映画に逃げた

観た映画について書きますがホラー比重重め

まともなピエロはいないのか 映画『テリファー』ネタバレあらすじと感想

テリファー

コメディ度:3/10

グロ度:8/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:2/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2016年製作/アメリカ/上映時間82分

原題:Terrifier

監督・脚本・編集:ダミアン・レオン

撮影:ジョージ・ステューバー

音楽:ポール・ワイリー

出演:ジェナ・カネル、サマンサ・スカフィディ、デビッド・ハワード・ソーントン、キャサリン・コーコラン、プーヤ・モーセニ、マット・マカリスター

あらすじ

ハロウィンの夜。酔っ払った若い女性タラとドーンは暗い夜道で不気味なピエロに遭遇。逃げるように入ったピザ店にもピエロは姿を現した。つけ狙われていると恐怖するタラに対し、ドーンは楽観的。おちゃらけてピエロに絡み始めた...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

マイルズ大虐殺から1年。番組に被害者女性が招かれ、インタビューが行われた。女性は犯人"アート・ザ・クラウン"に顔を潰され、醜い容姿をしている。事件の末ピエロは死亡したが、翌朝には遺体安置所から消えていたらしい。女性はピエロが死んだのを見たと証言した。

 

その番組を小さなテレビで見ていた男は激昂し、テレビを破壊。ピエロメイクをし、武器を袋に詰めるとどこかに歩きだした。

 

TV局の控え室では女性キャスターが電話で被害女性の悪口を言っていた。「あまりに醜く身の危険を感じた。でも高視聴率が期待できる」と。通話の途中、キャスターは背後に気配を感じた。確認してみるとそこには被害者女性が。彼女は電話の内容を聞いており、キャスターに掴みかかる。そして自分と同じ顔になるように顔を潰した。被害者女性は倒れるキャスターをみてケタケタと笑う。

 

 

ハロウィンの暗い夜道、酔った女性2人ドーンとタラが歩いていた。車に乗ろうとしたが酔いが回って運転できない。問答していると暗がりにいるピエロに気がついた。タラの制止を振り切ってドーンが声をかけてしまう。タラが再度ピエロの方を向いたとき、ピエロはどこかに消えていた。

 

2人は酔いを覚ますため、レストランで夕食をとることにした。タラがドーンのトイレを待ってスマホを弄っていると電池切れに。そこへピエロがやってきた。ピエロはタラを凝視する。そして笑わせようとお茶らけ始めた。タラはそれを気味悪く思い、ドーンを連れて店を出ようとした。

ところがドーンはピエロに絡みにいく。ピエロは無反応。さらに注文を聞きに来た店員に対しても無反応だった。
ピエロはおもむろに立ち上がるとガシャポンを回す。そして出てきた指輪を取ってタラの左手薬指に嵌めた。ピエロは店の裏方へと去っていく。その行動をドーンは面白がった。
しばらくすると裏方から怒声が響き、店主がピエロを店の外に追い出した。

 

食事を終えた2人は再び駐車場に。タラは指輪を嵌めっぱなしなのに気付いて急いで捨てた。車に乗ろうとした時、タイヤがパンクしているのを見つけた。

 

2人が帰った後のピザ屋。店員は大便の塗りたくられた便器を愚痴りながら掃除している。壁には糞で書かれた"ART"の文字。

 

タラはドーンのスマホを借りて姉ビッキーに電話する。彼女は快諾し、迎えに来てくれることに。

2人は車に乗って迎えを待つ。タラはピエロがタイヤを切ったのではと考えたが、ドーンはクギを踏んだだけだという。

 

ピザ屋では掃除を終えた店員がトイレから出てきた。店長を呼ぶが返事はない。探しているとカウンターに置かれた店長の首(ジャック・オー・ランタンに加工済み)が目にはいった。さらに後ろにはさっきのピエロが。電話に手を伸ばすが、その伸ばした手をピエロは出刃包丁で切り落とした。次いでナイフを頬に突き刺す。馬乗りになり、ピエロは何度もナイフを振りかざした。

 

車内のタラは尿意を催した。ドーンは野ションすればいいと彼女をからかう。悩んでいると近くの古い建物から男性が出てきた。タラは急いで車を降りて、トイレを貸して欲しいと頼み込んだ。
面倒事は嫌だと断っていた男性だったが折れて、彼女を建物に招き入れる。男性マイクはネズミ駆除に呼ばれた業者だった。トイレはとても汚い。

 

車内に残っていたドーンはラジオでピザ店の殺人事件について耳にする。するとそこにピエロが乗り込んできた。

 

用を済ませたタラは呻き声を聞いて隣の倉庫に進んだ。そこには気の狂ったホームレスの女性が住んでおり、タラを新しい入居者だと思い込んでいた。彼女は赤ん坊の人形をエミリーと呼び、娘のように扱っている。恐ろしく思ったタラは逃げ出す。しかし、その先にはピエロが。
タラは再び逃げ、車庫に到達。車の間に隠れていた彼女だったが、見つかって足を数回メスで刺されてしまう。彼女はその後も逃げようと努力したが、結局は捕まった。首に注射を打たれて気絶。

 

目を覚ますと薄暗い部屋で椅子に拘束されていた。ピエロは何度も刃物を振りかざすフリをしてタラを驚かせる。
その後、ピエロが目の前にあったベールを剥がし、宙吊りにされたドーンが露になった。ピエロは糸ノコをドーンの股に当てて挽いていく。頭部を残して体は真っ二つに裂かれた。
タラはダクトテープで貼り付けられた手を力ずくで解放し、脱出。落ちていたナイフをピエロの背中に刺して逃げ出した。

途中で板を拾った彼女はピエロを待ち伏せる。
やって来たピエロに打撃の応酬を与えた。倒せるかと思ったとき、ピエロは隠していた拳銃を発砲。何発か撃つと弾切れを起こして別の部屋へと歩いていった。


タラのスマホにビッキーからチャットが届いた。"建物に着いた"というチャットに対し、ピエロは"裏に回って"と返信。ビッキーはそのチャットの通り、裏から建物に入った。


新しい銃を手にしたピエロはタラの顔面に何発も弾を撃ち込む。
その様子をホームレス女性は見てしまった。彼女は建物を上がり、作業中のマイクに助けを求める。しかし、信じてもらえず、挙げ句の果てには突き飛ばされた。
マイクは相次ぐトラブルに会社へ電話をかける。そこにピエロが現れ、ハンマーで男性の頭を殴打。


ホームレス女性はエミリーをどこかへ置いてきたことに気付き、探し始める。すると通路でエミリーを抱き抱えるピエロに遭遇した。女性は彼に対し、「母の愛を知っている?その子を殺さないで」と囁きかけた。そして女性はピエロを抱擁。

 

途中で途切れた電話を受けて、駆除業者の別の男が建物にやって来た。

 

タラとドーンを探すビッキーは、2つに裂かれたドーンの遺体を目にする。彼女は逃げ出そうとしたが、タラの悲鳴が聞こえたので助けに向かった。

ところがそれはホームレス女性の声。ピエロは女性から頭部と胸部の皮膚を剥ぎ、それを着ていた。その異様な光景を見たビッキーは一心不乱に走った。やがてロッカーに逃げ隠れたが、ピエロに場所がばれている。ジリジリと近づくピエロだったが、外からクラクションの音が鳴り響き、そちらに向かう。

 

クラクションを鳴らしたのは駆除業者の男だった。マイクから連絡があったから来たものの、入り口が開いてない。結局カーペットの下にあるスペアキーを見つけて自力で建物内へと入った。内部は薄気味悪く、男は慎重に探索を行った。

途中でエミリーに躓いた彼はそれを拾い上げる。その瞬間、背後に隠れていたピエロが脳天目指してナイフを振り下ろした。そして男の首を切り落とすとサッカーボールの様にキックした。

 

ビッキーはその間にロッカーから出て、逃げ道を探して徘徊していた。そんな最中、ピエロがビニール袋を彼女の顔に被せて窒息させようとしてきた。彼女はそれを振りほどき、落ちてた杭をピエロの足に突き刺した。

 

頭を殴打され、気絶していたマイクが目を覚ました。

 

ビッキーは逃げる途中でタラの遺体を発見。ショックで崩れ落ちているとピエロが現れた。彼は刃物の取り付けられたチェーンを鞭のように振るい、ビッキーの柔肌を引き裂く。そこをマイクが助けに入った。
彼はピエロの頭部を大きな缶で殴り、気絶させる。そしてビッキーを連れて管理室へと隠れた。マイクは警察に通報し、ビッキーを連れて外へと向かう。

 

ところが出口は鎖で繋がれていて脱出出来なかった。袋小路になった状況でピエロが鈍器を持ってやってくる。マイクは殴り倒され、頭を踏み潰されて死亡。

ビッキーは拾ったポールで南京錠を破壊し、何とか進むことができた。ところがその先も施錠されていて脱出できない。しばらくすると外からピエロの乗った車が突っ込んできた。ビッキーは轢かれ、その場に倒れこむ。ピエロはビッキーの顔を食べた。

ようやく警察が到着し、ピエロを包囲する。しかし、ピエロは隠していた拳銃を咥えて自殺した。ビッキーは生き残った。

 

検死官の元に2つの遺体が届けられた。1体はマイクでもう1体はピエロ。ピエロの死体袋を開けたとき、室内の明かりが点滅し始めた。やがて落ち着き、遺体に目をやるとピエロが起き上がった。そして検視官の首を絞める。

 

1年後、ビッキーが病院から退院した。彼女の顔は冒頭の被害者女性そのものだった。

感想

良くも悪くもグロテスク、そんな作品でした。

好きな人はグロいから好きで、嫌いな人はグロいから嫌いみたいな。

ピエロの殺人方法が多彩で、ろくなストーリーでないものの最後まで飽きずに鑑賞。本作は割とあっさり人が死ぬので鑑賞後に不快感が残らない。拷問とか情に訴えかけるようなシーンは無かった。

この映画はとにかくピエロで成り立っている。風貌の奇抜さと履き違えたユーモアが終始画面を彩る。登場したときから終盤までずっと。

始めピエロはタラに好意を寄せているように振る舞っていたがあれも彼なりのジョークだった。おもちゃの指輪をプレゼントされて、タラは特別扱いされるのかと思いきや普通に襲われる。さっきまでの流れは何だったのかと驚いた。

驚くといえばピエロが銃を隠し持っていた事だろう。この手の怪物映画で悪役が飛び道具を持っているのは珍しい。こんな予想外なところがピエロのキャラクターにマッチしている。

ラストでピエロは超自然的な存在だと明らかになった。故に本作で何か気になる箇所があってもピエロの能力に違いない。なぜ被害者達はピエロを殺そうとしないのか。それもピエロの能力に違いない。丸投げに思えるかも知れないが一番まとまりの良いラストかも知れない。

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  • 発売日: 2019/10/18
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テリファー(字幕版)

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人生最後の思い出作り 映画『AFFLICTED アフリクテッド』ネタバレあらすじと感想

AFFLICTED アフリクテッド

コメディ度:3/10

グロ度:2/10

感動:2/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:5/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2014年製作/カナダ・アメリカ合作/85分
原題:Afflicted
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

監督・脚本:デレク・リー、クリス・プラウズ

製作総指揮:ブライアン・カバナー=ジョーンズ、スチュアート・フォード、ジェイソン・ダウデスウェル

撮影:Norm Li

音楽:エド・ヴァン・ブリーメン

編集:Greg Ng

特殊効果:デビッド・バークス、デレク・リー、クリス・プラウズ

あらすじ

世界一周のため1年間の旅に出たクリフとデレク。映像ディレクターとして働くクリフはその様子を撮影し、ブログを随時更新する。2人はカメラを回しながら世界中を飛び回るのであった。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

青年クリフとデレクは1年かけて世界一周旅行へ出ることに。2人は幼馴染みで、デレクは昔から旅行好きだったが、就職してからは自由な時間が取れなかった。クリフは映像ディレクターとして働いており、この旅を記録してブログにアップする役割を担っている。
デレクは脳動静脈奇形を患っており、いつ死んでしまうか分からない。この旅は人生最後の思い出づくりでもあった。もちろん家族からは強い反対を受けていたが、デレクは出発を決めた。クリフは彼の決断を勇敢だと称している。

 

1日目スペインのバルセロナ。デレクの友人でミュージシャンのエド、ザックと合流する。4人は存分にスペインを楽しんだ。

 

7日目フランスのパリ。エドとザックも来ており、彼らは地元のクラブで演奏した。その間、デレクはナンパに夢中。無事に女性オードリーを連れ帰った。
ホテルに帰ったエド、ザック、クリフはセックスを阻止する"コックブロック"を実行することに。「コックブロック!」の掛け声と共にドアを開けるとベッドの上には血だらけのデレクが倒れていた。
彼が覚えているのは部屋に入ってすぐ何者かに殴られたことだけ。オードリーの服が残っているがその姿はない。殴られた瞼の腫れと噛まれた様な左肩の傷が残る。幸い怪我は大したものでなく、旅は続行。エドとザックとはここで別れた。

 

イタリアのヴェルナッツァ。デレクは到着から丸1日寝込んでいた。
10日目、寝起きのデレクを連れてクリフはレストランへ。しかしパスタを一口食べたデレクは嘔吐してしまう。
ホテルに戻りクリフが病院へ行くことを勧めるが、デレクは旅が終わってしまうと拒否。

 

11日目、ワインの醸造所へ向かう。ワイン畑を見学しようと外に出たが、突然デレクが苦しみ始める。彼の皮膚は赤くなり、まるで焼かれている様だった。


クリフは悩んでいた。ここ最近のデレクの様子は明らかにおかしい。彼はデレクを説得することにした。帰国を勧められたデレクは激昂。壁を殴るとそれを破壊してしまう。壁の材質は石であり、そう簡単に壊れるはずがない。落ち着いたデレクが謝罪をするが、クリフにとってそんなことはどうでも良かった。


クリフは川に向かい、大きな岩をデレクに殴らせる。岩は真っ二つに割れた。
次いで車を楽々と持ち上げることに成功。さらに時速60km以上で走れることが分かった。
2人はスーパーパワーを手に入れたと大喜びしていたが、デレクの目に違和感が生じる。コンタクトを外そうとしたが、同時に角膜が剥がれ落ちた。そして一瞬黒目が大きくなる。


クリフの身を案じ、病院へ向かうことを勧めたが、彼は健康だと言い張って広場に訪れた。カメラを体に装着し、ハイジャンプを撮影するという。言葉のとおりクリフは垂直跳びで建物の2階に飛び乗った。ところが調子に乗って飛び回っているうちに落下。結局そのことで病院に向かうことに。


その道中、撮影に夢中になっていたクリフが車に轢かれかける。車は寸前でハンドルを切り、事故を起こしかけた。運転手と同乗者が車から降りてクリフとデレクに詰め寄った。デレクは2人を押して、吹っ飛ばしてしまう。結局病院へは行かなかった。


クリフはこの事故の映像もブログにアップした。すると視聴者からデレクが血を舐めているとの指摘を受ける。
部屋に戻ったクリフはデレクにそのことを尋ねる。彼は血が欲しいと返した。クリフは彼が吸血鬼になったのではと考える。

 

14日目。精肉店でもらった牛の血を飲んでみるが、臭くて飲めたものではなかった。新鮮さが重要なのではと考えたデレクは、ソーセージ片手に飼い犬を盗もうと企てる。しかしこの国の犬は大事にされていて、盗めるような状態ではなかった。


デレクはワイン醸造所で飼っていた子豚を思いだし、侵入して殺したが、やはり不味くて飲めたものでは無かった。彼は人間の血でないとダメだと気づく。


次に向かったのは病院だったが、血液パックを盗むのに失敗。飢餓状態になったデレクの前に救急車が通りかかる。彼は運転手を引き摺り降ろし、救急車をジャックした。クリフが運転し、デレクは輸血パックを探す。しかし、見つからず彼は患者を手に掛けようとした。それに気付いたクリフは、車を止めてデレクを降ろす。デレクは俺を見捨ててくれと懇願した。


クリフが部屋に戻り眠っていると、何者かの気配を感じる。正体はデレクだった。デレクはクリフの傍らで気絶した。

 

17日目の夜。デレクは限界に達していた。クリフは決心し、自分の血を彼に飲ませることにした。リストカットして瓶に血をためる。デレクの部屋にそれを持っていくと彼の姿は無かった。


窓が開いており、外に出たことを知ったクリフはデレクを探しに向かった。そして一軒の納屋で彼を発見。瓶を差し出したが、デレクには理性が残っておらず、殴られて血を吸われてしまう。
理性を取り戻したデレクは自らの行いを後悔し、ショットガンを咥えて自殺を謀った。しかし、彼はすぐに復活してしまう。

 

21日目の夜。デレクはカメラに独白を始めた。クリフは死んでしまい、納屋の外に埋められている。デレクは事の発端であるオードリーを探すことに決めた。

 

22日目。試しに日光に当たってみたら皮膚が焼けた。作戦を練っていると部屋に国際警察が尋ねて来る。デレクは咄嗟に窓から飛び降りて逃げ出した。外は明るいためどんどん皮膚が焼けていく。何発か銃弾を受けたが逃げ切った。


咄嗟に部屋から出たため、荷物はカメラとパソコンしかない。

列車に潜伏し、パリにたどり着いた。ちょうどいい地下室を隠れ家にする。

カメラの映像を確認して、オードリーの携帯がホテルに残っていることが発覚。

 

25日目の夜。携帯を探しにホテルへ向かった。忘れ物箱から携帯を見つけた彼はホテルを後にする。そこで弟のジェイソンに遭遇した。彼は連絡の途絶えたデレクを探しに来ており、自首することを勧めてきた。デレクはその場から逃走。


警察に囲まれ、ジャンプして高層階へ逃げた。ところがそこにも警察が待機しており、1人を事故で落下死させてしまう。
殺したことに罪悪感を感じながらも隠れ家へ帰還。携帯に登録されたメールアドレスに片っ端から「会おう」と連絡を送った。

 

