼間に何かに反応してどっか行っちゃったし。

本作で夜に訪れたのはウィルだけなんだけど、もしかして一番怖いのは人だよねってこと?しょうも無くないか。

やはり議論が分かれているのは誰が玄関ドアを開けたのかってとこだと思う。正直どちらとも言い切れないよね。大体アンドリューが感染したのかを意図的に隠してあるし、感染方法についても説明がない。いろいろな部分をあやふやにして考えるための手がかりをわざわざ無くしているのだから、結論を出そうとするのはナンセンス。答えは用意されてないと思うよ。それこそスタンリーを呼び込んだ”何か”の仕業かも知れない。

誰がドアを開けたのかよりもスタンリーが何に向かっていったのか、追いついたトラヴィスが何を見たのかの方が気になる。現にトラヴィスが描いた森のイラストには得体の知れない存在が描かれていた。この何かを見たシーンは最後の方でも流れるしね。

感染症映画みたいな触れ込みで勧められてたりする本作だけど、あまりその勧め方は良くないなと思った。あくまで舞台装置だから。コンテイジョンみたいなの想像してみるとガッカリするよ。終末ものとして観るなら楽しめるかな。家族を守ろうとして空回りする父の姿がもれなく見られるね。

イット・カムズ・アット・ナイト(字幕版)

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イット・カムズ・アット・ナイト [DVD]

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最悪の宿直 映画『ラスト・シフト 最期の夜勤』ネタバレあらすじと感想

ラスト・シフト 最期の夜勤

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:5/10

目次

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作品情報

2014年製作/アメリカ/上映時間87分
原題:Last Shift

監督:アンソニー・ディブラシ

製作:スコット・ポイリー、メアリー・ポイリー

脚本:アンソニー・ディブラシ、スコット・ポイリー

撮影:オースティン・シュミット

美術:ニコール・バルザリニ

音楽:アダム・バーバー

編集:アンソニー・ディブラシ

出演:ジュリアナ・ハーカビ、ジョシュア・マイケル、J・ラローズ、メリー・ランクフォード、ナタリー・ビクトリア

あらすじ

閉鎖が決まった深夜の警察署で、最後の宿直を任された新人警官。暇を潰していると不可解な現象が次々と起こりはじめる...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ジェシカ・ローレン巡査は、本日が警察官として初出勤。指定された勤務地はサンフォード警察の旧庁舎。心配する母親と電話で話す。実はジェシカの父親も元警官である事件で殉職していた。警官の殆どは殉職しないと母を説得し、電話を切って警察署に入った。

旧庁舎にいたのは、初老男性のコーエン巡査部長。彼は何かに怒っており、虫の居所が悪い。後ろを向けだのいつから見てただの不可解なことを尋ねる。勤務地が間違いでないかと指摘するジェシカに、今夜の勤務地はここだと告げた。サンフォード警察は新庁舎への移転がほぼ終わり、明日からは正式に新庁舎で勤務が開始。旧庁舎には物もほとんど残っていない。

しかし手違いで、証拠品の針と血染めの服がまだ処分できていなかった。一般ごみとして捨てるわけにいかず、産廃業者が取りに来るのだが、それが今晩の午後10時から午前4時までの間だそう。

ジェシカの仕事は旧庁舎で自由に過ごし、産廃業者にごみを引き渡すという簡単なもの。コーエン巡査部長は、緊急通報はすでに新庁舎に転送されることを告げ、来訪者があれば新庁舎に案内しろと言う。新庁舎の住所と、コーエン巡査部長の連絡先は壁に書かれていると告げ、留置所には近づくなと言って帰っていった。

 

ひとりでの夜勤は退屈でジェシカはサンフォード警察関連法令集を読みながら時間をつぶす。

廊下の蛍光灯が点滅を始め、電話が鳴った。電話を取ると監禁されたという少女の声が聞こえる。ジェシカは場所を聞くが、電話が切られた。

ジェシカが新庁舎へ報告の電話を入れた。しかし新庁舎が確認したところ転送漏れはないはず。

コーエン巡査部長へ電話を入れるが、連絡が取れない。

 

午後10時、ジェシカが食べたサンドイッチから長い黒髪が出てきて吐き出した。

ノックの音がしたので外へ出るが、誰もいない。戻ろうとすると裸足のホームレス男性が署内に入り込んでおり、立ち小便をしていた。ジェシカは警棒でつつき追い出した。

 掃除を済ませ、トイレで手を洗っていると排水管から音がする。クツを見つけたので外に置いておいた。トイレの見回りをすると男子トイレは崩壊しており、小便器に黒い水が溜まっていた。

