映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

人生最後の思い出作り 映画『AFFLICTED アフリクテッド』ネタバレあらすじと感想

AFFLICTED アフリクテッド

コメディ度:3/10

グロ度:2/10

感動:2/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:5/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2014年製作/カナダ・アメリカ合作/85分
原題:Afflicted
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

監督・脚本:デレク・リー、クリス・プラウズ

製作総指揮:ブライアン・カバナー=ジョーンズ、スチュアート・フォード、ジェイソン・ダウデスウェル

撮影:Norm Li

音楽:エド・ヴァン・ブリーメン

編集:Greg Ng

特殊効果:デビッド・バークス、デレク・リー、クリス・プラウズ

あらすじ

世界一周のため1年間の旅に出たクリフとデレク。映像ディレクターとして働くクリフはその様子を撮影し、ブログを随時更新する。2人はカメラを回しながら世界中を飛び回るのであった。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

青年クリフとデレクは1年かけて世界一周旅行へ出ることに。2人は幼馴染みで、デレクは昔から旅行好きだったが、就職してからは自由な時間が取れなかった。クリフは映像ディレクターとして働いており、この旅を記録してブログにアップする役割を担っている。
デレクは脳動静脈奇形を患っており、いつ死んでしまうか分からない。この旅は人生最後の思い出づくりでもあった。もちろん家族からは強い反対を受けていたが、デレクは出発を決めた。クリフは彼の決断を勇敢だと称している。

 

1日目スペインのバルセロナ。デレクの友人でミュージシャンのエド、ザックと合流する。4人は存分にスペインを楽しんだ。

 

7日目フランスのパリ。エドとザックも来ており、彼らは地元のクラブで演奏した。その間、デレクはナンパに夢中。無事に女性オードリーを連れ帰った。
ホテルに帰ったエド、ザック、クリフはセックスを阻止する"コックブロック"を実行することに。「コックブロック!」の掛け声と共にドアを開けるとベッドの上には血だらけのデレクが倒れていた。
彼が覚えているのは部屋に入ってすぐ何者かに殴られたことだけ。オードリーの服が残っているがその姿はない。殴られた瞼の腫れと噛まれた様な左肩の傷が残る。幸い怪我は大したものでなく、旅は続行。エドとザックとはここで別れた。

 

イタリアのヴェルナッツァ。デレクは到着から丸1日寝込んでいた。
10日目、寝起きのデレクを連れてクリフはレストランへ。しかしパスタを一口食べたデレクは嘔吐してしまう。
ホテルに戻りクリフが病院へ行くことを勧めるが、デレクは旅が終わってしまうと拒否。

 

11日目、ワインの醸造所へ向かう。ワイン畑を見学しようと外に出たが、突然デレクが苦しみ始める。彼の皮膚は赤くなり、まるで焼かれている様だった。


クリフは悩んでいた。ここ最近のデレクの様子は明らかにおかしい。彼はデレクを説得することにした。帰国を勧められたデレクは激昂。壁を殴るとそれを破壊してしまう。壁の材質は石であり、そう簡単に壊れるはずがない。落ち着いたデレクが謝罪をするが、クリフにとってそんなことはどうでも良かった。


クリフは川に向かい、大きな岩をデレクに殴らせる。岩は真っ二つに割れた。
次いで車を楽々と持ち上げることに成功。さらに時速60km以上で走れることが分かった。
2人はスーパーパワーを手に入れたと大喜びしていたが、デレクの目に違和感が生じる。コンタクトを外そうとしたが、同時に角膜が剥がれ落ちた。そして一瞬黒目が大きくなる。


クリフの身を案じ、病院へ向かうことを勧めたが、彼は健康だと言い張って広場に訪れた。カメラを体に装着し、ハイジャンプを撮影するという。言葉のとおりクリフは垂直跳びで建物の2階に飛び乗った。ところが調子に乗って飛び回っているうちに落下。結局そのことで病院に向かうことに。


その道中、撮影に夢中になっていたクリフが車に轢かれかける。車は寸前でハンドルを切り、事故を起こしかけた。運転手と同乗者が車から降りてクリフとデレクに詰め寄った。デレクは2人を押して、吹っ飛ばしてしまう。結局病院へは行かなかった。


クリフはこの事故の映像もブログにアップした。すると視聴者からデレクが血を舐めているとの指摘を受ける。
部屋に戻ったクリフはデレクにそのことを尋ねる。彼は血が欲しいと返した。クリフは彼が吸血鬼になったのではと考える。

 

14日目。精肉店でもらった牛の血を飲んでみるが、臭くて飲めたものではなかった。新鮮さが重要なのではと考えたデレクは、ソーセージ片手に飼い犬を盗もうと企てる。しかしこの国の犬は大事にされていて、盗めるような状態ではなかった。


デレクはワイン醸造所で飼っていた子豚を思いだし、侵入して殺したが、やはり不味くて飲めたものでは無かった。彼は人間の血でないとダメだと気づく。


次に向かったのは病院だったが、血液パックを盗むのに失敗。飢餓状態になったデレクの前に救急車が通りかかる。彼は運転手を引き摺り降ろし、救急車をジャックした。クリフが運転し、デレクは輸血パックを探す。しかし、見つからず彼は患者を手に掛けようとした。それに気付いたクリフは、車を止めてデレクを降ろす。デレクは俺を見捨ててくれと懇願した。