27日目の夜。1人と連絡がつき、待ち合わせ場所に向かった。現れたのは男性で、デレクはその後を尾ける。彼は落書きだらけの廃墟で暮らしていた。
デレクは男を椅子に縛るとライブ配信を開始。これによりオードリーを誘き寄せようとする。


男の名はモリスといい、彼の体には無数の傷跡が残っていた。モリスいわく、オードリーが初めて変化させた人間がデレクだという。彼はデレクに逃げろと忠告した。


突然部屋が暗くなり、何者かが隠れ家に侵入した。しかし、それはオードリーでなく、特殊部隊だった。銃弾を受けて始めこそやられていたデレクだったが、途中で覚醒。次々と隊員を殺していった。

 

28日目の夜。デレクの前にオードリーが現れた。彼女は「二度と私たちの前に現れないで」と言った。デレクは俺を治せと頼んだが、治療法は無いという。

デレクは激昂し、オードリーに襲いかかるも返り討ちにあう。オードリーがデレクを変化させたのは人助けのつもりだったらしい。脳動静脈奇形を患ったデレクを生かすために変化させたという。これからデレクは4~5日に一度は人を殺さなければいけない。

 

37日目の夜。デレクは家族に向けてのビデオレターを撮影。もう一緒にはいられないと別れを告げた。
その後、彼は1人の男を殺す。そいつは女児を強姦した犯罪者だった。

 

エンドロール中
封鎖された豪邸に忍び込む若者3人を吸血鬼と化したクリフが襲う。

感想

POV作品としての破綻は感じなかったし出来が良いと思う。吸血鬼という古典的な題材だが、感染症のように描かれていて現代的に感じた。飢餓状態に陥ったデレクの様子は「アイ・アム・レジェンド 」の”ダーク・シーカー”を想起させる。

 

冒頭のドキュメンタリータッチなシーンは観るのを止めようかと思うほど嫌いな映像だった。ホラー映画という前情報が無ければ視聴を止めている。ただ7日目にデレクが噛まれてからはずっとそれなりに面白い。低予算っぽいし長々と日常が垂れ流されるのを覚悟していたのだが、テンポが良くて好印象。

 

スーパーパワーを試すくだりも「クロニクル 」の様な幼稚さがあって気に入った。クリフが映像ディレクターである設定のおかげで、本作では他のPOV映画には見られないようなカメラが登場する。

なかでも腹部に装着するボディカメラの映像が面白く、FPVに近い視点から映される。デレクが逃亡する際の映像は大体ボディカメラが使われており、さながら「ハードコア 」の様だった。

 

ただ残念に思う箇所もある。デレクが吸血鬼になった原因であるオードリーにまつわるシーンが全て不完全に思える。死にかけていたデレクを助けるためという動機も薄いし、衣服や携帯を置いてホテルを去った理由が分らない。ただひたすらモヤモヤする。いっそのこと後半オードリーを出さなければ考察の余地もあって楽しめたのに。

AFFLICTED アフリクテッド [DVD]

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  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: DVD
 
AFFLICTED アフリクテッド(字幕版)
 

撮られたら死ぬいわく付きカメラ 映画『ポラロイド』ネタバレあらすじと感想

ポラロイド

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:4/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2019年製作/アメリカ/上映時間88分
原題:Polaroid
配給:ギャガ

監督・原作:ラース・クレブバーグ

製作:ロイ・リー、クリス・ベンダー、マイケル・マホニー

脚本:ブレア・バトラー

撮影:ポール・ウルビック・ロクセット

音楽:フィリップ・ギフィン

編集:ピーター・グボザス

出演:キャスリン・プレスコット、タイラー・ヤング、サマンサ・ローガン、ミッチ・ピレッジ、ハビエル・ボテット、ケイティ・スティーブンス、マデリン・ペッチ

あらすじ

冴えない女子高生バードは、アルバイト先のアンティーク店で年代物のポラロイドカメラを入手した。友人に誘われたパーティにそのカメラを持って行き、人々の写真を撮るバード。ところがそれらの写真にはあるはずのない人影が写っていて...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

女性2人が母親の遺品の入った箱を漁る。中にはラブレターと共に一台のポラロイドカメラが入っていた。話の流れで下着姿の写真を撮ることに。
せっかくなのでポラロイドカメラを使用した。写真を撮り終えると友人リンダにメッセージが届き、彼女は家に帰った。


家主の女性はリンダを送りに玄関へ向かったが、踵を返すと部屋からカメラの撮影音が聞こえた。音は確かにカメラから鳴っており、横に置かれた写真には先ほどまで無かった人影が浮かんでいる。それに気づくと同時、気味の悪い音が鳴り響いて電気が消えた。

女性は誰かいるのではと家中を回る。やがて梯子の掛けられた天井裏からボールが落ちてきて、彼女は導かれるように梯子を登った。上に着いた瞬間に物音が鳴り、驚いて梯子を倒してしまう。屋根裏の奥に蠢く何かを目にした女性は手を伸ばすが、青白い手が伸びてきて掴まれてしまう。驚いた彼女は後退り、出入り口の穴から落下しそうになったが踏みとどまった。切り裂くような音の後、女性は天井裏から落下した。

 

ローカスト・ハーバー高校で学校年鑑の写真撮影が行われた。バード・フィッチャーはいつもスカーフを巻いており、同級生からバカにされる。彼女は帰る際に意中の男子生徒コナーが目に入り盗撮。気付かれそうになって慌てる。


バードは友人タイラーの叔父が経営するアンティーク店でアルバイトしていた。タイラーからガレージセールのお土産だと、冒頭のポラロイドカメラSX-70を貰う。カメラにはR・J・Sと刻印が入っていた。
バードはさっそく彼を撮影。写真が現れるまでの間にタイラーはキスを迫ったが拒否。バードはカメラを持って慌てて店を後にする。タイラーが同時に買っていたケースには冒頭の写真が。


バードが家に帰ると母親が出掛けようとしていた。彼女の家は母子家庭らしく、母親はよく仕事で家を空ける。バードがスカーフを脱ぐと首には大きな傷跡が。部屋に帰ったバードはさっそく愛犬ネッドをポラロイドで撮ろうとするが、やけに怯えて撮影できなかった。そこに友人のケイシーがやって来て今夜のパーティーに誘う。

 

バードは承諾し、その夜にカップルのミーナとデヴィン、ケイシーの乗った車が迎えに来た。車に乗り、鞄のなかを探っているとタイラーの写真が目に付く。彼の横には人影が写っていた。

 

その頃タイラーは叔父に頼まれた写真の値付け作業をしていた。映写機で投影しているとスクリーンの裏に人影が浮かび上がる。怯える彼はトンカチを握りしめスクリーンを剥がした。何もなく安心していると突然、何者かが現れてタイラーを襲った。

 

会場に着いたバードらは主催で家主のエイヴリーと挨拶を交わす。皆が楽しむなかバードは壁際で突っ立っていた。するとコナーが話し掛けてくる。

「写真の出来は」と聞かれたバードは咄嗟にカメラテストをしていただけだと否定した。2人は会話を始め良いムードになっていたがカップルが乱入。皆で写真を撮ろうと言うのでバードはせっかくならとポラロイドを取り出した。

シャッターを切る瞬間、ケイシーがパッと入り込んだ。フラッシュの光がいるはずの無い人影を表した。バードは不審に思ったが写真にその影は写り込んでいない。何が起きたと考えているとエイヴリーがカメラに興味を持って話し掛けてきた。彼女はポラロイドで自撮り。写真が表れる前に警察がやって来てパーティーは中断となった。

 

警察はバードを訪ねて来た。署に連行され、保安官のペンブロークから用件を伝えられる。内容はタイラーが死んだことに対する聞き込みだった。ペンブロークはバードの父を知っているようで君は立派だったとバードに告げる。

 

家に帰り、涙するバードは母に慰められた。部屋で撮った写真を確認しているとタイラーの写真に写っていた人影が消えているのに気付いた。その人影はエイヴリーの写真に写っている。バードは彼女にその事を伝えようか悩んだが止めた。

 

パーティーが終わり、ひとり屋敷の掃除をするエイヴリーは何かの気配を感じて怯えていた。カーテンから緑色の人が現れ、彼女を襲う。一度は逃げたものの、再度捕まってしまった。

 

朝食を食べるバードにケイシーから電話がかかった。エイヴリーが階段から落ちて死んだという。それを聞いたバードは急いで写真を調べたが、やはりエイヴリーの写真にあった人影は消えていた。人影は4人の写真に移動している。ようやく事態に気付いたバードはカメラを壊そうと試みたが衝撃波によって彼女は吹っ飛ばされた。

 

学校は追悼モード。バードは写真に写る4人に説明を試みたが誰も信じようとはしない。そんな写真なら燃やしちまえとデヴィンがライターで火を点けた。すると写真は燃え始め、同期するようにミーナの腕が発火。焦りつつも消火器を噴射したが一向に消える気配はない。もしかしたらとバードが写真の火を消すとミーナの腕も鎮火した。写真の燃えた箇所は再生し元に戻った。

 

ミーナは火傷を負ったため病院に運ばれる。バードはケースに手懸かりがあるかもと封鎖中のアンティーク店に不法侵入。コナーに車で送ってもらった。

車内で待つコナーは、例の写真に反射でバードも写っていたことに気付く。バードは店内で人影に襲われた。ケースを持って何とか脱出しようとする彼女をコナーが助ける。

 

病院でミーナが目を覚ます。傍らにはデヴィンが座って見守っていた。突然部屋の明かりが点滅したので彼は看護師を呼びに行ったが、ナースセンターには誰もいない。
ミーナにバードからの着信が入る。「何者かに襲われた。危ないから1人にならないで」とのこと。恐怖したミーナはデヴィンの元に向かおうとしたが襲われてしまった。病室に戻ったデヴィンは彼女の首吊り死体を発見する。

 

バードとコナーが病院に着くとデヴィンが取り調べを終えたところだった。バードの顔を見たデヴィンはお前のせいだと激昂。コナーがなだめ、バードはその場から逃げ去った。

角で泣いているバードにコナーが話しかけると彼女は昔話を始めた。「パパは地元紙の記者だった。12歳のときお泊まり会へ送ってもらう途中、寄り道をしようとパパが言った。私は友達の家に早く行きたくてそれを拒んだ。それでパパが車を切り返したら突っ込まれた。いつだって私が悪いの」と。
コナーは「パパなら君は悪くないと思っている」と返した。バードは「パパなら真相を追求するわ」と言い、カメラケースを調べ始めた。ケースの隙間に”殺人 証拠品 1974年10月28日”と書かれたタグが挟まっているのを見つける。

 

2人は図書館で当時の新聞記事を読み漁った。すると1つの事件に行き着く。1974年、若者3人が拉致されて殺された。犯人はローカスト・ハーバー高校で写真を教えていたローランド・ジョセフ・セイブル。ポラロイドに刻まれたR・J・Sは彼の名に違いない。

 

4人はレストランに集まり話し合う。バードは襲われたときの様子から人影は光や熱に弱いのではと仮説をたてた。取り敢えずローランドの元邸宅に身内が住んでいるのではと考え、調べてみるが現在はアン・ファラデイという人物が暮らしていることが分かった。

これからどうしようかと悩んでいるとデヴィンがカメラを手に取った。何かしでかすのではと考えたコナーは奪い取ろうと揉み合いに。その際、事故でデヴィンの写真が撮られてしまう。すると人影は4人の写真からデヴィンの写真へと移動を始めた。

激怒したデヴィンはバードの写真を撮ろうとするが、ケイシーが彼の写真に鉛筆を刺した。デヴィンの手のひらに穴が空き、彼は更に激昂。取っ組み合いになりそうなところを警察が止めに入るも、カッとした彼は警官を殴ってしまう。

 

デヴィンは留置され、バードとコナーは彼の身を案じてペンブロークに説明を試みた。しかし都市伝説だと信じてもらえず、さらに元ローランドの邸宅に近づいたらお前らも捕まえると脅された。デヴィンはバードに言いすぎたと謝る。

 

2人が警察署に行っている間、ケイシーはローランドの元邸宅についてさらに調べていた。そしてアン・ファラデイがローランドの妻レナ・セイブルの改名した名だと突き止める。このことを聞いたバードはコナーと共に邸宅を訪れることに。

 

アンは始め私はセイブルでないと言ったが、カメラを持っていると聞いた彼女は態度を変えた。R・J・SのRはレベッカであり、娘の名だという。

 

留置されたデヴィンは部屋のなかで大きな刃物に貫かれ死亡した。

 

セイブルは2人をレベッカの部屋に案内した。レベッカはすでに亡くなっており、セイブルが昔のことを話し始める。
レベッカはとても内向的だったが、プレゼントされたカメラを気に入り、常に持ち歩いていた。すると学校でからかわれ始める。ある晩レベッカは4人のクラスメートに呼ばれ、なにも警戒せずに付いていった。酔った彼女はハレンチな写真を撮られ、後日学校中にばらまかれる。レベッカは恥ずかしさのあまり自殺してしまった。全容を知ったローランドは娘の仕返しをするため、それらの生徒を拉致。高校の暗室で痛め付けているところを警察に射殺された。3人は殺したものの1人を取り逃したという。そしてその1人の写真をセイブルがバードに差し出した。
話を聞きながらコナーは写真を確認し、デヴィンが死んだことに気付く。

 

2人は急いで家を出て高校に向かい、電話でケイシーも呼び出した。学校年鑑で写真を照らし合わせると取り逃した最後の1人がペンブロークだったと判明。そこに後を尾けてきたペンブロークがケイシーを連れて現れた。

バードは彼を殺せば事態が収束すると考え、カメラを向けるが良心からシャッターを押すことが出来なかった。それを見かねたコナーがカメラをぶんどり、ペンブロークの写真を撮る。
ペンブロークも事件のことを語った。しかし、彼の証言はセイブルの物とまるで違っている。4人はレベッカを助けようとしていた。ハレンチな写真を撮ったのはローランドで、彼らは警察にそれらの写真を虐待の証拠として提出し、助け出すつもりだった。ところがローランドは逆上しレベッカを殺したうえ、拉致事件まで起こした。セイブルは全てを知っていたにも関わらず、自分に都合のいい話をでっち上げたという。

 

話を終えると人影が姿を現す。ペンブロークが拳銃で応戦するもあまり効いている様子はない。人影はペンブロークの写真を拾い上げると真っ二つに引き裂いた。

3人はコナー1人、バードとケイシーの2人に分かれて逃げ出す。バードとケイシーはシャワー室に到達。お湯を出すことで人影が入れない空間を作った。バードはケイシーをそこに置いてコナーを探しに向かう。

コナーと合流したバードはカメラを探しに行ったが、その途中コナーが捕まってしまう。バードは咄嗟に自撮りし、自分の元に向かわせた。

首を掴まれ、持ち上げられたバードだが、力を振り絞って人影の写真を撮影した。そして出てきた写真を折り曲げる。人影はその通りに体が折り畳まれたが、写真にはバードの右手も写っていたため、彼女も痛みを伴った。

倒したかと思ったが写真が開くと人影は復活。次いで彼女は写真に火を点け、人影を消し炭に変えた。

 

バードは2人と合流。彼女はその足で海に向かいポラロイドカメラを投げ捨てた。

感想

なんか勿体ないなと思う作品だった。ポラロイドカメラが題材の作品で、タイトルが出るまでの冒頭映像は面白かったのだがそこから雑になっていく感じ。

人影が初めは得体の知れない存在で恐ろしさもあったが、最後に出てきたのはただ単に人。ホラー演出が徐々に剥がれ落ちて無が残る。

ポラロイド写真に人影が写る設定は面白いと思うが、写真を一目見ただけで嫌になるような嫌悪感がない。特に後半死に方がダイナミックになっていくので小物だけでも怖がらせて欲しかった。

途中でバードがカメラを破壊しようと試みるシーンがあるのだが、断念する理由が衝撃波っていうのは気に入らない。雑すぎやしないだろうか。写真が破損して復活するも何だかなってなる。

倒し方も好かないな。これでいけるっていう根拠もなく写真を撮ってそれが成功するんだから腑に落ちない。熱だったり光で倒す方が筋通っていたような。

日本公開に向けてグロいシーンがカットされてるのかも知れないけど、本当にそういうシーンがなさ過ぎて残念だった。デヴィンの手に大穴空いたのに出血無しは寂しい。ペンブロークが真っ二つになるシーンもカメラが外れるし。

冒頭は正統派ホラーって感じで最高だった。冒頭がピークだからそこで微妙に思ったら観るの止めて良いかもしれない。

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怪物、結婚? 映画『フランケンシュタインの花嫁』ネタバレあらすじと感想

フランケンシュタインの花嫁

コメディ度:3/10

グロ度:1/10

感動:2/10

リアリティ:1/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:4/10

目次

作品情報

1935年製作/アメリカ/上映時間75分
原題:The Bride of Frankenstein

監督:ジェームズ・ホエール

脚本:ウィリアム・ハールバット

原作:ジョン・L・ボルダーストン、ウィリアム・ハールバット

撮影:ジョン・J・メスコール

美術:チャールズ・ホール

音楽:フランツ・ワックスマン

出演:ボリス・カーロフ、コリン・クライブ、バレリー・ホブソン、エルザ・ランチェスター、エルザ・ランチェスター、アーネスト・セジガー

あらすじ

前作「フランケンシュタイン」には続きがあった。死んだと思われていた怪物は生きており、再び市内は恐怖に包まれる。さらに二度と怪物を作らないと決めたヘンリーの元にある博士が現れ...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

屋敷で会談するバイロン卿は、シェリー夫人に彼女の著作『フランケンシュタイン』を絶賛していた。夫シェリーは終わりかたがあっけないと不満を述べるが、夫人は「物語には続きがあるの」と返答して物語の続きを語り始める。