ロッカー室を見回ると25号に鍵がささったままで、ロッカーの奥には写真が挟まっていた。それはジェシカの父が置いたらしき写真で、幼い頃の自分と父のものだった。ジェシカが思わず微笑んでいると、すべてのロッカーの扉が開いた。

 

事務所に戻るとまた先ほどの少女モニカから電話がかかる。何か居場所の分る物はないかと聞くとブタの鳴き声がすると言う。彼らが戻って来るというとまた電話が切れた。

時刻は午後11時半。電話がかかってきたので取ると、産廃業者のジョーだった。トラブルが発生して到着が遅くなるかもしれないという連絡。

モニカの電話があったことを、再び新庁舎に報告。旧庁舎の電話を逆探知することは不可能とのこと。その電話は旧庁舎の直通電話にかかってきたのだろうと言い、911にかけさせるように指示した。

 

本を読んでいると、背後の資料棚が動き始めた。確かめようとすると、署内の遠くから大きな音が響く。銃を構えて音の方へ行くと、キャビネットが倒れていた。

侵入者の恐れがあると無線で知らせるがノイズがひどく、伝わっていなさそう。ノイズに混じって歌声が聞こえる。

停電が起きて明かりが消えた。ジェシカはブレーカーを上げに行く。配電室には先ほどのホームレスが侵入していた。電気を復旧させたジェシカは、男に手錠をかけると留置所へ入れる。

時刻は午前0時。留置所から出ようとすると勝手に扉が閉まり、停電が起きて外から女の声がした。ホームレスが襲ってきたのでスタンガンで気絶させた。ジェシカは扉を開けようと奮闘。誰かが閉めたと思い、扉の窓ガラスを照らすと一瞬だけ血まみれの顔が見えた。部屋には2人の他に何者かがいる気配がする。

突然灯りがつくと扉が開いていた。

 

事務所に戻り椅子に座る。ふと上を向くと、天井にSOW(メスブタ)と赤く書かれていた。怖くなったジェシカはすべての鍵が施錠されていることを確認。

 

裏口の外にマリゴールドと名乗る女性が立っていた。彼女はジェシカを見るなり新人と見抜き、以前ここであったことを話し始める。

旧庁舎には、猟奇殺人鬼ジョン・マイケル・ペイモンとその信者2人が逮捕された。彼らは少女の監禁、殺害の容疑で逮捕された。逮捕時、現場で2人の警官が死に、ペイモンらは6人の少女を惨殺。その時の警官がジェシカの父だった。ジェシカが聞いていた話と違う。ペイモンは父が殺したと教えられていた。

ペイモンたちはこの旧庁舎の留置所に収容された。3人は歌を歌い、翌日、寝具で首を吊って自殺したそう。そして壁には一面、邪悪な落書きが書かれていた。これは偶然マリゴールドが監房に留置された時に、体験したことだと言う。仕事に戻るわと言って、マリゴールドは去っていった。

 

見回りを続けると会議室のテレビがついており、ペイモンらの取り調べ映像が流れていた。画面のペイモンは話しかけるようにこちらを向くと「気に入ったよ。お前に会いにいくぜ。楽しみにな。」と言い、映像が途切れた。

会議室の椅子がひとりでに動き始め、ジェシカに当たる。ジェシカはひどく怯えた。

電話が鳴ったので事務所に戻る。モニカからの電話で、みんな殺されたと言う。ジェシカが911に電話しろと言ったが、発信履歴でバレるから避けたいと返された。ジョン・マイケル・ペイモンを知っているかと聞くと、モニカは知っていると答えた。そして電話が切れる。

ジェシカは新庁舎へ報告。ペイモンはたしかにカルト教団を率いていたが、現在教団は解散しており、残党もみんな監視下に置かれているという。

電話相手の新庁舎職員はジョー・ビクターと名乗り、何かあれば連絡してくれと言い残した。

 

とある部屋から音が聞こえたので向かうと、一見普通の部屋。しかし、ジェシカが視線を外した後にもう一度戻すと、椅子が積み重なっていた。ジェシカは新人イジメで怖がらせているのだと思いこんだ。

そこへタイミング良く、来客を告げるブザーが鳴る。訪問したのは男性の警官で、プライス巡査と名乗った。ジェシカが新人イジメの話をしても、彼には心当たりがない。プライス巡査は見回りにきたと言い、実はジェシカに会いたかったと言う。プライス巡査はジェシカの父親を尊敬していた。殉職した時にも同じ現場にいたそう。もし困ったことがあれば連絡をくれと言ってプライス巡査は立ち去るが、後頭部には撃たれたように大穴が開いていた。

ジェシカが驚いて後を追うが、外には誰もいない。

 

留置所でホームレスが騒ぎ始めた。ジェシカが行くと、ホームレスの背後に3人の首吊り死体が一瞬見えた。ジェシカは恐怖心からホームレスを出さない。ジェシカの背後で四つん這いで下着姿の女性が這っている。

