映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

自殺の一週間 映画『死の王』ネタバレあらすじと感想

死の王

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1989年製作/ドイツ/上映時間80分
原題:der Todes King
配給:アルバトロス・フィルム

監督・編集:ユルグ・ブットゲライト

脚本:フランツ・ローデンキルヒェン、ジョージ・ホアン

製作・撮影:マンフレッド・O・イェリンスキー

音楽:ダクタリ・ロレンツ、ジョン・ボーイ・ウォルトン、ヘルマン・コプ

出演:ニコラス・ペッチェ、ミヒャエル・クラウス、ハインリッヒ・エッベール、エヴァ・クルツ

あらすじ

一体の死体が朽ち果てる時間と平行し、一週間に渡り繰り広げられる人々の死。それは毎日どこかで起きている。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

真っ暗闇に寝転ぶ男性の死体が映り、タイトルが現れる。
少女がノートにドクロを書いている映像。
”我が死によって 秘密は守られた”ラスネール

 

月曜日
裕福そうな男が机に向かって熱心に何通かの手紙を書いた。その後電話をかけて人事に仕事を辞めたいと告げ、有給を使えるか確認をとった。要求は無事にとおる。
電話を切った彼は眠りにつき、起きると部屋の掃除を始めた。着替えると思い詰めたような顔をしてベッドに座り込む。机の上の金魚にエサをやる。そのときふと、腐り果てた暗闇の死体が脳をよぎった。冷蔵庫に唯一入っていたオイルサーディンを食す。バスタブに湯を貯めながら髭を剃った。服を脱いでバスタブに浸かると大量の錠剤を飲み始める。男性は眠りにつき、水中に沈んでいった。

 

火曜日
別の男性がポストを確認すると、月曜日の男性が書いた物であろう封筒が入っていた。彼はレンタルビデオ屋に赴くと、1本のビデオを借りた。店主とは親しい様子で店主の前で封筒を開くとあいつ死んだらしいぞなどと話した。
家につくなり早速再生。
タイトルは”ゲシュタポ死の天使”。
内容はナチ女が敵の兵士を拷問するもの。ナチ女は兵士の男性器を枝切狭でチョン切ると、それをペンのようにもって兵士の胸にハーケンクロイツを血で書いた。

男がビデオを楽しんでいると彼女の邪魔が入った。脳に月曜の男のように死体のイメージが浮かび、彼女の額を拳銃で撃った。そして飾ってあった彼女の写真から額縁を外し、飛び散った血痕に額縁を掛けた。
カメラが引いていき、テレビの中に収まった。テレビのある部屋では男性が首を吊っていた。


水曜日
女性が同じく手紙を持っていた。
雨に濡れながら男性がベンチに腰かけている。死体のイメージが浮かぶ。

その隣に女性が傘をさして座った。
それと同時男性が口を開く。最近妻と性行為をすると女性器から血が流れる。医者に相談しても問題はない。とても丁寧にやってみたがそれでも血が出た。彼は仕事のし過ぎが原因と考えていた。そんな彼に妻は心配しないでと優しくささやく。

昨日は結婚記念日で仕事も休んで2人の時間を大切にしようとした。博物館に行き、レストランで食事を取って映画を見た。彼は十分に愛したのだから血はでないだろうと考えた。しかし、行為を始めると感情が溢れだしてしまった。彼が力強く差し込むと血が流れた。
話を聞いた女性が男に銃を向ける。すると彼は自ら受け取って口に頬張って発砲した。

 

暗闇の死体はボロボロで、土の上に寝かされていた。体には虫がはう。

 

とある橋を様々なアングルで映しながら、人々の名前と年齢、職業が流れた。

ハイケ・フリードマン 23歳 教師、ハインツ・クライナート 31歳 実業家、ベルント・プフラグ 11歳 小学生、イグナツ・ホファー 83歳 農業、ナディーン&ニコル姉妹 16歳 女学生、マシアス・ローベック医学博士 37歳 婦人科医、マルギット・シュワム 17歳 訓練生、カール・ブッフナー 66歳 年金生活者、ハンス・ユルゲン・ゼルナー 46歳 無職、ゲルハルト・クラム 53歳 株式仲買人、リスベト・ショル 48歳 主婦、ベッチーナ・フィスター 27歳 女学生、メーナット・コーゼ 40歳 飲食店主。