前作で燃やされた風車小屋の火が消えかけ、市長は解散を告げた。娘マリアを殺されたハンスは妻の制止を振りほどき、怪物の死を見届けるために焼け跡に入ったが地下水道に落ちてしまう。怪物はその中で生き延びていた。ハンスは頭を押さえつけられて溺死。次いでハンスの妻も怪物に投げ飛ばされて死亡した。
メイドのミニーはその場に居合わせ、屋敷に戻ると「怪物が生きていた」と叫ぶが、執事のハーミットは「見間違いだろう」と相手にしない。

 

フランケンシュタイン邸にヘンリーの遺体が運ばれる。しかし、彼は生きていた。
ヘンリーは怪物が創れたのだから不老不死も実現出来るのではと考え初めていた。エリザベスはもう研究しないでと大袈裟に怯えて見せる。
そこにプレトリアス博士が訪ねてきた。彼はヘンリーと組みたいという。プレトリアスも生命の創造に関心があり、長年研究を重ねていた。彼はヘンリーに面白いものを見せると自宅に招待。


プレトリアスは小人を作り出すのに成功していた。次は実寸大のものを創ってみたいとヘンリーに声をかけた。しかし、ヘンリーは「これは科学ではない、黒魔術だ」と拒否。するとプレトリアスは怪物の伴侶を創ろうと言い出す。ヘンリーが少し興味を持った。


怪物は森にいた。彼は自身の容姿にコンプレックスを持っており、水面に映る自分を見て苛立つ。その様子を通りすがりの女性が見て悲鳴を上げた。彼女は驚いて川に落下。怪物が助け出したが、触らないでと悲鳴を上げられる。それを聞き付けた猟師が発砲。逃げる怪物を深追いはせず、市長に報告した。

群衆が怪物を探して森に入る。すぐ市民らに捕まった怪物は、警察署の地下牢に監禁されるが鎖を引き千切って脱走した。その過程で何人か殺した。


怪物は森の中でバイオリンの音に導かれ、一軒の小屋にたどり着いた。そこに住むのは盲目の老人で、怪物を友として受け入れた。初めて自分を受け入れてくれる人間に出会い喜ぶ。老人は夕飯をご馳走し、怪物を眠りにつかせた。老人も盲目のせいで今まで孤独な生活をしており、自分と同じ境遇と分かった怪物は涙を流す。

翌日から老人は怪物に言葉を教え始めた。2人は楽しく共同生活を送る。そこに迷子になった猟師がやって来る。乱闘の末、事故で小屋は全焼。


再び荒んだ怪物は墓地の地下に逃げ込んだ。そこに犯罪者を連れたプレトリアスが現れ、少女の墓を荒らし始めた。プレトリアス1人になって怪物が話しかける。プレトリアスは彼に食べ物を恵み、君の女友達を創ってやると語った。


ヘンリーの元に再びプレトリアスが訪れる。エリザベスはヘンリーと共に村を出ようとしているところだった。ヘンリーは協力を拒んだが、プレトリアスは助手を呼ぶと言って怪物を連れてきた。怪物にやれと言われてもヘンリーは首を縦に振らない。怪物はエリザベスを誘拐した。
ヘンリーは彼女を返して貰うため実験に協力することに。
今回も雷を利用して創造が行われた。実験は成功し、怪物の花嫁が誕生。

しかし、花嫁は怪物の姿を見て悲鳴を上げる。これに絶望した怪物は塔を爆破しようとした。そこに囚われたエリザベスの声が響く。怪物はヘンリーに彼女を連れて逃げろと言い、プレトリアスには残れと言った。
そして2人が逃げ終わった頃、怪物は泣きながら塔を爆破。ヘンリーとエリザベスは崩れる塔を遠くから見つめた。

感想

原作者メアリ・シェリーの語りから話が始まったので驚いた。しかもこれ以降1回も出てこないし。

前作よりもコメディの要素が強くなった印象。そのために不要な登場人物が増えた。僕はキャンキャン喚くだけのキャラクターが嫌いなので本作のミニーは本当に駄目。いなくても話は進むしうるさいだけだった。

プレトリアスがボトルに入った小人を見せるシーンでなんかどうでも良くなっちゃた。フランケンシュタインの魅力はぎりぎりありそうなライン上にいる事だと思っていて、小人はさすがにリアリティー無いな。しかもつぎはぎとかでもなくモスラの小美人みたいな感じで世界観が崩れてる。何でもありじゃん。

創られた花嫁に怪物が拒絶されるシーンは笑えたな。こんなに引っ張ってやっぱり駄目なのかよって。そのあと絶望して塔を爆破するのもなかなか良かった。ただヘンリーとエリザベスを逃がすのは違うかなと思う。生存するのは構わないんだけど怪物に情が芽生えたみたいなのはいらなかった。

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思いの外ポップな作風 映画『フランケンシュタイン』ネタバレあらすじと感想

フランケンシュタイン

コメディ度:2/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:8/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

1931年製作/アメリカ/上映時間70分
原題:Frankenstein

監督:ジェームズ・ホエール

脚色:ギャレット・フォート、フランシス・エドワーズ・ファラゴー

原作:メアリー・シェリー

撮影:アーサー・エディソン

美術:ダニー・ホール

出演:コリン・クライブ、メエ・クラーク、ジョン・ボールズ、フレデリック・カー、エドワード・バン・スローン、ボリス・カーロフ、ポーリン・ムーア、ドワイト・フライ

あらすじ

科学者ヘンリーは助手フリッツと死体を集め、蘇らせる研究に没頭していた。ある日実験は成功。しかし、生み出された怪物は彼の手に負えるものではなかった。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

墓場で葬儀が行われ、棺が埋められた。その様子を2人の男ヘンリーとフリッツが見ている。墓守が居なくなるとすぐに2人は掘り起こした。帰り道に首吊り死体を見つけ、これも持って帰る。しかし首が折れており脳は使えそうにない。


後日、大学で健常者の脳と犯罪者の脳を見比べる講義が行われた。フリッツは講義が終わると講義室に侵入し、脳のサンプルを盗み出す。健常者の脳を盗もうとしたが落として割ってしまい、仕方がなく犯罪者のものを盗み出した。


ヘンリーの友人ヴィクターがエリザベスの屋敷を訪れた。彼女の家にヘンリーから手紙が4ヶ月ぶりに届いたという。内容は「信じてくれ、エリザベス。君より大事な仕事がある。夜は風が山に吹き、ここには誰もいない。秘密を守らなければ...。ゴルドスタッド近くの見張り塔にいる。私と助手の2人だけだ」とのこと。ヘンリーはエリザベスの婚約相手だったが、式の前日に重大な発見をしたと言ってどこかに消えていた。ヴィクターも彼が研究に専念していたことは知っていたが、何をしているのかは教えてもらえなかった。ヴィクターは医学部のワルドマン博士なら何か知っているのではと相談することを勧める。


ヴィクターとエリザベスは早速博士の元を訪れた。ヘンリーは生命の創出に没頭して大学を辞めたという。彼の野望は死者蘇生だった。エリザベスの頼みで博士も同行し、ヘンリーの元を目指すことに。


嵐の夜ヘンリーとフリッツは運び出した死体、脳を使い実験を行っている。ワイルドマン、エリザベス、ヴィクターがやって来た。雨宿りをさせてくれという彼らを迎え入れる。ヘンリーは3人を椅子に座らせ、実験の概要を説明した。ワイルドマンは出来っこないと否定する。やがて雷が強くなり好機と感じたヘンリーは装置を起動。死体は実際に動き出した。


後日ヘンリーの父親にヴィクターとエリザベスが説明を行った。父親はヘンリーが浮気をしていると考えており、2人は否定したが納得しなかった。市長が訪ねて結婚式の日程を聞く。父親はヘンリーを連れ戻しに向かった。


ワイルドマンはヘンリーに怪物を閉じ込めろと言う。博士は使われた脳が殺人者のものだと知っていたから。だがヘンリーは自惚れており聞く耳を持たない。
2人の話す部屋に怪物がやって来た。怪物はヘンリーの歩け、座れの命令を聞く。フリッツが松明を持って近づくと怪物が暴れだした。ヘンリーは鎖で繋ぐと独房に投獄。
独房に入った怪物をフリッツは面白がって松明で虐めた。すると怪物は彼を殺してしまう。それを見たヘンリーはワイルドマンと協力し、怪物を倒すことに。ヘンリーが囮となっているうちにワイルドマンが鎮静剤を注射した。
そこに父親とヴィクター、エリザベスがやって来た。ヘンリーは気疲れで倒れてしまう。怪物を産み出してしまったこと、フリッツを死なせてしまったことを後悔していた。ワイルドマンは怪物の処分は私に任せろと言い、ヘンリーを家に帰らせた。


ワイルドマンが怪物を殺そうとすると薬の効果が切れ、彼は起き上がった。そしてワイルドマンを殺すと塔から逃げ出す。


ヘンリーとエリザベスは結婚式を開いた。父親フランケンシュタイン男爵は相当な権力者で市中がお祭り騒ぎ。屋敷に市民が押し掛ける。


そのころ怪物は郊外の一軒家に住むマリアという少女に出会った。彼女は臆さずに怪物に話しかけ、2人は一緒に花を池に浮かせて遊ぶ。すると怪物はおもむろに少女を持ち上げ、池に投げ込んでしまった。


パーティーの最中、エリザベスはヘンリーを呼び出して不安を打ち明けた。ワイルドマン博士が来ていないこともあり、直感的に危険が迫っていることを察していた。
2人の話す部屋に焦った様子でヴィクターがやって来た。ワイルドマン博士の死体が見つかったうえ、山間部で怪物が見られたという。エリザベスを部屋に閉じ込め、ヴィクターとヘンリーは怪物の捜索に向かう。

するとすぐにエリザベスのいる部屋から悲鳴が聞こえた。幸いエリザベスは無事だったが、怪物の存在にひどく恐怖していた。


郊外の一軒家に住む男が娘マリアの亡骸を抱いて屋敷に向かった。それに触発され鬱憤の溜まった市民が押し寄せる。
ヘンリーはエリザベスをヴィクターに任せ、捜索に乗り出す。集まった市民らは殺人鬼を見つけて殺そうと意気揚々。
ヘンリーは怪物が犯人と知っていたが何も告げずに市民を率いる。

怪物は山の岩場にいた。ヘンリーは1人はぐれて怪物と対峙。気絶させられた彼は怪物に風車小屋へと運び込まれる。気づいた市民らが追いかけるが小屋の入り口が開かない。目を覚ましたヘンリーは怪物との揉み合いの末、高所から落下。市民は彼を屋敷に運び、風車小屋に火を点ける。怪物は逃げ出せず小屋は全焼。


ヘンリーは屋敷で寝かされ、療養を受けている。

感想

メアリー・シェリーの原作と大分違った。まあそれは外観から大きく異なるから分っていたことなのだが。

原作からフランケンシュタイン博士の蘇生という設定だけを借りた別物と思った方がいい。上映時間も短いので原作通りにはいかなかったのだろう。怪物が言葉を発さずまんま怪物なので必然的に内容は薄いが、エンタメ作品として楽しめる。

なにより造形が素晴らしい。現在多くの人がフランケンシュタインと聞いて思い浮かべるのは本作の背が高く、デコが広くてボルトの刺さったものだと思う。実際はフランケンシュタインとは博士の名前でモンスターの方に名前は無く、怪物などと言われているのだが。

因みにロッテン・トマトの評価は100%。

フランケンシュタイン(字幕版)
 

グロいしキッタねぇゾンビ 映画『シー・オブ・ザ・デッド』ネタバレあらすじと感想

シー・オブ・ザ・デッド

コメディ度:2/10

グロ度:5/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:5/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2013年製作/ブラジル/上映時間96分
原題:Mar Negro
配給:キュリオスコープ

監督・脚本・撮影・編集:ロドリゴ・アラガオン

音楽:ジョアン・マクダウェル

出演:マークス・コンカ、ティアゴ・フェリ、キカ・デ・オリベイラ、キャロル・アラガオン

あらすじ

海に面した小さな村。漁師として働くぺロアはある日、大きな魚とも半漁人ともとれる生物を捕獲。油断して近づくと腕を噛まれてしまった。それから村では奇妙なことが起こり始め...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

小さな漁船に男性2人(船長のペロアと通称くたびれ馬)が乗っていた。今回は不漁で燃料代も稼げていない。網を引き上げてもまともな魚はちっとも捕れなかった。
網が突然強く引かれる。かかっていたのは巨大な魚?半魚人?だった。死んでいると思って近づいたペロアが腕を噛まれてしまう。くたびれ馬が引き剥がし海に落とす。
2人は大急ぎでその場から逃げた。

 

森の中を何者からか逃げていた男性アウビノは血みどろの死体を発見。傍らに落ちていた本を読んでいると死体が起き上がった。

それと同時に目を覚ます。

その本は実際に机の上に置いてあり、意中の相手を射止める方法のページが開かれていた。
アウビノの雇い主オットーが部屋まで起こしに来る。オットーはバーを営んでいた。

 

冒頭の漁船が陸地に到着。傷の手当てをしていると船のオーナーが現れた。ペロアは傷をアカエイの棘に刺されたと誤魔化す。

帰宅したペロアを家族が出迎えた。妻インジアラは治療として焼いたレモンを傷口に押し付けると縫合。

 

オットーのバーにくたびれ馬がやって来た。彼は漁で獲れたアカエイをオットーに売る。
続いてインジアラが肉を買いに来た。アウビノは彼女に恋心を寄せている様子。このときアウビノはアカエイの処理を任されていたが、少し目を離した隙にエイが脱走。
肉を持って帰ろうとしたインジアラがエイの血で転倒。アウビノが起こしてあげた。そのときエイが現れて肉をかっさらって行く。2人はそれに気づいていない。
インジアラが肉がないと騒いでいると、アウビノは店から肉を盗み出してきた。見返りに髪の毛が欲しいと言う。子供の人形を作るためだという理由に納得したが、くたびれ馬の邪魔が入った。
インジアラは帰ってしまい、アウビノは盗み損。オットーにエイが消えたと報告。

 

帰宅したインジアラは肉を炒めて昼食を作る。しかし、ペロアの様子が変だった。かっぴらいた目で食べ物を口一杯に頬張っている。
洗濯物を干しているとインジアラの友人シウマラがやって来た。彼女は、今夜クラブのパーティーがあって従業員を募集していることを伝えに来てくれた。インジアラは最初「娼館で働くなんて」と断っていたが高い賃金につられて一緒に働くことに。

 

アウビノが部屋にこもっていると、オットーがクラブにでも遊びにいってこいと金を握らせてくれた。


夜になりマダム・ウルスラが挨拶してスルルクラブがオープン。インジアラとシウマラは話のとおり裏方で料理を作る。

 

ペロアの家では姉弟が絵本を読んで仲良くしていた。そこにペロアの叫び声が響く。傷口の縫合が外れてしまい、自分では直せないからと姉弟に頼んだ。弟が傷口に触れた瞬間、そこがまるで口のように閉まり指が千切られた。ペロアは姉に薬草を取りに行けと命令。

 

クラブにゲストのイシドラ・フェルナンデスが到着。彼女は歌姫でマダムの憧れだった。

 

オットーの店に客がやって来る。彼は古本を集めてるらしく、本はないかと尋ねた。オットーはここら辺で本を読むやつなんて居ないと答えたが、アウビノが頭をよぎる。彼はアウビノのことを告げたが今は不在。客は部屋に侵入しようとした。それをオットーは止めようとしたのだが、客に殺されてしまった。

 

クラブに到着したアウビノは早速娼婦に声をかけられ、部屋へと誘導される。しかし途中の厨房でインジアラの姿を見た彼は咄嗟に逃げ出してしまう。その結果、娼婦に女を恐がるゲイの烙印を押され、クラブ中で虐められて逃走。


厨房では料理長のヨランダが魚をつまみ食い。


ペロアの娘は森で薬草を摘んでいた。途中で儀式のようなものを目撃。帰宅した娘はゾンビと化したペロアが弟を食べているのを目撃。家から飛び出したが、外で儀式をしていた連中もゾンビとなっていた。

 

クラブにフェレイラ議員が来た。彼は店の売り上げを30%寄越せ、女を呼べと露骨にたかる。議員は早速プレイ開始。娼婦が魚料理を持ってきたが彼は食べず、他の娼婦が食べた。
ステージにイシドラが登壇。曲が始まろうとしたときに銃声が響いた。撃ったのは外にいたガードマンでペロアが襲いかかったらしい。それを皮切りに魚を食べた人々が次々とゾンビ化。一瞬のうちにクラブは地獄と化した。ゾンビは黒い血を吐いて人に噛みつく。武器を持つ人々はゾンビらと戦ったが、頭を落としても体だけで襲いかかる。


生存者らは議員のプレイルームへと逃げ込んだ。マダム・ウルスラはせっかくのオープンが台無しになってぶちギレ。押し入れからガトリングガンを取り出すとゾンビらに突っ込んで行った。この際、イシドラのボディーガードだったオソを誤って射殺。
ウルスラが道を開いて生存者らをクラブから脱出させた。遅れてイシドラがやって来たが彼女はオソの敵討ちだとウルスラを刺殺。


議員の秘書が車に乗り、議員を置いていった。議員はゾンビに襲われる。車の中にはゾンビ化したニワトリが乗っていた。


インジアラがゾンビから逃げる娘を発見。イシドラ、くたびれ馬と共に救出を試みる。

 

アウビノはそのころ自室で頭髪を切っていた。そこに先ほどオットーを殺した男が現れ、本を寄越せと詰め寄る。アウビノは大人しくシプリアンの書を渡した。するとどこからか頭にアカエイを生やしたゾンビが現れて男を襲う。
アウビノがバーに逃げ込むと同時、クラブからの生存者が入ってきた。アカエイのゾンビをくたびれ馬と共に殺しているとゾンビが扉を破って侵入。彼らは斧やマチェーテでそれに応戦。