クリフが部屋に戻り眠っていると、何者かの気配を感じる。正体はデレクだった。デレクはクリフの傍らで気絶した。

 

17日目の夜。デレクは限界に達していた。クリフは決心し、自分の血を彼に飲ませることにした。リストカットして瓶に血をためる。デレクの部屋にそれを持っていくと彼の姿は無かった。


窓が開いており、外に出たことを知ったクリフはデレクを探しに向かった。そして一軒の納屋で彼を発見。瓶を差し出したが、デレクには理性が残っておらず、殴られて血を吸われてしまう。
理性を取り戻したデレクは自らの行いを後悔し、ショットガンを咥えて自殺を謀った。しかし、彼はすぐに復活してしまう。

 

21日目の夜。デレクはカメラに独白を始めた。クリフは死んでしまい、納屋の外に埋められている。デレクは事の発端であるオードリーを探すことに決めた。

 

22日目。試しに日光に当たってみたら皮膚が焼けた。作戦を練っていると部屋に国際警察が尋ねて来る。デレクは咄嗟に窓から飛び降りて逃げ出した。外は明るいためどんどん皮膚が焼けていく。何発か銃弾を受けたが逃げ切った。


咄嗟に部屋から出たため、荷物はカメラとパソコンしかない。

列車に潜伏し、パリにたどり着いた。ちょうどいい地下室を隠れ家にする。

カメラの映像を確認して、オードリーの携帯がホテルに残っていることが発覚。

 

25日目の夜。携帯を探しにホテルへ向かった。忘れ物箱から携帯を見つけた彼はホテルを後にする。そこで弟のジェイソンに遭遇した。彼は連絡の途絶えたデレクを探しに来ており、自首することを勧めてきた。デレクはその場から逃走。


警察に囲まれ、ジャンプして高層階へ逃げた。ところがそこにも警察が待機しており、1人を事故で落下死させてしまう。
殺したことに罪悪感を感じながらも隠れ家へ帰還。携帯に登録されたメールアドレスに片っ端から「会おう」と連絡を送った。

 

27日目の夜。1人と連絡がつき、待ち合わせ場所に向かった。現れたのは男性で、デレクはその後を尾ける。彼は落書きだらけの廃墟で暮らしていた。
デレクは男を椅子に縛るとライブ配信を開始。これによりオードリーを誘き寄せようとする。


男の名はモリスといい、彼の体には無数の傷跡が残っていた。モリスいわく、オードリーが初めて変化させた人間がデレクだという。彼はデレクに逃げろと忠告した。


突然部屋が暗くなり、何者かが隠れ家に侵入した。しかし、それはオードリーでなく、特殊部隊だった。銃弾を受けて始めこそやられていたデレクだったが、途中で覚醒。次々と隊員を殺していった。

 

28日目の夜。デレクの前にオードリーが現れた。彼女は「二度と私たちの前に現れないで」と言った。デレクは俺を治せと頼んだが、治療法は無いという。

デレクは激昂し、オードリーに襲いかかるも返り討ちにあう。オードリーがデレクを変化させたのは人助けのつもりだったらしい。脳動静脈奇形を患ったデレクを生かすために変化させたという。これからデレクは4~5日に一度は人を殺さなければいけない。

 

37日目の夜。デレクは家族に向けてのビデオレターを撮影。もう一緒にはいられないと別れを告げた。
その後、彼は1人の男を殺す。そいつは女児を強姦した犯罪者だった。

 

エンドロール中
封鎖された豪邸に忍び込む若者3人を吸血鬼と化したクリフが襲う。

感想

POV作品としての破綻は感じなかったし出来が良いと思う。吸血鬼という古典的な題材だが、感染症のように描かれていて現代的に感じた。飢餓状態に陥ったデレクの様子は「アイ・アム・レジェンド 」の”ダーク・シーカー”を想起させる。

 

冒頭のドキュメンタリータッチなシーンは観るのを止めようかと思うほど嫌いな映像だった。ホラー映画という前情報が無ければ視聴を止めている。ただ7日目にデレクが噛まれてからはずっとそれなりに面白い。低予算っぽいし長々と日常が垂れ流されるのを覚悟していたのだが、テンポが良くて好印象。

 

スーパーパワーを試すくだりも「クロニクル 」の様な幼稚さがあって気に入った。クリフが映像ディレクターである設定のおかげで、本作では他のPOV映画には見られないようなカメラが登場する。

なかでも腹部に装着するボディカメラの映像が面白く、FPVに近い視点から映される。デレクが逃亡する際の映像は大体ボディカメラが使われており、さながら「ハードコア 」の様だった。

 

ただ残念に思う箇所もある。デレクが吸血鬼になった原因であるオードリーにまつわるシーンが全て不完全に思える。死にかけていたデレクを助けるためという動機も薄いし、衣服や携帯を置いてホテルを去った理由が分らない。ただひたすらモヤモヤする。いっそのこと後半オードリーを出さなければ考察の余地もあって楽しめたのに。

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