 

木曜日
昨日と同じ陸橋にて、アルチュール・ヴィーゲナー 71歳 役者。
橋を渡る映像が流れる。下には道路が通る。
橋を引きで撮った映像が流れたあと、再び死体が映った。
死体は虫に食われることによって分解されつつある。

 

金曜日
中年女性ががサイドテーブルに一輪のユリを飾る。カーテンを開けて外を見ると逞しい体つきの青年を見つけた。彼は同じマンションの別の部屋に住んでいた。しばらく見つめていると彼女といちゃつきながら部屋に帰ってしまった。

女性は男性の部屋に行き、ポストから中を覗いた。部屋に帰ると住所録を読んで電話を掛ける。

先ほど外に出たとき、封筒に入った手紙を拾っていた。内容はチェーンメールで仲間に送れとある。

”死の王の死の欲望を満たせ、生など時代遅れ、神は6日で天地を創造し7日目に自分の命を絶った。死を迎えよ「七日間の兄弟」による福音書
彼女はそれを読むと破いてゴミ箱に捨てた。オルゴールを鳴らし、ソファに横になる。幼い頃に見た両親の性交を夢で見た。
青年は彼女とベッドで2人並びながら死んでいた。

 

土の上の死体は更に分解が進んでおり、肋骨等が見えている。内蔵にウジが湧き、カメラの前をしきりにハエが横切る。

 

男が事件の調査のため映写機でフィルムを再生する。

1巻目。

銃を持った人が卓球台に向かった。
女性が少女に本を読み上げる。
”大量殺人犯は対象をランダムに選ぶことがある。このとき自分を無視した人間に矛先が向かう。死に方によって人生に意味を与えようとする。それは復讐として現れる。死んだ生から生きた死へ。無動機殺人者はポストモダニズムの殉教者である。”
少女には意味が分からなかった。
場面が変わり、女性が部屋で武装し始めた。手を使わずにカメラを固定する器具を体に装着し、二丁の拳銃を腰に携える。

 

土曜日
2巻目のフィルム。女性はライブ会場の裏方スタッフを撃ち殺すとバンドに寄っていった。観客もバンドマンも撮影スタッフと思って油断している。彼女はボーカルを射殺し、逃げる観客にも発砲した。観客のうち1人が銃を持っており、女性は撃たれる。

土の上の死体は遂に白骨と化していた。

 

日曜日
布団に寝ていた男性が目を覚ますが、呻きながら頭を抱え込んで立ち上がらない。やがて壁に頭を打ち付け始めた。血を流して朦朧としながらも止めない。最後には倒れてしまった。

土の上の死体が映ると、場面は冒頭の少女のノートに。彼女が書いていたのは死の王だった。死の王は生きるのを辞めさせる、少女はそう告げた。

 

王冠を被ったガリガリの男がドクロを持っており、足元に赤子が座る写真が流れた。
エンディングでは数々の写真が流れる。

感想

一週間に起きた様々な自殺をみせられるだけの映画。ストーリー性はあんまり感じられなかった。死をテーマにしたアート作品かな。一日一日がほとんど独立して一つの短編になっていてそれを強引に繋ぎ止めたような印象を受けた。幕間に朽ちてゆく死体を映して。

だから明確に面白いパートとそうでない部分が分かれてしまった。特に水曜の後半から木曜の橋のパートはつまらない。多分雰囲気的にその橋で自殺した人々のリストなんだろうけど、観ていて何も面白くなかった。やけに多いし眠気が襲う。

逆に凄く良かったのは日曜日かな。パンツ一丁の青年がひたすら悲しんで壁に頭をぶつけて自殺を図るんだけど、履いてるパンツがキャプテンアメリカ。なんか絶妙にツボっちゃった。本当に苦しそうな演技も素晴らしかったしね。

総じて作品全体は楽しめたよ。次観るときは好きな曜日だけ観ると思うけど。

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