途中でくたびれ馬が誤ってインジアラの首に斧を振ってしまう。アウビノはそれに気付きくたびれ馬を殺した。
インジアラの娘と協力して彼女の死体をアウビノの部屋に運び込む。イシドラは置いていかれた。
インジアラが死んでしまいアウビノは悲しんだ。呼吸を整えると娘を殴り倒す。彼は彼女を生け贄にしてシプリアンの書にのっとり、インジアラを甦らせようと企んでいた。
呪文を唱えると悪魔が現れた。しかし、そのタイミングでアウビノがゾンビに襲われる。さらに娘が逃げ出してしまった。悪魔は空気を読んで帰っていく。
ゾンビを倒し、続きをしようと振り返ったアウビノは娘が居ないことに気づく。インジアラを裸にし、ドラム缶に入れて魔方陣を書いた。そして絶対にインジアラを甦らせると誓うと荷物をまとめて外に出た。

 

逃げ出した娘は海に出たが、そこにもゾンビはいた。
その中に弟のゾンビを見つけた彼女は思わず声を出してしまう。ゾンビらに追われているとクジラのゾンビが現れた。クジラゾンビは陸上で寝返りを打ち、ゾンビらを潰してしまう。娘はそれを避けて崖の上に登り助かった。

感想

舞台、作風、焼いたレモンに既視感があるなと思ったら「デス・マングローヴ ゾンビ沼」の監督で納得。断然こっちの方が良いな。デス・マングローヴ ゾンビ沼の記https://sottou-hurann.hatenablog.com/entry/2020/06/28/130000

前作から画面のキタなさやグロテスクな造形と良いところが引き継がれ、意味の分らないシーンや苛つくシーンがカットされた上位互換のような作品。主人公が気弱なのもちょっと被る。さらに悪魔、アカエイゾンビ、クジラゾンビにガトリングガンと次々出てくる変な奴らに興奮しっぱなしだった。後半は...。

本作の嫌な点は序盤のつまらなさ。初めの魚が捕れたところは面白かったんだけどそこからクラブでゾンビが現れるまでがずっと退屈。ペロアのパート以外全然ゾンビに関係ないから何観てるんだっけってなる。登場人物が結構多くて次々場面が変わるのもいまいちだったな。前作に比べると大分マシなんだけど。

僕はゾンビ映画で一番大事なのはゾンビの造形だと思ってるから本作が結構気に入っている。なぜこんなにも特殊メイクが優れているのだろうか。

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ロドリゴ・アラガオン作品 

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人身売買失敗 映画『スーパーナチュラル 監禁少女』ネタバレあらすじと感想

スーパーナチュラル 監禁少女

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:1/10

満足度:1/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2016年製作/86分

原題:SEIZURE

監督・編集:ジェイミー・シンバル、ライアン・サイモンズ

脚本:ライアン・サイモンズ

撮影:Coz Greenop

音楽:ベン・パーソンズ、ジャック・プーア

出演:ジミー・アレン、リンゼイ・ベネット=トンプソン、クリス・ブラックウッド、ジェラーデン・バースウィック、ロキシー・バグラー

あらすじ

人身売買の現場で謎の銃撃事件が発生。その場に居合わせた場所を用意していただけの小悪党らは、銃声を聞いて駆けつけた警察から逃げるため取引相手のセーフルームに向かったが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

”ルーマニアでは神聖な印を持つ女児はさらされて呪いをかけられ殺された。生け贄を捧げればライバルに勝てると信じられていた。”


ルーマニア

魔女みたいな容姿の老婆が何かを唱えている。浴槽には白い液体が張られており、少女が三角座りで座っていた。老婆は湯に血のようなものを垂らしている。
そこに2人の若者がやって来るともう待てないと言い、少女を布に包んで連れ出した。老婆は拳銃で射殺される。


少女は車に乗せられ、イングランドまで運ばれた。なにやら少女を巡って取引がされているよう。
取引の最中にトラブルが起きたのだろうか銃声が鳴り、場所の提供者が見に行くと悪そうな連中が額に穴を空けて倒れていた。
現場に残されていたのは昏睡状態の少女と人身売買する際に被害者をヤク浸けにする役割を持っていた女医。程なくして警察のサイレンが鳴り出す。
土地の提供者ら3人(リーダーのジム、荒くれ者のデイブ、ジムの養子で気の弱いペトラ)は女医の指示に従い雇い主エディのセーフハウスへと向かった。そこで門番と出くわし、事情を説明して少女の印を見せる。そのとき裏手のドアが急に閉まった。門番は買い手が来るからそれまでここで待てという。
女医は自分の腕に注射を打った。鏡に少女に似た霊が映る。
3人はこれからどうするかを話していた。ジムはとにかく門番の指示に従うこと、少女に近づかないことを決める。
夜になり、下っ端のペトラが見張りをしていたが途中で眠ってしまう。夢の中で少女に帰りましょうと言われた。目を覚ますと門番が助けを求めて手を伸ばしている。彼の首筋には噛み傷がついていた。
女医は最後の一本の鎮静剤を門番に打ち込んだ。薬がなくなったので買いにいかなくてはいけない。
ペトラと少女を置いて女医、ジム、デイブの3人は買い出しに向かった。
女医は車の中で昔経験した取引の話をした。少女が突然暴れだし、女医の首筋を噛もうとしたという。


ペトラは留守中にジムが隠した取引の金を見つけた。札をバッグに詰めていると女性の叫び声が聞こえる。少女はトイレに行きたがっていた。人のいいペトラは彼女を解放すると用を足させた。


車はドラッグストアに着き、女医が買い出しに出る。ジムも食料を買いに出た。


ペトラは少女と談笑していたが、自分の甘さに気づいて彼女に手錠をかけた。すると少女は彼女が現れると警告し始める。
叫び声を聞いて門番の元に向かうと彼の横に別の女が立っていた。ペトラは森に走り出した。途中で少女の手錠の鍵を持ってきてしまったことに気付き家に戻る。すると車が帰ってきた。
とりあえず金を詰めたバッグを捨てて戻り、適当なことをいってその場をかわした。
門番が死んでいることで一行は大騒ぎ。死体を森に捨てる。
少女の叫び声がこだまして全員で彼女の元に向かう。デイブが突き飛ばされて横腹を負傷。
ジムは金がなくなっているとペトラを責めた。ペトラは咄嗟に女医のせいだとジムに発破をかける。
その後ペトラは少女の元に行き、今夜絶対に助け出すと約束。


その晩、ジムとペトラは車に乗っていたが、突然ジムが姿を消した。不審に思ったペトラが車を降りると納屋には森に捨てたはずの門番の死体が。家の中を進むと蝋燭に囲まれてデイブが死んでいた。額には銃で撃たれた跡がある。さらに先ではジムがナイフを持って女医を殺していた。その後、彼はペトラに銃口を向け、ペトラは夢から覚めた。


車内で目覚めた彼は少女の救出を始める。泥酔して眠っているジムの胸ポケットから手錠の鍵を抜き取ると、少女を解放した。
そこにデイブがやって来てペトラを責めた。ここでもペトラはデイブを言いくるめ、女医を殺して金を見つけて見せると言い放つ。
ペトラは女医を連れて森に向かうと殺す機会を伺っていた。
ジムも家の周辺で金を捜索しているとペトラの隠したバッグを発見。家に戻るとデイブがあまりの痛さで喚いていた。
森では少女の霊が現れており、女医はそいつを追った。やがてトンネルにたどり着き、ペトラはその中でこの人身売買の目的を知ることとなる。PCの中にあった動画で少女は凌辱の果てに殺されていた。女医がペトラを殺そうとした瞬間、霊が現れると彼女を殺した。
家に逃げ戻ったペトラは軒先に隠していたバッグが見つかったことを知る。それと同時、ジムに頭を殴られて気絶した。

目を覚ましたペトラは縛られて転がされていた。少女を逃がせという彼にジムは熱した砂糖水をかけるという拷問を行う。そしてポリ袋を被して窒息させた。

そのころデイブは少女を犯そうとしていた。少女を手にかけようとした瞬間、背後から霊が現れて彼の首筋を噛みちぎった。
悲鳴に呼ばれてジムがやって来る。彼はデイブを射殺すると少女を殴って気絶させた。

ジムはペトラを殺そうとナイフを構えた。そのとき気絶していた少女が目を覚まして、手錠に繋がれた鎖でジムの首を締め上げた。
少女とペトラは車で脱出を試みるもエンジンがかからず。
2人は森に逃げ込む。そこにまだ生きていたジムが襲いかかった。ジムは霊に引き寄せられてトンネルに向かう。彼はそこで霊に切り裂かれて死んだ。

 

無事整備された道に出たペトラと少女は走行中の車を止めて乗せてもらおうとした。しかし、その車はこの取引の買い手が乗ったものだった。ペトラは射殺され、少女は後部座席に乗せられる。少女の目がミラー越しに赤く光った。

感想

久しぶりに外れを引いた。本作はあまりにもヒドい。ただ現に僕は最後まで見終えている。やめようと思ったタイミングはいくらでもあったけど。

一応幽霊が出て人を襲う作品なのだが、その方法があまりにも物理。噛みついたり、ひっかいたり、ナイフ使ったり。少女にも乗り移ってるって解釈で良いのかなあれは。心霊的な演出はちょっと扉が勝手に閉まる程度。

良かった点をひねり出すと最後にジムがペトラにやった拷問かな。熱した砂糖水をかけられて手がケロイド状になるシーンは良く出来ていた。ポリ袋で窒息させるシーンも。でも窒息のシーンは演技とかじゃなくてマジでやってる可能性あるな。低予算の作品で急にリアルな出血シーンとかあると本物を疑っちゃうよね。

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ゾンビが向かった先は... 映画『コリン LOVE OF THE DEAD』ネタバレあらすじと感想

コリン LOVE OF THE DEAD

コメディ度:3/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:4/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2008年製作/イギリス/上映時間97分
原題:Colin
配給:エデン

監督・脚本・製作・撮影・編集:マーク・プライス

製作総指揮:ジャスティン・ヘイルス

音楽:ジャック・エルフィック、ダン・ウィーク

特殊メイク:ミシェル・ウェップ

視覚効果:リー・クロコーム、ジャスティン・ヘイルス

出演:アラスター・カートン、デイジー・アイトケンス、リアンヌ・ペイメン

あらすじ

死者が蘇り、世紀末と化したロンドン。青年コリンは腕を噛まれてゾンビとなった。彼はかすかに残る記憶を頼りに街を徘徊するが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

 

コリンが血濡れたシャツを着て家に帰ってきた。彼は焦った様子で「ダミアン」と何度も呼ぶ。しかし、返事はなく諦めた様子で手と握っていたトンカチを洗った。外からは銃声と車の警報音が響いている。
コリンの袖口から血が流れ出た。シャツを脱ぐと大きな噛み跡が露になる。傷口を洗っているとゾンビが一体現れ、男の首に噛みついた。そのゾンビはダミアンだった。彼は台所にあった調理道具でダミアンを倒す。


コリンは服を着替えて自室で呆けた。しばらく経ち、彼は部屋から出る。鏡面には青白い顔が写っていた。彼は外に出ようとドアノブを弄ったがゾンビになったせいで知能が低下しており、一晩かけても開けられなかった。途中で足を滑らせて転び、後ろにあった窓からようやく外出。


町にはゾンビが溢れている。コリンも人肉を食べようとしたが他のゾンビに威嚇されて撤退。徘徊していると自殺者だろうか、空から1人の人間が落ちてきた。まだ息があったが、コリンはためらいなくそいつを食した。


歩いていると2人のゾンビが人間を食している場面に遭遇。コリンは2人にバレないようこっそりと耳をちぎって去っていく。人間はイヤホンを付けており、コリンはイヤホンとミュージックプレイヤーを手にして曲を聞いた。
マンションの上から2人の若者が男の様子を見ている。彼らはコリンからスニーカーを奪おうと企んでいた。若者らは羽交い締めにし、スニーカーを脱がせようと奮闘。そこにリンダという女性が現れてそれを止める。しかしその際、リンダは噛まれてしまった。リンダはコリンの姉らしいが、彼女の恋人はリンダを引き離した。


コリンはまたも歩き出す。彼は一件の家に入っていった。

軒先の死体が持っていたビデオカメラにズームインしたかと思うと、家の中で大量のゾンビに襲われている若者の映像が始まった。タイトルは”おぞましきゾンビの記録”。
映像が終わり、コリンの話に戻る。彼は家から逃げ出した1人の女性を追った。彼女は迫り来るゾンビを倒し、別の家に侵入。コリンも裏口から偶然侵入に成功。その家には1人の老人がおり、「ここは安全だ、安心して」と言い残すと戸締まりに向かった。
老人は彼女を部屋に残すと鍵をかけて閉じ込める。実は部屋には3人のゾンビがおり、老人はそいつらに人を食わせるのを娯楽としていた。3人のゾンビは老人の虐待で目を潰されている。
しばらく経つと老人が部屋を開け、女性を出すと首を絞めた。コリンはその横を気まずそうに抜けていく。


家から出たコリンが歩いていると、今度は3人程の若者に拉致された。彼は水を張ったバスタブに顔を突っ込まされた。若者らはその様子を観察している。それが終わると暴れないようにバスルームのカーテンレールに吊るされた。
部屋にはリンダがいた。彼女は弟であるコリンを正気に戻そうと試みている。写真を見せても効果なし。彼女は「実家でママを見ればきっと思い出すわ」と恋人に頼み込んだ。
コリンは麻袋を頭に被せられ、実家まで運ばれた。しかし、母親の姿を見ても効果はない。リンダは深く悲しんだ。恋人はリンダがコリンに噛まれたことを母親に暴露。喧嘩となったがすぐに仲直りし、3人で包容。コリンはガラス越しにもの悲しい顔をしながらそれを見ていた。

翌日、リンダが死んで母の泣き声がコリンのいる部屋にも響いた。
リンダの恋人がやって来てコリンを殴る。その隙にリンダの仲間が、リンダの死体を部屋に運び込んだ。
彼らは母親を連れて別の場所に移動することを決めた。母親が窓ガラスに新聞で目張りする。


コリンが部屋の中を歩き回っているとリンダがゾンビとなって甦った。彼女はドアノブを捻り外に出る。彼もそれに続いた。

外では武装した生存者がゾンビ狩りをしていた。手作りの爆弾やパチンコ、鈍器を駆使して次々とゾンビを倒す。コリンも爆発に巻き込まれ、顔の左半分を失った。そしてトンカチで顔を殴られて意識を失う。
生存者らも何人かが噛まれた。彼らはくじ引きを引き、外れを引いた人が噛まれた人を殺す。揉めに揉めたがなんとか作業を終えた。


コリンが目を覚ました。彼は歩き出してある一件の家にたどり着く。
そして記憶が呼び起こされた。

そこは彼女の家で、彼はいつものように遊びに来ていた。彼女はその日、玄関の鍵を開けっ放しにしており、バスルームに不審な女が入ってきたという。2人はおそるおそるドアを開け、ダンベルで殴り殺したが彼女が頬を噛まれてしまった。彼女は私を甦らさせないでと頼み、コリンに首を絞めて殺してもらう。しかし彼女は甦ってしまい、コリンの腕に噛みつく。コリンはトンカチを掴むと彼女の頭に振り下ろした。そして家に帰り冒頭に戻る。


彼女の家に帰ったコリンは亡骸の横で佇んでいた。

感想

たった6000円で作られたという本作はその通り随所に安っぽさが現れている。途中でゾンビが布きれを食べているシーンがあるのだが、あれはもしかしたら人間の腸を模した演出だったのかも知れない。それ程チープな出来なのだ。

しかし、数々の賞を受賞し、日本においても劇場公開された本作には安っぽさを上回るストーリーの良さがある。様々な作品が出回っている今だからこそ本作のストーリーだったり、ゾンビが主役という設定は目新しさもないが、当時は斬新だったのだろう。

コリンが恋人の家を目指すという大まかな流れが評価されているのは納得なのだが、個人的には無駄の多い作品に思える。なんか全体的に尺稼ぎじゃないかと思うくだりが多いのだ。コリンがおもちゃのブロックを拾ったり、音楽プレイヤーを手にするシーンや靴を盗られそうになるシーンは退屈に思えた。後は小道具を写すだけのシーンもやけに多い。

途中でビデオカメラが収めたであろう映像が流れるのだが、5分ほどの尺で内容があまりにもない。ただ家の中で襲われている様子だけ。しかも手持ちカメラで撮られていた設定なのに視点は次々変わるし、本作全編に言えることだが手ぶれがひどくて画面酔いしそう。

最後のシーンは確かに感動的な絵になっているけど彼女が馬鹿すぎないかと。戸締まりを怠ってゾンビに噛まれたのは自業自得過ぎる。コリンに殺して貰うシーンとか多分感動ポイントなんだろうけど「コイツ、戸締まり忘れて噛まれたんだよな」と思ってしまい笑ってしまった。

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女性の苛烈な復讐劇 映画『監禁/レディ・ベンジェンス』ネタバレあらすじと感想

監禁/レディ・ベンジェンス

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:2/10

リアリティ:8/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:6/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2015年製作/アメリカ/上映時間79分
原題:Bound to Vengeance
配給:ブロードメディア・スタジオ

監督:JM・クラビオト

脚本:キース・ジョーネス、ロック・シャインク

製作:ダニエル・ポサダ、ロドルフォ・マルケス、アレックス・ガルシア

製作総指揮:ロック・シャインク、アレクシス・フリドマン

撮影:バイロン・ワーナー

美術:アドリアーナ・セラーノ

音楽:サイモン・ボスウェル

編集:ホルヘ・マカヤ

出演:ティナ・イブレフ、リチャード・タイソン、ビアンカ・マリノフスキ

あらすじ

拉致・監禁された女性イブは、ある日犯人の隙をついて逃げ出すことに成功。自分以外にも多くの女性が別の場所に監禁されていることを知った彼女は、犯人に案内させながら女性を救出しに向かう。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

カップルが将来の子供に向けてビデオレターを撮っている。彼氏ロニーがカメラを持ち、彼女イブを写した。

 

