映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

竹中直人はいつ出てくるの 映画『邪願霊』ネタバレあらすじと感想

邪願霊

コメディ度:4/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:7/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1988年製作/日本/上映時間48分

監督:石浜竜三

演出:石井てるよし

構成:小中千昭

撮影:古川誠

音楽:うさうさ

編集:深沢佳文

出演:竹中直人、石山一枝、梅原正樹、佐藤恵美、吉田照美、本田修一、水野晴朗

あらすじ

アイドルのキャンペーン・プロジェクトを取材することになったスタッフ達。取材を進めていくと、今回使用される楽曲の作曲者が不明という点に引っかかった。どうも気になる彼らは独自に調査を始めるが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

”恭子の潜入レポ”という番組で、キャスター沢木恭子がグラビア撮影の現場を取材。
カメラマンに話を聞こうとしたとき、画面は砂嵐に。

次いで居酒屋「のり平」での取材。暗転。

 

病院に男性からの電話がかかる。沢木恭子が怪我をして入院しているらしい。男性はそれが霊現象によるものだったのか執拗に尋ねた。

 


画面が再度暗転し、説明文が流れる。「当初、これはアイドル佐藤恵美のキャンペーン・プロジェクトを追う企画だった。しかし、結局この番組が放送されることはなかった」と。

 

恭子が河西にインタビューを行った。彼はキャンペーン・プロジェクトの発起人である。インタビューに対して軽い概要だけを説明すると、彼は会議があるからと去ってしまった。

 

会議の場にカメラが潜入する。大手食品メーカーのキャンペーンに関する会議で、広告代理店からメイク係まで本プロジェクトに関与する全員が参加している。
途中で使用する楽曲が流された。タイトルは”ラヴ・クラフト”。

 

会議の後、テープは作詞家の淡島の元へと運ばれた。彼女の元へも恭子が取材に向かう。淡路は好意的にそれを受けた。

 

続いて恵美が自ら販売店へ挨拶に赴いた。その後ヴォイス・トレーナーの本田から指導を受ける。インタビューで彼はヴォイス・トレーニングの重要性をといた。

 

恭子は楽曲アレンジを担当する相田にインタビューする。彼はカラオケ用の音源を作っていた。恭子はラヴ・クラフトの作曲者について尋ねた。

しかし、この曲は河西がストックしていたものの1つで、かなり古いものだという。作曲者については何も知らなかった。

 

六本木のフォト・スタジオでジャケット写真の撮影が行われる。
撮影中、恭子は突然風が吹いてると言い出した。そして撮影中のセットにズカズカ入り込むと、恵美の手を引いた。直後、丁度恵美が立っていた場所にライトが落下。

 

後日、取材陣はフォト・アシスタントの中井の元へ。先日撮影された写真に白い影が写りこんでいるとのことだった。
見せてもらった写真を受け取り、映画・音楽パーソナリティーのKUROの元へ向かった。写真には赤子を抱く女性が写っている。彼女は心霊写真に違いないと断言した。

 

レコーディングの最中、恵美の背後に人影を見た恭子はレコーディング室に侵入。何も居なかった。
レコーディングを終え、曲の編集作業が行われる。ところが一部にノイズが入っていた。何かを知るスタッフが河西に「やっぱり...」と声をかけた。河西は激昂し、カメラを止めさせた。

後日、河西に電話でインタビューした。実はラヴ・クラフトの作曲者がどんな人物なのか分からないらしい。数年前に公募に送られた作品らしく河西はこの曲を気に入って今回のキャンペーンに使用した。作曲者とは連絡がつかない。

 

話を聞いた取材陣は公募について調べたが、ラヴ・クラフトの原曲は見当たらなかった。そこで本来とは違う取材を行うこととした。

河西に再びインタビューを行う。直接彼に原曲について尋ねるがはぐらかされてしまう。

 

続いてパーソナリティーの吉田にインタビューを行った。彼はアイドルソングのゴーストライターや盗作について話した。

 

