映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

パゾリーニの資本主義に対する批判 映画『豚小屋(1969)』ネタバレあらすじと感想

豚小屋

コメディ度:2/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:5/10

目次

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作品情報

1969年製作/イタリア/上映時間94分
原題:Porcile
配給:日本ヘラルド映画

監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ

制作:ジャンニ・バルチェッローニ・コルテ、ジャン・ヴィットーリオ・バルディ

撮影:トニーノ・デリ・コリ、アルマンド・ナンヌッツィ、ジュゼッペ・ルッツォリーニ

音楽:ベネデット・ギリア

編集:ニーノ・バラッリ

出演:ピエール・クレマンティジャン=ピエール・レオ、アルベルト・リオネロ、ウーゴ・トニャッツィ、アンヌ・ビアゼムスキー、マルコ・フェレーリ、フランコ・チッティ

あらすじ

中世の荒野で人肉をむさぼる男と、戦後西ドイツの実業家の家に暮らし隠れて豚と交わる青年...。それぞれの時代で人の道に背いたことをする人間の末路を描く。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

青年が草木の1つもない火山でアゲハチョウを掴んで口に運んだ。次いで蛇を見つけると岩を投げてなんとか仕留め、生のままかじりつく。山の上に農民の列を見つけた彼は急いで逃げた。
青年が逃げた先には白骨死体と兵士の装備が転がっていた。彼は兜と火縄銃、剣を拾う。


とある豪邸では資産家の息子ユリアンに同じく資産家の娘イーダが婚約を申し込んでいる。しかしユリアンは他のなにかを深く愛している様子でイーダにはそれが何か決して教えない。イーダは自らを進歩的な若者と評しており、典型的なやな貴族。


青年が草の生えた場所に辿り着くと夢中になって草を食した。
列から1人離れた男を青年が見つけた。男は青年の持つ火縄銃を見て背中を向けて逃げていく。行き止まりになり、互いに一発ずつ発砲するが外れ、剣を握って接近戦となる。戦っているうちに男が降参、青年は火縄銃で胸を撃ち抜いた。

彼は死体と目が合う恐怖から首を落とし、その生首を火山口に投げ捨てた。そして火を起こすと死体を食べた。

 

豪邸ではイーダとユリアンの母が話している。ユリアンは強硬症で何ヵ月も体を動かせなくなっている様子。母とイーダがユリアンについて話すもまるで噛み合わない。彼は2つの面を使い分けていた。

 

青年は死体のほとんどを食べ尽くした。
銃を得た彼は仲間と奴隷商の馬車を襲った。仲間は解放した奴隷に覆い被さり行為に及ぶ。

 

屋敷にハンスがやって来てユリアンの容態を聞く。父クロッツはもう諦めている。
ハンスが良い知らせをもってきた。幼なじみで商売敵のヒルトがナチスに加担した過去を持つというもの。

 

青年は同じ境遇の人々を集めてコミュニティを形成した。農民が現れると殺して首を落とし、火山口に捨てる。そして火にかけてみんなで食した。その様子を農民の1人が覗いていた。

 

屋敷にヒルトが現れてクロツと話を始める。クロッツは早速ナチスとの関わりを聞く。それに対してクロッツはブタの話を始めた。1959年、16歳のユリアンは農夫からブタを盗んだ。そして情事にふけったという。

 

火山では青年らのコミュニティを捕まえる作戦が行われた。大勢の兵士が彼らを取り囲む。青年はすぐに服を脱いで投降した。

 

ユリアンが動けるようになった。イーダが結婚することになったと別れを告げに来る。結局クロッツとヒルトは事業を合併することで手打ちとなった。

 

青年らは教会に連行された。彼らは十字架に口づけし、ひざまづいた。その後、火山で処刑が行われる。内容は縄で縛って犬に食わせるというもの。

青年が始めて口を開く、私は父を殺し人の肉を食べた、喜びに震えた。

 

屋敷で合併パーティーが行われている最中、ユリアンは豚小屋に向かった。


屋敷に農夫らがやって来る。ヒルトがそれに対応した。農夫曰くユリアンは毎日豚小屋に来ていた。しかし今日、ユリアンがブタに跡形もなく食われて死んでしまったという。靴も服も髪の毛一本すら無くなった。それを聞いたヒルトは誰にも言うなと念を押した。

感想

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の作品はソドムの市だけ観たことがあった。なので変態的で凄惨な作品を作るイメージがあり、本作のあらすじを観てグロテスクなものを想像した。人肉食と獣姦が前面に打ち出された作品など期待せざるを得ない。

しかしいざ観てみるとそのどちらもがまともに写されなかった。人肉食は食べられた後の死体の手などがチラリと登場するが、獣姦に関しては映像として何も出てこない。単語としては飛び交うが、求めていたのはそういうことではない。

代わりに本作で重きを置かれていたのは資本家達に対する皮肉。ユリアンのパートでは政治用語が飛び交い、小難し話がひたすら続く。学のない僕には半分も理解できなかった。

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