男が大型バンに乗って荒野を走る。やがて一件の家に着くと料理を始めた。完成したものをお盆に乗せると、バラを添えて厳重にロックされた地下室に運ぶ。

地下室にはイブが横たわっていた。彼女は布団の下に隠していたレンガを取り出すと男性の頭を何度も殴打。自分が繋がれていた鎖で男性を繋ぎ、鍵を奪って逃げ出した。外に出た彼女は周囲に民家がないことに絶望。車に乗ったが、車の鍵がないことに気付いて家に戻る。
途中で電話を見つけたが不通。物置で拳銃と自分のSNSのコピー、他の被害者のポラロイド写真を見つける。シャワーを浴びて服を着替えた。
イブは男に尋問を始めた。ポラロイドには名前と番号が振られており、鍵にも同じ番号が振られていた。男が監禁していたのはイブだけではない。彼は俺を殺すと他の4人の女も死ぬことになるぞと脅した。
イブは風呂場のポールで拘束具を作成(逃げようとすると強く絞まるもの)。男の首にかけると車に乗せ、別の女性の場所に案内させる。


1件目、ニーナの監禁部屋に到着。男はニーナを解放させるのに反対した。彼女はひどく錯乱しており、解放されると同時走り出して躓くと先にあった柵に刺さって死んでしまった。男はあんな部屋でも彼女にとってはマシだったと言った。


2件目、ローラの監禁部屋に到着。ローラは頭と腕に拘束具をはめられており、イブは男に外すよう指示。ローラはなぜ来たのと不満げな顔。男は彼女に、「お前の座を狙おうとしている」と耳打ちした。解放されたローラはイブに飛びかかり揉み合いに。ローラが武器を振り上げたことから、イブは仕方なく彼女を射殺した。次いで男の足を撃つと木材でタコ殴りに。
男は「これ以上やっても無駄だ。俺を警察につき出せば終わりだろう」と言った。イブはそれなら殺すと銃を構える。男は独白を始めた。「俺はお前を苦しめたか。犯してもないし手も触れていない。ロニーが望んだ」と言う。イブは驚いた。男は続けた「お前が消えてロニーは探し回った。しかし、あるときもっと重大なものを見つけた。次の女リーのあとに見せる」と。


3件目、リーの監禁部屋に到着。男の手足を縛って車に残し、イブが単身で乗り込んだ。リーは怯えた様子で”奴らが来る”と縮こまっている。しばらくすると二人組の男がやって来た。彼らの目的はリーの強姦。イブは彼らと鉢合わせた瞬間に発砲し、2人を倒してリーを救出した。その様子を見ていた1人の男が逃げ出す。車に戻ったイブは男に次の女性カトリーナの場所を聞き出すが、リーが「そいつは私を監禁した男だ」と殺そうとする。なんとかその場をなだめ、イブはロニーについて尋ねた。サウス101に行けと言う。


サウス101に到着。4番のドアを開ければ全てが分かると男は言った。施設に入るとそこは監獄のように長く、廊下にいくつもの部屋があった。4番の部屋には沢山の女性が。そのうちの1人が「ある男に連れてこられた。買われると外に出られる」と発した。
ここにいる女性らの救出と通報をリーに任せるとイブは次の女性を助けるため車に戻った。
車に男の姿がなく脱走されたと思った矢先、大男に捕らえられた。イブが目を覚ますと車内で、男に拘束されている。大男がイブの足を撃とうとした瞬間、役割を終えたリーがやって来て奴を殺した。
イブは男から次の住所を尋ねた。ブラウン1404に向かって車を走らせる。リーは警察の対応をするためにサウス101に残った。
男の携帯から音が鳴る。内容は男の妻からで”フィル、帰りにシリアルを買ってきて”という家庭的な内容だった。


ブラウン1404に到着。リビングのソファでロニーが寝ていた。イブは彼に拳銃を向けた。ここはイブの知っているロニーの家ではない。彼女は不審に思っていた。
すると別の部屋から女性のうめき声が聞こえる。さらに横に置かれていたファイルには別の女性とのツーショット写真が。
イブはロニーに隣の部屋の扉を開けさせた。中には女性が監禁されており、イブはロニーを射殺した。
車の中の男が手の拘束をほどき、隠していた鍵を使って脱走を試みる。しかし、エンジンがかからず出てきたイブが銃で威嚇した。

サウス101に警察がやって来て女性らが救出される様子と今までに死んだ男性らの映像が映される。

イブは最後の住所に向かった。そこは男の家で、彼女は男を玄関に転がすと呼び鈴を鳴らして去っていった。
イブは妹と共に監禁されていたが、彼女は栄養失調で死んでいた。それを思い返したイブは男の家に戻る。家には男の他に妻と娘がいる。

感想

イブは最初の段階で警察に男を突き出せば良かったのではと思ってしまった。彼女はただの一般女性で、戦いに長けているとは思えない。もちろん救出活動においても素人。復讐ものとしてイブに無双させたかったのは分るが、男性らがあまりにも丸腰で手応えがない。

ロニーが同じく監禁に手を染めていることは早期から匂わされていたため意外性は無かった。ロニーが組織に入ったきっかけはフィルと彼の証言が一致していることから事実なのだろう。ロニーは行方不明になったイブの捜索に懸命になりすぎて職を失った。捜索の最中に彼は女性を拉致・監禁する組織の存在に気付き、どういった経緯を経たのか組織で働くことに。となると彼は、イブが捕まったことを知りつつも助けようとはしなかったことになる。組織の待遇が良かったのかな。

本作の見所はやはりバイオレンス描写。ことある毎にイブに殴られてボロボロになっていくフィンの姿が面白い。あとは監禁されていた女性の部屋を一室ずつ回るというストーリー。次の女性はどんな人かとワクワクした。

鑑賞して何か得られるとは思わないけど暇つぶしには十分なると思う。

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女性を監視するだけの簡単なおしごと 映画『監視者 のぞき穴』ネタバレあらすじと感想

監視者 のぞき穴

コメディ度:1/10

グロ度:1/10

感動:1/10

リアリティ:5/10

人に勧めやすいか:3/10

満足度:7/10

目次

作品情報

www.youtube.com

2015年製作/オーストラリア/上映時間86分

原題:Observance

監督:ジョセフ・シムズ=デネット

脚本:ジョセフ・シムズ=デネット、ジョシュ・ザミット

撮影:ロドリゴ・ビダル・ドーソン

音楽:エイドリアン・セルゴビッチ、ハイドン・ウォーカー

編集:チャールズ・アイボリー

出演:ステファニー・キング、リンゼイ・ファリス、クリスチャン・ウィリス、ベネディクト・ハーディ、トム・オサリバン

あらすじ

パーカーは雇われて一人の女性を監視していた。監視を続けて1日に1回電話で様子を伝えるだけで大金が貰える割の良い仕事だったが、徐々にその様子はおかしくなっていく。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

モノクロで海に面した岩場の様子が映される。崖の様に切り立った岩場には裸足の足が。

男パーカーが女性をストーキングしている。彼女が家に帰るとパーカーは電話線を弄って盗聴を開始。そして彼は指示された通り128オーバールック通りの一室に潜伏を始めた。

1日目。パーカーは窓から向かいの建物に住むターゲットの女性を盗撮していた。雇用主から電話がかかり、様子を聞かれた。彼は毎日同じ時間に電話をかけるという。
用意された部屋は壁一面に新聞が張られ、ペンキ缶が置いてある。暗くなったので明かりを点けた。彼は寝具を用意して眠りにつく。モノクロの海が映り、フジツボ、虫と不快なイメージが切り替わる夢を見た。


2日目。ターゲットの部屋はカーテンが閉められていたので盗撮ができない。彼女はキャスゲート研究所という場所に電話をかけた。パーカーはそれを盗聴する。ブレット・ブキャナン博士に体調不良で休むことを伝えた。
パーカーはネットでキャスゲート研究所を検索すると、載っていた電話番号に電話をかけた。そして女性について聞こうとしたが電話を切られる。
義理の弟チャーリーが部屋に差し入れを持ってきた。彼とはこの仕事のことと喧嘩中の婚約者レイチェルについて話した。どうやらパーカーはこれが初めての監視ではないらしい。期間は数日とのこと。チャーリーは去り際に請求書を渡した。ルーカス小児病院からのもので額は1100万円。パーカーの子供だろうか、死亡したとも書かれている。

チャーリーが帰った後、パーカーは何者かにブレットと父親ジョージのことを調べてくれと電話で依頼。出来上がった資料を通りまで持ってきてくれと頼んだ。

その晩、女性はドレスを着込んでおり、部屋には同じく礼服を着た男性が。2人は揉めている様子で男性が手をあげた。カメラに気づいたのかパーカーとばっちり目が合う。
パーカーは依頼主に話をさせろと電話で雇用主に頼んだが断られた。彼はキャスゲート研究所について調べた結果を伝えるが、女だけに集中しろと注意される。
女性が外に出たのでパーカーも急いで外に出た。しかし彼女は外出を取り止めて部屋に戻る。セットした髪を解くと着替えのためかカーテンを閉めた。
パーカーは良い機会だと夕食を用意する。キッチンの窓硝子に張られた目張りが外れていたので修繕。足元に置かれたペットボトルにはヒルのような生き物が泳いでいた。次いでシャワーを浴びると突然高温になって背中を火傷する。

パーカーはその晩も奇妙な夢を見た。岩場に彼と小さな少年が居るのだが、少年は目と口から血を流していた。


3日目。撮った画像を確認しているとターゲットの女性ではない女の人影を見つけた。それについて考えていると、雇用主から電話がかかる。監視の日数を増やして欲しいとのことで、金につられた彼は承諾。
女性が電話を始めた。どうやら相手は友人らしく、他愛ない会話をしている。「シャワーに行くわ」と電話を切ったのでパーカーは大胆な行動に出た。彼女の家に侵入すると隠しマイクを設置。そこに電話がかかり危うく姿を見られそうになったが脱出した。
その晩、またも男性と喧嘩していたが音割れがひどく内容は分からない。しばらくすると男は帰っていった。
パーカーは仕事が延長になったので誕生日会には行けないとチャーリーに留守電を残す。
ブレットについての資料を受け取りに外へ出た。通りには一台の車が停まっていて、中には老人が乗っている。彼はブキャナン一家について興味深いことを教えてくれた。ブレットの父は昔、伴侶を亡くしていた。一家の留守中に管理人ウェルター・ムーアの手によって絞殺されたらしい。その後、捕まった管理人は自殺した。未発表の資料だから扱いに気をつけろと警告を受ける。
その晩も彼は夢を見た。殺されたブレットの母と性交するもの。


4日目。Tシャツを脱ぐと火傷あとがくっついていて痛みを伴った。いつも首にかけていたペンダントが無いことに気づく。マットレスを裏返して探すと中には腐ったネズミの死骸が。ビニール袋に入れて捨てに行くと女性の部屋にいた男性と接触。彼はパーカーに「帰ってくれ。君には分からない」と話しかけて去っていった。
部屋に戻ったパーカーは、電話で雇用主に相談するも監視を続けるよう言われた。依頼主は彼でないとも。
彼は再び謎の女性が映る画像を見て、あれは反射した自分ちの台所の窓だと気づく。そしてカメラをビデオモードにし、台所の新聞をはがした。その後映像を確認すると、剥がしたはずなのに窓はそのまま。そして異音がしたので別室に移動した。ベッドルームにあった黒いヘドロの詰まった瓶が落ちたらしい。そちらに向かうと今度はキッチンから音がする。キッチンの窓でがっつりターゲットと目があってしまった。彼はとにかく眠った。

夢なのか現実なのか、床に散らばった瓶の中身は黒いヘドロと眼球。彼は眼球を足で踏みつける。


5日目。雇用主からの電話に対してなにも問題ないと答える。パーカーの右手にはヘドロが。手を洗おうと向かった洗面台で彼は口から大量のヘドロを吐き出した。食あたりかと思った彼は冷蔵庫の中身を全てゴミ袋に詰めた。
パーカーは録音ファイルを確認。チャーリーに風邪薬を買ってきてくれと留守電を残す。音声のなかに「見るのをやめて」という囁きが入っていてパーカーは驚愕。急いで雇用主に電話をかけたが出ない。
いつの間にか寝てしまい息子の夢を見た。息子は前回と同様に目、口、耳から黒い液体を流している。一言「あれがいる」と発したところで目を覚ました。


6日目。レイチェルに留守電をいれた。今度の金は病院に入れると。
パーカーはシャワーを浴びながら手首を切った。その瞬間血だらけの女性が鏡に映り、驚いた彼は転倒。チャーリーと岩場で釣りをしている様子が映る。やがてチャーリーは死んだ様に倒れて動かなくなった。「奴らの標的はあの女だ」といつのまにかそばに立っていたムーアが言う。続けて「奴らのせいで俺は切られた」と発した。

目を覚ましたパーカーは冷蔵庫の中身を詰めたごみ袋を捨てに行った。近くのごみ捨て場からハエの羽音がするので扉を開けると中には獣の死体が。そしてパーカーの無くしたペンダントが吊るされていた。
彼は急いで部屋に戻り、雇用主に電話で辞めると宣言。雇用主は止めようとしたが、パーカーが「本当の目的は何だ」と聞くと電話を切った。
部屋の扉が何者かに叩かれる。ドアを開けると顔の崩れた女性が立っていてこっちに向かって来た。パーカーは別の部屋に逃げ込み、扉を閉めてやり過ごした。
電話の着信音が鳴り響き、彼はおそるおそる部屋を出る。荷物をまとめて玄関のドアを開けると海の岩場に繋がっていた。仕方なく部屋に戻り受話器を取ると、相手はターゲットの女性だった。彼女が何を言っていたのかは分からないが、ピーターはいいえと答える。
女性の部屋の外で男性が泣きながら電話をしていた。「彼女は納得しない。なぜ彼女なんだ」と相手と揉めている様子。
彼は電話を終えると彼女の部屋に入り、「テニール、なぜまだここにいるんだ。ここから離れよう」と声をかける。女性はそれを拒み、「ブレット、やめて」と言う。どうやらさっきの電話相手は父親らしい。彼女はブレットを追い出した。
向かいに潜伏するパーカーの撮影に気付き、窓を見ると下で倒れているブレットが目に入った。
彼女は警察の取り調べを受ける。彼に会いたいと訴えたが、警察はブレットの親に止められていると彼女を制止。


7日目。目を覚ましたテニールは買い物に出掛ける。ふと、パーカーの家のドアをノックしたが彼は出ない。買い物から帰るとパーカーの部屋の新聞が剥がれていてカメラがあらわとなっていた。文句を言うため、再びノックするが鍵が開いていたので侵入。パーカーは奥の部屋で熊の頭部の前に立ち、壁を黒く塗っていた。驚いたテニールは逃げ出そうとするが玄関のドアが開かない。彼女は仕方なくパーカーに話しかけようとしたが、彼は彼女を見るなり襲いかかって撲殺した。そして颯爽と扉を開けて外に出ていく。
死体の手にはペンダントが握られていた。
部屋から出たパーカーは電車に乗り込む。彼の腕時計に血液が一滴垂れ落ちた。

感想

じめっとしたホラー映画でなかなかの良作なのではないだろうか。不快感を出すためのグロテスクな演出やスッキリとしない終わり方が気に入らない方もいるとは思うけど僕は好きだった。

結局依頼主は誰だったのか、その目的が何だったのかといった事の答えは提示されず、さらに細々とした謎も多く残る作品で見終わった後のモヤモヤもまた心地よい。こういうことに違いないと答えを提示することは誰にも出来ないが、自分なりの考えを書いていく。

まず、なぜテニールが狙われていたのか。これはブレットと結婚を考えていたからとしか考えられない。彼の母親の事件とも重なるのでこれは間違いないだろう。ただ結婚後に殺された母とテニールでは関係性に大きく違いがあるのは否めない。

ブレットの母を殺した管理人のムーアは、パーカーが浴室で気絶した際に見た夢の中で何かを監視しているようだった。彼も母の監視を請け負っていたのかも知れない。話の流れから考えても、ムーアの役割をパーカーがやらされていると考えるのが妥当だろう。

問題は両者が一体誰に依頼されたのかだ。ムーアに関しては考察の余地がないが、考えられるのはブレットの父が命じた可能性。ただそれより前の情報が無いので彼が始めたことなのか、代々行われてきたものなのかは分らない。

パーカーは誰に依頼されたのか。単純に考えるとブレットの父ではないだろうか。ブレットは電話で父と揉めている様子だったし、テニールを逃げさせようとしていた。彼は父の計画を知っていて、ここにいると危険であると知っていたから彼女と逃げようとした。憶測に憶測を重ねるようだが、家の女性を殺すことはブキャナン一家の儀式だったのではと考えられる。ブレットは父との電話で「彼女は納得しない。なぜ彼女なんだ」と言っていた。これは結婚後に殺された母とテニールの妻と彼女という関係性の違いについて言っているのではないか。

正直パーカーの身に起きたことについては考えようがない。彼は監視を始めてから徐々におかしなものを見るようになった。その原因はもしかしたらチャーリーの持ってきた食料にあるかも知れない。チャーリーもまた、ブレットの父に依頼されて何らかの薬品や魔術の掛かった食料を運ばされていた可能性がある。そう思った一番の理由はチャーリーが音信不通になったことだが、他にも請求書の件もある。パーカーとその妻レイチェルとの子にかかった治療費だが、額は1000万を越えておりとても返しきれる額ではない。さらにパーカーはレイチェルへの留守電で「今度の金はきちんと病院に払う」とも言っていた。今まで払ってこなかったのだから義弟のチャーリーから見てやっかいな存在だったのではないか。

ペンダントや瓶に入ったヘドロと眼球、熊の死体に関しては深い意味は無いのではと思う。もしかしたら呪術的なアイテムの可能性はあるが。

長々と書いたけど要約はこうだ。何らかの理由でブレットの恋人を殺害する必要があったブレットの父は、犯人役としてパーカーを用意。さらにパーカーに異常をきたすため、彼の義弟であるチャーリーを使って細工のある食料を食べさせた。最終的にブレットの抵抗空しく、テニールは策略通りパーカーに殺害された。