夜中、1人で歩く河西の部下であり、ディレクターの山岸に突撃取材を試みる。彼は作曲者について聞かれるとタクシーに飛び乗って逃げてしまった。
その後、山岸に電話インタビューをしてみると彼は決心したように待ち合わせを提案した。

 

後日、待ち合わせ場所の駐車場に現れた山岸は1本のビデオテープを手渡し、これを見てくれと言い残して車へ戻った。彼がエンジンをかけると車は爆発。死因は車の欠陥による事故と処理された。

 

VHSに写っていたのは裸の女性。そして河西のものと思われる音声が入っていた。

恭子は河西とのインタビュー映像を見返し、全てにおいてジッとこちらを見る女性が写りこんでいることを発見。

取材陣はついにラヴ・クラフトの作曲者を探し当てたが、彼女は7年前に自殺していた。

 

プロジェクトはついにプロモーションビデオ撮影の日を迎えた。撮影場所は郊外の廃倉庫。大勢のスタッフが動いてセットが組み立てられる。

いざ撮影が始まると恭子が再び邪魔に入った。彼女は突然走り出すと2階の立ち入り禁止と書かれた部屋で倒れこむ。取材陣が駆けつけると、「恵美が危ない」と言い始めた。


撮影現場から悲鳴が聞こえる。恵美が突然吐血し、腕がへし折れて気絶したのだった。
それを皮切りに天井からは証明が落下し、セットが崩壊。火柱の立つ火災が発生した。いち早く脱出した河西だったが、車に乗る直前に恵美と同じような状態となった。

 

恭子はこの後、1ヶ月の入院を余儀なくされた。


取材陣が編集作業をしていると使っていないテープにデータが書き込まれていることに気がついた。内容は何者かの一人称視点から撮られたもので、恵美を手に掛けると次々にセットを破壊し始めた。そして逃げる河西の後を追い、惨殺。

再び室内に戻った霊は恭子から説教を受ける。恭子は、「なぜ河西さんに妊娠を言わなかったの。確かにあの曲は貴女のものよ。でも貴女の子供は河西さんの子ではないでしょう。大人しく帰りなさい」と言い放った。それが終わると恭子はディレクターに手をひかれ、避難した。

 

エンドロールのあと、水野晴朗がハリウッドのホテルに泊まった時の軽い恐怖体験を語り、竹中直人が撮影現場で悪魔に取りつかれた演技(?)を見せて終了。

感想

1988年と日本におけるホラー映画の黎明期に現れた心霊フェイクドキュメンタリー作品。もちろん新しさを感じることは無かったが、よくある演出の源流が本作と考えると興味深い。

序盤はただのドキュメンタリー番組である。そこから徐々に雲行きが怪しくなっていくというストーリーなのだが、心霊シーンが適度で今観ても違和感が無い。むしろ最近の心霊映像は過剰すぎて面白くないと感じている。河西のシーンに映り込む女の演出は絶妙だった。僕は車を爆破させた犯人を霊では無く、河西だと解釈している。

ただ、真相を暴く過程がすっぽり抜けているのはどうかと思う。最後に恭子がべらべらと真相を述べるシーンはもはや清々しく感じた。

本作はアイドルのキャンペーン・プロジェクトを追ったドキュメンタリーとして展開していくが、そのアイドルは実際に前線で活躍していた佐藤恵美だった。本作を鑑賞した人が事実だと信じないようにするためか、エンドロールの後に竹中直人のおふざけシーンが挿入されている。

僕はアマプラで本作を鑑賞したのだが、サムネイルに竹中直人がデカデカと写っている。主演としてバンバン活躍するのかと思いきや、ディレクターとしてずっと裏方仕事をしており、それが竹中直人と分るのは最後の最後だった。明らかに隠されているような構成に感じたが、当時の宣伝ではどうなっていたんだろう。軽く調べたところ、公開時のポスターには写っていなかった。

邪願霊

邪願霊

  • メディア: Prime Video
 
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