少女の歌声が聞こえるので更衣室に向かうと、数人の少女がいた。白い布を被っており、布には血がついている。ジェシカが一瞬目をそらすと少女たちの姿は消えた。

 

次々に起こる怪奇現象に、ジェシカは限界を迎えた。

すがる思いでコーエン巡査部長に電話。やっと電話に出るが「無人の夜勤もできないのか。警部に辞職を勧告するぞ。電話してくるな。」と叱咤された。

産廃業者のジョーに電話をし、外の車で待っていると告げた。電話の後、ジェシカは外へ逃げ出そうとする。

しかしそれを止めるかのように電話が鳴り響いた。モニカからの電話でなんとかカーマイケル・ロードまで逃げてきたそう。ただ逃げたことが知られており、追われているそう。

電話が切れると同時ジョーからの電話が繋がる。モニカ・ヤングという女性は1年前の事件の時に死んだ、ペイモン最後の犠牲者だとジェシカいう。モニカは森の中で、バットで撲殺された。

さらにジョーからある秘密が打ち明けられた。実は庁舎移転の理由は老朽化だけでなく、奇妙な現象が起こるからだった。丁度ペイモンが自殺したときから始まり、電気の点滅、異常現象の目撃などが頻発。さらに犯罪者を留置所に拘留すると、犯罪者が発狂するようになったため新庁舎を作った。

ジョーの話の途中、ジェシカの真上から写真が落ちてきた。ジェシカはあとでまたかけると言い、電話を切る。

それは父と幼いジェシカの写真だった。さらに足元には父が死んだ時の写真がある。それ意外にも死んだ少女たちの写真が10枚ほど散らばっていた。

次の瞬間、それらの写真が整然と廊下に並べられた。さらに写真が燃え始める。

 

いつの間にか気絶したジェシカは、携帯にかかる母から着信で目を覚ました。しかし廊下の奥に人影を見たジェシカは、そちらに声をかけると警棒で殴られた。

目を覚ますと、ジェシカは信者の一人ドロシアと向き合っていた。ペイモンが死んでから1年の記念日だと言うと、ドロシアは目の前で拳銃自殺。

再び事務所の電話が鳴る。モニカからだった。居場所がばれてしまったと言ったモニカは笑い出し、机の下から顔の腫れたモニカが現れた。驚いたジェシカは後ずさり、資料棚の間に隠れるがいつの間にかモニカは消えていた。

 

ジェシカが外に逃げようとするが扉が開かない。発砲するも割れる気配はなかった。試行錯誤していると携帯電話に死んだ父から着信が入る。「俺は職務に忠実だった。俺を殺した男がこの署内にいる。見つけて対処しろ。」と言う。

父を慕っていたジェシカはその言葉に触発され、戦う意思をかためた。銃を持ち、来た道を引き返す。

留置所ではホームレスが首を吊っていた。壁には“地獄の王”と殴り書かれていた。

ジェシカは無線で応援を呼ぶが、応答がなく無線機からは茶色い膿が流れ出る。

父から再度電話が来て「彼らが来るから阻止しろ。」と言う。

ジェシカは布を被ったペイモンらに、銃で応戦。3人のうち2人を倒し、3人目にとどめを刺した。

 

そこで、ジェシカは胸を撃たれる。時刻は午前4時。

ジェシカを撃ったのは、コーエン巡査部長。

実はジェシカが撃ったのはペイモンたちでなく、ごみを回収しにきた産廃業者。ジェシカが一般人に発砲しているのを見て、コーエン巡査部長はジェシカを銃殺。

死の間際ジェシカは自分のしたことを知る。

ジェシカは歌を口ずさみ始め、ペイモンら3人がジェシカを迎えに来た。

感想

主人公と同じ体験をするような、お化け屋敷的ホラー。ただ驚くタイミング、気づき始めるタイミングが噛み合わない。何というか主人公が鈍感な気がする。ロッカーが全部開くときとか、資料棚が動き出した時に普通はだいぶ警戒し始めると思う。

本作で一番謎なのがホームレスの存在。説明もないし忘れた頃に出てきてそれまで触れられない。ジェシカを留置所に入らせるための舞台装置とは思うけど、他が上手く馴染んでいるのに対して作りが雑。

最後、コーエン巡査部長がジェシカを殺して映画が終わるけど後味悪い。戦犯は絶対コーエン巡査部長。彼はジェシカと始めて会ったとき1人で発狂してた。さらにジェシカの後頭部を確認するシーンもある。きっと彼も同じものを見させられて、プライス巡査の様な霊と会っていたのではないだろうか。霊現象について教えないのはあまりに無責任だと思った。電話口での態度も悪いし。

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