あくまで僕が思った考察だから他の人は別の解釈をするかも知れない。本作は説明が少ない分、様々な捉え方が出来ると思う。それを楽しめるかどうかで評価が変わりそうだなと思った。

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 虚実分らなくなる映画

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100年の時を経て、怪物が蘇る 映画『ブラッディ・タイム ドラキュラの頭蓋骨』ネタバレあらすじと感想

ブラッディ・タイム ドラキュラの頭蓋骨

コメディ度:8/10

グロ度:2/10

感動:3/10

リアリティ:3/10

人に勧めやすいか:7/10

満足度:5/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2016年製作/アメリカ/上映時間80分

原題:I Had a Bloody Good Time at House Harker

監督・編集:クレイトン・コグスウェル

脚本:ジェイコブ・ギブンズ

音楽:ティム・スローン

撮影:マックス・マーゴリン

出演:ノエル・キャロル、ジェイコブ・ギブンズ、デレク・ハウゲン、ミーガン・オニール、ホイットニー・ムーア、アーラン・ゴッドハーブ、ネイサン・ローチ

あらすじ

人間をヴァンパイアに変える能力を持つ頭蓋骨を何十年も守り続けていたハーカー家。しかし伝承は薄れて人々はそんな事を忘れており、一家でさえも信じていない始末。そんな中、本物のヴァンパイアが復活して...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

ドラキュラは死んだ。彼を葬ったジョナサンと妻のミーナは息子を連れ、アメリカに身を隠した。だがそのハーカー家を追うある存在があった。

1912年、薪割りをする息子の前に生首を持ったヴァンパイアが現れる。彼はドラキュラ伯爵の力を引き継いでいた。

 

ここで場面は現実世界に。これまでの映像は現在のハーカー一家が行っていた劇だった。

 

父が身を呈して息子を守り絶命。彼はヴァンパイアの体を全身燃やせと命じたが、息子は言い付けを守らずに頭蓋骨をとっておいた。

 

この劇は州の監視員に見せるためのもの。ハーカー家は実際にヴァンパイアの言い伝えが残る家系で、郡から歴史的価値のある家の修繕費500万円が出されていたが一家の男どもはその金を使ってヴァンパイア劇場を作り上げた。もちろん監査員からはお叱りを受ける。

この家に暮らしている家族は売れない役者ジェリー、鉛筆が友達のチャーリー、妹に恋するネッド、唯一まともな妹のペイジ。ペイジは保安官のウェインと婚約しており、たまにしか家に来ない。

ネッドは商店でアルバイトをしていたがクビに。それを見かねた兄弟はその晩、バーに連れて行った。彼は一家に伝わるヴァンパイアの頭蓋骨を見世物にしようと提案したが、チャーリーに止められる。チャーリーは1990年、ヴァンパイアの頭蓋骨で遊んで痛い目を観た記憶があった。バーでジェリーの出演した映画の予告が流れる。あまりにださい映像に店は沸き上がりジェリーがからかわれた。彼らは居心地が悪くなり店から出ていく。

家に着くと玄関が開いており泥棒が入っていた。彼は銃を向けて3人を椅子に座らせるとステージにあがってふざけ始める。そのときヴァンパイアの頭蓋骨に彼の血が付着し、ルーマニアでヴァンパイアが復活。泥棒は劇の仕掛けの誤作動で死亡した。彼らは死体を処分する羽目になる。血を掃除するために起動させた掃除機が死体の首筋に吸い付き、死体の血液を全て抜いた。

隣家に住むウェルターがやって来た。彼の妻メイビスはハーカー家を嫌っており、常に監視している。ウェルターは様子を見てこいと命じられたが、適当な世間話をして帰って行った。

3人は死体を布でくるむと、橋の上からものすごく浅い川に落とした。死体は数時間後、川で立ちションしていた警察に見つかる。

一仕事終えた兄弟はペイジの働くカフェで朝食を食べた。そこにいた学生にチャーリーがバカにされ、一行は店を出る。

死体の検視が行われたが、ウェインは周りに言いふらさないよう検視監に強く言った。しかし、検視監はバーで全てを話してしまう。噂はすぐに広がり、ヴァンパイアと言えばハーカー家だと群衆が詰め寄せる。彼らはてっきり殺人がばれたと思い彼らを帰らせてしまった。

隣家のメイビスが銃を向けてハーカー家に押し入ったが、年のせいか突然死。すると旦那のウェルターはこの死をお金に変えようと3人を焚き付けた。ヴァンパイアの仕業に見せかけるため、メイビスの首筋にドリルで穴を空ける。

ウェルターの指示通り、メイビスの死体を庭先に置いて彼が通報。そして服を汚した3人がやって来て報道陣に私たちヴァンパイアを倒したと言う。しかし報道陣もバカではなく、ヴァンパイアの存在なんて信じなかった。ジェリーは問い詰められ、今度証拠を見せると口走ってしまう。

翌日ウェルターも交えた作戦会議。ヴァンパイアの頭蓋骨を公表しようかと考えたがチャーリーが隠してしまった。ジェリーは名案を思いつく。ヴァンパイア役の人を雇って劇をすることに。

この頃ルーマニアのヴァンパイアはシカゴに到着。

ハーカー一家はヴァンパイアハンターの服を着て舞台の準備を整えた。雇った役者もヴァンパイアに扮して屋敷に向かっている。

ショーは大盛況で何人もの観客が集まった。中にはヴァンパイアに関する小説を書いてヒットした作家も。ペイジは兄の無責任さに嫌気がさして荷物をまとめ始めた。

 

ヴァンパイアの役者が道中、本物と接触。役者は惨殺されてしまう。

 

3人が家のことで悩んでいるとヴァンパイアが現れた。彼らは役者だと思っていたので地下室に連れ込む。ヴァンパイアは地下室にあった頭蓋骨を吸収し、力を得ると会場にいた人々を次々とヴァンパイアに変えた。

男らがようやく異変に気づく。家のなかはヴァンパイアに溢れていたが、すべてのドアには十字架がかけられており、奴らは外に出られない。放っておいて朝になれば日の光で死ぬだろうとバーに行こうとしたが、ペイジがいることを思い出した。彼女はヘッドホンを付けていて騒ぎに気づいていない。

勇敢な婚約者ウェインは助けに向かったがヴァンパイア化。

ネッド、チャーリー、ジェリー、ウェルターは各々武器をもって奴らに立ち向かった。木の杭を刺して倒すのだが、ヴァンパイアは死ぬときに破裂する。途中でウェルターが犠牲となった。

3人はペイジの部屋にたどり着いたが、彼女はすでに自力でヴァンパイア達を倒していた。

元凶のヴァンパイアにネッドが噛まれてヴァンパイア化。さらにヴァンパイアは念力を使ってジェリーを追いやった。チャーリーは勇気を振り絞り、後ろから友達の鉛筆を刺して奴を倒した。

ボスを倒したことでネッドが元に戻る。さらにウェインとウェルターも無事だった。彼らはヴァンパイアになってから致命傷を受けていなかったが、他の住民達は体中に杭を打たれていたので単純に死亡。

感想

前情報無しで見て冒頭のシーンが単純に出来よくて当たり引いたと思ったんだけど、まさかの劇中劇。コメディ映画とは知らなんだ。最初っから脊椎付き生首が出てきたから期待したんだけどね。まさかそこが残酷描写のピークとは。ホラー映画だと思ってたから面食らったけどコメディとしてはそこそこ面白いのでないだろうか。

一応家族愛がテーマなんだろうけどまあうっすい。ヴァンパイアが出るまでは普通のコメディだからコメントしにくいな。ヴァンパイアとの戦闘はユニークで良かったけど。

ブラッディ・タイム ドラキュラの頭蓋骨(字幕版)

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ヴァンパイアコメディー

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アフリカゾンビ襲来 映画『ラスト・オブ・ザ・デッド』ネタバレあらすじと感想

ラスト・オブ・ザ・デッド

コメディ度:1/10

グロ度:2/10

感動:1/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:5/10

目次

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作品情報

2016年製作/南アフリカ/上映時間75分
原題:Last Ones Out

監督・脚本・編集:ハワード・ファビー

製作:ハワード・ファビー、グレッグ・クリーク

撮影:ティミー・ヘニー

音楽:ゼス・マシカ

出演:グレッグ・クリーク、クリスティア・ビサー、Tshamano SebeVukile Zuma

あらすじ

アフリカ南部でゾンビパンデミックが発生。迅速な対応によりアフリカ全域で避難が行われたが、地方は見捨てられた。地方の病院に取り残された人々は脱出を試みる。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

アフリカ南部、男性が何かに追われて草原を走っていた。町に着くと彼は住民に、奴らが来ると忠告した。

 

2015年末、アフリカで未知のウィルスが蔓延。数時間で全域が避難したが地方に救助は現れなかった。

 

3日前、南部州立病院。患者ヘンリーが病床で目覚める。彼は今朝に虫垂炎の手術が行われるはずだったが、手術が行われた痕跡はない。病院には医者が一人しかおらず、何らかの問題が起きて後回しにされた様子。ヘンリーの彼女ローリンが見舞いに来る。ヘンリーの施術が終わってないことに苛立った。

問題の患者は未知の病に罹っていた。発汗がひどく、瞳孔が開いている。医者のサネットはその症状から隣町で発見された新種のウイルスではと見当をつけ、看護師のシセコを情報収集に向かわせた。

 

ヘンリーの手術準備が整う。彼が麻酔で眠らされると同時、別室に寝かされていた問題の患者が暴れだした。


ヘンリーが目を覚ましたとき、病院内には悲鳴がこだま。彼は麻酔の影響で起き上がれず、ただ怯えながらシーツに隠れるしかない。

 

8時間後、ヘンリーは血だらけになった医者サネットに助けられた。彼女はまだ不自由な彼を車イスに乗せて歩きだす。ヘンリーは電話させてくれと頼んだ。

ナースセンターに運ばれた彼はローリンに電話。彼女によると町全体が封鎖されており、護送車で空港に運ばれるそう。病院から最寄りの空港はハーベルにある。彼は麻酔が解けたため立ち上がった。

センター内にナースコールが鳴り響く。サネットは助けに向かった。押したのは咽頭ガンで入院中の高齢者パトリック。彼を救出している最中、ゾンビと遭遇。ものすごい勢いで2人は追われた。途中でヘンリーと合流し、一室に避難。

閉じ籠っていると反対側の扉が開き、隣町から帰ってきたシセコとツレのヴィンセントが助けに来た。

彼らの用意した車に乗って避難するがパトリックが出遅れる。彼はゾンビに噛まれてしまう。シセコの息子アヤンダを助けるため、車でジャルビを目指しているとヘンリーの虫垂炎が悪化。適当な家に入って臨時の手術をすることに。ビリヤード台の上に寝かされた彼は割れたガラスビンで切開される。手術の途中、一体のゾンビが家を襲った。彼らは急いで車に戻る。

 

草原の真ん中でガス欠。歩きでジャルビを目指そうとするシセコにヘンリーはハーベルに向かう方がいいと言う。護送車は空港のあるハーベルを目指しているので、護送車のルートを見つけるべきだと説得。一行はハーベルに向かって歩きだした。

 

2日後、彼らは未だに草原を歩き続けていた。途中の小川で休憩をとる。
サネットと歩きながら談笑していたヘンリーだったが、差別的な発言をして険悪な空気に。ヘンリーは小便するフリをして彼女ローリンに電話をかけた。彼女はヘンリーを待たずに出発するつもりらしい。
3人はヘンリーの小便を待っていたが、彼の帰りがあまりに遅いのでヴィンセントが様子を見に行く。ヘンリーはゾンビに襲われており、ちょうど彼に助けられた。逃げている最中に電話を落としてしまうが、彼らは岩の影に隠れて難を逃れた。
サネットが電話を拾ってシセコと共にハーベル郊外に到着。ローリンから着信があり、ヘンリーが1人で飛行機に乗ろうとしていたことが発覚。
合流したあとその事を詰められたヘンリーはヴィンセントを人質にとり、電話を奪って逃走。しかし、ヴィンセントからの不意打ちを受けて捕まった。
シセコはヘンリーに「避難場所までお前を連れていくが、食料と水を供給しろ」と言い渡した。
その晩、火を起こして夜営していたが1体のゾンビが寝込みを襲う。誰も噛まれはしなかったがシセコが重症を負ってしまった。さらにヴィンセントの目にゾンビの体液が入る。

一行は歩きだし、ハーベルに到着。救助隊を待ちながら眠りについた。翌朝、救助隊の車両が通りかかって目を覚ます。シセコは死んでいた。サネットとヴィンセントが死を悲しむ中、ヘンリーはすまないと言って救助車に向かう。救助車に乗っていたローリンとなにやら口論している様子。
彼は救助車から発煙筒とGPSを貰って帰って来た。翌朝、デュアゾンに救助ヘリが来るそう。彼は改心し、アヤンダを探すことに。

 

ジャルビ居住区。アヤンダは生きており、ゾンビから身を隠して生活している。
3人がジャルビに到着。3体のゾンビと遭遇するもアヤンダを助け出すことに成功。彼にシセコの死を伝えた。
デュアゾンまで徒歩半日、彼らは歩きだした。
デュアゾン難民キャンプに到着。そこは人が誰も居ないどころか廃墟のよう。彼らはそのうちの1つの建物に籠城することを決意し、板で出入り口を塞ぐ。一段落し、サネットはヘンリーの肩に首を預けて眠りについた。するとヴィンセントがゾンビ化し、3人に襲いかかる。ヘンリーがヴィンセントと揉み合い、腹部を負傷。なんとか屋上に逃げ出したが、ヴィンセントが咆哮をあげて周囲のゾンビを集め始める。
ヘンリーはサネットとアヤンダを救うため、自ら囮となる道を選んだ。サネットに発煙筒とGPSを渡し、自身は地上に降りてゾンビ共を引き寄せる。ヘンリーが一室に逃げ込んだとき、ヘリの音が鳴り響いた。そこにサネットがやって来る。2人は逃げるでもなく互いに抱き寄せた。

 

救出されたのはアヤンダ1人。上空を飛ぶヘリの中で彼は、シセコの形見であるブレスレットを握りしめた。

感想

低予算なのがひしひしと伝わる。クライマックス以外でゾンビは基本単独行動。そこそこ広大なジャルビ居住地においても数体のゾンビしか遭遇しない。ラストは大量に出てくるが暗がりで顔がよく見えなかった。多分全編通してまともにメイクの施されたゾンビは10体もいないのではないだろうか。

もちろんお金が掛かるような残酷シーンもとても少ない。安く抑えられるからかシセコ、ヘンリーが負うケガはどっちも壁から伸びる鋭利な物体に背中や腹が刺さるというもの。パトリックがやられるシーンは直接的な描写がなく、カメラは目撃者の表情だけを写していた。本来なら見せ場となるようなシーンがことごとく外されているので見終わった後の印象が薄い。なんか走って逃げてたなって印象。

良かった点は最低限ゾンビ映画と言えるようなクオリティーに達していたこと。ただこれはそれなりにゾンビ映画を観てきた人間の一意見に過ぎない。というのも本作はゾンビが本当に恐ろしいモノだと誇示するシーンが予算の都合上存在しない。ゆえに他作品を観てきた者はゾンビの恐ろしさについて無意識のうちに頭の中で補完されるが、これが初見となると何が怖いのか分らないのではないだろうか。説明不足な点は否めないが、脳内でゾンビを補いながら鑑賞すると話はそれなりにまともなので楽しめる。

最後にサネットが来るシーンは何だったのか。ヘンリーを助けに来たのか、己もまたアヤンダを守るため犠牲となったのか分らない。この映画、救助車のローリンとの会話もそうだけど解釈を分かれさせるためか、重要そうな会話シーンを音で打ち消したりするんだよね。それは気に入らなかったな。

本作が気に入った方は同じくアフリカを舞台にしたゾンビ大陸 アフリカン [DVD]とか好きそう。

蔦が身体を包み込む 映画『パラサイト・バイティング 食人草』ネタバレあらすじと感想

パラサイト・バイティング 食人草

コメディ度:2/10

グロ度:4/10

感動:1/10

リアリティ:2/10

人に勧めやすいか:5/10

満足度:6/10

目次

www.youtube.com

作品情報

2008年製作/アメリカ/上映時間91分
原題:The Ruins

監督:カーター・スミス

脚本:スコット・B・スミス

原作:スコット・スミス

製作:スチュアート・コーンフェルド、ジェレミー・クレイマー、クリス・ベンダー

製作総指揮:ベン・スティラー、トリッシュ・ホフマン、ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム

撮影:ダリウス・コンジ

音楽:グレーム・レベル

編集:ジェフ・ベタンコート

出演:ジョナサン・タッカー、ジェナ・マローン、ショーン・アシュモア、ローラ・ラムジー、ジョー・アンダーソン

あらすじ

メキシコのリゾート地へバカンスにやってきた2組のアメリカ人カップル。現地で知り合った青年らに誘われてマヤ遺跡の探検に出かけるが、それは恐怖の始まりだった...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

汚れてやつれた女性が暗い穴の底のような所で怯え、助けを求めている。彼女は携帯のボタンを何度も押すが反応は無い。すると周囲の暗闇から人の笑い声がして、何者かに闇の中へと引きずり込まれた。

 

メキシコのリゾートホテルでバカンス中だったアメリカ人カップルの二組、医学生のジェフとエイミー、ステイシーとエリックは、ひょんなことで知り合ったドイツ人のマティアスに誘われ、地図に載っていないマヤの遺跡に行く事になった。参加するのは彼らの他に、マティアスの友人ディミトリと別動隊で行くディミトリの友人のギリシャ人2人。すでにマティアスの弟ハインリヒは考古学者の彼女と向かっている。

 

彼らはその晩、海辺のパーティーで浮かれてジェフは悪酔いしたエイミーを気に掛けながらも先に帰った。酔ったエイミーはマティアスに近づくが、ステイシーがそれを制止。

翌朝エイミーはひどい二日酔いだったが、ジェフに説得され同行する事に。マティアスは別動隊のギリシャ人たちに地図を書き写し、浜辺に寝転ぶ彼らの頭の下に挟み込んだ。

彼ら4人とマティアス、ディミトリはバスで近くの町に出たが、ハインリヒと連絡がつかない。やむなく現地のタクシーで向かった。

 

タクシーが着いたのはジャングルの中で携帯電話は圏外。使えるのはマティアスが持っている衛星電話だけ。マティアスがハインリヒの車を見つけた。

6人が小川で休憩した際、遠い岩場から見つめるマヤ人に気づき、スペイン語で呼びかけたが無反応。途中で道がなくなりマティアスは悩むが、地図の通りの草むらをかき分けると、道を隠すようにカモフラージュされているだけだと発覚。ついに遺跡にたどり着いた。それは拓けた場所に建つツタに覆われた台形の大きな遺跡で、頂上にはハインリヒの物と思しき黄色いテントが見える。

彼らは写真を撮ったりして浮かれるが、そこに険しい顔をしたマヤ人たちが馬でやってきて、いきなり彼らを怒鳴り始める。しかし彼らの言葉はスペイン語でもなく、誰も理解できなかった。エミリーはマティアスに注意されてもやめずに写真撮影を続けていたが、遺跡に向かって後ずさるうちにマヤ人らが何かに気づいて激怒。ディミトリはエミリーからカメラを取り上げて彼らに渡そうとしたが、いきなり矢と銃で撃たれ死亡。パニックになった一行は逃げるように階段状になっている遺跡の外壁を登った。

 

頂上には黄と青の2張りの一人用テントがあり、あとは滑車とライトが付いた発掘機材のような物が立っていた。テントには誰もおらず、マティアスはハインリヒを探した。マティアスの衛星電話はディミトリが持っていたため、下に置きっぱなし。そうこうしているうちにマヤ人たちが続々集まり、野営をして見張るつもりのよう。

彼らは逃げるのを諦め、別動隊で来るギリシャ人たちを待つことに。その時、遺跡内部へと続く穴の中から携帯の着信音が聞こえてきた。

マティアスは、弟の衛星携帯に間違いないと言い、身体にロープを巻いて穴の底に降りていったが千切れて落下。惨い音が響いた。しかしうめき声が聞こえるので死んでいない様子。ジェフとエリックがロープの巻き上げを担当し、女性らに降りるよう頼んだ結果、ステイシーが行く事に。

ステイシーは何とか穴の底に着くが、ロープの長さが足りずに飛び降りて落ちていたガラス片で膝を切ってしまう。マティアスの命に別状は無いようだったが、背骨を損傷したようで体が全く動かせない。両膝は変な方向に曲がっていた。

穴の壁はびっしりとツタに覆われ、辺りからは凄まじい異臭がする。

 

一方頂上では、ジェフとエリックがテントを裂いてロープを継ぎ足し、担架を作ってマティアスを吊り上げて救出しようと準備を始める。しかしエイミーは無茶だと騒ぐばかりで、マヤ人を説得して助けてもらうと叫ぶと遺跡を降り始めてしまう。彼女はジェフが必死で止めようとする中、下手なスペイン語で説得を試みるが状況は変わらず。苛ついた彼女はツタをもぎ取って男たちに向かって投げつけた。

ツタはマヤ人の子供に当たり、子供は泣き出した。周囲の大人が彼に銃を向け、躊躇いなく発砲。2人はその様子を見て慌てて遺跡を駆け上がった。

マヤ人たちは自分らがツタに触れた事を怒っているらしいと気づく。穴の底で再び携帯が鳴りだした。ステイシーが辺りを探すも光量が足らず見当たらない。

 

間もなく担架が出来てエマティアスは助け出された。彼らはテントや荷物の中から鎮静剤と毛布を探してマティアスに与え、手回しの発電機で穴のライトを点ける。その際エイミーはハインリヒのリュックから車のキーを見つけた。夜になり男性2人が交代で見張りに立つことに。

 

翌朝、ツタには不気味な赤い花が咲き、ジェフはツタの中に腕時計と朽ちた死体を見つける。また、テントで寝ていたステイシーの傷にツタが入り込み、外で担架に固定されていたマティアスの下半身もツタで覆われていた。一同はパニックになり、必死になってツタを剥がした。

その時再び、穴の底の携帯が鳴りだす。ジェフはエイミーとステイシーに松明を持たせ、穴の底を探索するように指示した。2人は怯えながら着信音を頼りに奥へと進んでいく。

2人はようやく人らしきものを見つけて声を掛けたが、それは干からびた女性の遺体。その手には携帯電話が握られていたが壊れている。しかし着信音は止まない。実はこの音を出していたのはツタの花だった。それに気付くと同時、ツタはまるで動物のように動きだし、2人に襲いかかる。何とかぎりぎりのところで脱出に成功。

エリックはマヤ人の目を盗んで何とか逃げだそうと提案するが、ジェフはアメリカ人が4人も失踪すれば誰かしら助けに来ると現状維持を押し通す。

 

翌朝、4人は残りの食料を一口ずつ食べたが、マティアスは水を含むのがやっとの状態。ステイシーはツタが体内に残って動いてると訴えている。

ジェフはマティアスの足を切らなければ敗血症で死ぬと言い出し、エリックやエミリーと対立。それを聞いていたマティアス本人が両足切断を望んで処置を行うことに。ジェフはエリックに押さえつけさせ、まず骨を砕くために石を叩きつける。次にナイフで足を切り落とすと、熱したフライパンで傷口を焼いた。その横でツタが動き出し、マティアスのそばに転がる切断された足を持ち去って行く。4人はただ愕然とその様子を見ていた。

その夜のステイシーは、テントにこもって携帯を開け閉めしては泣くばかり。懸命に励ましていたエリックは諦めて外に出た。外にはエミリーがおり、彼は泣いている彼女を慰めるため抱き寄せる。しかし、テントで横になっていたステイシーは泣き声をあえぎ声と勘違いし、寄り添う2人を見て浮気をしたと思い込む。3人が揉めているのに気付いたジェフが駆けつけた。エミリーがマティアスと浮気したと聞いて彼の方を見た瞬間、マティアスがツタに襲われている事に気づき駆け寄る。ツタは身動きできないマティアスの口や鼻から体内に這い込んでいて、懸命に引きずり出したものの絶命。

ステイシーは、ツタが体の中にいると叫んでナイフを取り上げ、自分の体を切ろうとしたがエリックが止めに入った。

すると周囲にあったツタの花が一斉に震えて彼女の声マネを始める。ツタが体の中にいる。ツタが体の中にいる。一同は耳を塞いだ。

 

翌朝エミリーは、マティアスとは何も無かったと言い出し、そんな事を言っている場合かとジェフに諭された。

テントから出てきたエリックが2人を呼ぶ。ステイシーの体の中には本当にツタが入り込んでおり、腰や腿の皮膚の下で線虫の様に蠢いていた。ジェフは焼いたナイフで彼女の太腿と腰を切開し、ツタの切れ端を掴み出した。それでも彼女はまだ頭の中にいる気がすると訴えたが、ジェフはもういないとなだめた。

しかしその晩、3人はステイシーが酒を飲んだとき、彼女の額の下で動くツタを見てしまった。3人とも目を逸らしたがエミリーは察する。

 その後4人はテントで眠り、ステイシーだけが起き上がった。彼女はよろよろと表に出るとナイフを手にする。その瞬間、花が「切らないと」と囁き始めた。

3人はステイシーのうめき声で目覚め、外で自らの顔や身体を切り刻んでいる彼女を止めようと近づく。しかし彼女は切るのを止めず、手を差し伸べたジェフは振り向きざま手の平を切られた。その後エリックは同じムーブで胸を刺され、息絶える。そしてエリックの遺体はツタに引きずられ始めた。

ステイシーはエイミーの腕に抱かれながら、殺してと懇願。ジェフはエリックの胸に突き刺さったナイフを抜き、2人にゆっくりと近づく。

 

ジェフが囮となってエミリーを逃がす作戦を決行することにした。エミリーにステイシーの血を塗りつけ、車のキーを渡し、後ろを振り向かずに全力で走れと言い聞かせる。間もなくジェフは血だらけでぐったりしたエミリーを抱えて遺跡を降り、彼女を地べたに降ろすとキスをした。マヤ人も多少は心打たれている様子。

そして彼女からゆっくりと遠ざかりながら、自分の半生をマヤ人らに英語で語りかけた。彼の動きに合わせ、マヤ人はぞろぞろとついて歩いて武器で威嚇する。ジェフがエイミーと叫んだ瞬間、男たちはジェフに弓矢を放ち、エイミーは起き上がって森に走り出した。

エイミーはすぐ追われ始めた。

数本の矢に射抜かれたジェフは、自分を見下ろすマヤ人のリーダーを見つめる。ツタがゆっくりと彼に這い寄っていた。リーダーはツタがジェフに触れる寸前に彼を射殺。

その銃声を聞いたエイミーは一瞬立ち止まるが、弾や矢が飛んでくるのですぐに走り出した。彼女はハインリヒのジープに辿り着き、なんとか追手をまくことに成功。

 

ディミトリの仲間のギリシャ人2人が、遺跡を発見。大声でディミトリを呼びながら近づいて行く。

感想

思ってたのと違う。食人草なんてタイトルなのにツタが実際に人を食べるようなシーンは無い。一応ツタが体に入り込むシーンはあるのだが、これは食べていると言えるのだろうか。僕が期待していた、体が溶かされるといったシーンは見受けられない。

もっと現実的というか、ツタの生態が徐々に明らかになるような作品を想定していた。実際はホラー映画の幽霊が植物に置き換わったようなもので、植物である必要性は感じられなかった。植物が振動して声真似するのはさすがにやり過ぎ。

植物よりも銃を持ったマヤ人の方が怖くなってしまっている。序盤は植物が危険であることを知らないのだからマヤ人の方を恐れるのは分る。ただ本作は逃げられない理由を全てマヤ人に投げているので、ラスボスが常にマヤ人のまま。

遺跡の設定も生かせているとは思えない。内部にいる時間がやけに短く、これも想像と異なっていた点。まさかほとんどの時間をただ上で過ごすだけとは。

あと生き残りの人選が嫌。一番役立たずでトラブルメーカーなエイミーが生き残ったので胸糞悪い。浮気するわ、軽率な行動でディミトリ死なせるわ、これといって活躍しないわでろくな奴じゃ無い。

ここまで長々と悪い点を挙げてきたが良い点もある。グロテスクなシーンをしっかりと写していたので好感が持てた。マティアスの両足切断はなかなかの見応え。あとはステイシーが自分の体を切りつけるとこ。射殺シーンもわざわざカメラが死体に寄ってて良い感じ。

コメディの要素は薄いんだけど、意図してない面白さがちょくちょくある。マティアスの両足が引き込まれていくのはシュールだったし、ステイシーの額の下で動くツタを見て見ぬふりするシーンは間がお笑いのそれ。何よりエリックが死ぬシーン。直前に止めに入ったジェフが手のひらを切りつけられ、同じように止めに入ったエリックが胸を刺される。テンポ良く天丼芸みたいな光景が広がった。

わざわざ買ってまで観る程の作品では無いが、借りて観るなら普通にありって感じ。

パラサイト・バイティング(字幕版)

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  • 発売日: 2014/07/01
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連続殺人犯の日常 映画『ヘンリー』ネタバレあらすじと感想

ヘンリー

コメディ度:2/10

グロ度:3/10

感動:1/10

リアリティ:7/10

人に勧めやすいか:4/10

満足度:8/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1986年製作/アメリカ/上映時間83分
原題:Henry: Portrait of a Serial Killer
配給:ケイブルホーグ

監督:ジョン・マクノートン

製作:ジョン・マクノートン、リサ・デドモンド、スティーブン・A・ジョーンズ

製作総指揮:ワリード・B・アリ、マリク・B・アリ

脚本:リチャード・ファイア、ジョン・マクノートン

撮影:チャーリー・リーバーマン

音楽:ロバート・マクノートン、ケニー・ヘイル

編集:エレナ・マガニーニ

出演:マイケル・ルーカー、トム・トウルズ、トレーシー・アーノルド、カム・ヘスキン

あらすじ

ヘンリーは服役中に知り合ったオーティスと共同生活しながら、定職に就かず自由な生活を送っていた。ただ彼が他人と違うのは日常的に殺人を行っていたこと。ある日、オーティスの妹ベッキーが彼らの生活に加わり、オーティスとヘンリーの関係に問題が生じる...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

全裸の女性遺体が野原に横たわる。


舞台は切り替わりどこかのカフェ。ヘンリーは会計を済ませて店から出ていった。


バーで老夫婦が頭から血を流して倒れている。


ヘンリーは車を走らせる。


ホテルの一室、バスルームに女性の死体。顔には割れたガラス瓶が突き刺さっている。


ヘンリーはタバコをふかした。


どこかの湖畔、服のはだけた女性が浮いている。


ヘンリーは駐車場に入ると、1人の女性に目を付け彼女の車を追いかけた。彼女は家に到着。旦那が出迎えるのを見たヘンリーは悔しそうに引き返した。帰る道中、ギターを抱えた女性ヒッチハイカーを乗せる。

 

空港のベンチにベッキーが座る。兄オーティスは彼女を迎えに来た。彼女はリーロイという男性と結婚したが別居、娘を母に預けて自身は金を稼ぐため、都会に住むオーティスを頼った。オーティスはヘンリーと暮らしている。

オーティスとベッキーが居間で話しているとヘンリーが帰ってきた。彼はベッキーの同居を快諾すると、ヒッチハイカーから奪ったギターを拾ったと偽ってオーティスにプレゼント。こうして、ヘンリー、オーティス、ベッキーの3人の同居生活が始まる。

 

ひょんなことから駆虫薬の噴霧器を手にしたヘンリーは、それを持って害虫駆除の仕事を請け負う振りをし、モールで目をつけた女性宅を訪問すると殺害。遺体にはコードで首を絞められた痕跡があり、いくつもの根性焼きの跡が残っていた。

 

オーティスは出所後、ガソリンスタンドで働いていた。保護観察官との面会も行なっており、すっかり更正した様子。

 

ある日、ベッキーはオーティスにヘンリーとの出会いを聞いた。オーティスは刑務所だったと答える。ヘンリーの前科を聞きたがるベッキーにオーティスは「母親と愛人をバットで殴り殺した」と話す。絶対に俺から聞いたというなと念を押した。

 

夕食後、オーティスは所用で家を空けた。2人きりになったヘンリーとベッキーは、彼女の提案でトランプをし始める。その際、彼女は彼の兄弟の話を聞いた。
ヘンリーには骨格異常で成長できず、幼くして死んだ弟がいた。
その話を聞いたベッキーは、自分が13歳の時に父親から性的虐待を受けたことを告げ、父から逃げるために結婚したと告白。
ベッキーはヘンリーに、過去の罪について尋ねた。ヘンリーは母親殺しを認める。彼の父はトラック運転手をしていたが両足がなくなってしまった。だからそれからは母が売春して生計を立てていたのだがやり方が悪かった。父親がいてもお構いなしに男性を連れ込み、行為をヘンリーに見せつける。幼いヘンリーに女装させて客とそれをみて笑うのが茶飯事だった。だから彼はナイフで刺し殺したと言った。
互いの内心を打ち明けた2人は意気投合。
但し、一点だけ不可解なことがあった。母親の殺害方法を、オーティスからは「バットで殴った」とベッキーは聞いていた。ヘンリーは最初「刺した」と言うが、直後「14歳の誕生日の夜、撃ち殺した」と告白。
彼はまるで殺しかたを覚えていないように発言がコロコロ変わる。

 

ベッキーは、美容院のシャンプー係の仕事に就いた。ベッキーはそれをヘンリーとオーティスに報告し、ふたりも祝福。

新しいTシャツを購入したとベッキーが言うと、オーティスはシャツを着てみろと言った。ベッキーはふたりに後ろを向くように告げ、着替えてみせるがオーティスがベッキーに無理やりキスした。それを見たヘンリーは激怒。

ヘンリーとオーティスが険悪になったため、ベッキーは外へ飲みに行くよう勧める。2人は、言われた通りにした。


出かけたヘンリーとオーティスは売春婦2人と交渉し、車中へと連れ込んだ。茂みに車を停めて行為に及んでいるとヘンリーが躊躇いなく女性を殺害。驚くオーティスを横目に、ヘンリーはオーティスの相手も殺す。
ショックを受けるオーティスをヘンリーはたいそう気に掛けた。オーティスは以前、意味あって人を殺して捕まっていた。ヘンリーはそれとおんなじだと言う。ヘンリーの説得があってオーティスは折り合いを付けた。

 

家のテレビが映らなくなったので、オーティスとヘンリーは買い物に。
盗品を扱う倉庫へ行った2人は、カラーテレビを希望するが店主がふっかける。さらに店主からビデオカメラを勧められたものの高くて手が出ない。何も買わずに出ようとすると店主がこんなに説明させて何も買わないのかとヘンリーを煽った。
大人しく帰ろうとしたヘンリーはこの発言に気分を害し、店主の腹部に電源プラグを突き刺す。オーティスはコードで店主の首を締めた。2人はとどめにテレビを頭にかぶせ、感電死させる。スッキリとしたオーティスは大興奮。

 

カラーテレビもビデオカメラも持ち帰り、オーティスはベッキーを撮影。撮影しながらオーティスは、ヘンリーとベッキーにキスさせた。2人がカメラの前でキスすると、もっと長くと煽り始める。ヘンリーは気を悪くし撮影を止めた。

 

後日オーティスが高校生にドラッグを売った際、彼の太ももに触れた。その瞬間、高校生はオーティスの顔を殴り、逃げ出してしまう。

家に帰ったオーティスは高校生を絶対に殺すと激昂していた。ヘンリーはそんなオーティスに銃を与える。しかし、高校生を殺すと足が付くと忠告し、別の人間を殺すことを薦めた。
人を殺しに行こうとオーティスを車に乗せたヘンリーは、車道で立往生している振りを装って親切な若者を引き寄せた。そうしてオーティスに銃殺させる。彼は3発発砲してすっきりした。
ヘンリーはオーティスに毎回手口を変えることで、連続殺人犯でないように見せかけることができると教える。銃を使う場合は同じものを使わずにその都度変えることを助言した。
さらに場所を変えるのも重要だという。彼は近いうちにオーティスの家を出ることを告げ、一緒に来ないかと誘ったが保護観察官がついている彼は躊躇った。

 

以来、ヘンリーとオーティスは2人組で殺人を犯し、その様子を撮影する趣味にはまっていった。オーティスが殺人を喜んで行なっている一方、ヘンリーは作業のように行なっている。あるときは屋敷に押し込み、旦那を拘束して奥さんを弄んだ。それを目撃した息子をも殺害。

 

ベッキーは電話で夫のリーロイが殺人の罪で刑務所に入ったことを知る。彼女は娘と会いたいと思い始め、一緒に来ないかとヘンリーを誘った。ヘンリーは曖昧に答えたあと、彼女を食事に誘う。


帰宅すると、オーティスが酔って寝ている。
それを見たベッキーはヘンリーに迫った。いざ始まるといったタイミングでオーティスが起床。2人の様子を見ていた。

それに気づいたヘンリーは冷静になるため、買い物に行ってくると言って出ていってしまった。

 

戻ってくるとオーティスがベッキーに襲いかかっていた。

ヘンリーは即座にオーティスに組掛かる。2人は揉み合いになり、オーティスが有利になった。それを見たベッキーがオーティスの右目に櫛を突き刺す。ヘンリーはその櫛を手に取り、オーティスの腹部を何度も刺した。

初めて人を殺して混乱するベッキーにヘンリーは考えさせろと一瞥。

ヘンリーはバスルームでオーティスの遺体をばらばらに切断すると黒い袋に入れた。そしてそれを車で運び、橋の真ん中から川に投げ捨てる。


ベッキーを連れて町から逃げることに。行き先はヘンリーの姉がやっている牧場。
途中ヘンリーとベッキーはモーテルに泊まる。

 

翌朝、ヘンリーはひとりでモーテルを出てきた。

田舎道で車を止めたヘンリーはトランクからベッキーのスーツケースを取り出すとそれを置いて去っていく。

スーツケースには、血痕が付いていた。

感想

実在した連続殺人犯ヘンリー・リー・ルーカスの日常を描いた作品。彼は幼少期から母親に虐待を受けており、それが原因で歪んだ価値観を持つようになったのだが、本作においてその要素は大きく削られている。それによりヘンリーに対する同情が湧くのを抑えているように感じた。ヘンリー・リー・ルーカス - Wikipedia

ヘンリーが何を考えているのか分らない。ベッキーを殺すのはもちろんだが、他の殺人においても動機がまるで無いかのよう。ただ獲物探しをしているシーンから見るに彼は美人を殺したいようだ。

それに殺しを楽しんでいる様子もうかがえる。倉庫の店主を殺す際はわざわざテレビを頭に被せて感電死させているうえ、一家を襲ったシーンではヘンリーの物とおぼしき笑い声が入っていた。確かに日常的に殺人を行っているが、彼にとっても特別な行いという意識はあったのではないだろうか。

序盤こそヘンリーの異端さに目が行くが、オーティスの前で殺人を犯してからは2人のブロマンスじみた展開が始まる。師弟関係の様な奇妙な構図。因みに実在の2人は肉体関係のあるカップルだったらしい。

他の映画ならここら辺で警察の邪魔が入るだろうが本作でそういった展開は見られない。僕はたとえどんな悪人が主人公の作品でも、主人公に肩入れして鑑賞するので、本作を大変気に入った。欲望のままに突き進む2人の悪行は不謹慎だが痛快に思える。

作中でヘンリーは母親を撲殺した、刺殺した、銃殺したと話す度に別のことを言っていたが、あれはどういう意味だったのだろうか。話したことを覚えていないのか、殺し方を本当に忘れているのか。

僕はあえて毎回嘘を言っていたのだと思う。彼の矛盾した発言は他にもある。ベッキーを連れて町を出たあと、姉の営んでいる牧場を目指すと言っていた。しかし、彼は以前家族について聞かれた際に、弟がいたとだけ話している。これは明らかにおかしい。さらに実在のヘンリーには虚言癖があったらしく、それを踏まえて考えるに彼の嘘だったというのが妥当。一般的な考えだが、本当に大切な人に対してそんな嘘はつかないのではないだろうか。だとするとヘンリーは最初からベッキーを殺す気だったのではと勘ぐってしまう。

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ゾンビパウダー求めてハイチに降り立つ 映画『ゾンビ伝説』ネタバレあらすじと感想

ゾンビ伝説

コメディ度:1/10

グロ度:3/10

感動:2/10

リアリティ:4/10

人に勧めやすいか:6/10

満足度:7/10

目次

www.youtube.com

作品情報

1988年製作/アメリカ/上映時間98分
原題:The Serpent and the Rainbow

監督:ウェス・クレイブン

製作総指揮:ロブ・コーエン、キース・バリッシュ

脚本:リチャード・マクスウェル、アダム・ロッドマン

原作:ウェード・デイビス

音楽:ブラッド・フィーデル

撮影:ジョン・リンドリー

編集:グレン・ファー

出演:ビル・プルマン、キャシー・タイソン、ゼイクス・モカエ、ポール・ウィンフィールド、ブレント・ジェニングス

あらすじ

学者のデニスは製薬会社から依頼を受け、ゾンビを作り出す方法を求めハイチを訪れる。秘密警察が闊歩する中、デニスはやっとのことで人をゾンビに変える薬を手に入れたのだが...。

ストーリー

以下ネタバレあり

 

 

 

この話は実話から着想を得ている。


1978年ハイチ。職人が棺桶を赤く塗っていると、銃を持った数人の男がやって来て奪い去っていった。棺桶は船に乗せられてどこかに運ばれる。
その晩、病院の前に骸骨姿の彼らが現れると、先ほどの棺桶に火を着けて放置。
病院ではクリストフが臨終した。医者は目の下に針を刺し、反応がないことから死亡を確認。
後日クリストフは埋葬された。彼の妹は何度も彼の名を呼び掛ける。棺桶の中でクリストフの遺体は涙を一粒溢していた。

 

1985年アマゾン。ヘリコプターに乗って、デニスがアマゾン一の霊媒師に会いに来た。霊媒師に渡された飲み物を飲むと彼は卒倒。ジャガーと戯れ、地面から生えた手によって地下に引きずり込まれる夢(幻覚?)を見た。
目を覚ました彼は森で倒れており、村に戻っても人気がない。ヘリに戻るとパイロットが座っていたが死んでおり、顔にはムシが這っている。
彼はとにかく遠くに逃げた。夢に出てきたジャガーの後を追うと村を発見。ジャガーは彼の守護精霊。

 

製薬会社のスクンバッカー教授に呼ばれてボストンに帰国したデニス。

スクンバッカーと製薬会社の会長はゾンビ化現象について話し始めた。ハイチでクリストフと言う男がが死んでから甦ったという。彼らはこの現象が未知の麻酔によるものだと考えていた。そして2人はデニスにゾンビを作り出す秘薬を持ってきて欲しいと依頼。

 

ハイチに降り立ったデニスは情報提供者のデュシャン医師と接触。彼女は自らの勤める病院に案内した。ハイチの治安はとても悪く、看護師の数も足りていないため病院はせわしない。

彼女はマルガリートという女性を紹介した。マルガリートは15年前に病死して埋められた記録があり、デュシャン曰くゾンビだそう。彼女の手はズタズタで傷が治らない様子。英語で話しかけても反応がなかったが、アマゾンで得た言語で話しかけると驚愕したような表情を浮かべた。

 

病院を後にし、ブードゥー教の神官でナイトクラブ経営者のルシエンに話しを聞きに行った。だが彼はクリストフのことを聞いても答えない。クラブに秘密警察のボスであるペイトロウがやってきた。彼は黒魔術を使う恥さらし、彼に注意しろとルシエンが言う。
ペイトロウは席に着くとコップをスプーンでリズミカルに叩きだした。するとダンサーが急に暴れ始める。ルシエンがダンサーに布を被せることで事態は収束。ペイトロウはその様子をにやにやと見つめていた。

 

翌朝、クリストフの村へ。村人はみんなクリストフに関して沈黙を貫いたが、彼の妹だけは墓地にいると教えてくれた。

その晩、デニスとデュシャンは墓地で彼を探す。デニスはゾンビの存在を信じておらず、デュシャンが病院の資金を集めるために流したデマだと考えている。しかし、クリストフが姿を見せた。彼は顔色こそ悪いものの英語を話す。

彼は死後、ボコールという霊界の番人にムチ打ちにされ、魂を抜かれた。その後、他人の夢の中に送り込まれて苦痛を与えられたという。

死人が生き返るはずが無い。2人は彼が死んだと思わされているのではと考えた。次の被害者を生まないようにと何が起きたのか聞いた。彼は皮膚から吸収される謎の粉のせいだと答えた。

 

翌朝、ホテルに帰ったデニスだったが部屋が荒らされているのに気づく。さらに廊下から刃物を持った人影が近寄って来ており、彼は即座にベランダから飛び降りて逃げ出した。
その後、デュシャンと共に結婚式の最中だったルシエンを問い詰めに行った。彼からパウダーを作っている人間について尋ねる。

彼らはルシエンの情報を元に酒場に赴き、モーツァルトと接触。粉などないと言う男だったがルシエンの名を出すと態度は急変。店の奥に連れていくとパウダーを見せ、500ドルで売り付けた。しかし、デニスはパウダーを信用せず疑う。するとモーツァルトは子羊を持ってきてパウダーを食わせた。子羊はすぐに死んだ。その際、デニスはこっそりと子羊の蹄に傷をつけ、金を払うのはゾンビになるのを見てからだと店を出た。

 

ホテルに戻れない彼は巡礼に紛れることに。多くの住民たちがロウソクを片手に山を登る。その晩、巡礼者らは森で野宿。デニスは白装束姿のゾンビの口から蛇が飛び出て彼の顔に噛みつく悪夢を見て飛び起きた。
翌朝到着したのはハイチの大聖堂。小さな滝のある美しい場所だった。デニスとデュシャンはそこの裏にある洞窟で愛し合った。

彼らが町に戻った頃、ハイチの情勢は大きく変わっていた。デモが過激化し、そこら中に秘密警察が溢れている。デュシャンと車に乗っていたデニスだったが、彼だけ下ろされると署に連行された。署ではペイトロウから尋問を受ける。ペイトロウはデニスがアメリカのスパイだと睨んでおり目的を尋ね、多少脅してから解放。

 

翌朝、デニスとデュシャンは酒場に向かう。モーツァルトが見せたヤギには傷が付いていない。彼は粉が偽物だと気づき店を出た。モーツァルトは観念し、本物を作るから協力しろと言った。
その晩、彼らは墓荒らしに向かった。パウダーには新鮮な人骨が必要らしい。掘り起こした死体は彼が巡礼中に夢で見た白装束の女性だった。

 

デュシャンとデニスが家に戻ると秘密警察が待ち構えていた。デニスは拉致され、ペイトロウに拷問された。股間に釘を打たれる。
それ以上の事はされずに解放され、デュシャンの家の前に転がされた。彼はデュシャンの家で数日間の療養。諦めて帰るわけにもいかずモーツァルトに作り方を教わりにいく。

パウダーの素材は複雑で多様。新鮮な人骨、ヒキガエルの毒、毒性を増すためのとある海虫、フグ、あらゆる毒草や鉱物を焼いて粉末にして魔術をかける。作業は三日三晩続いた。そしてそれを遺体と共に埋める。

モーツァルトはデニスに、拷問を受けてまでなぜ製法を知りたがるんだと聞いた。今までは許せない奴がいると嘘をついていたが、今回は新たな麻酔薬の開発のためだと正直に答える。すると彼は自分の名前が世界に知られると思い喜んだ。

24時間後にまた来いと言われ、デニスはデュシャンの家に戻った。デュシャンと寝ていると、棺桶に入れられてペイトロウに埋められる悪夢を見て飛び起きる。横にいるデュシャンに話しかけるが、そこに彼女はおらず、首を切られたクリストフの妹が死体となって転がっていた。それに気づいて声をあげた瞬間、壁を蹴破って秘密警察が押し寄せる。彼は殺人事件の犯人に仕立てられてしまった。

再び署内の地下室に連行されたデニスは殺されるのを覚悟している。ペイトロウはその部屋で自慢げに今まで殺してきた魔術師達の魂が閉じ込められた壺を見せた。一通り話した後、何故かデニスは釈放されることに。ペイトロウは去り際、「今日は棺桶に入れられて埋められる夢を見ただろう。俺もそこにいたんだ。君が瞼を瞑る度、俺は目の前に現れる。」と脅した。
デニスは銃を突き付けられながら旅客機に詰め込まれる。飛行機のなかにはモーツァルトがおり、絶対に俺の名を広めろと言って粉を渡してくれた。

 

帰国したデニスは粉を分析にかける。ヒヒを使って実験したところ、腕に粉を塗ってから20分で死亡。しかし、脳の知覚や思考を司る箇所はその間も生きていた。そして12時間後に元通りになる。


ある日デニスは製薬会社の会長の家に成功を祝して招かれていた。デニスにはもやもやとした感情が残る。その頃ハイチでは儀式が行われていた。
会食の最中、彼はスープから朽ちた手が伸びる幻覚を見た。次いで会長の妻が乾杯の際にワイングラスを噛み砕いたと思いきや、ナイフを持ってデニスに襲いかかる。どこにいても逃げられないと分かった彼は再びハイチに飛んだ。

 

飛行機から降りてすぐに秘密警察に取り押さえられたが、彼らはルシエンの仲間で偽装しながら助け出してくれたのだった。
ルシエンによると、デュシャンは無事だそうだがモーツァルトが危ないらしい。デニスはルシエンのアジトで奴らの攻撃から身を守る装飾をしてもらった。これからの戦いはこの世では無く、魂での戦いだという。

その頃モーツァルトはペイトロウの指示のもと斬首されていた。ペイトロウがモーツァルトの血を飲み干す。それと同時、ルシエンが血を吐いて倒れた。口からはサソリが這い出て来る。そこに突如として1人の男が現れるとデニスの顔に粉を吹き掛けた。

デニスは病院に運ばれて医師から死亡宣告を受ける。彼には端から見て死んでいるものの意識があった。そこにペイトロウがやって来ると強引に身柄を引き取る。

ペイトロウはデニスに、「今夜デュシャンを斬首する」と言いながら棺桶にクモを入れ、墓地に埋めた。
しばらく経ち、デニスは生き返って悲鳴をあげる。それを聞き付けたクリストフが助けてくれた。

 

その頃、テレビで政権交代のニュースが流れて町中でデモが発生。秘密警察の地位が危うくなっている。

デニスは署に潜入し、デュシャンを助け出そうとした。署に入ると同時、ペイトロウに次々幻覚を見せられた。拷問椅子に追いかけられ、死んだはずのルシエンが首に掴みかかる。

何とか地下室に到達するも、さっきまで死んでいたデニスでは魔術の強化を受けたペイトロウに適わない。

ペイトロウの注意がデニスに向いた隙を突いて、デュシャンはルシエンの魂が閉じ込められた壺を破壊。壺から出た魂はデニスに乗り移った。デニスはこれによりパワーを得て、ペイトロウと互角以上に戦えるようになる。そして他の壺を破壊した。壺から出た魂は1つの大きな炎となってペイトロウを燃やし尽くす。2人は彼を倒したので、脱出しようとした。

途中で拷問部屋にある因縁の椅子を破壊しようとしていると、ペイトロウの霊が現れた。お前も地獄に道連れだとペイトロウが言うが、明らかに弱体化しておりデニスは彼をあっさり倒す。そして拷問椅子に座らせ、自分がやられたように股間に釘を打ち込んだ。ペイトロウは叫びながら地中に消えていく。
2人は署から脱出した。

感想

実話から着想を得たなんて言ってるけど本当にごくわずかだと思った。もちろんゾンビはクラシックゾンビなうえ、どちらかと言えばゾンビでは無くブードゥー呪術を取り扱ったような感じ。クラシックゾンビを題材にした映画ではゾンビが添え物になっていることが多くあったけど、本作はそれらに比べてもとっちらかった印象を受ける。

気になった点はまず最初の方、アマゾンでの話が説明不足に思える。アヤワスカを飲んでトリップしたかと思うと村人もパイロットも消えた。主人公が絶体絶命のピンチに陥って、面白くなりそうだと思ったら急に話がボストンへ。繋げ方が残念すぎた。

あと全体的にブードゥー教、特にペイトロウとの魔術が強力過ぎると感じたな。ゾンビの設定が現実的というかエセ科学で説明づけられている分、人を操ったり夢の中に侵入する魔術は浮いている気がする。特に製薬会社会長の嫁さんを乗っ取るのはやり過ぎ。そんなん出来たら何でもやれるじゃん。さらに終盤では魂が集まってペイトロウを燃やしたりと物体として現れ始めちゃうからなんか萎えた。

一番はペイトロウの目的が分らないこと。彼ほどの能力者なら誰を殺すのだって容易に思えるし、わざわざ他人を泳がせる理由が知れない。悪役として魅力が感じられなかった。

良かった点はゾンビについてそれっぽく説明していること。ゾンビの製法に着眼しているのでゾンビパウダーを作るシーンにはそれなりに詳しく描かれていた。パウダーを使う作品は数あれど、作る作品は珍しいのでは無いだろうか。パウダーで仮死状態になっているときに意識があると言う設定も気に入った。

本作を観てて既視感があるなと思ったんだけど「レイダース/失われたアーク」だな。構成が似ているように思えた。主人公が向こう見ずな学者、良い関係になる協力者女性、上手くいきそうになると入る邪魔、そして最後は超常現象。もちろん面白さやテンポの良さに圧倒的な差があるけどね。だとすると本作はアドベンチャー映画かな。ドキュメンタリーと巷で言われているけどそんな筈はない。

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